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公開番号2023077122
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-05
出願番号2021190283
出願日2021-11-24
発明の名称バルブ開閉システム
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F02D 17/00 20060101AFI20230529BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】排気スプロケットと吸気スプロケットとの間でチェーンがたわむことを抑制する。
【解決手段】バルブ開閉システムの動弁機構は、排気カム軸、吸気カム軸、及び可変動弁装置を備えている。排気カム軸は、排気スプロケットと共に回転し、排気バルブを開閉する。吸気カム軸は、吸気スプロケットと共に回転し、吸気バルブを開閉する。可変動弁装置は、排気スプロケットに対する排気カム軸の角度位置、及び吸気スプロケットに対する吸気カム軸の角度位置を調整する。バルブ開閉システムの制御装置は、チェーンテンショナ内のオイルの圧力が予め定められた規定圧力以下である場合に、たるみ防止処理を実行可能である。たるみ防止処理では、排気行程にある気筒の排気バルブの全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒の吸気バルブの全開タイミングよりも早くなることがないように、可変動弁装置を制御する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
複数の気筒、吸気通路を開閉する吸気バルブ、排気通路を開閉する排気バルブ、及びクランク軸を有する内燃機関と、
前記クランク軸の回転に基づきオイルを吐出するオイルポンプと、
前記吸気バルブ及び前記排気バルブを動作させる動弁機構と、
前記クランク軸の駆動力を前記動弁機構に伝達するチェーン機構と、
前記動弁機構を制御する制御装置と、
を備えるバルブ開閉システムであって、
前記チェーン機構は、
前記クランク軸に固定された駆動スプロケットと、
前記駆動スプロケットからの駆動力が伝達される第1従動スプロケットと、
前記駆動スプロケットからの駆動力が伝達される第2従動スプロケットと、
前記駆動スプロケット、前記第1従動スプロケット、及び前記第2従動スプロケットの順に走行するチェーンと、
揺動可能な揺動ガイドと、
前記オイルポンプから供給されるオイルの圧力により、前記チェーンにおける前記駆動スプロケット及び前記第1従動スプロケットの間の部分に、前記揺動ガイドを押し付けるチェーンテンショナと、
を有し、
前記動弁機構は、
前記第1従動スプロケットと共に回転し、前記排気バルブを開閉する第1カム軸と、
前記第2従動スプロケットと共に回転し、前記吸気バルブを開閉する第2カム軸と、
前記第1従動スプロケットに対する前記第1カム軸の角度位置、及び前記第2従動スプロケットに対する前記第2カム軸の角度位置の少なくとも一方を調整する可変動弁装置と、
を有し、
前記制御装置は、
前記チェーンテンショナ内のオイルの圧力が予め定められた規定圧力以下である場合に、たるみ防止処理を実行可能であり、
前記たるみ防止処理では、排気行程にある気筒の前記排気バルブの全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒の前記吸気バルブの全開タイミングよりも早くなることがないように、前記可変動弁装置を制御する
バルブ開閉システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ開閉システムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1の車両は、内燃機関のクランク軸の駆動力を伝達するためのチェーン機構を備えている。このチェーン機構は、駆動スプロケット、2つの従動スプロケット、チェーン、揺動ガイド、及びチェーンテンショナを備えている。また、車両は、チェーンテンショナ内にオイルを供給するためのオイルポンプを備えている。駆動スプロケットは、内燃機関のクランク軸に連結している。駆動スプロケットは、クランク軸と一体回転する。一方の従動スプロケットは、内燃機関の吸気カム軸に連結している。他方の従動スプロケットは、内燃機関の排気カム軸に連結している。チェーンは、駆動スプロケット及び2つの従動スプロケットに巻き掛けられている。揺動ガイドは、チェーンの近傍に位置している。揺動ガイドは、内燃機関に対して揺動可能になっている。チェーンテンショナは、揺動ガイドを、チェーンへと押し付けている。すなわち、チェーンテンショナは、揺動ガイドを介して、チェーンに張力を与えている。オイルポンプは、クランク軸の回転に基づきオイルを吐出する。そして、オイルポンプから吐出されたオイルは、チェーンテンショナ内に作動油として供給される。チェーンテンショナは、供給されたオイルの圧力に応じた力で、揺動ガイドをチェーンに押し付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-109237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような車両において内燃機関が駆動しているときには、各カム軸が回転してバルブを開閉させる。