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公開番号2023076968
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-05
出願番号2021190021
出願日2021-11-24
発明の名称拡散層
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人個人
主分類H01M 4/86 20060101AFI20230529BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】耐食性及び導電性に優れ、しかも、低コストな拡散層を提供すること。
【解決手段】拡散層は、導電性材料からなる多孔質の基材と、前記基材の一方の面に形成されたM-Ti酸化物(但し、Mは、Ti以外の3価又は5価の金属元素)を含む第1被膜と、前記基材の他方の面に形成された貴金属、2種以上の貴金属元素を含む貴金属合金、及び/又は、導電性を有する貴金属酸化物を含む第2被膜とを備えている。前記M-Ti酸化物は、MxTi1-xO2+α(但し、0.2≦x≦0.8、αは、電気的中性が保たれる値)で表される組成を有するものが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
導電性材料からなる多孔質の基材と、
前記基材の一方の面に形成されたM-Ti酸化物(但し、Mは、Ti以外の3価又は5価の金属元素)を含む第1被膜と、
前記基材の他方の面に形成された貴金属、2種以上の貴金属元素を含む貴金属合金、及び/又は、導電性を有する貴金属酸化物を含む第2被膜と
を備えた拡散層。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記M-Ti酸化物は、次の式(1)で表される組成を有する請求項1に記載の拡散層。

x
Ti
1-x

2+α
…(1)
但し、
Mは、Ti以外の3価又は5価の金属元素、
0.2≦x≦0.8、
αは、電気的中性が保たれる値。
【請求項3】
前記Mは、Nbである請求項1又は2に記載の拡散層。
【請求項4】
前記第1被膜の厚さは、30nm以上500nm以下である請求項1から3までのいずれか1項に記載の拡散層。
【請求項5】
前記第1被膜は、前記基材の一方の面の全部又は一部を被覆している請求項1から4までのいずれか1項に記載の拡散層。
【請求項6】
前記第2被膜は、Pt及び/又はAuを含む請求項1から5までのいずれか1項に記載の拡散層。
【請求項7】
前記第2被膜の厚さは、30nm以上500nm以下である請求項1から6までのいずれか1項に記載の拡散層。
【請求項8】
前記第2被膜は、前記基材の他方の面の90%以上を被覆している請求項1から7までのいずれか1項に記載の拡散層。
【請求項9】
前記基材は、チタン又はチタン合金からなる請求項1から8までのいずれか1項に記載の拡散層。
【請求項10】
固体高分子形燃料電池(PEFC)のガス拡散層、又は、固体高分子電解質膜(PEM)形水電解セルのガス拡散層として用いられる請求項1から9までのいずれか1項に記載の拡散層。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、拡散層に関し、さらに詳しくは、固体高分子形燃料電池(PEFC)のガス拡散層、固体高分子電解質膜形(PEM)水電解装置のガス拡散層などに用いられる拡散層に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
固体高分子形燃料電池は、電解質膜の両面に触媒を含む電極(触媒層)が接合された膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly,MEA)を備えている。MEAの両面にはガス拡散層(Gas Diffusion Layer, GDL)が配置され、さらにその外側にはガス流路を備えたセパレータ(集電体ともいう)が配置される。固体高分子形燃料電池は、通常、このようなMEAと、ガス拡散層と、セパレータからなる単セルが複数個積層された構造(燃料電池スタック)を備えている。このような燃料電池のアノード及びカソードに、それぞれ、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給すると、カソードにおいて水が生成すると同時に、電力を取り出すことができる。
【0003】
一方、PEM水電解装置は、固体高分子形燃料電池とほぼ同様の構造を備えているが、固体高分子形燃料電池とは逆の反応を起こさせるものである。すなわち、酸素極に水を供給し、電極間に電力を供給すると、水の電気分解が進行し、水素及び酸素を取り出すことができる。
【0004】
なお、PEM水電解装置において、ガス拡散層は、多孔質輸送層(Porous Transport Layer, PTL)とも呼ばれている。
本発明において「拡散層」という時は、これらの総称、すなわち、MEAの用途を問わず、MEAとセパレータとの間に挿入される部材の総称を表す。
【0005】
固体高分子形燃料電池及びPEM水電解装置において、電解質膜には、通常、ポリパーフルオロカーボンスルホン酸膜が用いられている。そのため、拡散層は、使用中に強酸性雰囲気に曝される。使用中に拡散層の表面が酸化され、電極(触媒層)やセパレータとの接触面に高抵抗層が形成されると、電極反応又は電解反応が阻害される。
【0006】
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、Ptコート多孔質チタンからなるPEM水電解セル用のアノードガス拡散層が開示されている。
同文献には、アノード側は電位が高いため、耐久性向上のために、チタンからなるアノードガス拡散層の表面をPtでコーティングする必要がある点が記載されている。
【0007】
非特許文献1に記載されているように、多孔質チタンの表面をPtでコーティングすると、アノードガス拡散層の耐食性が向上する。しかしながら、非特許文献1に記載の方法は、高価な貴金属(Pt)を用いているため、高コストとなる。
【0008】
また、アノードガス拡散層のPt被覆には、従来、メッキ法が用いられていた。しかしながら、メッキ法は、
(a)ウェットプロセスであるため、メッキしやすくするための前処理(例えば、表面を荒らす処理)や、洗浄などの後処理を含む多段階なプロセスが必要となる、
(b)高価な貴金属原料の利用率が低いために無駄が多く、高コストなプロセスである、
(c)多孔質Tiからなる基材の全面をPt被膜でくまなく覆い尽くすためには、Pt被膜の膜厚を1μm程度にする必要がある、
等の問題があった。
さらに、貴金属などの高価な材料の使用量を大幅に低減し、かつ、高コストなプロセスを用いることなく製造が可能な拡散層が提案された例は、従来にはない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
特集SPECIAL REPORTS、東芝レビュー、Vol.73、No.3(2018年5月)9-12、「PEM水電解用省貴金属電極」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、耐食性及び導電性に優れ、しかも、低コストな拡散層を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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