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公開番号2023074962
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-30
出願番号2021188183
出願日2021-11-18
発明の名称点眼自助具
出願人個人
代理人
主分類A61J 1/05 20060101AFI20230523BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】
人によっては目薬の滴下時には往々にして瞼がとじてしまい、この結果眼球へ的確に目薬を供給するのが困難になるという問題がある。1人で瞼を開いた状態で確実に点眼できる点眼自助具を提供する。
【解決手段】
点眼容器のついたアイカップを眼窩に押し付ける力を利用して、上眼瞼を自動的に開き、かつ開瞼状態を維持する。この状態で、点眼薬を瞳孔の中央に点眼する。この結果、1人で点眼をすることが可能になり、これまで確実な点眼に要した看護補助者・介助者が不要となる。

【選択図】 図1

特許請求の範囲【請求項1】
目薬容器の先端を上下に貫通するよう着脱自在に取付けるアイカップと、その眼窩接触面の上眼瞼側にあって、目薬容器の中心軸が瞳孔の中心を通るよう目薬容器先端を注視しながら眼窩に押し当てたときに強制的に上眼瞼を開瞼させてかつ開瞼状態を維持できるように、前記中心軸に対し約45°から約70°の方向にスライド可能で、表面に緩衝層を設けた開瞼保持部材を有することを特徴とする点眼自助具

