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公開番号2023072223
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-24
出願番号2021184624
出願日2021-11-12
発明の名称燃料集合体及び原子炉の炉心
出願人日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人ポレール弁理士法人
主分類G21C 3/328 20060101AFI20230517BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】マイナーアクチニドの燃焼効率を向上させ、ボイド反応度の増大を抑制できる燃料集合体を提供する。
【解決手段】燃料集合体1は、燃料棒2及び3をラッパ管4内に配置する。燃料棒2は、内部にU-Pu-Zr合金の金属燃料を有する。燃料棒3は、内部にU-Pu-MA-Zr合金の金属燃料を有する。燃料棒3の外径は燃料棒2の外径よりも小さい。複数の燃料棒2はラッパ管4内で正三角形格子状に配置され、燃料棒3は隣接する3本の燃料棒2の相互間に配置される。燃料集合体1内の、Pu及びMAを含む燃料棒3の外径がPuを含みMAを含まない燃料棒2の外径よりも小さいので、燃料棒2内で発生した中性子が燃料棒3の中心まで到達するため、燃料棒3におけるMAの燃焼効率が向上する。また、燃料集合体1の横断面での冷却材通路の横断面積割合が小さいため、燃料集合体1における、MAの含有に伴うボイド反応度の増加を抑制できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
マイナーアクチニドを含まない第1核燃料物質を有する複数の第1燃料棒が筒状体内に配置され、
前記マイナーアクチニドを含む第2核燃料物質を有する複数の第2燃料棒が前記筒状体内に配置され、
前記第2燃料棒の外径が、前記第1燃料棒の外径よりも小さくなっていることを特徴とする燃料集合体。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記第2燃料棒が、前記筒状体内で、前記第1燃料棒の相互間に配置されている請求項1に記載の燃料集合体。
【請求項3】
第2燃料棒が、正三角形格子状に配置された、隣接する3本の第1燃料棒の相互間に配置される請求項2に記載の燃料集合体。
【請求項4】
複数の前記第2燃料棒が配置された第2燃料棒領域が、前記筒状体内で、複数の前記第1燃料棒が配置された第1燃料棒領域の相互間に配置された請求項1に記載の燃料集合体。
【請求項5】
複数の前記第1燃料棒が前記第1燃料棒領域内で正三角形格子状に配置され、複数の前記第2燃料棒が前記第2燃料棒領域内で正三角形格子状に配置される請求項4に記載の燃料集合体。
【請求項6】
前記燃料集合体の横断面における中心から前記筒状体の内面に向かって伸びる前記第1燃料棒領域及び前記第2燃料棒領域のそれぞれが、前記横断面の中心の周りに交互に配置される請求項4または5に記載の燃料集合体。
【請求項7】
環状の前記第1燃料棒領域及び環状の前記第2燃料棒領域のそれぞれが、前記燃料集合体の横断面における中心を取り囲み、前記横断面における中心から前記筒状体の内面に向かって交互に配置される請求項4または5に記載の燃料集合体。
【請求項8】
横断面が正方形状の前記筒状体内で、前記第1燃料棒及び前記第2燃料棒を含む燃料棒が、正方格子状に配置されている請求項1に記載の燃料集合体。
【請求項9】
前記複数の第2燃料棒が、燃料棒配列の最外周領域に配置されていなく、前記燃料棒配列の、前記筒状体の内面から2列目に配置されている請求項8に記載の燃料集合体。
【請求項10】
前記第1核燃料物質及び前記第2核燃料物質のそれぞれが、金属燃料及び酸化物燃料のいずれかである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の燃料集合体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料集合体及び原子炉の炉心に係り、特に、マイナーアクチニド(MA)を含む燃料集合体、及びこの燃料集合体が装荷される原子炉の炉心に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に、高速増殖炉は、炉心が原子炉容器内に配置されており、冷却材である液体ナトリウムを原子炉容器内に充填している。その炉心に装荷される燃料集合体は、プルトニウムを富化した劣化ウラン(U-238)を封入した複数の燃料棒、束ねられた複数の燃料棒を取り囲むラッパ管、これらの燃料棒の下端部、及び燃料棒の下方に位置する中性子遮へい体を支持するエントランスノズル、及び燃料棒の上方に位置する冷却材流出部を有する。
【0003】
