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公開番号2023072713
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-25
出願番号2021185315
出願日2021-11-14
発明の名称酸化物の軽水炉使用済燃料消滅用ガス冷却高速炉の燃料集合体および炉心
出願人個人
代理人
主分類G21C 3/38 20060101AFI20230518BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】軽水炉使用済燃料を消滅させるには、Pu239だけでなく、U234,U236,U238、Pu240,Pu242、Am,Np,Cmも消滅させねばならない。
【解決手段】冷却材としてヘリウムを用いた原子炉の炉心とする。HPu燃料棒110を多数本稠密正方格子状に束ねた高富化度Pu燃料集合体を炉心中央領域に装荷し、炉心中央領域の外側にLWR燃料棒を多数本稠密正方格子状に束ねた低富化度Pu燃料集合体を装荷して燃焼させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
LWRSF消滅用ガス冷却高速炉の燃料集合体は、HPuB(120)とLPuB(121)からなり、
HPuB(120)はHPu燃料棒(110)を多数本稠密正方格子状に束ね、束ねた周囲をチャンネルボックスで覆ってなり、
HPu燃料棒(110)は、多数個の高富化度Puペレット(11)を高さ方向中央に堆積させ、LWRペレット(14)を当該高富化度Puペレット(11)堆積の上側と下側に堆積し被覆管(13)の中に密封させてなり、
高富化度Puペレット(11)は、“酸化U235濃縮度が酸化天然ウラン以上のLWRSFを粉砕した粉”に、“酸化U235濃縮度が酸化天然ウラン未満のLWRSFペレットを粉砕し、酸化物燃料乾式再処理で回収した酸化Puの粉”を混合しMA含有高富化度酸化Pu粉となし、円柱状に圧縮成形し焼結してなり、
上記高富化度Puペレット(11)の酸化Pu富化度は、8wt%~15wt%であり、
LPuB(121)はLWR燃料棒(111)を多数本稠密正方格子状に束ね、束ねた周囲をチャンネルボックスで覆ってなり、
LWR燃料棒(111)は、多数個のLWRペレット(14)を高さ方向に堆積させ被覆管(13)の中に密封させてなり、
LWRペレット(14)は、酸化U235濃縮度が酸化天然ウラン以上のLWRSFペレットを粉砕し円柱状に圧縮成形してなる。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
冷却材としてヘリウムを用いた原子炉の炉心であって、
多数体の請求項1のHPuB(120)または請求項3の再生高富化度Pu燃料集合体(1120)が装荷された内側炉心燃料領域と、
前記内側炉心燃料領域を取り囲み、多数体の請求項1のLPuB(121)または請求項3の再生低富化度Pu燃料集合体(1121)が装荷された外側炉心燃料領域からなり、
軽水炉使用済燃料であるLWRSFを燃焼させることを特徴とするLWRSF消滅用ガス冷却高速炉の炉心。
【請求項3】
LWRSF消滅用ガス冷却高速炉の燃料集合体は、再生高富化度Pu燃料集合体(1120)と再生低富化度Pu燃料集合体(1121)からなり、
再生高富化度Pu燃料集合体(1120)は、再生HPu燃料棒(1110)を多数本稠密正方格子状に束ね、束ねた周囲をチャンネルボックスで覆ってなり、
再生HPu燃料棒(1110)は、多数個の再生高富化度Puペレット(1011)を高さ方向中央に堆積させ、後記再生LPuペレット(1114)を再生高富化度Puペレット(1011)堆積の上側と下側に堆積し被覆管(13)の中に密封してなり、
再生高富化度Puペレット(1011)は、極大使用再生高富化度Puペレット(2011)を粉砕した粉に、酸化U235濃縮度が酸化天然ウラン以上含有したLWRSF粉を燃焼減量した分混合し、円柱状に圧縮成形し焼結してなり、
極大使用再生高富化度Puペレット(2011)は下記極大使用再生高富化度Pu燃料集合体(2120)の燃料棒からむきだしてなり、
