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公開番号2023071780
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-23
出願番号2023024125,2021553721
出願日2023-02-20,2020-10-30
発明の名称シンチレータアレイ、シンチレータアレイの製造方法、放射線検出器、および放射線検査装置
出願人株式会社東芝,東芝マテリアル株式会社
代理人弁理士法人サクラ国際特許事務所
主分類G21K 4/00 20060101AFI20230516BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】放射線検査装置による診断画像の高解像度化が進む中、加温冷却による寸法変化量が少ないシンチレータアレイが求められている。さらに、放射線検出器の検出面積の増大に伴ってシンチレータアレイの面積も大きくなるため、加温冷却による寸法変化量の制御が重要になる。
【解決手段】シンチレータアレイ1は、少なくとも一つのシンチレータセグメント2と、光を反射する第1の反射層3と、を備え、少なくとも一つのシンチレータセグメントおよび第1の反射層が第1の表面と第2の表面とを有し、少なくとも一つのシンチレータセグメントが希土類酸硫化物蛍光体を含む焼結体を有する、構造体20と、樹脂を含む厚さ5μm以上30μm以下の接着層5を介して第1の表面20aの上に設けられ、光を反射するフィルムを含む第2の反射層4と、を具備する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも一つのシンチレータセグメントと、光を反射する第1の反射層と、を備え、前記少なくとも一つのシンチレータセグメントおよび前記第1の反射層が第1の表面と第2の表面とを有し、前記少なくとも一つのシンチレータセグメントが希土類酸硫化物蛍光体を含む焼結体を有する、構造体と、
樹脂を含む厚さ5μm以上30μm以下の接着層を介して前記第1の表面の上に設けられ、光を反射する樹脂フィルムからなる第2の反射層と、
を具備するシンチレータアレイであって、
前記シンチレータアレイの反りは、50μm以下である、シンチレータアレイ。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
少なくとも一つのシンチレータセグメントと、光を反射する第1の反射層と、を備え、前記少なくとも一つのシンチレータセグメントおよび前記第1の反射層が第1の表面と第2の表面とを有し、前記少なくとも一つのシンチレータセグメントが希土類酸硫化物蛍光体を含む焼結体を有する、構造体と、
樹脂を含む厚さ5μm以上30μm以下の接着層を介して前記第1の表面の上に設けられ、光を反射する樹脂フィルムからなる第2の反射層と、
を具備するシンチレータアレイであって、
前記少なくとも一つのシンチレータセグメントの体積は、1mm

以下である、シンチレータアレイ。
【請求項3】
少なくとも一つのシンチレータセグメントと、光を反射する第1の反射層と、を備え、前記少なくとも一つのシンチレータセグメントおよび前記第1の反射層が第1の表面と第2の表面とを有し、前記少なくとも一つのシンチレータセグメントが希土類酸硫化物蛍光体を含む焼結体を有する、構造体と、
樹脂を含む厚さ5μm以上30μm以下の接着層を介して前記第1の表面の上に設けられ、光を反射する樹脂フィルムからなる第2の反射層と、
を具備するシンチレータアレイであって、
前記第2の反射層の厚さは、50μm以上250μm以下である、シンチレータアレイ。
【請求項4】
前記第1および第2の反射層からなる群より選ばれる少なくとも一つの反射層は、
エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む樹脂と、
酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化シリコン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、および酸化ガドリニウムからなる群より選ばれる少なくとも一つを含み、光を反射する反射粒子と、
を含む、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のシンチレータアレイ。
【請求項5】
前記少なくとも一つの反射層における前記樹脂は、15%以上60%以下の第1の質量比を有し、
前記少なくとも一つの反射層における前記反射粒子は、40%以上85%以下の第2の質量比を有し、
前記第1の質量比と前記第2の質量比との合計は、100%である、請求項4に記載のシンチレータアレイ。
【請求項6】
前記接着層は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれ、光、熱、または湿気により硬化された少なくとも一つの樹脂を含む、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のシンチレータアレイ。
【請求項7】
前記接着層は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、および酸化シリコンからなる群より選ばれる少なくとも一つをさらに含む、請求項6に記載のシンチレータアレイ。
【請求項8】
前記希土類酸硫化物蛍光体は、
一般式:RE