したがって、各従動スプロケットには、バルブからの反力がカム軸を介して作用する。このとき、チェーンに十分な張力が作用していないと、バルブからの反力に抗することができず、従動スプロケットの回転速度が変化することがある。仮に、2つの従動スプロケットの間で回転速度に差が生じると、両従動スプロケットの間でチェーンにたるみが生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのバルブ開閉システムは、複数の気筒、吸気通路を開閉する吸気バルブ、排気通路を開閉する排気バルブ、及びクランク軸を有する内燃機関と、前記クランク軸の回転に基づきオイルを吐出するオイルポンプと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブを動作させる動弁機構と、前記クランク軸の駆動力を前記動弁機構に伝達するチェーン機構と、前記動弁機構を制御する制御装置と、を備えるバルブ開閉システムであって、前記チェーン機構は、前記クランク軸に固定された駆動スプロケットと、前記駆動スプロケットからの駆動力が伝達される第1従動スプロケットと、前記駆動スプロケットからの駆動力が伝達される第2従動スプロケットと、前記駆動スプロケット、前記第1従動スプロケット、及び前記第2従動スプロケットの順に走行するチェーンと、揺動可能な揺動ガイドと、前記オイルポンプから供給されるオイルの圧力により、前記チェーンにおける前記駆動スプロケット及び前記第1従動スプロケットの間の部分に、前記揺動ガイドを押し付けるチェーンテンショナと、を有し、前記動弁機構は、前記第1従動スプロケットと共に回転し、前記排気バルブを開閉する第1カム軸と、前記第2従動スプロケットと共に回転し、前記吸気バルブを開閉する第2カム軸と、前記第1従動スプロケットに対する前記第1カム軸の角度位置、及び前記第2従動スプロケットに対する前記第2カム軸の角度位置の少なくとも一方を調整する可変動弁装置と、を有し、前記制御装置は、前記チェーンテンショナ内のオイルの圧力が予め定められた規定圧力以下である場合に、たるみ防止処理を実行可能であり、前記たるみ防止処理では、排気行程にある気筒の前記排気バルブの全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒の前記吸気バルブの全開タイミングよりも早くなることがないように、前記可変動弁装置を制御する。
【0006】
上記構成において、排気バルブが全開状態になってから全閉状態になるまでは、第1カム軸に正のトルクが作用する。同様に、吸気バルブが全開状態になってから全閉状態になるまでは、第2カム軸に正のトルクが作用する。仮に排気バルブが全開状態になるタイミングが、吸気バルブが全開状態になるタイミングよりも早いとする。この場合、排気バルブが全開状態になってから吸気バルブが全開状態になるまでの期間は、第1カム軸に作用する正のトルクが、第2カム軸に作用する正のトルクよりも大きくなる。このとき、チェーンテンショナがチェーンに適切な張力を付与していないと、第1従動スプロケットの回転速度が第2従動スプロケットの回転速度より大きくなる。その結果、第1従動スプロケットと第2従動スプロケットとの間でチェーンにたるみが生じる。
【0007】
上記構成によれば、チェーンテンショナ内のオイルの圧力が規定圧力以下である場合にはたるみ防止処理が実行される。そして、このたるみ防止処理により、上述したようなチェーンにたるみが生じやすくなるバルブの開閉タイミングが禁止される。したがって、チェーンテンショナ内のオイルの圧力が不足している場合でのチェーンのたるみは防げる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
車両の概略構成を示す概略図である。
内燃機関の概略構成を示す概略図である。
チェーン機構の正面図である。
チェーンテンショナの周辺構成の断面図である。
たるみ防止制御を示すフローチャートである。
排気先行状態においてバルブからカム軸に作用するトルクの変化を示す説明図である。
基準状態においてバルブからカム軸に作用するトルクの変化を示す説明図である。
吸気先行状態においてバルブからカム軸に作用するトルクの変化を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<車両の機械的構成>
以下、本発明の一実施形態を図1~図8にしたがって説明する。本発明のバルブ開閉システムは、内燃機関10、オイルポンプ39、動弁機構70、チェーン機構20、及び制御装置90を備えている。先ず、本発明のバルブ開閉システムが適用された車両100の機械的構成について説明する。
【0010】
図1に示すように、車両100は、動力の伝達経路として、内燃機関10、動力分割機構40、リダクション機構50、第1モータジェネレータ61、第2モータジェネレータ62、伝達機構66、ディファレンシャル67、及び複数の駆動輪68を備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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