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公開番号2023076607
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-01
出願番号2023060953,2018206788
出願日2023-04-04,2018-11-01
発明の名称非水電解液二次電池
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人
主分類H01M 10/052 20100101AFI20230525BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】ハイレートサイクル後の充電回復容量が良好に維持されている非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る非水電解液二次電池は、無機フィラーと樹脂とを含む多孔質層、正極板、および負極板を備え、多孔質層は、ポリオレフィン多孔質フィルムの片面または両面に積層されており、ポリオレフィン多孔質フィルムは、一軸延伸フィルムであり、(i)前記正極版の正極活物質の界面障壁エネルギーと前記負極版の負極活物質の界面障壁エネルギーとの和が特定の範囲にあり、かつ(ii)前記多孔質層は、スクラッチ試験により測定された、TDにおける臨界荷重までの距離(T)と、MDにおける臨界荷重までの距離(M)との割合が特定の範囲にある。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
無機フィラーと樹脂とを含む多孔質層、正極板、および負極板を備え、
前記多孔質層は、ポリオレフィン多孔質フィルムの片面または両面に積層されており、
前記ポリオレフィン多孔質フィルムは、一軸延伸フィルムであり、
前記正極板および前記負極板を直径15.5mmの円盤状に加工し、濃度1MのLiPF

のエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート/ジエチルカーボネート溶液に浸して測定したときの、正極活物質の界面障壁エネルギーと負極活物質の界面障壁エネルギーとの和が5000J/mol以上であり、
前記多孔質層は、下記式(1)で表される値が、0.10~0.42の範囲にあり、
前記LiPF

のエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート/ジエチルカーボネート溶液における、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比は3/5/2であることを特徴とする、非水電解液二次電池。
|1-T/M|・・・(1)
(式(1)中、Tは、TDにおける0.1Nの一定荷重下でのスクラッチ試験における、臨界荷重までの距離を表し、Mは、MDにおける0.1Nの一定荷重下でのスクラッチ試験における、臨界荷重までの距離を表す)
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記正極板は遷移金属を含み、前記負極板は黒鉛を含む、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
【請求項3】
前記多孔質層に含まれる前記樹脂は、ポリオレフィン、(メタ)アクリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂および水溶性ポリマーからなる群より選択される1種類以上である、請求項1または2に記載の非水電解液二次電池。
【請求項4】
前記ポリアミド系樹脂がアラミド樹脂である、請求項3に記載の非水電解液二次電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、非水電解液二次電池に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池等の非水電解液二次電池は、現在、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末等の機器に用いる電池として広く使用されている。
【0003】
リチウムイオン電池を搭載する機器では充電器や電池パックに多種類の電気的保護回路を設け、電池を正常、安全に作動させる対策を施しているが、例えば、これら保護回路の故障や誤作動により、リチウムイオン電池が充電され続けると、発熱を伴う正負極表面での電解液の酸化還元分解や、正極活物質の分解による酸素放出、さらには負極における金属リチウムの析出が起こり、最終的に熱暴走状態に陥ることで、場合によって電池の発火や破裂を引き起こす危険がある。
【0004】
このような危険な熱暴走状態に至る前に電池を安全に停止させるため、現在ほとんどのリチウムイオン電池には、何らかの不具合で電池内部温度が上昇すると約130℃~140℃で多孔質基材に開いている細孔が閉塞するシャットダウン機能を有するポリオレフィンを主成分とする多孔質基材が、セパレータとして使用されている。
【0005】
一方、ポリオレフィンを主成分とする多孔質基材は、耐熱性が低いために、シャットダウン機能が作動する温度以上に曝されることで溶融し、その結果、電池内部で短絡が生じ、電池の発火や爆発を生じる虞があった。そこで、前記多孔質基材の耐熱性を改善する目的で、前記多孔質基材の少なくとも一面に、フィラーと、樹脂とを含む多孔質層を積層させたセパレータの開発が進められている。
【0006】
そのようなセパレータの一例として、特許文献1には、微粒子としてベーマイト(板状粒子)を含有する多孔質層で形成された電池用セパレータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2008-4438号公報(2006年1月10日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述のような従来技術には、ハイレートサイクル後の充電回復容量に関して改善の余地があった。
本発明の一態様は前記の問題点に鑑みてなされたものであり、ハイレートサイクル後の充電回復容量が良好に維持されている非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の構成を包含している:
<1>無機フィラーと樹脂とを含む多孔質層、正極板、および負極板を備え、
前記正極板および前記負極板を直径15.5mmの円盤状に加工し、濃度1MのLiPF

のエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート/ジエチルカーボネート溶液に浸して測定したときの、正極活物質の界面障壁エネルギーと負極活物質の界面障壁エネルギーとの和が5000J/mol以上であり、
前記多孔質層は、下記式(1)で表される値が、0.10~0.42の範囲にあることを特徴とする、非水電解液二次電池。
|1-T/M|・・・(1)
(式(1)中、Tは、TDにおける0.1Nの一定荷重下でのスクラッチ試験における、臨界荷重までの距離を表し、Mは、MDにおける0.1Nの一定荷重下でのスクラッチ試験における、臨界荷重までの距離を表す。)
<2>前記多孔質層は、ポリオレフィン多孔質フィルムの片面または両面に積層されている、<1>に記載の非水電解液二次電池。
<3>前記正極板は遷移金属を含み、前記負極板は黒鉛を含む、<1>または<2>に記載の非水電解液二次電池。
<4>前記多孔質層に含まれる前記樹脂は、ポリオレフィン、(メタ)アクリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂および水溶性ポリマーからなる群より選択される1種類以上である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の非水電解液二次電池。
<5>前記ポリアミド系樹脂がアラミド樹脂である、<4>に記載の非水電解液二次電池。
<1a>
無機フィラーと樹脂とを含む多孔質層、正極板、および負極板を備え、
前記多孔質層は、ポリオレフィン多孔質フィルムの片面または両面に積層されており、
前記ポリオレフィン多孔質フィルムは、一軸延伸フィルムであり、
前記正極板および前記負極板を直径15.5mmの円盤状に加工し、濃度1MのLiPF

のエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート/ジエチルカーボネート溶液に浸して測定したときの、正極活物質の界面障壁エネルギーと負極活物質の界面障壁エネルギーとの和が5000J/mol以上であり、
前記多孔質層は、下記式(1)で表される値が、0.10~0.42の範囲にあり、
前記LiPF

のエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート/ジエチルカーボネート溶液における、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比は3/5/2であることを特徴とする、非水電解液二次電池。
|1-T/M|・・・(1)
(式(1)中、Tは、TDにおける0.1Nの一定荷重下でのスクラッチ試験における、臨界荷重までの距離を表し、Mは、MDにおける0.1Nの一定荷重下でのスクラッチ試験における、臨界荷重までの距離を表す)
<2a>
前記正極板は遷移金属を含み、前記負極板は黒鉛を含む、<1a>に記載の非水電解液二次電池。
<3a>
前記多孔質層に含まれる前記樹脂は、ポリオレフィン、(メタ)アクリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂および水溶性ポリマーからなる群より選択される1種類以上である、<1a>または<2a>に記載の非水電解液二次電池。
<4a>
前記ポリアミド系樹脂がアラミド樹脂である、<3a>に記載の非水電解液二次電池。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、ハイレートサイクル後の充電回復容量が良好に維持されている非水電解液二次電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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