極大使用再生高富化度Pu燃料集合体(2120)は、再生高富化度Pu燃料集合体(1120) を燃焼させて、再生高富化度Puペレット(1011)中のPu239総重量が装荷時の総重量よりも増加し、最大総重量に達した以降に炉外に取り出してなり、
再生低富化度Pu燃料集合体(1121)は、再生LPu燃料棒(1111)を多数本稠密正方格子状に束ね、束ねた周囲をチャンネルボックスで覆ってなり、
再生LPu燃料棒(1111)は、多数個の再生LPuペレット(1114)を被覆管(13)の中に堆積し密封してなり、
再生LPuペレット(1114)は、“再生低富化度Pu燃料集合体(1121)を燃焼させてPu239総重量が装荷時よりも増加し最大総重量に達した以降に炉外に取り出した極大使用再生低富化度Pu燃料集合体(2121)の燃料棒からむきだした極大使用LPuペレット1(2114)の粉”と“極大使用再生高富化度Pu燃料集合体(2120)の燃料棒中の上下端部からむきだした極大使用再生LPuペレット2(1115)の粉”に、“酸化U235濃縮度が酸化天然ウラン以上含有したLWRSF粉を燃焼減量した分だけ”混合し、円柱状に圧縮成形してなる。
【請求項4】
請求項1の高富化度Puペレット(11)は、LWRSFの MOXペレットを粉砕した粉を酸化物燃料乾式再処理する過程で酸化ウランの1部を除去してMA含有高富化度酸化Pu粉となし、円柱状に圧縮成形し焼結したことを特徴とする高富化度Puペレット(11)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物の軽水炉使用済燃料(LWRSF)を消滅させるガス冷却高速炉の炉心及び燃料集合体に関する。
続きを表示(約 8,500 文字)【背景技術】
【0002】
軽水炉使用済燃料(LWRSF)をどうするかが問題になっている。LWRSFは、酸化ウラン(UO2。酸素割合には多少の幅があるが2とした。)と、酸化物超ウラン元素と、固体核分裂生成物(FP)からなる。本発明では、燃料も核燃料も同じである。
酸化物超ウラン元素は、酸化プルトニウム(PuO2。酸素割合には多少の幅があるが2とした。)と、マイナアクチニド(MA。NpやAmやCm)の酸化物からなる。超ウラン元素のカリフォルニウム(Cf)や、Thなどは微量だから無視した。
UO2の中のU235O2割合をU235濃縮度と呼ぶことにする。濃縮度は、酸化物でも金属でも大きな差はない。
酸化ウランと酸化プルトニウムとMAの酸化物の混合物において、酸化プルトニウムの割合を酸化Pu富化度と呼ぶことにする。或いは単にPu富化度と呼ぶことにする。Pu富化度は、酸化物でも金属でも大きな差はない。
湿式燃料再処理は高純度のプルトニウムが発生するために、高価で軍事利用疑念により商用化が難しい。燃焼度が高く、除去しにくい粗FPが比較的多量にある場合は再処理が難しいとされている。
酸化物燃料乾式再処理は、生成されるPuO2の中にはMAの酸化物や少量のFPが混入していると言われている(非特許文献1、2)。軍事利用しにくく低廉であると言われている。本発明では酸化物燃料乾式再処理が行われるとする。
中間貯蔵は、軽水炉使用済燃料集合体をそのまま50年程度保管する。ただし、50年経ったらどうするかが決まっていない。したがって、一部の地元民は中間貯蔵受け入れに躊躇すると言われている。地元近隣でも芳しくない。
ウラン(U)やプルトニウム(Pu)は金・白金の様に、中性子星が崩壊した時に生成され宇宙空間にばら撒かれた。地球の熱源の一つに放射性元素の崩壊熱がある。
地球深部(350万気圧、6000℃)にはUやPu がある筈である。大昔のウランのU235濃縮度は5wt%以上あったと思われるから核分裂連鎖反応は可能であったろう。核分裂連鎖反応から発生する中性子はU238からPu239を生成する。
地表でのUやPuの密度は20gm/cc程度で融点は数百度である。地球最深部では超高密度の液体になっているだろうが、密度は非常に高いだろう。
