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公開番号2023075389
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-31
出願番号2021188263
出願日2021-11-19
発明の名称因果探索プログラム、因果探索方法、および情報処理装置
出願人富士通株式会社
代理人弁理士法人扶桑国際特許事務所
主分類G06F 9/50 20060101AFI20230524BHJP(計算;計数)
要約【課題】変数間の因果順の探索を効率的に行う。
【解決手段】情報処理装置10は、複数のプロセス1a,1b,・・・により、第1のサンプルデータ11aに基づいて複数の変数それぞれについての第1の統計情報量の計算を並列処理で実行し、第1の統計情報量を共有する。次に情報処理装置10は、複数のプロセス1a,1b,・・・それぞれにより、第1の統計情報量に基づいて、因果順における先頭となる第1の変数を決定し、第1の変数の次となる第2の変数を推定する。そして情報処理装置10は、複数のプロセス1a,1b,・・・それぞれにより、第1のサンプルデータ11aから第1の変数の寄与を取り除いた第2のサンプルデータに基づく第2の統計情報量の計算の実行と、第1のサンプルデータ11aから第1の変数および第2の変数の寄与を取り除いた第3のサンプルデータに基づく第3の統計情報量の計算の実行とを決定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数のプロセスにより、計算対象の複数の変数それぞれの数値列を含む第1のサンプルデータに基づいて、前記複数の変数それぞれについての他の変数との間の第1の統計情報量の計算を並列処理で実行し、
前記複数のプロセス間で前記複数の変数ごとの前記第1の統計情報量を共有し、
前記複数のプロセスそれぞれにより、前記複数の変数ごとの前記第1の統計情報量に基づいて、前記複数の変数間の因果関係において原因となり得る変数が先となるように前記複数の変数を並べた因果順における先頭となる第1の変数を決定し、
前記複数のプロセスそれぞれにより、前記複数の変数ごとの前記第1の統計情報量に基づいて、前記複数の変数のうちの因果順で前記第1の変数の次となる第2の変数を推定し、
前記複数のプロセスそれぞれにより、前記第1のサンプルデータから前記第1の変数の寄与を取り除いた第2のサンプルデータに基づく、前記複数の変数から前記第1の変数を除外した残りの変数それぞれについての他の残りの変数との間の第2の統計情報量の計算の実行と、前記第1のサンプルデータから前記第1の変数および前記第2の変数の寄与を取り除いた第3のサンプルデータに基づく、前記複数の変数から前記第1の変数と前記第2の変数を除外した残りの変数それぞれについての他の残りの変数との間の第3の統計情報量の計算の実行とを決定する、
処理をコンピュータに実行させる因果探索プログラム。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記第2の変数の推定では、前記第1の統計情報量が第1の閾値以下の変数を前記第2の変数と推定する、
請求項1記載の因果探索プログラム。
【請求項3】
前記第3の統計情報量の計算の実行の決定では、前記第2の変数が複数ある場合、使用可能な計算資源の許す範囲内で、複数の前記第2の変数それぞれについて、前記第3の統計情報量の計算の実行を決定する、
請求項1または2に記載の因果探索プログラム。
【請求項4】
前記複数のプロセスそれぞれにより、前記複数の変数ごとの前記第1の統計情報量に基づいて、前記複数の変数のうちの因果順で前記第2の変数の次となる第3の変数を推定し、
前記複数のプロセスそれぞれにより、前記第1のサンプルデータから前記第1の変数、前記第2の変数および前記第3の変数の寄与を取り除いた第4のサンプルデータに基づく、前記複数の変数から前記第1の変数、前記第2の変数および前記第3の変数を除外した残りの変数それぞれについての他の残りの変数との間の第4の統計情報量の計算の実行を決定する、
処理を前記コンピュータにさらに実行させる請求項1から3までのいずれかに記載の因果探索プログラム。
【請求項5】
前記第3の変数の推定では、前記第1の統計情報量が第2の閾値以下の前記第1の変数以外の変数を前記第3の変数と推定する、
請求項4記載の因果探索プログラム。
【請求項6】
前記複数のプロセスそれぞれが、どの変数の前記第2の統計情報量または前記第3の統計情報量を計算するのかを自身のプロセスIDに基づいて決定し、決定した変数の前記第2の統計情報量または前記第3の統計情報量を計算する、
処理を前記コンピュータにさらに実行させる請求項1から5までのいずれかに記載の因果探索プログラム。
【請求項7】
複数のプロセスにより、計算対象の複数の変数それぞれの数値列を含む第1のサンプルデータに基づいて、前記複数の変数それぞれについての他の変数との間の第1の統計情報量の計算を並列処理で実行し、
前記複数のプロセス間で前記複数の変数ごとの前記第1の統計情報量を共有し、
前記複数のプロセスそれぞれにより、前記複数の変数ごとの前記第1の統計情報量に基づいて、前記複数の変数間の因果関係において原因となり得る変数が先となるように前記複数の変数を並べた因果順における先頭となる第1の変数を決定し、
前記複数のプロセスそれぞれにより、前記複数の変数ごとの前記第1の統計情報量に基づいて、前記複数の変数のうちの因果順で前記第1の変数の次となる第2の変数を推定し、
前記複数のプロセスそれぞれにより、前記第1のサンプルデータから前記第1の変数の寄与を取り除いた第2のサンプルデータに基づく、前記複数の変数から前記第1の変数を除外した残りの変数それぞれについての他の残りの変数との間の第2の統計情報量の計算の実行と、前記第1のサンプルデータから前記第1の変数および前記第2の変数の寄与を取り除いた第3のサンプルデータに基づく、前記複数の変数から前記第1の変数と前記第2の変数を除外した残りの変数それぞれについての他の残りの変数との間の第3の統計情報量の計算の実行とを決定する、
処理をコンピュータが実行する因果探索方法。
【請求項8】
