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公開番号2023075624
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-31
出願番号2021188640
出願日2021-11-19
発明の名称トリチウム水と軽水を含む被処理水の処理方法
出願人株式会社イメージワン
代理人個人,個人,個人
主分類G21F 9/06 20060101AFI20230524BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】 本発明は、トリチウム水及び軽水を含む被処理水から、トリチウム濃度が低濃度であってもトリチウム水を、被処理水から効率よく分離する方法を提供すること。
【解決手段】 本発明は、 重水ガスハイドレート或いはトリチウム水ガスハイドレートの結晶化可能な圧力条件下において、
ゲスト分子ガス存在下における、トリチウム水を含んでもよい重水ガスハイドレート基材、トリチウム水及び軽水を含む被処理水に、重水ガスハイドレート結晶化温度帯及びその近傍に基づいて温度差を設けること、を含む、トリチウム水と軽水を含む被処理水の処理方法を提供することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
重水ガスハイドレート或いはトリチウム水ガスハイドレートの結晶化可能な圧力条件下において、
ゲスト分子ガス存在下における、トリチウム水を含んでもよい重水ガスハイドレート基材、トリチウム水及び軽水を含む被処理水に、重水ガスハイドレート結晶化温度帯及びその近傍に基づいて温度差を設けること、を含む、トリチウム水と軽水を含む被処理水の処理方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記温度差を設けるとは、
前記被処理水の上部温度と下部温度とで温度差を設けることである、又は、
前記被処理水の温度を経時振動させることである、請求項1に記載のトリチウム水と軽水を含む被処理水の処理方法。
【請求項3】
前記温度差が、反応系内における前記被処理水の第一温度とこれより低温の第二温度との温度差であり、当該温度差が、2.0~8.0℃である、請求項1又は2に記載のトリチウム水と軽水を含む被処理水の処理方法。
【請求項4】
前記第二温度が、8.0~21.0℃である、請求項3に記載のトリチウム水と軽水を含む被処理水の処理方法。
【請求項5】
前記温度差を設けることにより、前記被処理水中のトリチウム水を、前記重水ガスハイドレート基材に取り込ませて、当該重水ガスハイドレート基材よりトリチウム濃度の高いトリチウム水を含む重水ガスハイドレート基材を形成することによって、トリチウム水及び軽水を含む被処理水からトリチウム水を分離する、請求項1~4の何れか一項に記載のトリチウム水と軽水を含む被処理水の処理方法。
【請求項6】
さらに、前記トリチウム水及び軽水を含む被処理水を、循環させ、前記ゲスト分子ガスの存在下で、前記重水ガスハイドレート基材に接触させること、を含む、請求項1~5の何れか一項に記載のトリチウム水と軽水を含む被処理水の処理方法。
【請求項7】
重水ガスハイドレート或いはトリチウム水ガスハイドレートの結晶化可能な圧力条件下において、
ゲスト分子ガス存在下における、トリチウム水を含んでもよい重水ガスハイドレート基材、トリチウム水及び軽水を含む被処理水に、重水ガスハイドレート結晶化温度帯及びその近傍に基づいて温度差を設けることによって、前記被処理水中のトリチウム水を前記重水ガスハイドレート基材に取り込ませて、トリチウム水を含む重水ガスハイドレート基材を形成する、トリチウム水を含む重水ガスハイドレート基材の製造方法。
【請求項8】
さらに、前記被処理水中のトリチウム水を、形成されたトリチウム水を含む重水ガスハイドレート基材に取り込ませて、当該重水ガスハイドレート基材より高濃度のトリチウム水を含む重水ガスハイドレート基材を形成させる、請求項7記載のトリチウム水を含む重水ガスハイドレート基材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、トリチウム水と軽水を含む被処理水の処理方法、トリチウム水を含む重水ガスハイドレート基材の製造方法等に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
東京電力株式会社福島第一原子力発電所内に貯留されている汚染水は、ALPS処理と鉄化合物の共沈によって殆どの放射性核種が除去されているため、公共水域に放出する場合の濃度制限を超える濃度で残留している放射性核種はトリチウムだけであり、トリチウム水(HTO)として存在しているとされている。このため、トリチウム水で汚染された軽水(以下、「汚染水」ともいう)を被処理水とし、当該被処理水からのトリチウム水の分離技術、言い換えると被処理水からトリチウム水と軽水とを作業的に及び濃度的に効率よく分離する技術が求められている。
【0003】
福島で発生している汚染水中のトリチウム濃度は、0.6~5×10

