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公開番号2023074571
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-30
出願番号2021187549
出願日2021-11-18
発明の名称延伸フィルムの製造方法および光学積層体の製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人個人,個人
主分類B29C 55/04 20060101AFI20230523BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】本発明は、面内位相差および/または配向角のバラツキが低減された長尺状の斜め延伸フィルムを提供する。
【解決手段】長尺状のフィルムを、その左右端部をそれぞれ、縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型の左右のクリップによって把持した状態で、延伸ゾーンおよび熱固定ゾーンをこの順に通過するように搬送すること、該延伸ゾーンにおいて、該左右のクリップの一方のクリップが他方のクリップよりも先行するように、該左右のクリップを少なくとも一方のクリップのクリップピッチを変化させながら走行移動させて、該フィルムを斜め延伸すること、および、該熱固定ゾーンにおいて、該フィルムを熱固定すること、を含み、該熱固定ゾーンにおいて、該フィルムの幅方向において該先行するクリップで把持される端部側の温度が他方の端部側よりも高く、かつ、等温線が該フィルムの幅方向に対して斜め方向に延びる温度勾配領域を形成する、延伸フィルムの製造方法。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
長尺状のフィルムを、その左右端部をそれぞれ、縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型の左右のクリップによって把持した状態で、延伸ゾーンおよび熱固定ゾーンをこの順に通過するように搬送すること、
該延伸ゾーンにおいて、該左右のクリップの一方のクリップが他方のクリップよりも先行するように、該左右のクリップを少なくとも一方のクリップのクリップピッチを変化させながら走行移動させて、該フィルムを斜め延伸すること、および、
該熱固定ゾーンにおいて、該フィルムを熱固定すること、を含み、
該熱固定ゾーンにおいて、該フィルムの幅方向において該先行するクリップで把持される端部側の温度が他方の端部側よりも高く、かつ、等温線が該フィルムの幅方向に対して斜め方向に延びる温度勾配領域を形成する、延伸フィルムの製造方法。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記温度勾配領域において、前記フィルムの幅方向の両端における温度差が、3℃~20℃である、請求項1に記載の延伸フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記等温線が、斜め延伸方向と略平行な方向に延びる、請求項1または2に記載の延伸フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記温度勾配領域が、前記斜め延伸ゾーンから連続的に形成される、請求項1から3のいずれかに記載の延伸フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記温度勾配領域の形成が、前記フィルムに向かって熱風を供給することによって行われる、請求項1から4のいずれかに記載の延伸フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記熱風の風速が、5m/min~20m/minである、請求項5に記載の延伸フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記斜め延伸が、(i)前記一方のクリップのクリップピッチをP

からP

まで増大させつつ、前記他方のクリップのクリップピッチをP

からP

まで減少させること、および、(ii)該減少したクリップピッチと該増大したクリップピッチとが所定の等しいピッチとなるように、それぞれのクリップのクリップピッチを変化させることを含む、請求項1から5のいずれかに記載の延伸フィルムの製造方法。
【請求項8】


