TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2023076513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-01
出願番号2023044629,2019161216
出願日2023-03-20,2019-09-04
発明の名称炉心計算方法、炉心計算プログラムおよび炉心計算装置
出願人原子燃料工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G21C 17/00 20060101AFI20230525BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】核燃料の多様化やプラント運用の高度化に対応した炉心計算であっても、合理的に効率よく炉心計算を行い、短時間に精度高く炉心パラメータを評価することができる炉心計算技術を提供する。
【解決手段】原子炉の炉心パラメータを評価するための炉心計算方法であって、異なる物理モデルに基づいて作成された第1の炉心計算プログラム、および第2の炉心計算プログラムを備え、第1の炉心計算プログラムに基づいて第1の炉心計算を行う第1の炉心計算工程と、第2の炉心計算プログラムに基づいて第2の炉心計算を行う第2の炉心計算工程と、第1の炉心計算結果と第2の炉心計算結果とを用いて、機械学習により相関モデルを形成するモデル化工程と、相関モデルに基づいて、第1または第2の炉心計算における評価結果から、第2または第1の炉心計算における評価結果を予測する予測プログラムを作成する予測プログラム作成工程とを備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
原子炉の炉心パラメータを評価するための炉心計算方法であって、
異なる物理モデルに基づいて作成された2つの炉心計算プログラムの一方を第1の炉心計算プログラム、他方を第2の炉心計算プログラムとして、
前記第1の炉心計算プログラムに基づいて第1の炉心計算を行う第1の炉心計算工程と、
前記第2の炉心計算プログラムに基づいて第2の炉心計算を行う第2の炉心計算工程と、
前記第1の炉心計算工程における評価結果と、前記第2の炉心計算工程における評価結果とを整理および保存する整理保存工程と、
前記第1の炉心計算工程における評価結果と、前記第2の炉心計算工程における評価結果とを用いて、機械学習により相関モデルを形成するモデル化工程と、
前記相関モデルに基づいて、前記第1の炉心計算における評価結果から前記第2の炉心計算における評価結果を予測する、または、前記第2の炉心計算における評価結果から前記第1の炉心計算における評価結果を予測する予測プログラムを作成する予測プログラム作成工程とを備えており、
前記予測プログラムに、所望する新しい燃料装荷パターンに対して行った前記第1の炉心計算による評価結果、または、前記第2の炉心計算における評価結果を入力することにより、前記第2の炉心計算による評価結果、または、前記第1の炉心計算における評価結果に相当する評価結果が出力されるように構成されていることを特徴とする炉心計算方法。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記第1の炉心計算工程、前記第2の炉心計算工程のいずれかが、複数の炉心計算工程から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の炉心計算方法。
【請求項3】
原子炉の炉心パラメータを評価するための炉心計算方法であって、
想定される燃料装荷パターンのそれぞれに対して、
相対的に近似が多い物理モデルに基づく炉心計算プログラムを第1の炉心計算プログラムとし、相対的に近似が少ない物理モデルに基づく炉心計算プログラムを第2の炉心計算プログラムとして、
前記第1の炉心計算プログラムに基づいて第1の炉心計算を行うと共に、
前記第2の炉心計算プログラムに基づいて第2の炉心計算を行った後、
前記第1の炉心計算で得られた評価結果と、前記第2の炉心計算で得られた評価結果とを整理および保存して、教師データとし、
前記教師データに基づいて、燃料集合体最高燃焼度分布を抽出して、データセットを作成し、その後、前記データセットに対して機械学習を行うことにより、2つの炉心計算に用いる炉心計算プログラムにおける相関関係を得て、相関モデルを形成し、
前記相関モデルに基づいて、前記第1の炉心計算における評価結果から、前記第2の炉心計算における評価結果を予測する予測プログラムを作成し、
前記予測プログラムに、所望する新しい燃料装荷パターンに対して行った前記第1の炉心計算による評価結果を入力することにより、前記第2の炉心計算による評価結果に相当する評価結果を出力させることを特徴とする炉心計算方法。
【請求項4】
前記機械学習が、多層ニューラルネットワークによる深層学習を用いて行う機械学習であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の炉心計算方法。
【請求項5】
原子炉の炉心パラメータを評価するための炉心計算プログラムであって、
異なる物理モデルに基づいて作成された2つの炉心計算プログラムの一方を第1の炉心計算プログラム、他方を第2の炉心計算プログラムとして、
前記第1の炉心計算プログラムに基づいて第1の炉心計算を行う第1の炉心計算ステップと、
前記第2の炉心計算プログラムに基づいて第2の炉心計算を行う第2の炉心計算ステップと、
