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公開番号2023075878
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-31
出願番号2021201224
出願日2021-11-19
発明の名称紫外光測定装置
出願人学校法人 東洋大学
代理人
主分類G01J 1/02 20060101AFI20230524BHJP(測定;試験)
要約【課題】 紫外光を簡便かつ高感度に検出できる紫外光測定装置および当該紫外光測定装置を備えた紫外光源を提供する。
【解決手段】 紫外光の照射によって蛍光体が発する可視光または近赤外光の蛍光強度を測定し、あらかじめ作成した検量線を使って当該紫外光の強度に換算する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
紫外光の照射によって可視光または近赤外光の蛍光を発する蛍光体を当該蛍光を検出可能な光検出器の受光部と紫外光源との間の任意の位置、好ましくは光検出器の受光部に接するように設置し、当該紫外光の照射によって発生した可視光または近赤外光の蛍光の強度を当該光検出器を使って測定することによって当該紫外光を検出することを特徴とする紫外光測定装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
紫外光の照射によって可視光または近赤外光の蛍光を発する蛍光体と当該蛍光を検出するための光検出器を備えた紫外光測定装置において、当該紫外光が蛍光体に照射されることによって発生した可視光または近赤外光の蛍光の強度をあらかじめ作成した検量線を使って当該紫外光の強度に換算して測定することを特徴とする請求項1に記載の紫外光測定装置。
【請求項3】
紫外光の照射によって可視光または近赤外光の蛍光を発する蛍光体と当該蛍光を検出するための光検出器を備えた紫外光測定装置において、当該蛍光体としてCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Ho、Er、Tm、Yb、Ti、Cr、Mn、Coのうちの少なくとも1つまたは複数の元素を含む蛍光体を使用することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の紫外光測定装置。
【請求項4】
紫外光の照射によって可視光または近赤外光の蛍光を発する蛍光体と当該蛍光を検出するための光検出器を備えた紫外光測定装置において、当該蛍光体としてCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Ho、Er、Tm、Yb、Ti、Cr、Mn、Coのうちの少なくとも1つまたは複数の元素を含むガーネット、オルソアルミネート、スピネル、サファイヤ、ルビーあるいは超リン酸塩のいずれか1つの結晶あるいは複数の結晶の混合物であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の紫外光測定装置。
【請求項5】
紫外光の照射によって可視光または近赤外光の蛍光を発する蛍光体と当該蛍光を検出するための光検出器を備えた紫外光測定装置において、当該蛍光体として1つまたは複数の有機化合物を蛍光色素として含む蛍光体または蛍光色素を混合したアクリル樹脂のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の紫外光測定装置。
【請求項6】
紫外光の照射によって可視光または近赤外光の蛍光を発する蛍光体と当該蛍光を検出するための光検出器を備えた紫外光測定装置において、当該蛍光体として紫外光の照射によって可視光または近赤外光の蛍光を発する蛍光体の粉末を混合した樹脂あるいはガラスを使用することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の紫外光測定装置。
【請求項7】
紫外光の照射によって可視光または近赤外光の蛍光を発する蛍光体と当該蛍光を検出するための光検出器を備えた紫外光測定装置において、紫外光の照射によって可視光または近赤外光の蛍光を発する蛍光体と当該蛍光を測定する光検出器の間に当該蛍光を伝達するための光ファイバを備えることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の紫外光測定装置。
【請求項8】
紫外光の照射によって可視光または近赤外光の蛍光を発する蛍光体と当該蛍光を検出するための光検出器を備えた紫外光測定装置において、紫外光測定装置に設置した観察窓あるいは光ファイバのどちらか一方または両方を透過した当該蛍光を光検出器あるいは目視のどちらか一方あるいは両方によって検出することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の紫外光測定装置。