/P

が1.25~1.75であり、P

/P

が0.50以上1未満である、請求項7に記載の延伸フィルムの製造方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の製造方法によって長尺状の延伸フィルムを得ること、および
長尺状の光学フィルムと該長尺状の延伸フィルムとを搬送しながら、その長尺方向を揃えて連続的に貼り合わせることを含む、光学積層体の製造方法。
【請求項10】
前記光学フィルムが、偏光板であり、
前記延伸フィルムが、λ/4板またはλ/2板である、請求項9に記載の光学積層体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸フィルムの製造方法および光学積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(OLED)等の画像表示装置において、表示特性の向上や反射防止を目的として円偏光板が用いられている。円偏光板は、代表的には、偏光子と位相差フィルム(代表的にはλ/4板)とが、偏光子の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とが45°の角度をなすようにして積層されている。従来、位相差フィルムは、代表的には、縦方向および/または横方向に一軸延伸または二軸延伸することにより作製されているので、その遅相軸は、多くの場合、長尺状のフィルム原反の横方向(幅方向)または縦方向(長尺方向)に発現する。結果として、円偏光板を作製するには、位相差フィルムを幅方向または長尺方向に対して45°の角度をなすように裁断し、1枚ずつ貼り合わせる必要があった。
【0003】
また、円偏光板の広帯域性を確保するために、λ/4板とλ/2板の二枚の位相差フィルムを積層させる場合もある。その場合はλ/2板は偏光子の吸収軸に対して75°の角度をなすように積層し、λ/4板は偏光子の吸収軸に対して15°の角度をなすように積層する必要がある。この場合でも、円偏光板を作製する際には、位相差フィルムを幅方向または長尺方向に対して15°および75°の角度をなすように裁断し、1枚ずつ貼り合わせる必要があった。
【0004】
さらに別の実施形態においては、ノートPCからの光が、キーボード等に映り込むのを回避するために、偏光板からでた直線偏光の向きを90°回転させる目的で、偏光板の視認側にλ/2板を用いることがある。この場合でも、位相差フィルムを幅方向または長尺方向に対して45°の角度をなすように裁断し、1枚ずつ貼り合わせる必要があった。
【0005】
このような問題を解決するために、長尺状のフィルムの幅方向の左右端部をそれぞれ、縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型の左右のクリップによって把持し、該左右のクリップの少なくとも一方のクリップピッチを変化させて、長尺方向に対して斜め方向に延伸(以下、「斜め延伸」とも称する)することにより、位相差フィルムの遅相軸を斜め方向に発現させる技術が提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、このような技術で得られた斜め延伸フィルムにおいては、面内位相差および/または配向角にバラツキが生じる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4845619号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、面内位相差および/または配向角のバラツキが低減された長尺状の斜め延伸フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの局面によれば、長尺状のフィルムを、その左右端部をそれぞれ、縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型の左右のクリップによって把持した状態で、延伸ゾーンおよび熱固定ゾーンをこの順に通過するように搬送すること、該延伸ゾーンにおいて、該左右のクリップの一方のクリップが他方のクリップよりも先行するように、該左右のクリップを少なくとも一方のクリップのクリップピッチを変化させながら走行移動させて、該フィルムを斜め延伸すること、および、該熱固定ゾーンにおいて、該フィルムを熱固定すること、を含み、該熱固定ゾーンにおいて、該フィルムの幅方向において該先行するクリップで把持される端部側の温度が他方の端部側よりも高く、かつ、等温線が該フィルムの幅方向に対して斜め方向に延びる温度勾配領域を形成する、延伸フィルムの製造方法が提供される。
1つの実施形態において、上記温度勾配領域において、上記フィルムの幅方向の両端における温度差が、3℃~20℃である。
1つの実施形態において、上記等温線が、斜め延伸方向と略平行な方向に延びる。
1つの実施形態において、上記温度勾配領域が、上記斜め延伸ゾーンから連続的に形成される。
1つの実施形態において、上記温度勾配領域の形成が、上記フィルムに向かって熱風を供給することによって行われる。
1つの実施形態において、上記熱風の風速が、5m/min~20m/minである。
1つの実施形態において、上記斜め延伸が、(i)上記一方のクリップのクリップピッチをP

からP

まで増大させつつ、上記他方のクリップのクリップピッチをP

からP

まで減少させること、および、(ii)該減少したクリップピッチと該増大したクリップピッチとが所定の等しいピッチとなるように、それぞれのクリップのクリップピッチを変化させることを含む。
1つの実施形態において、P

/P

が1.25~1.75であり、P

/P

が0.50以上1未満である。
本発明の別の局面によれば、上記製造方法によって長尺状の延伸フィルムを得ること、および、長尺状の光学フィルムと該長尺状の延伸フィルムとを搬送しながら、その長尺方向を揃えて連続的に貼り合わせることを含む、光学積層体の製造方法が提供される。
1つの実施形態において、上記光学フィルムが、偏光板であり、上記延伸フィルムが、λ/4板またはλ/2板である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の延伸フィルムの製造方法においては、フィルムの幅方向において斜め延伸時に先行するクリップ側(換言すれば、斜め延伸方向の搬送方向下流側)の温度が高く、かつ、等温線がフィルムの幅方向に対して斜め方向に延びる温度勾配領域において熱固定を行う。これにより、面内位相差および/または配向角のバラツキが低減された長尺状の斜め延伸フィルムが得られ得る。当該効果が得られる理由としては、本発明を制限するものではないが、フィルムが斜め方向に均一に加熱される結果、熱固定が良好に行われるためと推測される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の延伸フィルムの製造方法に用いられ得る延伸装置の一例の全体構成を説明する概略平面図である。
図1の延伸装置においてクリップピッチを変化させるリンク機構を説明するための要部概略平面図である。
図1の延伸装置においてクリップピッチを変化させるリンク機構を説明するための要部概略平面図である。
斜め延伸の1つの実施形態におけるクリップピッチのプロファイルを示す概略図である。
斜め延伸の1つの実施形態におけるクリップピッチのプロファイルを示す概略図である。
温度勾配領域の一例を説明する概略平面図である。
温度勾配領域における温度変化パターンの具体例を示す概略図である。
温度勾配領域の別の一例を説明する概略平面図である。
温度勾配領域の形成に使用され得る熱風式加熱装置を説明する概略図である。
温度勾配領域の形成における熱風式加熱装置の配置例を説明する概略平面図である。
本発明の製造方法により得られる位相差フィルムを用いた円偏光板の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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