前記第1の炉心計算ステップにおける評価結果と、前記第2の炉心計算ステップにおける評価結果とを整理および保存する整理保存ステップと、
前記第1の炉心計算ステップにおける評価結果と、前記第2の炉心計算ステップにおける評価結果とを用いて、機械学習により相関モデルを形成するモデル化ステップと、
前記相関モデルに基づいて、前記第1の炉心計算における評価結果から前記第2の炉心計算における評価結果を予測する、または、前記第2の炉心計算における評価結果から前記第1の炉心計算における評価結果を予測する予測プログラムを作成する予測プログラム作成ステップとを備えており、
前記予測プログラムに、所望する新しい燃料装荷パターンに対して行った前記第1の炉心計算による評価結果、または、前記第2の炉心計算における評価結果を入力することにより、前記第2の炉心計算による評価結果、または、前記第1の炉心計算における評価結果に相当する評価結果が出力されるように構成されていることを特徴とする炉心計算プログラム。
【請求項6】
前記第1の炉心計算ステップ、前記第2の炉心計算ステップのいずれかが複数の炉心計算ステップから構成されていることを特徴とする請求項5に記載の炉心計算プログラム。
【請求項7】
原子炉の炉心パラメータを評価するための炉心計算プログラムであって、
想定される燃料装荷パターンのそれぞれに対して、
相対的に近似が多い物理モデルに基づいて第1の炉心計算を行う第1の炉心計算ステップと、
相対的に近似が少ない物理モデルに基づいて第2の炉心計算を行う第2の炉心計算ステップと、
前記第1の炉心計算で得られた評価結果と、前記第2の炉心計算で得られた評価結果とを整理および保存して、教師データとする整理保存ステップと、
前記教師データに基づいて、燃料集合体最高燃焼度分布を抽出して、データセットを作成し、その後、前記データセットに対して機械学習を行うことにより、前記第1の炉心計算で得られる評価結果と前記第2の炉心計算で得られる評価結果の相関関係を得て、相関モデルを形成するモデル化ステップと、
前記相関モデルに基づいて、前記第1の炉心計算における評価結果から、前記第2の炉心計算における評価結果を予測する予測プログラムを作成する予測プログラム作成ステップと、
前記予測プログラムに、所望する新しい燃料装荷パターンに対して行った前記第1の炉心計算による評価結果を入力することにより、前記第2の炉心計算による評価結果に相当する評価結果を出力させるように構成されていることを特徴とする炉心計算プログラム。
【請求項8】
前記機械学習が、多層ニューラルネットワークによる深層学習を用いて行う機械学習であることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の炉心計算プログラム。
【請求項9】
原子炉の炉心パラメータを評価するために使用される炉心計算装置であって、
請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の炉心計算プログラムが搭載されており、
炉心計算に必要なデータを入力するためのデータ入力手段と、
入力されたデータに基づいて前記予測プログラムにより計算された結果を、炉心パラメータの評価値として出力するデータ出力手段とを備えていることを特徴とする炉心計算装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉の炉心計算技術、詳しくは、精度高い炉心計算を効率的に行う炉心計算方法、炉心計算プログラムおよび炉心計算装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
原子炉の炉心設計や炉心管理に際しては、燃料・炉心の安全性や経済性などを司る炉心パラメータを評価するための炉心計算が欠かせない。しかしながら、炉心に装荷される燃料集合体は数百体と非常に多く、炉心計算には多大の時間を要するため、従来は、一般的に、近似が多い物理モデルを用いた炉心計算プログラムにより評価されていた。
【0003】
具体的な一例としては、例えば、空間メッシュとして、PWRの場合には1/4燃料集合単位、BWRの場合には燃料集合体単位を採用し、中性子エネルギー群数は2群で、中性子拡散理論を採用し、核種燃焼計算についてはマクロ燃焼モデルを採用した炉心計算プログラムにより評価が行われていた。
【0004】
しかしながら、計算機能力の向上に伴い、近似が多い物理モデルを用いた炉心計算プログラムは非常に短時間で行うことができるようになった。一方、近年、核燃料の多様化やプラント運用の高度化が図られてきており、これに伴って、炉心計算において、空間やエネルギー等の離散化パラメータを精緻化し、近似が少ない高度な物理モデルを想定して、従来に比べて多種多様な炉心パラメータを高い精度で評価する炉心計算プログラムの開発が行われている(例えば、特許文献1、2および非特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-188384号公報
特開2008-51509号公報
【非特許文献】
【0006】
M.Tatsumi,A.Yamamoto,“Advanced PWR Core Calculation Based on Multi-group Nodal-transport Method in Three-dimensional Pin-by-Pin Geometry,”,J.Nucl.Sci.Technol.,40,pp.376-387(2003).
