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公開番号2023074398
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-29
出願番号2021187349
出願日2021-11-17
発明の名称表面改質方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C09D 201/02 20060101AFI20230522BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】対象表面に高い改質効果を付与することができる、表面改質方法及び表面改質用処理剤セットを提供する。
【解決手段】〔1〕対象表面を改質する表面改質方法であって、工程1:対象表面上のベンゼン環を含む化合物(A)の重合体に、カチオン性化合物(B)を含有する処理剤を適用する工程、を含み、該化合物(A)が、ベンゼン環に2つ以上の水酸基が結合した構造を含む化合物、及び該化合物の少なくとも1つの水酸基がアセトキシ基によって置換された誘導体から選ばれる1種以上である、表面改質方法、及び、〔2〕ベンゼン環を含む化合物(A)を含有する前処理剤と、カチオン性化合物(B)を含有する処理剤とを含み、該化合物(A)が、ベンゼン環に2つ以上の水酸基が結合した構造を含む化合物、及び該化合物の少なくとも1つの水酸基がアセトキシ基によって置換された誘導体から選ばれる1種以上である、表面改質用処理剤セットである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
対象表面を改質する表面改質方法であって、
工程1:対象表面上のベンゼン環を含む化合物(A)の重合体に、カチオン性化合物(B)を含有する処理剤を適用する工程、を含み、
該ベンゼン環を含む化合物(A)が、ベンゼン環に2つ以上の水酸基が結合した構造を含む化合物、及び該化合物の少なくとも1つの水酸基がアセトキシ基によって置換された誘導体から選ばれる1種以上である、表面改質方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
工程1の前に下記の工程1-1を含む、請求項1に記載の表面改質方法。
工程1-1:対象表面にベンゼン環を含む化合物(A)を含有する前処理剤を適用した後、該化合物(A)の重合体を形成する工程
【請求項3】
ベンゼン環を含む化合物(A)がカテコール構造を有する化合物及び該化合物の少なくとも1つの水酸基がアセトキシ基によって置換された誘導体から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の表面改質方法。
【請求項4】
ベンゼン環を含む化合物(A)がカテコールアミン化合物及び該化合物の少なくとも1つの水酸基がアセトキシ基によって置換された誘導体から選ばれる1種以上である、請求項1~3のいずれかに記載の表面改質方法。
【請求項5】
ベンゼン環を含む化合物(A)が5,6-ジヒドロキシインドールである、請求項1~4のいずれかに記載の表面改質方法。
【請求項6】
カチオン性化合物(B)がカチオン性ポリマーである、請求項1~5のいずれかに記載の表面改質方法。
【請求項7】
前記カチオン性ポリマーが、下記式(2)で表されるカチオン性基を有する構成単位(b1)と下記式(3)で表されるベタインを有する構成単位(b2)とを含むカチオン性ベタインポリマーである、請求項6に記載の表面改質方法。
JPEG
2023074398000013.jpg
51
55
〔式(2)中、

21
~R
23
は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1もしくは2のアルキル基を示し、

1
は、酸素原子又はNR
30
を示し、R
30
は、水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基を示し、

24
は、炭素数1以上4以下のアルキレン基を示し、

2
は、N
+

25

26

27

3
又はNR
28

29
を示し、R
25
~R
29
は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基を示し、X
3
は陰イオンを示す。〕
JPEG
2023074398000014.jpg
61
55
〔式(3)中、

31
~R
33
は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1もしくは2のアルキル基を示し、

4
は、酸素原子又はNR
37
を示し、R
37
は、水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基を示し、

34
は、炭素数1以上4以下のアルキレン基、又は-Y
1
-OPO
3
-
-Y
2
-を示し、Y
1
及びY
2
は、同一又は異なって、炭素数1以上4以下のアルキレン基を示し、