Bq/Lといわれており、この汚染水自体は最大で400m

/日ずつ増加している。一方で、このトリチウム水汚染水を、少なくとも汚染水のトリチウム濃度を環境中に放出可能な6×10

Bq/L以下(海水中のトリチウム濃度は1~3Bq/L)にまでできる、処理速度が400m

/日より速いトリチウム除去技術を開発することが求められている。
【0004】
トリチウム(T)の比放射能は、3.59×10
14
Bq/gであるから、汚染水中のトリチウム水の濃度は、1.11~9.29×10
-8
g/Lと極めて希薄であり、このごく希薄なトリチウム濃度の汚染水から、トリチウム水を約99%以上除去するという技術的に困難な技術が求められていることになる。
【0005】
また、トリチウムは、原子力発電所の原子炉の中でも形成されることも知られている。また、トリチウムは、宇宙から地球に降り注ぐ放射線が空気中の窒素や酸素に接触することでも形成されるため、空気中の水蒸気、雨水、海水に含まれ、日本において一般的に1Bq/L含まれているといわれている。また、放射性鉱山及び放射性物質の精錬所からのトリチウムにて水が汚染される場合もある。このため、福島にて貯留されている汚染水のみならず、必要に応じて、トリチウム水及び軽水を含む被処理水から軽水とトリチウム水とを効率よく分離する技術が求められている。
【0006】
例えば、特許文献1には、トリチウム水と軽水を含む混合液に、重水を添加し、重水及び/又はトリチウム水のガスハイドレートの形成条件下であって且つ大部分の軽水の液体状態を維持する条件下で、トリチウム水と重水とを結晶構造中に含むガスハイドレートを形成し、該ガスハイドレートを軽水から除去することを特徴とする、トリチウム水で汚染された軽水からのトリチウム水の分離方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO2016/002856
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、トリチウム水及び軽水を含む被処理水から、被処理水中のトリチウム濃度が低濃度であっても、トリチウム水及び軽水を含む被処理水をより効率よく処理する技術を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、トリチウム水と軽水を含む被処理水の処理方法又はトリチウム水で汚染された軽水を含む被処理水の処理方法について鋭意検討しているときに、軽水ガスハイドレート及び重水ガスハイドレート、さらにいえばトリチウム水ガスハイドレートを含めて、これらは任意の割合で混合する完全固溶体を形成することを見出した。本発明者は、これらがガスハイドレート化する温度は、組成比によって連続的に変化することを見出し、この結果、重水ガスハイドレート基材、トリチウム水及び軽水を含む被処理水に、重水ガスハイドレート結晶化温度帯及びその近傍に基づいて温度差を設けることによって、トリチウム水で汚染された軽水(以下、「トリチウム水汚染水」又は「汚染水」ともいう)を含む被処理水をより効率よく処理すること、好適にはトリチウム水汚染水からトリチウム水をより簡便により効率よく分離でき、トリチウム水が低減された軽水を製造できることを見出した。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0010】
本発明は、重水ガスハイドレート或いはトリチウム水ガスハイドレートの結晶化可能な圧力条件下において、
ゲスト分子ガス存在下における、トリチウム水を含んでもよい重水ガスハイドレート基材、トリチウム水及び軽水を含む被処理水に、重水ガスハイドレート結晶化温度帯及びその近傍に基づいて温度差を設けること、を含む、トリチウム水と軽水を含む被処理水の処理方法、又はトリチウム水で汚染された軽水を含む被処理水の処理方法を提供することができる。
また、本発明は、重水ガスハイドレート或いはトリチウム水ガスハイドレートの結晶化可能な圧力条件下において、
ゲスト分子ガス存在下における、トリチウム水を含んでもよい重水ガスハイドレート基材、トリチウム水及び軽水を含む被処理水に、重水ガスハイドレート結晶化温度帯及びその近傍に基づいて温度差を設けることによって、前記被処理水中のトリチウム水を前記重水ガスハイドレート基材に取り込ませて、トリチウム水を含む重水ガスハイドレート基材を形成する、トリチウム水を含む重水ガスハイドレート基材の製造方法を提供することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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