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公開番号2023075550
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-31
出願番号2021188522
出願日2021-11-19
発明の名称原子炉内出力分布の測定方法及びその装置
出願人国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
代理人弁理士法人日峯国際特許事務所
主分類G21C 17/00 20060101AFI20230524BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】高温ガス炉、高速炉などのように中性子検出器の挿入場所が限られた原子炉の炉内出力分布の測定を可能とすること。
【解決手段】原子炉の圧力容器内の複数燃料要素の出力密度と、圧力容器内外の複数中性子検出器の位置における中性子検出器からの出力信号と、燃料要素及び中性子検出器の位置に関する検出器感度との関係を表す中性子輸送方程式に基づいて炉心の出力分布を測定する方法であって、検出器感度に関する疑似逆行列と中性子検出器からの出力信号行列との積から原子炉の炉心の出力分布を算出する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
原子炉の圧力容器内の複数燃料要素の出力密度と、圧力容器外の複数中性子検出器の位置における中性子検出器からの出力信号と、前記燃料要素及び前記中性子検出器の位置に関する検出器感度との関係を表す中性子輸送方程式に基づいて炉心の出力分布を測定する方法であって、
前記中性子検出器からの出力信号の行列と前記検出器感度に関する疑似逆行列との積から前記原子炉の炉心の出力分布を算出することを特徴とする原子炉内出力分布の測定方法。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
請求項1に記載の原子炉内出力分布の測定方法において、圧力容器内のn個の複数燃料要素iの出力密度をp

とし、圧力容器内外のm個の複数検出器位置jの中性子検出器信号をR

とし、前記燃料要素i及び前記検出器位置jに関する検出器感度をw



とし、検出器感度に関する疑似逆行列をW

として、
前記中性子検出器からの出力信号を
TIFF
2023075550000030.tif
9
170
から算出し、前記検出器感度に関する疑似逆行列を
TIFF
2023075550000031.tif
9
170
の行列表示により算出することを特徴とする原子炉内出力分布の測定方法。
【請求項3】
請求項1に記載の原子炉内出力分布の測定方法において、
圧力容器内のn個の複数燃料要素iの出力密度piと、圧力容器内外のm個の複数検出器位置jの中性子検出器信号Rjと、前記燃料要素i及び前記検出器位置jに関する検出器感度w



との関係を表す中性子輸送方程式に基づいた下記式によって炉心の出力分布を測定する方法であって、
(1)前記中性子検出器信号を下記式から求める第1のステップと、
TIFF
2023075550000032.tif
8
170
(2)前記中性子検出器信号R

と、前記出力密度p

と、前記検出器感度w



とを下記式の行列表示で表す第2のステップと、
TIFF
2023075550000033.tif
8
170
(3)前記検出器感度w



の行列表示の疑似逆行列W

を下記式の行列表示により算出する第3のステップと、
TIFF
2023075550000034.tif
10
170
(4)前記出力密度p

の行列表示を、前記中性子検出器信号R

の行列表示と、前記疑似逆行列W

による下記式により算出する第4のステップと
TIFF
2023075550000035.tif
8
170
を順次実行することを特徴とする原子炉内出力分布の測定方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の原子炉内出力分布の測定方法において、
前記圧力容器内外の複数検出器位置に設置された中性子検出器を駆動させることにより、前記中性子検出器信号を取得することを特徴とする原子炉内出力分布の測定方法。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載の原子炉内出力分布の測定方法において、
前記疑似逆行列の階数が0.8n(nは前記複数燃料要素の数)以上である場合に、妥当な測定結果として測定値を出力することを特徴とする原子炉内出力分布の測定方法。
【請求項6】
原子炉の圧力容器内の複数燃料要素の出力密度と、圧力容器内外の複数検出器の位置における中性子検出器信号と、前記燃料要素及び前記検出器の位置に関する検出器感度と、の関係を表す中性子輸送方程式に基づいて炉心の出力分布を測定する装置であって、
前記検出器感度に対する逆解析により前記原子炉の炉心の出力分布を算出する手順を示すプログラムを記憶している記憶装置、及び前記検出器からの信号を入力して前記プログラムに基づいて所定の演算を行う演算装置を具備することを特徴とする原子炉内出力分布の測定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の原子炉内出力分布の測定装置において、
圧力容器内のn個の複数燃料要素iの出力密度p

