TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2023072756
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-25
出願番号2021185386
出願日2021-11-15
発明の名称積層体
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C03C 27/12 20060101AFI20230518BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】 本発明は、遮熱性と意匠性を兼ね備えた積層体を提供することを課題とする。
【解決手段】 少なくとも厚み10mm未満のガラス板あるいはポリカーボネート板と、反射性調光層と、吸収性調光層とを備える積層体であって、日射熱取得率Ttsが30%以下であり、波長400~750nmの範囲に表裏の平均反射率(%)の差の絶対値RAが20以上となる幅100nm以上の帯域を有することを特徴とする、積層体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも厚み10mm未満のガラス板あるいはポリカーボネート板と、反射性調光層と、吸収性調光層とを備える積層体であって、日射熱取得率T
ts
が30%以下であり、波長400~750nmの範囲に表裏の平均反射率(%)の差の絶対値R

が20以上となる幅100nm以上の帯域を有することを特徴とする、積層体。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
表裏それぞれの面に対し、幅100nmの帯域を波長400~750nmの範囲において1nm刻みで移動しながら各帯域の平均反射率を求め、表裏それぞれの面の平均反射率の最大値を比べて値が大きい方の面を面Aとした場合に、前記面Aにおける平均反射率の最大値R
MAX
と平均反射率の最小値R
MIN
との差R
MAX
-R
MIN
が10%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記面Aにおいて、波長400~750nmの範囲での反射率の標準偏差が10%以下であることを特徴とする、請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
前記面Aの可視光領域の相対平均反射率(%)をR

、角度20°における可視光領域の絶対平均反射率(%)をR
a20
とした場合に、100×R
a20
/R

が80以下であることを特徴とする、請求項2または3のいずれかに記載の積層体。
【請求項5】
可視光透過率が10%以下であることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の積層体。
【請求項6】
前記反射性調光層の可視光反射率が30%以上であり、前記吸収性調光層の可視光透過率が50%未満であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の積層体。
【請求項7】
波長850~1150nmの範囲の平均透過率が70%以下であることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の積層体。
【請求項8】
前記反射性調光層の可視光吸収率が5%未満であることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の積層体。
【請求項9】
周波数28GHzにおける電磁波透過損失が1dB以下であることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の積層体。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の積層体を備えることを特徴とする、車載サンルーフ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は遮熱性と意匠性を兼ね備えた積層体に関するものであり、当該積層体は主に交通機関や建物の調光窓として用いられる。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
交通機関や建物の調光窓は、外界の光、特に太陽光を室内へ取り入れて視認性を確保しつつも、空調効率を高めて省エネルギーを実現するために、遮熱性を備えることが要求される。特に、自動車等の車両のサンルーフやリアウィンドウに用いられる調光窓は、搭乗者の身体からの距離が近くなりやすいため、より高い遮熱性が要求される傾向がある。調光窓の遮熱性を高めるために、例えば着色したガラス(特許文献1)や、表面に金属スパッタリング処理を施したガラス(特許文献2)などを用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2007/049766号パンフレット
特開平9-323374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および特許文献2の技術は、いずれも入射する光の一部がガラスに吸収されるために、光が熱エネルギーに変換されて放射熱となり、遮熱性が不十分となる場合がある。また、遮熱性を高めようと金属スパッタリング処理をより分厚く施した場合には、鏡面のようなギラギラと光る外観となったり、見る角度によって色目にムラが生じたりして意匠性が損なわれ、意匠性が重視される用途に適さない場合がある。そこで本発明は、遮熱性と意匠性を兼ね備えた積層体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明は以下の構成をとる。すなわち、少なくとも厚み10mm未満のガラス板あるいはポリカーボネート板と、反射性調光層と、吸収性調光層とを備える積層体であって、日射熱取得率T
ts
が30%以下であり、波長400~750nmの範囲に表裏の平均反射率(%)の差の絶対値R

