TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2023072890
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-25
出願番号2021185590
出願日2021-11-15
発明の名称増床工法
出願人株式会社竹中工務店
代理人個人
主分類E04G 23/02 20060101AFI20230518BHJP(建築物)
要約【課題】鉄骨鉄筋コンクリート造の既設柱に対して、前方に延在する新設梁を固定し、当該新設梁に支持される新設床を構築する増床工法において、既設柱の曲げ耐力の低下を抑制しながら、既設柱の前方側の居室空間の縮小を好適に抑制できる技術を提供する。
【解決手段】前後にフランジ14bが位置するH形鋼14が鉄筋コンクリート内部に埋設されてなる鉄骨鉄筋コンクリート造の既設柱10に対して、前方に延在する新設梁30を固定し、当該新設梁30に支持される新設床40を構築する増床工法であって、既設柱10の左右の少なくとも一方側の側面11に対して当該側面11に添う新設柱20を設置し、当該新設柱20を既設柱10に埋設されたH形鋼14のウェブ14aを貫通する貫通ボルト25により既設柱10に接合する新設柱接合工程と、新設梁30を、既設柱10に接合された新設柱20に対して接合する新設梁接合工程と、を備えた。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
前後にフランジが位置するH形鋼が鉄筋コンクリート内部に埋設されてなる鉄骨鉄筋コンクリート造の既設柱に対して、前方に延在する新設梁を固定し、当該固定した新設梁に支持される新設床を構築する増床工法であって、
前記既設柱の左右の少なくとも一方側の側面に対して当該側面に添う新設柱を設置し、当該設置した新設柱を前記既設柱に埋設されたH形鋼のウェブを貫通する貫通ボルトにより前記既設柱に接合する新設柱接合工程と、
前記新設梁を、前記既設柱に接合された前記新設柱に対して接合する新設梁接合工程と、を備えた増床工法。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
前記新設柱接合工程において、前記既設柱の左右両側の側面の夫々に対して前記新設柱を設置し、当該設置した一対の前記新設柱を同じ前記貫通ボルトにより前記既設柱に接合し、
前記新設梁接合工程において、前記既設柱に接合された一対の前記新設柱の夫々に対して前記新設梁を接合する請求項1に記載の増床工法。
【請求項3】
前記新設梁接合工程において、前記新設梁を、前記新設柱に対して片持ち状態で接合する請求項1又は2に記載の増床工法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、前後にフランジが位置するH形鋼が鉄筋コンクリート内部に埋設されてなる鉄骨鉄筋コンクリート造の既設柱に対して、前方に延在する新設梁を固定し、当該固定した新設梁に支持される新設床を構築する増床工法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート造の既設柱に対して新設梁を固定し、当該固定した新設梁に支持される新設床を構築する増床工法において、既設柱に対して新設梁を接合するためにあと施工アンカーを用いることは、現在の建築基準法において認められていない。そこで、あと施工アンカーを用いることなく、既設柱に対して新設梁を固定する増床工法が知られている(例えば特許文献1を参照。)。この特許文献1記載の増床工法では、既設柱の全周を囲う筒状の新設柱が構築され、その新設柱の前面に対して当該前面に直交方向に延在する新設梁の端部が接合されて、その新設梁に新設床が支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-248643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1記載の増床工法では、既設柱の全周を筒状の新設柱で囲うため、施工後の柱は施工前と比べて太くなるので、既設柱の前方側の居室空間への張り出し量が増加することになる。そして、このような既設柱の前方側の居室空間への張り出し量増加は、既設柱の前方側での新設梁の追加と相俟って、既設柱の前方側の居室空間の縮小を招くという問題がある。
また、既設柱の前面に対して前方に延在する新設梁を接合するにあたり、当該既設柱を貫通する貫通ボルトを用いることが考えられる。しかしながら、前後にフランジが位置するH形鋼が鉄筋コンクリート内部に埋設されてなる鉄骨鉄筋コンクリート造の既設柱に対して新設梁を固定する場合において、既設柱の前面に新設梁を接合するための貫通ボルトは、前後方向に延在するものとなり、当該既設柱に埋設されたH形鋼のフランジを貫通するものとなる。そして、既設柱においてH形鋼のフランジに貫通ボルト用の貫通孔が形成されると、当該フランジの断面欠損による既設柱の曲げ耐力の低下が問題となる。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、前後にフランジが位置するH形鋼が鉄筋コンクリート内部に埋設されてなる鉄骨鉄筋コンクリート造の既設柱に対して、前方に延在する新設梁を固定し、当該固定した新設梁に支持される新設床を構築する増床工法において、既設柱の曲げ耐力の低下を抑制しながら、既設柱の前方側の居室空間の縮小を好適に抑制できる技術を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、前後にフランジが位置するH形鋼が鉄筋コンクリート内部に埋設されてなる鉄骨鉄筋コンクリート造の既設柱に対して、前方に延在する新設梁を固定し、当該固定した新設梁に支持される新設床を構築する増床工法であって、