高速増殖炉の炉心としては、例えば、内側炉心領域及びこの内側炉心領域を取り囲む外側炉心領域を有する炉心燃料領域、炉心燃料領域を取り囲むブランケット燃料領域及びブランケット領域を取り囲む遮へい体領域を有する炉心が存在する。標準的な均質炉心の場合、外側炉心領域に装荷される燃料集合体のPu富化度は、内側炉心領域に装荷される燃料集合体のPu富化度よりも高くなっている。この結果、炉心の半径方向における出力分布が平坦化される。
【0004】
燃料集合体の各燃料棒に収納される核燃料物質の形態としては、金属燃料、窒化物燃料及び酸化物燃料がある。これらのうち、酸化物燃料が最も実績が豊富である。
【0005】
Pu及び劣化ウランのそれぞれの酸化物を混合した混合酸化物燃料、すなわち、MOX燃料のペレットが、燃料棒内で軸方向の中央部において80~100cm程度の高さに充填される。さらに、燃料棒内には、劣化ウランで作られた複数の二酸化ウランペレットを充填した軸方向ブランケット領域が、MOX燃料の充填領域の上方及び下方にそれぞれ配置されている。内側炉心領域に装荷される内側炉心燃料集合体及び外側炉心領域に装荷される外側炉心燃料集合体は、上記のように、MOX燃料の複数のペレットを充填した複数の燃料棒を有する。外側炉心燃料集合体のPu富化度は、内側炉心燃料集合体のそれよりも高くなっている。
【0006】
炉心燃料領域を取り囲むブランケット燃料領域には、劣化ウランで作られた複数の二酸化ウランペレットを充填した複数の燃料棒を有するブランケット燃料集合体が装荷される。炉心燃料領域に装荷された燃料集合体内で生じる核分裂反応で発生した中性子のうち、炉心燃料領域から漏れた中性子が、ブランケット燃料領域に装荷されたブランケット燃料集合体の各燃料棒内のU-238に吸収される。この結果、ブランケット燃料集合体の各燃料棒内で核分裂性核種であるPu-239が新たに生成される。
【0007】
また、高速増殖炉の起動時、停止時及び原子炉出力の調節時には、制御棒が用いられる。制御棒は、炭化ホウ素(B

C)ペレットをステンレス製の被覆管に封入した複数の中性子吸収棒を有し、これらの中性子吸収棒を、内側炉心燃料集合体及び外側炉心燃料集合体と同様に、横断面が正六角形をしたラッパ管に収納されて構成される。制御棒は、主炉停止系及び後備炉停止系の独立した2系統の構成となっており、主炉停止系及び後備炉停止系のいずれか一方のみで高速増殖炉の緊急停止が可能になる。
【0008】
原子炉で発生する使用済燃料集合体に含まれる使用済核燃料を再処理することにより、核燃料として再利用可能なプルトニウム(Pu)及びウラン(U)が回収される。プルトニウム及びウランの回収の際に発生する高レベル放射性廃棄物(HLRW)には、放射能の高い核分裂生成物(FP)及び寿命が長いマイナーアクチニド(MA)が含まれる。我が国におけるHLRWの処分方針では、ガラス固化したHLRWを深地層に処分することになっている。HLRWのガラス固化体は300メートル以上の深さの地下で安定に埋設されるため、長期間に渡って、一般公衆の安全性が確保される。しかしながら、主に上記したMAの存在によって、有害度が、低減して天然ウランレベルまで減衰するには1万年程度の期間を要する。このMAを先進的な再処理によって回収し、回収したMAを、原子炉で用いられる核燃料に含有させて燃焼することによって、HLRWの有害度が天然ウランレベルまで減衰する期間を数百年程度に短縮することによって、使用済核燃料の有害度を低減させる分離変換研究が、世界各国で行われてきた。
【0009】
特許第2668646号公報は、MAを高速炉で燃焼させる方法を記載している。特許第2668646号公報に記載された高速炉の炉心に、プルトニウムを含みMAを含まない核燃料物質を充填した複数の第1燃料棒を配置した通常の燃料集合体、及びプルトニウム及びMAを含む核燃料物質を充填し、第1燃料棒よりも外径が小さい第2燃料棒を配置したターゲット燃料集合体を分散させて装荷している。ターゲット燃料集合体内の、細径の全ての第2燃料棒が、プルトニウム及びMAを充填している。
【0010】
特開2016-8890号公報の図1に記載された燃料集合体(高速炉の炉心に装荷)では、横断面が正六角形の筒状の隔壁が燃料集合体の横断面において中央部に配置されており、その横断面が隔壁によって中心領域及び中心領域を取り囲む環状領域に分割されている。隔壁の上端及び下端は解放されている。中心領域に配置された第1燃料棒は、核燃料物質として、劣化ウラン及びPuのそれぞれの酸化物を含む混合酸化物燃料を密封された被覆管内に充填している。環状領域に配置された第2燃料棒は、核燃料物質として、劣化ウラン及びMAを密封された被覆管内に充填している。第1燃料棒及び第2燃料棒のそれぞれの外径は、同じである。図8に示された燃料集合体(高速炉の炉心に装荷)でも、図1に示されたそれと同様に、劣化ウラン及びPuが充填された第1燃料棒が中心領域に配置され、劣化ウラン及びMAが充填された第2燃料棒が環状領域に配置されている。図8に示された燃料集合体では、第2燃料棒の外径が第1燃料棒のそれよりも大きくなっている。
(【0011】以降は省略されています)

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