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公開番号2023075233
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-30
出願番号2023036013,2019053273
出願日2023-03-08,2019-03-20
発明の名称燃料電池用膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池
出願人凸版印刷株式会社
代理人個人,個人
主分類H01M 8/1004 20160101AFI20230523BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】触媒層のより大きな細孔を維持することでガス拡散性や排水性といった膜電極接合体の特性を悪化させることなく、発電特性が良好で、かつ、劣化しにくい膜電極接合体を提供する。
【解決手段】触媒を担持した炭素粒子、高分子電解質、および繊維状物質を含む、アノード触媒層とカソード触媒層により、プロトン伝導性の高分子電解質膜を挟持した構成の燃料電池用の膜電極接合体において、前記アノード触媒層及び前記カソード触媒層は補強部材を備えず、前記アノード触媒層及び前記カソード触媒層の合計の平面方向のヤング率は、前記高分子電解質膜の平面方向のヤング率よりも低く、且つ7MPa以上140MPa以下とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
触媒を担持した炭素粒子、高分子電解質、および繊維状物質を含む、アノード触媒層とカソード触媒層により、プロトン伝導性の高分子電解質膜を挟持した構成の燃料電池用の膜電極接合体であって、前記アノード触媒層及び前記カソード触媒層の合計の平面方向のヤング率が、前記高分子電解質膜の平面方向のヤング率よりも低く、且つ7MPa以上140MPa以下であることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記繊維状物質が、炭素繊維であることを特徴とする請求項1記載の膜電極接合体。
【請求項3】
前記アノード触媒層のヤング率が、前記カソード触媒層のヤング率より高いことを特徴とする請求項1または2記載の膜電極接合体。
【請求項4】
前記高分子電解質が、前記繊維状物質の質量に対して、1.0倍以上含有されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の膜電極接合体。
【請求項5】
前記繊維状物質が、前記触媒の質量を除いた前記炭素粒子の質量に対して、0.1倍以上2.0倍以下含有されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の膜電極接合体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の膜電極接合体を有する固体高分子形燃料電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、膜電極接合体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境問題やエネルギー問題の有効な解決策として、燃料電池が注目を浴びている。燃料電池とは、水素などの燃料を酸素などの酸化剤を用いて酸化し、これに伴う化学エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置である。
燃料電池は、電解質の種類によって、アルカリ形、リン酸形、高分子形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形などに分類される。高分子形燃料電池(PEFC)は、低温作動、高出力密度であり、小型化・軽量化が可能であることから、携帯用電源、家庭用電源、車載用動力源としての応用が期待されている。
【0003】
高分子形燃料電池(PEFC)は、電解質膜である高分子電解質膜を燃料極(アノード)と空気極(カソード)で挟んだ構造となっており、燃料極側に水素を含む燃料ガス、空気極側に酸素を含む酸化剤ガスを供給することで、下記の電気化学反応により発電する。
アノード:H

→ 2H

+2e

・・・(1)
カソード:1/2O

+2H

+2e

→ H

O・・・(2)
【0004】
アノードおよびカソードは、それぞれ触媒層とガス拡散層の積層構造からなる。アノード側触媒層に供給された燃料ガスは、電極触媒によりプロトンと電子となる(反応1)。プロトンは、アノード側触媒層内の高分子電解質、高分子電解質膜を通り、カソードに移動する。電子は、外部回路を通り、カソードに移動する。カソード側触媒層では、プロトンと電子と外部から供給された酸化剤ガスが反応して水を生成する(反応2)。このように、電子が外部回路を通ることにより発電する。
燃料電池の応用先として、車載用動力源としての自動車搭載などが挙げられる。このとき、膜電極接合体は、砂漠地帯や湿潤地帯などの使用環境、および燃料電池作動に伴う膜電極接合体の乾燥・膨潤に伴い、クラックが発生するなどし、劣化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6278932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記課題を解決する方法として、特許文献1では、触媒層のヤング率を高める方法が提案されている。その手法として、フッ素系のプロトン伝導性の高分子電解質膜(PEM)を燃料極及び空気極で挟んだ後、従来よりも高い温度でホットプレスし、膜電極接合体を作製している。しかしながら、この手法では、直径10-50nmの小さな細孔は維持されるものの、高い温度でホットプレスをすることにより、高分子電解質が溶融し、触媒層内の直径100nm以上のより大きな細孔が潰れてしまう。大きな細孔が潰れ、ガスや水が通りにくい小さな細孔のみが残ることにより、ガス拡散性や排水性が低下し、フラッディングによる発電特性の低下を引き起こしてしまう。
【0007】
更には、高い温度でのホットプレスによる高分子電解質の結晶化は、プロトンの伝導性を低下させ、発電特性の低下が引き起こされる。
また、特許文献1では、他にも、高分子電解質のイオン交換容量(IEC)を低くすることや、フッ素系高分子電解質をポリアリーレンやPEEK(ポリエーテルエーテルケト
ン)等の高分子電解質に変更することも提案されているが、高分子電解質は発電特性へ大きく影響するため、発電特性との両立が十分に図られていない。
本発明は、上述のような課題を解決するべくなされたものであり、触媒層のより大きな細孔を維持することでガス拡散性や排水性といった膜電極接合体の特性を悪化させることなく、発電特性が良好で、かつ、劣化しにくい膜電極接合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る高分子形燃料電池用膜電極接合体は、触媒を担持した炭素粒子、高分子電解質、および繊維状物質を含む、アノード触媒層とカソード触媒層により、プロトン伝導性の高分子電解質膜を挟持した構成の燃料電池用の膜電極接合体であり、前記アノード触媒層及び前記カソード触媒層の合計の平面方向のヤング率が、前記高分子電解質膜の平面方向のヤング率よりも低く、且つ7MPa以上140MPa以下であることを特徴とする。「前記アノード触媒層及び前記カソード触媒層の合計の平面方向のヤング率」は、後述する[ヤング率の算出方法]で説明されているように、アノード触媒層とカソード触媒層を合わせたモデルとして算出されるヤング率である。
【0009】
本発明の一態様に係る燃料電池用膜電極接合体において、上記繊維状物質は、炭素繊維であり得る。
また、本発明の一態様に係る燃料電池用膜電極接合体において、上記アノード触媒層のヤング率は、上記カソード触媒層のヤング率より高いことが好ましい。
また、本発明の一態様に係る燃料電池用膜電極接合体において、上記高分子電解質は、上記繊維状物質の質量に対して、1.0倍以上含有されているのが好ましい。
さらに、本発明の一態様に係る燃料電池用膜電極接合体において、上記繊維状物質は、上記触媒の質量を除いた上記炭素粒子の質量に対して、0.1倍以上2.0倍以下含有されているのが好ましい。
本発明の別の態様に係る固体高分子形燃料電池は、上記態様に係る燃料電池用膜電極接合体を有する固体高分子形燃料電池である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、高発電特性と高耐久性を両立した高分子形燃料電池用膜電極接合体を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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