今のU235濃縮度は0.7wt%程度になっているだろうから、核分裂はU238から変換されたPuによる核分裂が主体だろう。Pu富化度は、初期には上昇し、やがて平坦になり、下降し続ける。現在どの段階にあるのかは不明である。とにかく地球環境に影響がある。
核分裂生成物の金や白金も含有されている。軽元素の核分裂生成物は放射性物質として地表に浮き上がってくるだろう。放射性物質の崩壊熱が地球を暖めている熱源の一つである。
仮に、臨界以下であったとしてもU238からの自発中性子により核分裂反応が維持され発熱し、放射性元素たるFPを放出する。UやPuは著しく圧縮されているから超高密度であり、中性子は地表に漏洩しにくい。比熱も大きくなっているから温度は原爆ほどには上がらないだろうから6000℃で収まっていると思われる。
地表でのトリウムの密度は10gm/cc程度で融点は1000℃程度である。地球深部ではUやPuの表面を覆っていると考えられる。UやPuの核分裂反応から漏洩した中性子により核分裂反応が維持され発熱し、放射性元素たるFPを放出する。
液体金属トリウムの表面を固体トリウムや鉄やニッケルが覆っていると考えられる。
UやPuがなくなったとしてもMAやThやU233での核分裂が維持されると思われる。我々は、言わばLWRSF埋設物の上に暮らしている。
火山のマグマ溜りは、岩盤の裂け目から浮き上がってきたコアのマグマである。したがって、酸化物であるLWRSFを金属に還元し、噴火活動が長期間なかった火山の深部に埋設すれば隙間を伝って地球深部に落ちていくと思われる。しかし、それでもLWRSFの埋設には賛成が得にくいと思われる。
Proc.of Int.Conf.FutureNuclear Systems, Global’97,Yocohama,Japan,Oct.5-10,2,1123(1997),K.Mizuguchi etc
原子炉の使用済み核燃料の乾式再処理技術、表面技術、Vol.49.No4.1998、表面技術協会、藤田玲子。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
中濃縮ウランが安価で入手し易くなった今時、わざわざ扱いにくく経年劣化するプルトニウムを原爆材料にする国や人はないだろう。しかし、プルトニウム原爆を恐れる、或いは敢えて恐れさせる手合いはいる。プルトニウムを若干含有するLWRSFの処分が問題である。
LWRSFの処分において、中間貯蔵で50年経てば過疎地が増えて住民反対もなくなり、地下埋設が可能になると思えるが、今は先の展望が見えないから中間貯蔵さえも受け入れ地は難しいと思われる。
中間貯蔵を受け入れて貰うには、中間貯蔵期限内にLWRSF消滅の技術の提示と実証を示さねばならない。
上述の酸化物燃料乾式再処理の技術に賭ければ、LWRSFの消滅は何とかできそうである。
低速中性子を扱う軽水炉でプルトニウムを消滅させようとすると、Pu239は減るがPu240やPu242は増加するから、プルトニウムはほとんど減らない。
U238もほとんど減らない。
Pu240やPu242やU238は低速中性子では核分裂しないから、Pu240やPu242やU238を消滅させるには、低速中性子を扱う軽水炉では不可能に近い。
一方、Pu240やPu242やU238は高速中性子によって核分裂する。高速中性子を扱うガス冷却高速炉ならPu240やPu242やU238を消滅させることができそうである。Np、Am、Cmといった超ウラン元素も高速中性子で核分裂するから、消滅させることができそうである。
ナトリウム冷却高速炉では、軽水炉並みの発電コストを追求するため、燃料集合体の取り出し燃焼度に10万MWd/t以上が要望された。従来の湿式再処理では白金族の処理に難があったようで、再処理費用の高騰やMA取り扱いに苦慮したようである。
太陽光発電8円/kwhは動き出さない。繰越金21兆円の中から5兆円で菱刈の金を買い上げてインフレを心配する財務省に預け、更に5兆円を政府官邸主導で、まず中国の共産党補助金付き安い太陽光電池と日本の電池会社に補助金付けで太陽光電池を買ってから、簿価の高い日本の省庁管轄土地を買い上げて、日本の石油関連会社に補助金を付け仮想発電所を造らせ、電力会社に電力を提供すれば可能である。それでも動かなさそうだから原子力発電を捨てる訳にいかない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