が20以上となる幅100nm以上の帯域を有することを特徴とする、積層体である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば遮熱性と意匠性を兼ね備えた積層体を得ることができ、当該積層体は主に交通機関や建物の調光窓として好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の積層体について具体的に説明する。本発明の積層体は、少なくとも厚み10mm未満のガラス板あるいはポリカーボネート板と、反射性調光層と、吸収性調光層とを備える。ガラス板あるいはポリカーボネート板の厚みは10mm以下であることが重要である。ガラス板やポリカーボネート板の厚みが10mmを超えると、ガラス板あるいはポリカーボネート板の厚み方向への光の進路を制御することが困難となり、遮熱性と意匠性を兼ね備えるという本発明の効果が得られなくなる場合がある。また、交通機関や建物の調光窓に用いる場合に不必要に重量が増加するという課題もある。一方、ガラス板やポリカーボネート板の厚みの下限は、交通機関や建物の調光窓に用いる場合の強度を担保する観点から0.1mmとなる。ガラスの種類としては、一般的なフロートガラスや、強化ガラス、着色ガラスなどを用いることができる。なお、ガラス板とは、全構成成分の90質量%以上100質量%以下をガラスが占める板状の部材をいい、ポリカーボネート板についても同様に解釈することができる。
【0008】
反射性調光層とは、層に対して入射してきた光を反射させて跳ね返す性質を有する層のことであり、ここでは特に、波長400~750nmの範囲で反射率が10%以上である区間が連続して100nm以上にわたり存在する層を反射性調光層と呼ぶ(反射性調光層に該当するか否かの判定においては、少なくとも片面から光を照射したときに上記要件満たせば反射性調光層と見なすことができる。これは後述する吸収性調光層の該非判定においても同じとする。)。当該帯域の有無は分光光度計で1nm毎に測定した反射率を用いて判定し、分光光度計による測定の詳細は実施例に示す。なお、反射性調光層として好適に用いることができる部材については後述する。
【0009】
吸収性調光層とは、層に対して入射してきた光を吸収して透過させない性質を有する層のことであり、ここでは特に、反射性調光層の性質を満たさず、かつ波長400~750nmの範囲で透過率が90%以上である区間が連続して100nm以上にわたり存在する層を吸収性調光層と呼ぶ。当該帯域の有無は分光光度計で1nm毎に測定した透過率を用いて判定し、分光光度計による測定の詳細は実施例に示す。なお、吸収性調光層として好適に用いることができる部材については後述する。
【0010】
本発明の積層体は、遮熱性向上の観点から、日射熱取得率T
ts
が30%以下であることが重要である。日射熱取得率T
ts
は分光光度計による測定で得られた透過率と反射率のデータをもとに、ISO13837:2008に規定する方法にて算出することができ、詳細は後述する。日射熱取得率T
ts
が30%以下であることにより積層体の遮熱性を十分なものとできる。上記観点から、積層体の日射熱取得率T
ts
は、好ましくはT
ts
が25%以下、より好ましくは20%以下である。放射熱などによる熱の侵入を完全に遮断することは困難であるため、T
ts
の下限は実質的に5%である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東レ株式会社
人工皮革
8日前
東レ株式会社
積層フィルム
1日前
東レ株式会社
積層フィルム
14日前
東レ株式会社
積層フィルム
1日前
東レ株式会社
フロントグリル
1日前
東レ株式会社
分離膜エレメント
10日前
東レ株式会社
分離膜エレメント
9日前
東レ株式会社
人工皮革およびその製造方法
8日前
東レ株式会社
センサー素子及びガスセンサー
8日前
東レ株式会社
ポリエステル組成物の製造方法
9日前
東レ株式会社
二軸配向ポリオレフィンフィルム
14日前
東レ株式会社
ポリエステルコポリマーの製造方法
10日前
東レ株式会社
多孔質中空糸膜およびその製造方法
10日前
東レ株式会社
パターン上に塗布した液滴の検査方法
8日前
東レ株式会社
プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料
8日前
東レ株式会社
血液浄化材料及び血液浄化材料の製造方法
8日前
東レ株式会社
感光性樹脂組成物、硬化物および表示装置
9日前
東レ株式会社
無線機器およびそれを含む無線通信システム
9日前
東レ株式会社
二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法
11日前
東レ株式会社
フレキソ印刷版原版およびフレキソ印刷版の製造方法
8日前
東レ株式会社
エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
14日前
東レ株式会社
ポリアリーレンスルフィド繊維およびそれからなる不織布
8日前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜、電池用セパレータおよび二次電池
10日前
東レ株式会社
ポリアミドマルチフィラメントおよびポリアミド仮撚り加工糸
8日前
東レ株式会社
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれからなる成形品
9日前
東レ株式会社
高精細スクリーン印刷用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント
4日前
東レ株式会社
繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物および繊維強化複合材料
10日前
東レ株式会社
二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを用いたフィルムロール
11日前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
3日前
東レ株式会社
感光性樹脂組成物、硬化物、半導体装置、有機EL表示装置及び電子部品
8日前
東レ株式会社
特性変化推定プログラム、学習モデル生成プログラムおよび特性変化推定システム
4日前
東レ株式会社
感光性樹脂組成物、感光性樹脂シート、硬化物、硬化物の製造方法、半導体装置、表示装置
8日前
東レ株式会社
樹脂組成物、樹脂組成物被膜、樹脂組成物フィルム、硬化膜、およびこれらを用いた半導体装置
14日前
東レ株式会社
シームレス容器印刷用平版印刷版原版およびそれを用いたシームレス容器印刷用平版印刷版の製造方法
9日前
東レ株式会社
繊維長分布予測モデル生成プログラム、繊維長分布予測プログラム、繊維長分布予測モデル生成方法および繊維長分布予測方法
9日前
東レ株式会社
学習用データ生成方法、材料の物性値推定方法、学習用データ生成プログラム、材料の物性値推定プログラムおよび学習用データ生成装置
11日前
続きを見る