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公開番号2023076356
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-01
出願番号2021189743
出願日2021-11-22
発明の名称エアバッグ用基布
出願人豊田合成株式会社
代理人個人
主分類B60R 21/235 20060101AFI20230525BHJP(車両一般)
要約【課題】環境への負荷の増大を抑制できて、かつ、リサイクル利用が容易なエアバッグ用基布を提供すること。
【解決手段】ガス非透過性を確保するために、コート剤を塗布されて形成される塗膜4を基材3の少なくとも片面に有する構成のエアバッグ用基布1。コート剤が、水性塗料である。基材が、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、あるいは、ポリプロピレン繊維を織成してなる織布から、形成される。塗膜が、水洗除去可能な設定とされる。20kPa差圧下における通気度を、3.0L/cm2/min未満、若しくは、フラジール法(JIS L 1096)における通気度を、3.0mL/cm2/sec未満に、設定されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ガス非透過性を確保するために、コート剤を塗布されて形成される塗膜を基材の少なくとも片面に有する構成のエアバッグ用基布であって、
前記コート剤が、水性塗料であり、
前記基材が、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、あるいは、ポリプロピレン繊維を織成してなる織布から、形成され、
前記塗膜が、水洗除去可能な設定とされて、
20kPa差圧下における通気度を、3.0L/cm
2
/min未満、若しくは、フラジール法(JIS L 1096)における通気度を、3.0mL/cm
2
/sec未満に、設定されていることを特徴とするエアバッグ用基布。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記塗膜が、架橋率を10%以下に設定されて、形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ用基布
【請求項3】
前記架橋率が、5%以下に設定されていることを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ用基布。
【請求項4】
前記架橋率が、3%以下に設定されていることを特徴とする請求項3に記載のエアバッグ用基布。
【請求項5】
前記水性塗料が、ポリビニルアルコール、水溶性ウレタン、水溶性ポリエステル、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、水溶性フェノール樹脂、ポリカルボン酸の少なくとも1つをベースとしていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエアバッグ用基布。
【請求項6】
前記水性塗料が、生分解性ポリビニルアルコールをベースとしていることを特徴とする請求項5に記載のエアバッグ用基布。
【請求項7】
前記塗膜が、架橋剤を用いた架橋反応により形成され、
前記架橋剤が、有機酸であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエアバッグ用基布。
【請求項8】
前記架橋剤が、クエン酸であることを特徴とする請求項7に記載のエアバッグ用基布。
【請求項9】
請求項1に記載のエアバッグ用基布を使用したエアバッグからの前記塗膜の除去方法であって、
前記エアバッグを、5~90℃の水に浸漬した状態で、1~1500rpmの攪拌速度で、1~90min攪拌することによって、前記塗膜を除去可能であることを特徴とするエアバッグからの架橋塗膜の除去方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス非透過性を確保するために、コート剤を塗布されて形成される塗膜を基材の少なくとも片面に有する構成のエアバッグ用基布に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、エアバッグ用の基布としては、ナイロン等のポリアミド繊維を織成して形成される基材の表面に、コート剤としてシリコン樹脂を塗布したシリコンコート布が、使用されていた。シリコンコート布は、耐熱性や耐久性に優れているものの、塗膜に使用されるシリコン樹脂の製造過程での二酸化炭素排出量が多く、環境への負荷が高かった。また、このようなシリコンコート布は、そのままではリサイクル不能であった。そのため、昨今では、シリコンコート布を使用したエアバッグのリサイクル性を向上させるために、廃車時等において、エアバッグスクラップ布から、シリコン塗膜を除去して、基材を構成しているポリアミド繊維と分離させ、基材をリサイクル使用することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001-180413公報
特開2018-172618公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の方法では、エアバッグスクラップ布をアルカリ液に浸漬させて、スクラップ布からシリコン塗膜を剥離させることにより、シリコン塗膜とポリアミド繊維とを分離させることから、アルカリ液の廃液処理が必要となって、環境への負荷が高かった。また、上記特許文献2に記載の方法では、エチレングリコール溶液にエアバッグスクラップ布を浸漬させて高温加熱することにより、基材を構成しているポリアミド繊維をエチレングリコール溶液に溶解させて、シリコン塗膜と分離させることから、回収したポリアミド樹脂の分子量が低下してしまい、エアバッグ用基布として再利用するのは困難であった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、環境への負荷の増大を抑制できて、かつ、リサイクル利用が容易なエアバッグ用基布を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るエアバッグ用基布は、ガス非透過性を確保するために、コート剤を塗布されて形成される塗膜を基材の少なくとも片面に有する構成のエアバッグ用基布であって、
コート剤が、水性塗料であり、
基材が、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、あるいは、ポリプロピレン繊維を織成してなる織布から、形成され、
塗膜が、水洗除去可能な設定とされて、
20kPa差圧下における通気度を、3.0L/cm
2
/min未満、若しくは、フラジール法(JIS L 1096)における通気度を、3.0mL/cm
2
/sec未満に、設定されていることを特徴とする。
【0007】
本発明のエアバッグ用基布では、基材の少なくとも片面に塗膜を形成するコート剤が、水性塗料から形成されており、単に水洗するだけで、基材から塗膜を除去可能であることから、塗膜成分を含んだ廃液処理が容易であり、環境への負荷の増大を抑制して、簡単に塗膜を基材から分離させることができる。そのため、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、あるいは、ポリプロピレン繊維からなる基材を、容易にリサイクル利用することができる。また、本発明のエアバッグ用基布は、20kPa差圧下における通気度を、3.0L/cm
2
/min未満、若しくは、フラジール法(JIS L 1096)における通気度を、3.0mL/cm
2
/sec未満に、設定されていることから、本発明のエアバッグ用基布を用いて製造したエアバッグは、十分なガス非透過性を確保できて、十分な乗員拘束性能を有することとなる。
【0008】
したがって、本発明のエアバッグ用基布は、環境への負荷の増大を抑制できて、かつ、リサイクル利用が容易である。
【0009】
また、本発明のエアバッグ用基布において、塗膜を、架橋率を10%以下に設定して、形成する構成とすれば、水洗時の基材からの分離が容易となり、さらに、架橋率を、5%以下、好ましくは、3%以下とすれば、一層基材からの分離が容易となり、水洗除去時の条件(水温、時間等)を緩和することができて、環境への負荷をより低減させることが可能となる。
【0010】
本発明のエアバッグ用基布において、水性塗料としては、ポリビニルアルコール、水溶性ウレタン、水溶性ポリエステル、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、水溶性フェノール樹脂、ポリカルボン酸の少なくとも1つをベースとすることが好ましく、具体的には、生分解性ポリビニルアルコールをベースとすれば、水洗後の廃液の処理に、特別な処理が不要となり、そのまま自然環境に流出させることが可能となることから、環境への負荷を一層低減させることができ、廃液の処理等が一層容易となって、好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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