TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2023075695
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-31
出願番号2021188760
出願日2021-11-19
発明の名称表面処理剤
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C09K 3/00 20060101AFI20230524BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】対象表面に高い親水化効果を簡便に付与することができ、該親水化効果を良好に維持することができる表面処理剤、及び該表面処理剤を用いる表面処理方法を提供する。
【解決手段】〔1〕表面にベタイン基を共有結合を介して有するベタイン基含有無機粒子Aを含有し、該ベタイン基含有無機粒子Aの体積平均粒子径DAが800nm以下である、表面処理剤、及び〔2〕前記〔1〕に記載の表面処理剤を対象表面に適用し、該対象表面にベタイン基含有無機粒子Aを付着させる工程を含む、表面処理方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
表面にベタイン基を共有結合を介して有するベタイン基含有無機粒子Aを含有し、該ベタイン基含有無機粒子Aの体積平均粒子径D
A
が800nm以下である、表面処理剤。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
ベタイン基含有無機粒子Aを構成する無機粒子がシリカ粒子である、請求項1に記載の表面処理剤。
【請求項3】
前記ベタイン基がスルホベタイン基である、請求項1又は2に記載の表面処理剤。
【請求項4】
硬質表面の処理に用いる、請求項1~3のいずれかに記載の表面処理剤。
【請求項5】
皮膚表面の処理に用いる、請求項1~3のいずれかに記載の表面処理剤。
【請求項6】
毛髪表面の処理に用いる、請求項1~3のいずれかに記載の表面処理剤。
【請求項7】
表面処理剤が表面親水化処理剤である、請求項1~6のいずれかに記載の表面処理剤。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の表面処理剤を対象表面に適用し、該対象表面にベタイン基含有無機粒子Aを付着させる工程を含む、表面処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理剤及び該表面処理剤を用いる表面処理方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
無機粒子は、多くの機能を発現するため、幅広い産業分野への応用の検討がされてきた。
例えば、特許文献1には、複数の化学的に結合した双性イオン官能基で研磨ナノ粒子を修飾すると、溶液中のナノ粒子に安定性が与えられ、広範囲の条件下での凝集及び接着が防止され、表面への接着が最小限である研磨用ナノ粒子が提供できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2007/146680号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、固体表面の改質方法としては、親水化処理、撥水化処理といった固体表面の濡れを制御する方法が知られている。中でも、固体表面の親水化処理は、固体表面の水に対する接触角を低下させ、固体表面を水に対して濡れ易くすることにより、該処理後の固体表面に汚れが付着した際には、汚れが洗浄時に落ち易くなる効果や汚れの再付着を防止する効果が期待できる他、ガラス、鏡等の防曇、プラスチック等の帯電防止、熱交換器のアルミニウムフィンの着霜防止、浴槽及びトイレ表面等の防汚性付与等の効果が期待できるため、様々な産業分野で用いられている。しかしながら、様々な材質の対象表面の処理においては、簡便に親水化処理できる表面処理剤の性能が未だ十分でなく、更なる性能の向上が求められている。
本発明は、対象表面に高い親水化効果を簡便に付与することができ、該親水化効果を良好に維持することができる表面処理剤、及び該表面処理剤を用いる表面処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、表面にベタイン基を共有結合を介して有するベタイン基含有無機粒子を含有し、該ベタイン基含有無機粒子の体積平均粒子径が所定の範囲である表面処理剤により、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の[1]及び[2]を提供する。
[1]表面にベタイン基を共有結合を介して有するベタイン基含有無機粒子Aを含有し、該ベタイン基含有無機粒子Aの体積平均粒子径D
A
が800nm以下である、表面処理剤。
[2]前記[1]に記載の表面処理剤を対象表面に適用し、該対象表面にベタイン基含有無機粒子Aを付着させる工程を含む、表面処理方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、対象表面に高い親水化効果を簡便に付与することができ、該親水化効果を良好に維持することができる表面処理剤、及び該表面処理剤を用いる表面処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[表面処理剤]
本発明の表面処理剤は、表面にベタイン基を共有結合を介して有するベタイン基含有無機粒子A(以下、単に「ベタイン基含有無機粒子A」ともいう)を含有し、該ベタイン基含有無機粒子Aの体積平均粒子径D
A
が800nm以下である。
なお、本明細書において、ベタイン基含有無機粒子Aを構成する無機粒子を「無機粒子(a)」と称し、ベタイン基含有無機粒子Aの製造に用いる無機粒子を「原料無機粒子(a’)」と称する。
【0008】
本発明において、ベタイン基含有無機粒子Aは、表面にベタイン基を共有結合を介して有するものであり、好ましくは表面に複数のベタイン基を共有結合を介して有するものである。
本発明において「ベタイン基」とは、カチオン部位とアニオン部位とを有する官能基であって、該官能基全体としては電荷をもたない官能基を意味する。
ベタイン基のカチオン部位とは、正電荷を帯びた原子団であり、好ましくはカチオン性基である。
本発明において「カチオン性基」とは、カチオン基、又は、イオン化されてカチオン基になり得る基をいう。カチオン性基としては、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アンモニウム基が挙げられる。これらの中でも、ベタイン基のカチオン部位は、親水化効果を高める観点から、好ましくは第四級アンモニウム基である。
ベタイン基のアニオン部位とは、負電荷を帯びた原子団であり、好ましくはアニオン性基である。
本発明において「アニオン性基」とは、アニオン基、又は、イオン化されてアニオン基になり得る基をいう。
アニオン性基としては、カルボキシ基(-COOM
1
)、スルホン酸基(-SO
3

