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公開番号2023074007
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-26
出願番号2022183717
出願日2022-11-16
発明の名称ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12N 15/60 20060101AFI20230519BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】微生物の培養菌体を用いてプロトカテク酸から3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンを効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】プロトカテク酸デカルボキシラーゼ及びチロシンフェノールリアーゼを生産する微生物の培養菌体若しくはその破砕物又は当該微生物の菌体抽出物と、プロトカテク酸、ピルビン酸及びアンモニウム塩を接触反応させる工程を含む3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
プロトカテク酸デカルボキシラーゼ及びチロシンフェノールリアーゼを生産する微生物の培養菌体若しくはその破砕物又は当該微生物の菌体抽出物と、プロトカテク酸、ピルビン酸及びアンモニウム塩を接触反応させる工程を含む3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
微生物がプロトカテク酸デカルボキシラーゼ及びチロシンフェノールリアーゼをコードする遺伝子を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
微生物が、さらにフラビンモノヌクレオチドプレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を有する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
遺伝子のうち少なくとも1つが外来遺伝子である、請求項2又は3記載の方法。
【請求項5】
チロシンフェノールリアーゼがプロトカテク酸による活性阻害率が91%以下のチロシンフェノールリアーゼである、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
チロシンフェノールリアーゼが、以下の(B1)、(B2)、(C1)、(C2)、(D1)及び(D2)からなる群より選択されるタンパク質である、請求項1~5のいずれか1項記載の方法。
(B1)配列番号2に示すアミノ酸配列からなるタンパク質
(B2)配列番号2に示すアミノ酸配列と少なくとも90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつチロシンフェノールリアーゼ活性を有するタンパク質
(C1)配列番号4に示すアミノ酸配列からなるタンパク質
(C2)配列番号4に示すアミノ酸配列と少なくとも90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつチロシンフェノールリアーゼ活性を有するタンパク質
(D1)配列番号6に示すアミノ酸配列からなるタンパク質
(D2)配列番号6に示すアミノ酸配列と少なくとも90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつチロシンフェノールリアーゼ活性を有するタンパク質
【請求項7】
チロシンフェノールリアーゼが、前記(B1)又は(B2)のタンパク質である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
プロトカテク酸が糖類を原料として製造されたものである、請求項1~7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
反応溶液中より3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンを回収する工程を含む、請求項1~8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
プロトカテク酸デカルボキシラーゼ及びチロシンフェノールリアーゼをコードするポリヌクレオチドを含むベクター又はDNA断片。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン(L-DOPA)は、ある種の植物(例えばムクナマメ)や哺乳類の体内で生合成される化合物である。哺乳類では非必須アミノ酸であるL-チロシンがチロシン水酸化酵素により水酸化されてL-DOPAに変換され、さらにL-DOPA脱炭酸酵素により神経伝達物質であるドーパミンに変換される。すなわちL-DOPAはドーパミンの前駆体である。また、L-DOPAは血液脳関門を通過できることから、パーキンソン病の治療薬としても用いられる。
【0003】
従来、L-DOPAの製造法として、バニリンを原料とする化学合成法や、微生物の有する酵素系を用いた方法等が知られ、安価且つ効率的な方法として、β-チロシナーゼ(チロシンフェノールリアーゼ)活性を有するエルウィニア属微生物の培養物をカテコール、ピルビン酸及びアンモニウムイオン、又はカテコール及びL-セリンに接触反応させて製造する方法が報告されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
一方、シキミ酸経路は、植物や微生物が芳香族化合物を生合成する重要な代謝経路である。シキミ酸経路では、炭素6員環の形成に続いて二重結合の形成が行われるが、3-デヒドロシキミ酸から誘導されるプロトカテク酸からは、没食子酸、カテコール等の芳香族化合物が生産されることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3116102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、微生物の培養菌体等を用いてプロトカテク酸から3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンを効率よく製造する方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、プロトカテク酸に阻害を受けにくいチロシンフェノールリアーゼを見出し、プロトカテク酸デカルボキシラーゼ及び該チロシンフェノールリアーゼを生産する微生物の培養菌体を用いることにより、プロトカテク酸から3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンを効率良く製造できることを見出した。
【0008】
すなわち本発明は、以下の1)~3)に係るものである。
1)プロトカテク酸デカルボキシラーゼ及びチロシンフェノールリアーゼを生産する微生物の培養菌体若しくはその破砕物又は当該微生物の菌体抽出物と、プロトカテク酸、ピルビン酸及びアンモニウム塩を接触反応させる工程を含む3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法。
2)プロトカテク酸デカルボキシラーゼ及びチロシンフェノールリアーゼをコードするポリヌクレオチドを含むベクター又はDNA断片。
3)上記2)のベクター又はDNA断片を含有する形質転換細胞。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プロトカテク酸から3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンを効率よく製造することが可能になる。プロトカテク酸はシキミ酸経路を介して生成されることから、本発明によれば、バイオマス糖を原料として3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンの生産が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明において、アミノ酸配列又はヌクレオチド配列の同一性は、Lipman-Pearson法(Science,1985,227:1435-1441)によって計算される。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGENETYX Ver.12のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行うことにより算出される。
(【0011】以降は省略されています)

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