手段1はLWRSF消滅用ガス冷却高速炉の燃料集合体である。
LWRSF消滅用ガス冷却高速炉用の燃料集合体は、HPuB(120)とLPuB(121)からなる。
HPuB(120)はHPu燃料棒(110)を多数本稠密正方格子状に束ね、束ねた周囲をチャンネルボックスで覆ってなる。
HPu燃料棒(110)は、多数個の高富化度Puペレット(11)を高さ方向中央に堆積させ、LWRペレット(14)を当該高富化度Puペレット(11)堆積の上側と下側に堆積し被覆管(13)の中に密封させてなる。
高富化度Puペレット(11)は、“酸化U235濃縮度が酸化天然ウラン以上のLWRSFを粉砕した粉”に、“酸化U235濃縮度が酸化天然ウラン未満のLWRSFペレットを粉砕し、酸化物燃料乾式再処理で回収した酸化Puの粉”を混合し粉砕しMA含有高富化度酸化Pu粉となし、1cm高さ程度の円柱状に圧縮成形し焼結してなる。
上記高富化度Puペレット(11)の酸化Pu富化度は、8wt%~15wt%である。全制御棒が炉外にある場合、当該ペレットの初装荷運転時平均線出力密度が50w/cm~150 w/cmに収まる冨化度である。ゼロ出力でなくプラス出力であれば運転を続けると出力が上昇する。
U238やMAは高速中性子により核分裂するからPu冨化度をナトリウム冷却高速炉の様に大きくしなくても臨界を保ちながら高温出力運転を維持できる。
冨化度が低すぎると出力が小さすぎU238から生成するPu割合がゆっくりとなる。
冨化度が高すぎるとPuの総量は殆ど増加せずに減少する。U238から生成するPu割合が追い付かない。結果的にPuの総量は減少する。
初装荷運転時平均線出力密度が50w/cmなら、運転が進むにつれてPu全量が上昇する。次の運転サイクルに使う高富化度Puペレットは冨化度を高める必要がない。
LPuB(121)はLWR燃料棒(111)を多数本稠密正方格子状に束ね、束ねた周囲をチャンネルボックスで覆ってなる。
LWR燃料棒(111)は多数個のLWRペレット(14)を高さ方向に堆積させ被覆管(13)の中に密封させてなる。
LWRペレット(14)は、酸化U235濃縮度が酸化天然ウラン以上のLWRSFペレットを粉砕し1cm高さ程度の円柱状に圧縮成形してなる。
酸化Puや酸化MAの回収は酸化物燃料湿式再処理技術を使ってもよい。
融点差による酸化Uと酸化Pu分離もありうる。酸化Puの融点は酸化ウランよりも低いから、酸化Puを液体にして回収してもよい。酸化Puに酸化Uが混入していてもよい。容器底部の固体酸化Uの中に酸化Puの液体を滲ませていれば酸化Pu富化度が8%~10%になりえる。当該容器底部のMOXを回収すればよい。
【0005】
燃料棒を稠密正方格子状に並べると、冷却材の領域が小さくなる。一般に、冷却材の質量は小さいから中性子減速作用がある。Pu239等の核分裂性元素は高速中性子との作用で核分裂する割合が大部分で中性子を捕獲する割合が小さい。U238等の非核分裂性元素でも核分裂する。Puに比べてU238は大量にあるから、結果として、PU239は消滅よりも発生する割合が多くなる。
冷却材は必須であるから中性子減速作用により低速中性子が生じ、U238等の非核分裂性元素は低速中性子を捕獲してPu239のような核分裂性元素になる。
更に、Pu240,Pu242,U238,Np,Am,Cmは高速中性子により核分裂するから、その分、Pu239を減らしても(Pu冨化度を低くしても)臨界を維持しつつ出力運転を継続できる。
適切な時期に運転を停止すれば、Pu239量は初装荷時よりも増加しており、当該燃料は新たなPu239の供給無しに出力運転をすることができる。ただし、酸化U、酸化Pu、酸化MAの総量は減少しているから、これをLWRSFで補う。
被覆管を構成する元素が中性子を吸収すると、その分U238からPu239になる割合が減るため、被覆管直径を太くし、厚さを薄くすれば、中性子が無駄に吸収されない。そうすると、運転を続ければPu239が増加しやすくなる。