1
)、リン酸基(-OPO
3

1
2
)等が挙げられる。前記化学式中、M
1
は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示す。
【0009】
本発明の表面処理剤は、対象表面として固体表面の表面処理に用いることが好ましく、対象表面に親水化効果を付与する表面親水化処理剤として用いることが好ましい。
本明細書において「固体表面」とは、固体と大気との界面を意味する。
前記固体としては、特に制限はなく、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン(PU)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、ポリアミド(PA)、メラミン樹脂、FRP等の合成樹脂;木綿、絹、羊毛等の天然繊維;ポリエステル、ナイロン、レーヨン等の合成繊維;アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、真鍮等の金属;ガラス、陶器、磁器、琺瑯、タイル、セラミックス、木材、皮膚、毛髪、爪、歯などが挙げられる。前記固体表面の形状は、特に制限はない。
これらの中でも、前記固体表面は、好ましくは硬質表面、皮膚表面、又は毛髪表面であり、より好ましくは疎水性硬質表面、皮膚表面、又は毛髪表面である。
本明細書において「疎水性表面」とは、接触角が70°以上であることを意味し、「親水性表面」とは70°未満であることを意味する。前記接触角は、静止接触角を測定する方法で測定することができる。静止接触角は、全自動接触角測定計「DM-701」(協和界面科学(株)製)のステージに測定サンプルを配置し、1μLの超純水を付着させて5秒後の静止接触角の値をθ/2法により求めることができる。
前記疎水性硬質表面としては、好ましくは合成樹脂、金属、及びセラミックスから選ばれる1種以上が挙げられる。
【0010】
本発明によれば、対象表面に高い親水化効果を簡便に付与することができ、該親水化効果を良好に維持することができる。このような効果を奏する理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明の表面処理剤に含まれるベタイン基含有無機粒子は、その表面にベタイン基を共有結合を介して有するため、該ベタイン基により対象表面に高い親水化効果を付与することができると考えられる。
ここで、ベタイン基含有無機粒子の1粒子あたりにかかる力には、対象表面の表面粗さを考慮したベタイン基含有無機粒子と対象表面とのファンデルワールス力と、対象表面へ適用する際のベタイン基含有無機粒子に付与する外力とが主に寄与する。そして、ベタイン基含有無機粒子はその体積平均粒子径が800nm以下であるため、該ベタイン基含有無機粒子に付与される外力よりもベタイン基含有無機粒子と対象表面とのファンデルワールス力が支配的となり、該ベタイン基含有無機粒子を対象表面に均一に付着させることができるため、前記ベタイン基による親水化効果を更に高めることができ、親水化効果を良好に維持できると考えられる。
また、洗浄や塗布などの水滴が動く状態においても、ベタイン基含有無機粒子に付与される外力よりもベタイン基含有無機粒子と対象表面とのファンデルワールス力が支配的であるため、該ベタイン基含有無機粒子を対象表面に均一に付着させた状態を維持することができ、親水化効果を良好に維持できると考えられる。
そのため、本発明は、高い親水化効果の付与及び該親水化効果の良好な維持に起因して、対象表面に適用することにより、対象表面への汚れの付着を抑制する付着防止性、すなわち防汚性、及び汚れが付着したとしても容易に洗浄により除去することができる易洗浄性を付与することもできると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

花王株式会社
容器
22日前
花王株式会社
固形食品
21日前
花王株式会社
洗浄方法
14日前
花王株式会社
油脂組成物
13日前
花王株式会社
乳化化粧料
1日前
花王株式会社
乳化化粧料
1日前
花王株式会社
吸収性物品
15日前
花王株式会社
エッチング液
6日前
花王株式会社
経口用組成物
9日前
花王株式会社
経口用組成物
9日前
花王株式会社
口腔用組成物
27日前
花王株式会社
化粧料組成物
13日前
花王株式会社
流体密封容器
22日前
花王株式会社
経口用組成物
22日前
花王株式会社
油性固形化粧料
21日前
花王株式会社
ポンプユニット
19日前
花王株式会社
糖質燃焼促進剤
13日前
花王株式会社
ペット用トイレ
19日前
花王株式会社
リパーゼ変異体
22日前
花王株式会社
皮膚の分類方法
13日前
花王株式会社
口腔内菌叢改善剤
21日前
花王株式会社
肌のくすみ改善剤
15日前
花王株式会社
アイスクリーム類
9日前
花王株式会社
鋳物製造用構造体
28日前
花王株式会社
吹付用水硬性組成物
22日前
花王株式会社
吸収性物品用不織布
21日前
花王株式会社
吸収性物品用不織布
21日前
花王株式会社
スキンケアシステム
今日
花王株式会社
吸収性物品用不織布
21日前
花王株式会社
吸収性物品用不織布
21日前
花王株式会社
吸収性物品の包装体
6日前
花王株式会社
静電荷像現像用トナー
21日前
花王株式会社
静電荷像現像用トナー
29日前
花王株式会社
土木用添加剤供給装置
22日前
花王株式会社
静電荷像現像用トナー
21日前
花王株式会社
インクジェット捺染方法
13日前
続きを見る