複数のプロセスにより、計算対象の複数の変数それぞれの数値列を含む第1のサンプルデータに基づいて、前記複数の変数それぞれについての他の変数との間の第1の統計情報量の計算を並列処理で実行し、前記複数のプロセス間で前記複数の変数ごとの前記第1の統計情報量を共有し、前記複数のプロセスそれぞれにより、前記複数の変数ごとの前記第1の統計情報量に基づいて、前記複数の変数間の因果関係において原因となり得る変数が先となるように前記複数の変数を並べた因果順における先頭となる第1の変数を決定し、前記複数のプロセスそれぞれにより、前記複数の変数ごとの前記第1の統計情報量に基づいて、前記複数の変数のうちの因果順で前記第1の変数の次となる第2の変数を推定し、前記複数のプロセスそれぞれにより、前記第1のサンプルデータから前記第1の変数の寄与を取り除いた第2のサンプルデータに基づく、前記複数の変数から前記第1の変数を除外した残りの変数それぞれについての他の残りの変数との間の第2の統計情報量の計算の実行と、前記第1のサンプルデータから前記第1の変数および前記第2の変数の寄与を取り除いた第3のサンプルデータに基づく、前記複数の変数から前記第1の変数と前記第2の変数を除外した残りの変数それぞれについての他の残りの変数との間の第3の統計情報量の計算の実行とを決定する処理部、
を有する情報処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、因果探索プログラム、因果探索方法、および情報処理装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
観測した確率変数のサンプルに基づいて変数間の因果関係を探索する手法の一つにDirectLiNGAM(Linear Non-Gaussian Acyclic Model)がある。DirectLiNGAMを用いることで、相関関係ではなく、変数間での原因と結果の関係を求めることができる。
【0003】
DirectLiNGAMによる因果関係の探索は、並列処理によって高速に実行することができる。例えばスーパーコンピュータを用いれば、極めて多数のプロセスを並列実行することができる。そこで並列処理では、いかに計算結果同士の依存関係を分割し、並列に実行できる部分を多くできるかが重要になる。DirectLiNGAMでは、多くの処理が変数ごとの独立した計算となるため、それらの計算の並列処理が可能である。なおDirectLiNGAMの並列処理では、変数ごとの計算を実行した複数のプロセスが計算結果を共有し、共有した計算結果を用いて次の処理を決定する処理(同期処理)が、所定のタイミングで実行される。
【0004】
因果関係の探索処理としては、例えば従来の因果関係の時間順序を用いることなく、観測変数間の因果を推定し、品質劣化発生時における要因を特定する品質劣化要因推定装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-49921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
DirectLiNGAMでは、因果順の決定処理が行われる。因果順の決定処理では、まず、すべての変数の中から因果順の先頭が決定される。そして先頭に決定された変数の影響を取り除き、残りの変数のうちの因果順の先頭が決定される。先頭に決定された変数は、因果順において、その前に決定された変数の次の順番となる。このような因果順の先頭の決定処理の繰り返しにより、すべての変数の因果順が決定される。
【0007】
ここで因果順の探索においても変数ごとの並列処理が可能である。ただし因果順の探索処理では、処理が繰り返されるごとに計算対象の変数の数が減少し、並列度が低下する。この場合、処理の投機実行を行うことで、並列度の低下により余った資源を有効に利用することが可能となる。投機実行とは、後々に実行することとなる可能性がある処理を、実行することが確定する前に実行することである。
【0008】
処理の投機実行に当たり、並列処理を実行するプロセスそれぞれが次に実行する処理内容を決定するために新たな同期処理を行うと、同期処理のための通信時間が余分に発生する。その結果、すべての変数の因果順を決定するまでの総計算時間が延び、投機実行の効果が薄れてしまう。なおDirectLiNGAMに限らず、因果順を先頭から順番に確定する手法では同様の問題が生じる。
【0009】
1つの側面では、本件は、変数間の因果順の探索を効率的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの案では、以下の処理をコンピュータに実行させる因果探索プログラムが提供される。
コンピュータは、複数のプロセスにより、計算対象の複数の変数それぞれの数値列を含む第1のサンプルデータに基づいて、複数の変数それぞれについての他の変数との間の第1の統計情報量の計算を並列処理で実行する。コンピュータは、複数のプロセス間で複数の変数ごとの第1の統計情報量を共有する。コンピュータは、複数のプロセスそれぞれにより、複数の変数ごとの第1の統計情報量に基づいて、複数の変数間の因果関係において原因となり得る変数が先となるように複数の変数を並べた因果順における先頭となる第1の変数を決定する。コンピュータは、複数のプロセスそれぞれにより、複数の変数ごとの第1の統計情報量に基づいて、複数の変数のうちの因果順で第1の変数の次となる第2の変数を推定する。そしてコンピュータは、複数のプロセスそれぞれにより、第1のサンプルデータから第1の変数の寄与を取り除いた第2のサンプルデータに基づく、複数の変数から第1の変数を除外した残りの変数それぞれについての他の残りの変数との間の第2の統計情報量の計算の実行と、第1のサンプルデータから第1の変数および第2の変数の寄与を取り除いた第3のサンプルデータに基づく、複数の変数から第1の変数と第2の変数を除外した残りの変数それぞれについての他の残りの変数との間の第3の統計情報量の計算の実行とを決定する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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