A.Yamamoto,A.Giho,T.Endo,”Recent developments in the GENESIS code based on the Legendre polynominal expansion of angular flux method,”,Nucl.Eng.Technol.,49,pp.1143-1156(2017).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような近似が少ない高度な物理モデルを適用した炉心計算プログラムには、次のような問題があった。
【0008】
即ち、多種多様な炉心パラメータを高い精度で評価するためには、計算が複雑になり、計算コストの増大化が避けられない。また、解析結果が得られるまでの計算時間が長くなって、計算の待ち時間が発生することにより、業務フローをスムーズに行うことができなくなり、迅速な結果が求められる場面に十分に対応することができない。
【0009】
特に、燃料装荷パターンを決定する炉心設計では、限られた時間内に、より最適化された燃料装荷パターンを探査して決定する必要があり、多くの燃料装荷パターンで炉心計算を行うことが求められる。
【0010】
しかし、多大な計算コストが掛かる精緻な炉心計算プログラムを使用するにしても、十分な評価結果を得るためには燃料装荷パターン数が少なすぎて、十分な検討が行えていないというのが現状であった。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
核融合炉
1か月前
個人
X線遮蔽具及びX線遮蔽セット
16日前
株式会社三幸
放射線遮蔽材組成物
2か月前
個人
直下型地震に耐え、放射線に耐えうる地上マンション
24日前
国立大学法人東北大学
放射線防護具
1か月前
北海道電力株式会社
シリコン油の処理方法
18日前
国立大学法人東京工業大学
テレスコピック型伸展ブーム
2か月前
三菱重工業株式会社
注水装置
1か月前
株式会社大林組
汚泥処理方法及び汚泥処理システム
2か月前
株式会社竹中工務店
放射線治療室
3か月前
未来工業株式会社
漏洩防止具及び漏洩防止具の設置構造
3か月前
個人
α崩壊による放射エネルギー利用型電源装置及び発電方法
2か月前
三菱重工業株式会社
試験装置及び試験方法
2か月前
華能核能技術研究院有限公司
高温ガス冷却炉吸収ボール落下駆動装置
15日前
日立GEニュークリア・エナジー株式会社
廃樹脂回収装置
1か月前
株式会社昭和冷凍プラント
トリチウム汚染水の処理装置及び処理方法
1か月前
三菱重工業株式会社
臨界防止方法および臨界防止装置
1か月前
三菱重工業株式会社
放射性物質の臨界管理方法および装置
16日前
東京電力ホールディングス株式会社
汚染水の放射性炭素除去方法および除去システム
28日前
三菱重工業株式会社
放射性物質の収納装置および保管方法
15日前
エックス-エナジー, エルエルシー
原子炉中性子反射体
15日前
太平電業株式会社
ブロックアイスの処理方法
1か月前
清華大学
高温ガス炉の吸引装置
1か月前
清華大学
高温ガス炉の流れ止め装置
1か月前
日立GEニュークリア・エナジー株式会社
フィルタベント装置
2か月前
日立GEニュークリア・エナジー株式会社
金属キャスク用バスケット
2か月前
株式会社プロテリアル
シンチレータ構造体およびシンチレータの評価方法
1か月前
株式会社日立製作所
放射性核種製造システムおよび放射性核種製造方法
1か月前
日立GEニュークリア・エナジー株式会社
原子力プラントの信頼性改善方法
2か月前
浜松ホトニクス株式会社
エネルギー線照射装置
1か月前
日立GEニュークリア・エナジー株式会社
保全工程管理装置及び保全工程管理方法
2か月前
三菱重工業株式会社
高レベル放射性物質処理システム及び高レベル放射性物質処理方法
17日前
日立GEニュークリア・エナジー株式会社
薬液注入配管および薬液注入配管の製造方法
2か月前
株式会社オーセンアライアンス
水処理システム及び水処理方法
1か月前
三菱重工業株式会社
制御棒案内シンブル固定装置、固定方法、並びに燃料集合体用上部ノズル
2か月前
株式会社東芝
放射性固体廃棄物の乾燥装置及びその方法
3か月前
続きを見る