前記既設柱の左右の少なくとも一方側の側面に対して当該側面に添う新設柱を設置し、当該設置した新設柱を前記既設柱に埋設されたH形鋼のウェブを貫通する貫通ボルトにより前記既設柱に接合する新設柱接合工程と、
前記新設梁を、前記既設柱に接合された前記新設柱に対して接合する新設梁接合工程と、を備えた点にある。
【0006】
本構成によれば、上記新設柱接合工程において、既設柱の左右の少なくとも一方側の側面に添わせて設置された新設柱を当該既設柱に接合するための貫通ボルトは、既設柱に埋設されたH形鋼の前後に位置するフランジに平行な状態で左右方向に延在して既設柱を貫通するものとなる。よって、既設柱において貫通ボルトを配置するにあたり、貫通ボルトがH形鋼のウェブのみを貫通する状態で、既設柱に埋設されたH形鋼のフランジに対する貫通ボルトの干渉を容易に回避することができるので、当該H形鋼のフランジの断面欠損による既設柱の曲げ耐力の低下を回避することができる。そして、上記新設梁接合工程において、既設柱の左右の少なくとも一方側の側面に接合した新設柱に対し、その側面に沿う状態で前方に延在する新設梁を接合し、当該新設梁に新設床を支持させることができる。
更に、既設柱の前面には新設柱などの部材が付加されないので、既設柱の前方側の居室空間への張り出し量増加を回避することができる。
従って、本発明により、前後にフランジが位置するH形鋼が鉄筋コンクリート内部に埋設されてなる鉄骨鉄筋コンクリート造の既設柱に対して、前方に延在する新設梁を固定し、当該固定した新設梁に支持される新設床を構築する増床工法において、既設柱の曲げ耐力の低下を抑制しながら、既設柱の前方側の居室空間の縮小を好適に抑制できる技術を提供することができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記新設柱接合工程において、前記既設柱の左右両側の側面の夫々に対して前記新設柱を設置し、当該設置した一対の前記新設柱を同じ前記貫通ボルトにより前記既設柱に接合し、
前記新設梁接合工程において、前記既設柱に接合された一対の前記新設柱の夫々に対して前記新設梁を接合する点にある。
【0008】
本構成によれば、一の既設柱に対し、その左右両側の側面を挟み込む形態で一対の新設柱を設け、それら一対の新設柱の夫々に対して同じ前方側に延在する新設梁を接合することができる。即ち、一の既設柱に対してその左右両側の側面に配置された一対の新設柱を介して一対の新設梁が固定されるので、一の既設柱に対して一の新設梁が固定される場合と比較して、当該一対の新設梁をそれらの間にある既設柱によりバランス良く支持することができると共に、新設梁の数量増加により各新設梁の梁成をできるだけ小さいものに設定できる。このことで、当該新設梁が設けられる既設柱の前方側の居室空間の縮小を一層抑制することができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記新設梁接合工程において、前記新設梁を、前記新設柱に対して片持ち状態で接合する点にある。
【0010】
本構成によれば、既設柱の左右の少なくとも一方側の側面に接合された新設柱に対して新設梁を片持ち状態で接合するので、当該片持ち状態の新設梁の固定端に作用する比較的大きな曲げモーメントを、当該新設柱及びそれが接合された既設柱により強固に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
簡易車庫
1か月前
積水樹脂株式会社
1か月前
積水樹脂株式会社
パネル
1か月前
個人
地下食糧生産システム
9日前
個人
二重構造のボールの家
2か月前
個人
スマート型枠組立工法
9日前
合同会社杢草舎
ツリーテント
8日前
個人
雪下ろし具
1か月前
曙建設株式会社
留め具
17日前
積水樹脂株式会社
ガード装置
14日前
株式会社オカムラ
ブース
7日前
株式会社オカムラ
ブース
7日前
三協立山株式会社
構造体
14日前
淡路技建株式会社
床構造
1か月前
淡路技建株式会社
床構造
1か月前
三協立山株式会社
構造体
14日前
三協立山株式会社
構造体
14日前
三協立山株式会社
構造体
14日前
三協立山株式会社
構造体
14日前
株式会社オカムラ
ブース
今日
株式会社オカムラ
ブース
今日
ミサワホーム株式会社
建物
14日前
株式会社大林組
建物
15日前
鹿島建設株式会社
解体方法
1か月前
株式会社エフコンサルタント
面材
20日前
株式会社カネカ
疑似窓装置
2か月前
鹿島建設株式会社
解体方法
1か月前
鹿島建設株式会社
解体方法
1か月前
三協立山株式会社
フェンス
1か月前
個人
繊維強化プラスチック配筋材
1か月前
ミサワホーム株式会社
建物
16日前
鹿島建設株式会社
補強構造
23日前
鹿島建設株式会社
点検口構造
17日前
株式会社オカムラ
ブース装置
7日前
株式会社オカムラ
ブース装置
7日前
個人
部屋構造および施工方法
1か月前
続きを見る