と、圧力容器内外のm個の複数検出器位置jの中性子検出器信号R

と、前記燃料要素i及び前記検出器位置jに関する検出器感度w



との関係を表す中性子輸送方程式に基づいた下記式によって炉心の出力分布を測定する装置であって、前記プログラムは、
(1)前記中性子検出器信号を下記式から求める第1のステップと、
TIFF
2023075550000036.tif
10
170
(2)前記中性子検出器信号R

と、前記出力密度p

と、前記検出器感度w



とを下記式の行列表示で表す第2のステップと、
TIFF
2023075550000037.tif
7
170
(3)前記検出器感度w



の行列表示の疑似逆行列W+を下記式の行列表示により算出する第3のステップと、
TIFF
2023075550000038.tif
11
170
(4)前記出力密度p

の行列表示を、前記中性子検出器信号R

の行列表示と、前記疑似逆行列W

による下記式により算出する第4のステップと
TIFF
2023075550000039.tif
8
170
を順次実行するものであることを特徴とする原子炉内出力分布の測定装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の原子炉内出力分布の測定装置において、
前記圧力容器内外の複数検出器位置に設置された中性子検出器を駆動させることにより、前記中性子検出器信号を取得する手段を具備したことを特徴とする原子炉内出力分布の測定装置。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載の原子炉内出力分布の測定装置において、
前記疑似逆行列の階数が0.8n(nは前記複数燃料要素の数)以上である場合に、妥当な測定結果として測定値を出力する手段を具備することを特徴とする原子炉内出力分布の測定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、中性子検出器信号を用いた逆解法によって原子炉内出力分布を測定する方法及びその装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
現行軽水炉では、炉内環境が300~400℃程度であるため、原子炉の燃料集合体近傍へ直接中性子検出器を装荷し、出力分布を測定し、測定された出力分布に基づいて炉内燃料の燃焼度管理が行われている(特許文献1)。一方、高温ガス炉では、炉内の温度が最高で1000℃程度、高速炉では600℃程度に達するため、炉内の出力分布測定の試みがなされてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5954902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、セラミックス検出器など、耐高温の中性子検出器の開発がなされてきたが、高温ガス炉への炉内計装の配置は、原子炉冷却材出口付近までの挿入は現実的ではなく、炉内への検出器の挿入場所が限られる。また、炉内構造物の観点からも、炉内への検出器の挿入は、高温ガス炉及び高速炉共に、制御棒案内管を併用するのが現実的であると思われ、各燃料体近傍に直接的に検出器を配置することは現実的ではない。
【0005】
上記のように、本発明は、高温ガス炉、高速炉など中性子の飛程が長い炉心で、かつ、炉内への検出器の挿入ができないもの、出来ても挿入場所が限られる原子炉の炉内出力分布の測定を可能とすることを主たる目的とする。
【0006】
本発明の主たる目的は、上述の如く、高温ガス炉、高速炉などのように中性子検出器の挿入場所が限られた原子炉の炉内出力分布の測定を可能とすることを主たる目的としているが、当然の帰結として中性子検出器の挿入場所が比較的に自由である沸騰水型原子炉や加圧水型原子炉などの軽水炉にもおいてもそのまま適用できることは言うまでもない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係る原子炉内出力分布の測定方法は、原子炉の圧力容器内の複数燃料要素の出力密度と、圧力容器外の複数中性子検出器の位置における中性子検出器からの出力信号と、前記燃料要素及び前記中性子検出器の位置に関する検出器感度との関係を表す中性子輸送方程式に基づいて炉心の出力分布を測定する方法であって、前記中性子検出器からの出力信号の行列と前記検出器感度に関する疑似逆行列との積から前記原子炉の炉心の出力分布を算出することを特徴としている。
【0008】
より具体的には、本発明の原子炉内出力分布の測定方法は、圧力容器内のn個の複数燃料要素iの出力密度piと、圧力容器内外のm個の複数検出器位置jの中性子検出器信号Rjと、前記燃料要素i及び前記検出器位置jに関する検出器感度w



との関係を表す中性子輸送方程式に基づいた下記式によって炉心の出力分布を測定する方法であって、
(1)前記中性子検出器信号を下記式から求める第1のステップと、
TIFF
2023075550000002.tif
14
170
【0009】
(2)前記中性子検出器信号R

と、前記出力密度piと、前記検出器感度w



とを下記式の行列表示で表す第2のステップと、
TIFF
2023075550000003.tif
14
170
【0010】
(3)前記検出器感度w



の行列表示の疑似逆行列W

を下記式の行列表示により算出する第3のステップと、
TIFF
2023075550000004.tif
14
170
(【0011】以降は省略されています)

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