【請求項9】
紫外光の照射によって可視光または近赤外光の蛍光を発する蛍光体を光検出器の受光部と当該紫外光源との間の任意の位置、好ましくは光検出器の受光部に接するように備えた紫外光測定装置において、波長100nm以上かつ320nm以下の範囲の紫外線C波(UVC)または紫外線B波(UVB)のどちらか一方または両方を含む紫外光を測定することを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の紫外光測定装置。
【請求項10】
紫外光の照射によって可視光または近赤外光の蛍光を発する蛍光体を光検出器の受光部と当該紫外光源との間の任意の位置、好ましくは光検出器の受光部に接するように備えた紫外光測定装置において、紫外光の照射によって蛍光体が発する可視光または近赤外光の蛍光が波長400nm以上かつ1100nm以下の波長の光を含むことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の紫外光測定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、紫外光源が発する紫外光の照射によって蛍光体が発する可視光あるいは近赤外光の一方または両方の蛍光を測定することにより、当該紫外光の強度を簡便かつ高感度に測定する紫外光測定装置および当該紫外光測定装置を備えた紫外光源に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
紫外光を発生する紫外光源装置は照明、ディスプレイ、紫外線による消毒および殺菌などに広く用いられている。紫外光は波長によって波長320nm~400nmの紫外線A波(UVA)、波長280nm~320nmの紫外線B波(UVB)、波長100nm~280nmの紫外線C波(UVC)に分けられる。紫外線光源装置としては水銀ランプ、Xeランプ、重水素ランプなどが従来から使用されていた。ブラックライトと呼ばれている波長365nmの紫外線A波(UVA)用の光源としては、紫外線LEDも使用されていた。
【0003】
これらの紫外光源が発生する紫外光は肉眼では見ることができない。紫外光のうちUVBやUVCの紫外光は殺菌効果が高く消毒や殺菌に有効であるが、人体にも有害なためUVBやUVCを使用する機器では紫外光を遮蔽するとともに紫外光の発生状況を常時モニターする必要がある。しかしUVBやUVCの紫外光の測定に使用する高感度な検出器は高価なため、紫外光の発生状況はこれまではあまり測定されていなかった。このため紫外光による被ばく防止のための安全対策は、防紫外線カバーを設けることや紫外光源の運転状況を電源の投入状況を表示することなどによっていた。このように従来は実際に光源から紫外光が発生しているかどうかの確認はなされていなかった。したがってUVBやUVCなどの人体に有害な紫外線による殺菌効果を利用した機器の利用は、医療機関、研究機関や食品製造施設など有害な紫外光に対する安全が確保できる使用環境に限定されていた。
【0004】
X線やガンマ線などの測定では高感度な検出器が少なく直接測定することが困難なため[非特許文献1][非特許文献2][非特許文献3]に記載されているように特殊な蛍光体をシンチレーターとして使い、X線やガンマ線を測定が容易な光に変換してから高感度な測定を行う方法が行われている。しかし、紫外線の測定では装置の小型化が困難で高価格ではあるが光電子増倍管(ホトマル)による高感度な直接測定が可能なことや、小型で省電力なシリコンホトダイオード(Si-PD)でも検出感度は劣るものの直接測定が可能なことから、X線やガンマ線の測定に使用されているシンチレーター法のような蛍光体を使った測定方法は実施されていなかった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Toru Katsumata,Haruna Takeuchi,Shuji Komuro,Hiroaki Aizawa,“X-ray detector based on Mn doped MgAl▲2▼O▲4▼ and Si photodiode”,Review of Scientific Instruments 89(2018)095104.
Toru Katsumata,Misa Ogawa,Kotomi Takahagi,Ayame Isobe,Hiroaki Aizawa,“X-ray excited luminescence from Cr doped YAG Crystals”,ECS Journal of Solid State Science and Technology,10(2021)056007.
