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公開番号2023074444
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-29
出願番号2021187439
出願日2021-11-17
発明の名称流体タンクの検査装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類G01N 29/12 20060101AFI20230522BHJP(測定;試験)
要約【課題】 流体タンクの或る部位に音波を与え、流体タンクの別の部位にて、その与えられた音波を計測し、その音波の特性の変化からタンク壁の状態の変化を検知する形式の流体タンクの検査装置を提供する。
【解決手段】 流体タンクの検査装置は、流体タンクのタンク壁の第一の部位に音波を与える加振手段と、流体タンクのタンク壁の第二の部位にて音波を検出する音波検出手段と、音波検出手段により検出された前記音波の特性を検出する手段と、音波の特性に基づいてタンク壁の状態を判定する手段とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
流体タンクの検査装置であって、
前記流体タンクのタンク壁の第一の部位に音波を与える加振手段と、
前記流体タンクのタンク壁の第二の部位にて前記音波を検出する音波検出手段と、
前記音波検出手段により検出された前記音波の特性を検出する手段と、
前記音波の特性に基づいて前記タンク壁の状態を判定する手段と
を含む装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、流体(液体、気体)のタンクの検査装置に係り、より詳細には、流体タンクの薄肉化や割れなどの劣化を検査するための装置に係る。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
種々の燃料等の流体(ガソリン、軽油、液体アンモニア、ガスなど)を貯蔵するタンクに於いて、流体を安全に貯蔵するためには、タンクの劣化の程度或いは寿命を把握し、適切に、タンクの補修、交換が実施できることが望ましい。そこで、従前より種々の態様にてタンクの状態を検査する構成が提案されている。例えば、特許文献1~3に於いては、気体を充填する高圧タンクに於いて、耐圧試験圧力よりも低い検査圧力まで、気体を充填して高圧タンクの内部の圧力を増加させることにより、高圧タンクでクラックが発生したときに生じるAE波を検出し、AE波形に基づいて、高圧タンクの劣化の有無を判定する構成が提案されている。特許文献4では、地下タンク内の液相部に生じている暗騒音と漏洩に基づく特有の音を液相部に配置したマイクロフォンによって集音し、暗騒音と特有の音とが合成された電気音響信号の周波数成分及び音の大きさを分析し、分析結果を表示する構成が開示されている。なお、特許文献5には、金属製の燃料タンクに於ける耐漏れ性を向上する目的で、金属製外壁層の内面に低密度ポリエチレンからなる内層を積層した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-162469
特開2021-162458
特開2021-162452
特開2005-127918
特開2013-193678
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の如き流体を貯蔵するタンクに於いて、腐食や割れなどの劣化が生ずると、タンクの容積を画定している壁(タンク壁)が薄肉化するなどして状態が変化するので、タンク壁に音波が伝播する際の共振周波数などの音響特性が変化することとなる。従って、タンク壁の或る部位をハンマリングするなどして衝撃音等の音波を与えたときにタンク壁の別の部位にて計測される音波を分析し、その特性の変化を参照することで、タンク壁の状態の変化が検知され、これにより、タンクの補修や交換の要否、寿命を把握することが可能となる。本発明に於いては、この知見が利用される。
【0005】
かくして、本発明の一つの課題は、流体タンクの或る部位に音波を与え、流体タンクの別の部位にて、その与えられた音波を計測し、その音波の特性の変化からタンク壁の状態の変化を検知する形式の流体タンクの検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記の課題は、流体タンクの検査装置であって、
前記流体タンクのタンク壁の第一の部位に音波を与える加振手段と、
前記流体タンクのタンク壁の第二の部位にて前記音波を検出する音波検出手段と、
前記音波検出手段により検出された前記音波の特性を検出する手段と、
前記音波の特性に基づいて前記タンク壁の状態を判定する手段と
を含む装置
によって達成される。
【0007】
上記の本発明の構成に於いて、「流体タンク」は、任意の液体又は気体を貯蔵するタンクであってよく、「タンク壁」とは、流体を貯蔵する空間を画定する壁部分である。タンク壁の第一の部位に与えられる「音波」は、典型的には、タンク壁の第一の部位を、壁を損傷する程度よりもはるかに弱い程度にて小型のハンマーなどの部材にて叩くこと(ハンマリング)により発生する衝撃音であってよいが、これに限定されず、種々の周波数を含む音波であってよい。タンク壁の第二の部位にて音波を検出する手段は、例えば、マイクなどの集音器であってよい。「音波の特性」とは、タンク壁を伝播する音波の共振周波数(検出された音波のピーク周波数)、音波の伝播時間(加振手段の音波の発生から音波検出手段に於ける音波の検出までの要した時間)、音波の強度(パワー)などであってよい。判定される「タンク壁の状態」とは、タンク壁の薄肉化や割れの有無などであってよい。音波検出手段により検出された音波からのその特性の検出は、任意の音響分析技術が用いられてよい。
【0008】
上記の本発明の装置の構成に於いては、端的に述べれば、流体タンクのタンク壁の或る部位(第一の部位)に衝撃音などの音波を与え、その音波をタンク壁の別の部位(第二の部位)にて検出し、検出された音波の特性の変化から、タンク壁の状態が検知される。当業者に於いて理解される如く、タンク壁の或る部位に於いて音波が与えられたとき、タンク壁の別の部位まで強く伝達される音波は、タンク壁の構造により決定される共振周波数の音波となる(共振周波数以外の音波は、急激に減衰する。)。そして、タンク壁に薄肉化した部分や割れが生ずると、かかる共振周波数が変化し、或いは、第一の部位から第二の部位までに音波が伝播するのに要する時間、強度も変化することとなる。かくして、タンク壁の第一の部位にて与えられ、第二の部位にて検出された音波の特性を検出することにより、タンク壁の状態の変化を検知することが可能となる。
【0009】
上記の本発明の装置に於いて、第一の部位と第二の部位との位置関係は、音波が有意な距離にて伝播するように、即ち、共振周波数以外の音波が十分に減衰する距離にて伝播するように設定されてよい。タンクの断面が円形の場合、典型的には、第一の部位と第二の部位とは互いに円の中心について略対称の位置であってよいが、これに限定されない。また、タンクの断面が多角形の場合、第一の部位と第二の部位とは、互いに対角線の位置であってよいが、これに限定されない。
【0010】
上記の構成に於いて、より具体的には、タンク壁が腐食又は割れなどにより薄肉化すると、振幅方向の可動距離が長くなり、共振周波数が低下し、また、2点間の音波の伝播時間も長くなり、或いは、減衰量が減って伝播するパワーが大きくなる。従って、上記の如く、第一の部位にて与えられ第二の部位にて検出される音波の共振周波数の低下、音波の伝播時間の延長又は強度の増大に基づいて、タンク壁の薄肉化が判定されてよい。実施の形態に於いて、共振周波数の低下幅、伝播時間の延長幅又は強度の増大幅がそれぞれ閾値を超えたときに、タンク壁が補修又は交換されるべきであると判定されてよい。閾値は、実験等により予め決定されてよい。なお、タンク壁にて伝達する音波の共振周波数、伝達時間及び強度は、タンク内の流体の貯蔵量によっても変化するので、音波の共振周波数、伝達時間又は強度によるタンク壁の薄肉化の有無又は程度の検査は、タンク内の流体の貯蔵量が或る定められた量であるときに実施されてよい。例えば、検査が実行される状態は、タンク内が流体の充填された状態(任意に設定されてよい所定の圧力時)又は空の状態などであってよい。
(【0011】以降は省略されています)

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