炉心を構成する“ペレット体積割合/被覆管等構造材体積割合/冷却材体積割合”において、ペレット体積割合を大きくすれば稠密になる。穴あきチャンネルボックス(104)厚さは可能な限り薄くする(BWRの1例0.25cm以下。現行PWRでは存在しない)。隣接する燃料集合体間隙は可能な限り狭くする(0.1cm程度。挿入や引き抜きができる程度)。制御棒十字体(220)厚さは可能な限り薄くする(ボロンサスの薄板か炭化ホウ素焼結の薄板が望ましい)。
沸騰水型原子炉BWR-4の初装荷燃料集合体(7X7配列)(オリジナル)の被覆管外/内直径1.43cm/1.27cm、被覆管厚さ0.081cm、燃料棒間隙0.44cm。新型転換炉の被覆管外/内直径1.646cm/1.447cm,被覆管厚さ0.084cm, 燃料棒間隙0.21cmである。以上は非特許文献3を参照した。
本発明の稠密正方格子は実現性を重視して、被覆管外直径を1.43cm~1.646cm、被覆管厚さ0.084cm以下、燃料棒間隙0.21cm以下とする。
BWR-4では、減速材である水をできるだけ多く確保するため燃料棒間隙を広げたが、本発明の稠密格子では燃料棒間隙は冷却のみを考慮すればよいから燃料棒間隙を狭くする。線出力密度が低ければ燃料棒間隙はゼロでも冷却できる。
金属天然ウランに含有するU235濃縮度は約0.7wt%程度であるから、酸化物にしてもU235濃縮度は約0.7wt%程度である。本発明で“天然ウラン”という場合は酸化物を指す。
LWRSFには、U235濃縮度が2wt%程度でかつ、Pu富化度が0.7wt%を含有しているものが多々ある。1万MWd/tしか燃焼していないものが相当量ある。
初期炉心から次のサイクルに移るとき炉外に取り出されてしまう燃料集合体や、事故などで十分燃焼させることなく炉外に取り出されてしまう燃料集合体が多々ある。
更に、廃炉が決まった原子炉には燃焼が十分に進んでいない燃料集合体が停留している。場合によっては、新燃料集合体として待機していたものがあるかもしれない。
3万MWd/t燃焼させた燃料集合体でも、燃料棒中の上下端近傍の燃料ペレットの燃焼度は1万MWd/tである。
1976年版 原子力発電便覧、通商産業省資源エネルギー庁、昭和51年。
【0006】
手段2はガス冷却高速炉の炉心である。
冷却材としてヘリウムを用いた原子炉の炉心である。
当該炉心は、多数体の手段1のHPuB(120)または手段3の再生高富化度Pu燃料集合体(1120)が装荷された内側炉心燃料領域と、
前記内側炉心燃料領域を取り囲み、多数体の手段1のLPuB(121)または手段3の再生低富化度Pu燃料集合体(1121)が装荷された外側炉心燃料領域からなる。
軽水炉使用済燃料であるLWRSFを燃焼させることを特徴とするLWRSF消滅用ガス冷却高速炉の炉心。
【0007】
上記の如くLWRSFには、核分裂性物質がかなりあり核分裂が活発なものがある。
更に、ガス冷却炉は高速中性子が主要であるため、熱中性子では核分裂し難いPu240,Pu242,U238、MAも核分裂に寄与する。したがって、内側炉心燃料領域のHPuB(120)に装荷する燃料のPu富化度をナトリウム冷却高速炉の様に高くしなくても臨界が維持され、HPuB(120)でのU238から変換されてくるPu239がこの消耗を上回る。このことは、燃焼が進めばある程度までは核分裂性プルトニウム(Pu239やPu241。熱中性子でも核分裂するプルトニウム。高速中性子に対しては、核分裂が殆どで捕獲が少ない)が増加する。
加えて、HPuB(120)のLWRSFにはU235濃縮度が2wt%程度のウランと、高速中性子で核分裂するMAが含有されているから、Pu富化度をその分低くすることができる。MAは高速中性子によって核分裂する。
【0008】
HPuB(120)のPu239割合は燃焼が進むにつれて増加するが、更に燃焼が進むとPu239割合が多くなりすぎてPu239が減少に転じる。U238から変換してくるPu239が追い付かない。
外側炉心燃料領域のLPuB(121)では、内側炉心燃料領域から漏洩してくる中性子によりU235が核分裂する。更に、U238は中性子を捕獲してPu239に変化する。
【0009】