35
及びR
36
は、同一又は異なって、炭素数1以上4以下の炭化水素基を示し、

5
は、R
34
が炭素数1以上4以下のアルキレン基のとき、R
38
SO
3
-
、又はR
38
COO
-
【請求項8】
表面改質方法が表面親水化方法である、請求項1~7のいずれかに記載の表面改質方法。
【請求項9】
ベンゼン環を含む化合物(A)を含有する前処理剤と、カチオン性化合物(B)を含有する処理剤とを含み、
該ベンゼン環を含む化合物(A)が、ベンゼン環に2つ以上の水酸基が結合した構造を含む化合物、及び該化合物の少なくとも1つの水酸基がアセトキシ基によって置換された誘導体から選ばれる1種以上である、表面改質用処理剤セット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、表面改質方法及び表面改質用処理剤セットに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、固体表面の改質方法としては、親水化処理、撥水化処理といった固体表面の濡れを制御する方法が知られている。中でも、固体表面の親水化処理は、固体表面の水に対する接触角を低下させ、固体表面を水に対して濡れ易くすることにより、該処理後の固体表面に汚れが付着した際には、汚れが洗浄時に落ち易くなる効果や汚れの再付着を防止する効果が期待できる他、ガラス、鏡等の防曇、帯電防止、熱交換器のアルミニウムフィンの着霜防止、浴槽及びトイレ表面等の防汚性付与等の効果が期待できるため、様々な産業分野で用いられ、固体表面の改質方法の検討が進められてきた。
【0003】
例えば、特許文献1では、表面上でのバイオフィルム形成を低減又は防止するためにコーティング材料を堆積させる方法として、ドーパミンコーティング材料の溶液混合物を表面と接触させて、表面にドーパミンコーティングを形成し、バイオフィルム形成を低減する方法が記載されている。
特許文献2では、界面の物性の制御、汚染物質の付着防止等の機能付与などに好適で幅広い分野で利用可能な複合材料の製造方法の提供を課題として、化合物Bと結合可能な官能基を含む、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は含複素環式基を有する化合物Aと、基材とを結合させ、及び、該化合物Aと該化合物Bとを結合させる複合材料の製造方法が記載されている。
特許文献3では、基材の表面に共有結合する親水性コーティングの形成方法であって、前記方法が、(a)表面と、成分A及びB、任意選択の成分C、任意選択の成分D及びラジカル開始剤を含む混合物とを接触させるステップであって、成分Aが、1つ以上のアルケン及び/又はアルキン基を各々含む1種以上のC2~C16親水性モノマーを含み、成分Bが、2つ以上のアルケン及び/又はアルキン基を各々含む1種以上の親水性ポリマーを含み、成分Cが、存在する場合には、1つ以上のアルケン又はアルキン基を各々含む1種以上の有益な化学物質を含み、並びに成分Dが、存在する場合には、チオール、アルケン、及びアルキン基から独立に選択される2つ以上の官能基を各々含む1種以上の低分子量架橋剤を含むステップ;並びに(b)成分A、成分B、並びに任意選択のC及びDの架橋コポリマーを形成するために、成分A、B及びC(存在する場合には)のアルケン及び/又はアルキン基並びに成分D(存在する場合には)の官能基が関与するラジカル重合を開始するステップであって、前記コポリマーが表面に共有結合するステップ、並びに(c)任意選択的に、1種以上の有益な化学物質を含む成分Eを親水性コーティング中に組み込むステップであって、成分Eが成分A、B、C(存在する場合には)及びD(存在する場合には)とコポリマーを形成しないステップを含む方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2011/005258号
特開平10-287862号公報
特表2016-508776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1~3の技術では、対象表面の改質が十分でないことが判明した。
本発明は、対象表面に高い改質効果を付与することができる、表面改質方法及び表面改質用処理剤セットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ベンゼン環を含む化合物とカチオン性化合物とを用いて、対象表面を処理することにより、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記[1]及び[2]を提供する。
[1]対象表面を改質する表面改質方法であって、
工程1:対象表面上のベンゼン環を含む化合物(A)の重合体に、カチオン性化合物(B)を含有する処理剤を適用する工程、を含み、
該ベンゼン環を含む化合物(A)が、ベンゼン環に2つ以上の水酸基が結合した構造を含む化合物、及び該化合物の少なくとも1つの水酸基がアセトキシ基によって置換された誘導体から選ばれる1種以上である、表面改質方法。
[2]ベンゼン環を含む化合物(A)を含有する前処理剤と、カチオン性化合物(B)を含有する処理剤とを含み、
該ベンゼン環を含む化合物(A)が、ベンゼン環に2つ以上の水酸基が結合した構造を含む化合物、及び該化合物の少なくとも1つの水酸基がアセトキシ基によって置換された誘導体から選ばれる1種以上である、表面改質用処理剤セット。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、対象表面に高い改質効果を付与することができる、表面改質方法及び表面改質用処理剤セットを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[表面改質方法]
本発明の表面改質方法は、対象表面を改質する表面改質方法であって、
工程1:対象表面上のベンゼン環を含む化合物(A)の重合体に、カチオン性化合物(B)を含有する処理剤を適用する工程、を含み、
該ベンゼン環を含む化合物(A)が、ベンゼン環に2つ以上の水酸基が結合した構造を含む化合物、及び該化合物の少なくとも1つの水酸基がアセトキシ基によって置換された誘導体から選ばれる1種以上である。
本発明において「カチオン性化合物」とは、カチオン性基を有するものであり、かつ、全体としてカチオン性を示す化合物である。
本発明において「カチオン性基」とは、カチオン基、又は、イオン化されてカチオン基になり得る基をいう。カチオン性基としては、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アンモニウム基が挙げられる。
【0009】
本発明によれば、対象表面に高い改質効果を付与することができる。このような効果を奏する理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明において、対象表面上には、特定のベンゼン環を含む化合物の重合体を有する。このような表面にカチオン性化合物を含有する処理剤を適用することにより、カチオン性化合物のカチオン性基と、ベンゼン環を含む化合物の重合体中に含まれるベンゼン環を含む化合物に由来するπ電子とのカチオン-π相互作用により、カチオン性化合物がベンゼン環を含む化合物の重合体を介して対象表面に効率的に吸着することができ、カチオン性化合物が有する特性による改質効果を高めることができると考えられる。
【0010】
(工程1)
工程1は、対象表面に付与する改質効果を高める観点から、対象表面上のベンゼン環を含む化合物(A)の重合体に、カチオン性化合物(B)を含有する処理剤を適用する工程である。
ベンゼン環を含む化合物(A)の重合体は、対象表面に付与する改質効果を高める観点から、好ましくは架橋構造を有する。前記架橋構造は、3次元網目状の架橋構造であることが好ましい。
ベンゼン環を含む化合物(A)の重合体が架橋構造を有する場合、ベンゼン環を含む化合物(A)の重合体は、ベンゼン環を含む化合物(A)を溶解する溶媒に溶解しない。
(【0011】以降は省略されています)

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