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、1人で目薬をさすときに使用する点眼自助具、更に詳しくは、点眼容器に取り付け、点眼時に上眼瞼を強制的に開かせ、点眼薬や洗浄液を的確に眼球や瞼の内側へ点眼することが、介助者の助けなく一人でできるようにした点眼に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、目薬をさす方法は、点眼容器を片方の手で保持して容器の先端を下に向け、顔を上向きにした姿勢で目の真上に上記目薬容器を望ませ、瞼を開いた状態で点眼容器を加圧し、該容器から滴下する点眼薬や洗浄液を眼球に供給することによって行われている。ところで、人間の目は物が近づくと瞼が閉じるようになっている(瞬目反射)ため、上記のような点眼時に目の真上に目薬容器を望ませて接近させると、どうしても瞼を閉じる傾向にあり、従って、点眼時に瞼が開いた状態を維持しなければと意識していても、人によっては目薬の滴下時には往々にして瞼がとじてしまい、この結果眼球へ的確に目薬を供給するのが困難になるという問題がある。また、点眼時に他方の手の指先で瞼を押し開いて保持することが行われているが、このような方法では、指先に接触した目薬が目に入る危険性がある。医療現場ではよく「ゲンコツ法」が指導されるが、上眼瞼の瞬目を抑制できない、点眼容器を持つ方の手が安定しづらい、などのデメリットがある。
高齢者の白内障手術後の治療や、緑内障の進行予防には目薬の点眼が不可欠である。しかし加齢に伴い、瞬目反射を随意的に抑制することや点眼容器を片手で安定して保持し加圧することは難しくなる。確実な点眼を行うために看護補助者・介護者を必要とする場合も少なくないが、一日複数回の点眼をサポートすることは、医療面および経済面、そして生活面での負担も大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
点眼を補助する目的で“らくらく点眼”“ミケルナ配合点眼液点眼補助具”等の点眼補助具が市販されているが、いずれも点眼滴下時に閉眼状態となっている可能性がある。開眼状態での点眼を一人で確実に達成できる点眼補助具は市販されていない。開眼状態での点眼を補助する目的の点眼補助具(例えば特許文献1)の提案はされているが、点眼前の開瞼を点眼時まで維持する機能がないため、滴下時に瞼が無意識に閉じるのを防止できない。
特許3897848(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
点眼に先立って、如何に確実に開瞼し、開瞼を維持した状態で点眼させるか、具体的手段の考案が望まれている。安価かつ簡便で確実に自分1人で開瞼時に点眼できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するため、本発明では点眼容器(1)を固定するアイカップ(2)の眼窩接触面の上瞼側に、開瞼保持部材(3)を具備する。(3)は、点眼容器の中心軸が瞳孔の中心を通るよう、目薬容器先端を注視しながらアイカップを眼窩に押し当てたときに自然に上眼瞼に接触し、上眼瞼への押し当て力および皮膚との摩擦力によって前記中心軸に対し約45°から約70°の方向にスライド可能な構成とする。なお、左右両眼に対して、同じ姿勢で持ち手を変えずに点眼するには、アイカップの眼窩接触面形状を前記中心軸に対して、左右対称とする必要がある。
【発明の効果】
【0006】
このように本発明によれば、上向きで点眼するに際し、点眼容器のついたアイカップを眼窩に押し付ける力を利用して、上眼瞼を自動的に開き、かつ開瞼状態を維持したまま、点眼薬を眼球に点眼することができる。この結果、点眼を確実に一人で行うことが可能になり、これまで確実な点眼に要した看護補助者・介助者が不要となる。
また、本発明の構成の点眼自助具は高価な電動アクチュエーターを用いることなく開瞼可能で、また開瞼を維持したまま点眼できるので、開瞼状態を確認するためのセンサーも不要である。部品点数も少なく、構造も単純なため製造も容易で、小型・軽量で低コストな自助具を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は本発明による点眼自助具の一つの実施形態(実施例1)
図2は開瞼メカニズムと使用法の説明図
図3は本発明による点眼自助具の第二の実施形態(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の点眼自助具の一つの実施形態を図1を用いて説明する。
(1) は点眼容器で、その中心軸を点線で示す。
(2) は(1)を着脱自由に固定し、中心軸を同じくするアイカップ
(3) は開瞼保持部材で、(2)の眼窩接触面の中心軸より上眼瞼側に設置され、点眼容器の中心軸が瞳孔の中心を通るようアイカップを眼窩に押し当てたときに、上眼瞼への押し当て力および皮膚との摩擦力によって、前記中心軸に対し約45°から約70°の方向にスライド可能な構成である。
(4) は開瞼保持部材と上眼瞼との接触面に設け、接触摩擦を大きくする緩衝材である。
(5) はアイカップの眼窩接触面である。
図1の右図は点眼自助具を点眼者の目側から見た図で、一点鎖線は左右および上下の中心線を表す。図中の開口部は、アイカップ眼窩接触面(5)に開けられた開口部で、開瞼保持部材が上方にスライドした状態で、点眼を可能とする。
【0009】
開瞼保持部材(3)は、アイカップ眼窩接触面(5)に沿って上下方向にスライド移動できるよう取り付ける。例えば、開瞼保持部材の左右端末を凹形状として、アイカップ眼窩接触面(5)との間に適度の隙間を与えて嵌合させて取り付ける。アイカップを瞼に押し当てたときに外れないだけの取付け強度が必要なのは言うまでもない。
開瞼保持部材はスライド時の摩擦抵抗が小さいことが望ましいが、摺動面に転がり軸受やベアリングは不要である。開瞼保持部材の材質はフッ素樹脂などのプラスチック平板やアルミ等の金属平板でよい。また、瞼に接触する恐れがあるので、摺動面へのオイルなどの潤滑剤の使用は不可である。
開瞼保持部材は初期状態として、その下端がおおよそ上下中心線の高さに来る必要がある。そのために、機械的なストッパーを設けても良い。図1の実施例では、上瞼側のアイカップ眼窩接触面のみが45°から70°の範囲で傾斜しているので、開瞼保持部材の下端が上下中心線より下に下がることはない。また、初期位置決めのために、ばねや磁石を用いても良い。
緩衝材(4)は、厚さ2ミリのシリコンゴム粘着シートや直径6ミリ程度のクッションゴムが適切である。
また、開瞼保持部材が初期状態として閉じている状態でも目薬容器の先端を目視確認できるよう、開口部は中心線の上側だけでなく、下側にも開口していることが望ましい。
また、開瞼時に上眼瞼のまつ毛を巻き込まないよう、緩衝材および開瞼保持部材の下端がまつ毛生え際の上に当たるよう配置する。
目薬容器(1)をアイカップ(2)に着脱自由に固定するには、目薬容器のネジ山を利用しても良いし、ばね構造で目薬容器胴体を把持しても良い。また、種々のネジ山に対応するため、アタッチメントを用いても良い。
また、同様な開瞼保持部材を下眼瞼側に追加して、下眼瞼も開くようにしても良い。
【0010】
開瞼メカニズムと使用法の説明図
図2でアイカップを片手で眼窩に軽く押し付ける力によって上眼瞼に生じる反力をPとする。この時、中心軸に対しθの角度でスライド可能な開瞼保持部材に作用する力fは
f=P cosθ 式1
で与えられるので、θが0から90°の範囲では、θが大きいほど減少する。
また、fによって上眼瞼に作用する開瞼力Fは
F =fcos(90°-θ)=fsinθ 式2
で与えられるので、fが一定の場合、θが大きいほど増加する。
結果として F = P sinθcosθ=P/2 sin 2θ 式3
となり、θ=0°と90°でゼロで、この場合は上眼瞼を開くことはできない。
ここでθ<45°では、通常の人にはアイカップが眼窩の曲線に合わないので、θ>45°の領域で考える。Fはθ=45°で最大値P/2をとり、θが大きくになるにつれて緩やかに減少するが、70°でF=0.32Pとなり、これ以上では急激に減少してゼロとなる。従って、45°<θ<70°の範囲ならば、Fは例えば人差し指一本以上の力を発揮できるので、十分開瞼することができる。
上眼瞼を意識的に閉じようと力を込める場合は例外として、アイカップを把持した腕で眼窩に押し付けたとき上眼瞼表面に作用する反力Pによって生じる開瞼力Fは、瞼を開くには必要十分に大きいので、開瞼できる。
また、Pの大きさは意識的に調整可能であるが、Fは開かれた瞼を滴下時に無意識に閉じようとする瞼の筋力より十分に大きく継続して作用させることが容易にできる。
開瞼時には開瞼保持部材とアイカップ眼窩接触面の摺動面に作用する動摩擦抵抗が、開瞼後にはより大きな静止摩擦抵抗となるため、アイカップを眼窩に軽く押し付けるだけで滴下終了まで開瞼状態を維持できる。
(【0011】以降は省略されています)

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