手段3はLWRSF消滅用ガス冷却高速炉の再生燃料集合体である。
LWRSF消滅用ガス冷却高速炉の燃料集合体は、再生高富化度Pu燃料集合体(1120)と再生低富化度Pu燃料集合体(1121)からなる。
再生高富化度Pu燃料集合体(1120)は、再生HPu燃料棒(1110)を多数本稠密正方格子状に束ね、束ねた周囲をチャンネルボックスで覆ってなる。
再生HPu燃料棒(1110)は、多数個の再生高富化度Puペレット(1011)を高さ方向中央に堆積させ、後記再生LPuペレット(1114)を再生高富化度Puペレット(1011)堆積の上側と下側に堆積し被覆管(13)の中に密封してなる。
再生高富化度Puペレット(1011)は、極大使用再生高富化度Puペレット(2011)を粉砕した粉に、酸化U235濃縮度が酸化天然ウラン以上含有したLWRSF粉を燃焼減量した分混合し、高さ1cm程度の円柱状に圧縮成形し焼結してなる。
極大使用再生高富化度Puペレット(2011)は下記極大使用再生高富化度Pu燃料集合体(2120)の燃料棒からむきだしてなる。
極大使用再生高富化度Pu燃料集合体(2120)は、再生高富化度Pu燃料集合体(1120) を燃焼させて、再生高富化度Puペレット(1011)(UO2, PuO2,MAの酸化物,FPの酸化物からなる)中のPu239総重量が装荷時の総重量よりも増加し、最大総重量に達した以降に炉外に取り出してなる。
Pu239総重量は、プルトニウムフィッサイル(Pu239+Pu241+Pu238)総重量としてもよい。ただし、Pu241とPu238は半減期が長くはないから、再使用時点までに目減りすることを考慮しなければならない。
再生低富化度Pu燃料集合体(1121)は、再生LPu燃料棒(1111)を多数本稠密正方格子状に束ね、束ねた周囲をチャンネルボックスで覆ってなる。
再生LPu燃料棒(1111)は、多数個の再生LPuペレット(1114)を被覆管(13)の中に堆積し密封してなる。
再生LPuペレット(1114)(UO2,PuO2,MAの酸化物,FPの酸化物からなる)は、“再生低富化度Pu燃料集合体(1121)を燃焼させてPu239総重量が装荷時よりも増加し最大総重量に達した以降に炉外に取り出した極大使用再生低富化度Pu燃料集合体(2121)の燃料棒からむきだした極大使用LPuペレット1(2114)の粉”と“極大使用再生高富化度Pu燃料集合体(2120)の燃料棒中の上下端部からむきだした極大使用再生LPuペレット2(1115)の粉”に、“酸化U235濃縮度が酸化天然ウラン以上含有したLWRSF粉を燃焼減量した分だけ”混合し、高さ1cm程度の円柱状に圧縮成形してなる。
Pu239総重量は、プルトニウムフィッサイル総重量としてもよい。
【0010】
本発明の多数基原子炉を数サイクル運転すると手段3が可能になる。
極大使用再生高富化度Pu燃料集合体(2120)の取り出し時期と極大使用再生低富化度Pu燃料集合体(2121)の取り出し時期とは異なる。
再処理はFPを時々除去するだけであり、PuO2を再処理分離する作業が不要である。使用済みペレットを粉にし、そこにLWRSF粉を燃焼減量による重量不足分(UO2,PuO2,MAの酸化物の総和の減少分)だけ混合し、ペレットに整形圧縮焼結するだけである。
LWRSFが消費されたら劣化ウランを使い、劣化ウランが消費されたら天然ウランを使い、天燃ウランが消費されたらトリウム(Th)を使っていけば、千年以上エネルギーが得られる。無理に他のエネルギーとコスト競争する必要はない。
再生可能エネルギーは、太陽光や風力発電に無理に頼る必要はない。太陽光電池の他に、多収穫穀物を太陽光で栽培し燃焼させる。穀物は1年程度の保存が効くから、太陽光電池や風車を無理に敷設する必要はない。
(公序良俗違反につき、不掲載)ブラブラ余所見をしながら考えるのが日本に向いているかもしれない。日本マスコミは、オリンピックや科学技術や文化で、世界中の全試合・全記録を気にし、世界中と競争するのを煽っている。無茶だ。
(【0011】以降は省略されています)

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