Toru Katsumata,Kengo Saito,Takuya Honda,Akihiro Sakaguchi,Shuji Komuro,Hiroaki Aizawa,“X-ray excited optical luminescence from TbP▲5▼O▲14▼ and EuP▲5▼O▲14▼”,ECS Solid State Letters,3(7)(2014)R26-R28.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
殺菌性能の高いUVCの紫外光を発生可能なLED光源が開発されたことにより小型かつ省電力で強力なUVC LED光源が消毒および殺菌を目的として様々な機器に使用されるようになってきた。日常的に使用する様々な機器にUVC LED光源を使用するためには、人体に有害なUVC光による被ばくを防止する必要がある。このためにはUVC光の発生状況を簡便かつ安価に測定可能な小型で省電力なUVC測定装置が不可欠である。
【0007】
UVA、UVBおよびUVCなどの紫外線は目に見えないためこれまで目視による紫外線発生状況の監視は不可能であった。特にUVBやUVCなどの人体に有害な紫外線光源の紫外線発生状況はこれまで測定されていなかった。UVBやUVCなどの紫外光を測定するためには、ホトマルやSi-PDが使用可能である。ホトマルはUVA、UVBおよびUVCのすべての紫外線に対して高い感度を持っているが、検出器が高価で、測定には高電圧の電源が必要などの欠点があった。一方、Si-PDは、高電圧の電源が不要で小型の測定器が製作可能であるが、UVBおよびUVCの紫外線では急激に測定感度が低下する欠点があった。Si-PDは波長400から1100nmの範囲の可視光および近赤外光に対して高い感度を持つが波長400nm以下の紫外光特にUVCやUVBの紫外光に対する感度は低い。一般的に使用されている低価格の可視・近赤外用のSi-PDでは、UVBおよびUVCの高感度な測定は不可能であった。紫外線透過特性の良い石英ガラス製の窓材を使用するなどUVBおよびUVC測定用に作製されたSi-PDもあるが、紫外線測定感度は可視光および近赤外光に比べてはるかに低く信号を電気的に増幅するなどの対応が必要であった。またUVBおよびUVC測定用に作製されたSi-PDの価格は可視光および近赤外光用のSi-PDに比べて高価であった。これらのことが紫外光源装置への紫外光測定装置の導入を妨げる一因になっていると考えられる。
【0008】
このため紫外線光源の稼働状況を監視するためには電源の投入状況を電源スイッチの状態で確認するか、可視光のランプやLEDの発光を利用して通電状態を検出する方法が行われていた。しかしこれらの方法では、実際に紫外線の発生状況を監視しているわけではないので、紫外線発生機能が正常に稼働しているかは不明確であった。また、ホトマルやSi-PDを使用して紫外線の発生状況を確認する方法は装置全体が高価になる欠点があった。
【0009】
X線やガンマ線の計測に使用されているシンチレーター法のように直接測定が困難な電磁波を測定が容易な光に変換して測定する方法があるが、X線による励起と紫外線による励起では蛍光体の発光メカニズムが異なるため同じ測定装置は使用できない。紫外線の測定のためには計測対象の紫外光によって計測に適した波長の蛍光を効率よく発光する蛍光体物質の選択と発生した蛍光の測定に適した検出器の組み合わせが不可欠である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明では測定が困難なUVBおよびUVCの紫外光を測定するため、UVBおよびUVCの照射によって波長400nmから750nmの範囲の可視光または波長750nmから1100nmの範囲の近赤外光のいずれかあるいは両方の波長の蛍光を発する蛍光体と、この蛍光体が発する蛍光を検出可能なSi-PDを組み合わせて高感度なUVBおよびUVCの測定を実現した。図1に蛍光体を使ってUVC光を可視光あるいは近赤外光の一方あるいは両方に変換して測定するための原理を示した。蛍光体では、励起光1の照射によって基底状態のエネルギー準位2にある電子が光励起による遷移3に伴って励起状態のエネルギー準位4に遷移する。この励起状態の電子は発光準位への遷移5によって発光準位6からの発光を伴う遷移7によって励起光よりもエネルギーの小さい(波長の長い)発光8を生じる。紫外線の励起光1に対して発光8の波長が400nmから750nmの範囲の可視光また長750nmから1100nmの範囲の近赤外光のいずれかあるいは両方である蛍光体を光検出器の受光面に設置することによって紫外光を可視光あるいは近赤外光の一方あるいは両方に変換して高感度で測定することができる。蛍光体の励起特性と発光特性は蛍光体の物質によって大きく異なるため従来のX線やガンマ線検出用のシンチレーターに使われていた蛍光体をそのまま使用することはできない。様々な蛍光体物質の励起スペクトルおよび蛍光スペクトルを測定することによって、UVBおよびUVCの高感度な測定のためのSi-PDの検出感度の高い波長の蛍光をUVBおよびUVCによる励起で発光できる蛍光物質を選択することができた。
(【0011】以降は省略されています)

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