S:Pr
(REはY、Gd、La、およびLuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素である)
で表され、且つRE



Sの含有量に対するPrの含有量が0.001モル%以上10モル%以下である組成を有する、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のシンチレータアレイ。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のシンチレータアレイを具備する、放射線検出器。
【請求項10】
請求項9に記載の放射線検出器を具備する、放射線検査装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本実施形態は、シンチレータアレイ、シンチレータアレイの製造方法、放射線検出器、および放射線検査装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
医療診断や工業用非破壊検査等の分野では、X線断層撮影装置(以下、X線CT装置と記す)のような放射線検査装置を用いた検査を行う。X線CT装置は、扇状のファンビームX線を照射するX線管(X線源)と、多数のX線検出素子を備えるX線検出器とを、被検査体の断層面を挟んで互いに対向して配置する。
【0003】
X線CT装置は、被検査体に対して回転しながらX線管からファンビームX線を照射し、被検査体を透過したX線吸収データをX線検出器で収集する。この後、X線吸収データをコンピュータで解析することによって、断層像を再生する。
【0004】
X線CT装置の放射線検出器は、固体シンチレータを用いた検出素子を広く使用する。固体シンチレータを用いた検出素子を具備する放射線検出器は、検出素子を小型化してチャンネル数を増やすことが容易であることから、X線CT装置等の解像度をより一層高めることができる。
【0005】
X線CT装置等の放射線検査装置は、医療用や工業用等の様々な分野に用いられている。X線CT装置の例は、フォトダイオード等の検出素子を縦横に2次元的に並べ、その上にシンチレータアレイを搭載したマルチスライス型の装置を含む。マルチスライス型の装置は、コンピュータ断層撮影(CT)を重ねることができ、これによりCT画像を立体的に示すことができる。
【0006】
放射線検査装置に搭載される放射線検出器は、縦横複数列に並べられた複数の検出素子を備え、それぞれの検出素子がシンチレータセグメントを有する。放射線検出器は、シンチレータセグメントに入射するX線を可視光に変換し、可視光を検出素子で電気信号に変換して画像を形成する。近年、高解像度を得るために検出素子を小型化し、さらに隣り合う検出素子間のピッチを狭くする。これらに伴って、シンチレータセグメントのサイズも小さくなっている。
【0007】
上述したようなシンチレータセグメントに使用される各種のシンチレータ材料のうち、希土類酸硫化物系の蛍光体セラミックスは、発光効率が高く、シンチレータセグメントに使用するために好適な特性を有する。このため、シンチレータ材料である希土類酸硫化物系蛍光体セラミックスの焼結体(インゴット)から切り出し加工または溝切り加工等の加工法を用いて加工されたシンチレータセグメントと、検出素子としてのフォトダイオードと、を組み合せた放射線検出器が普及しつつある。
【0008】
蛍光体セラミックスを用いたシンチレータの例は、ガドリニウム酸硫化物蛍光体の焼結体からなるシンチレータを含む。上記シンチレータを用いたシンチレータアレイは、例えば以下のようにして製造される。まず、シンチレータ材料である希土類酸硫化物系蛍光体粉末を適当な形状に成形し、これを焼結して焼結体(インゴット)を形成する。この焼結体に切り出し加工または溝切り加工等の切断加工を施して、複数の検出素子に対応するシンチレータセグメントを形成する。さらに、これらのシンチレータセグメント間に光を反射する反射層を形成して一体化してシンチレータアレイを製造する。
【0009】
上述したようなシンチレータアレイを放射線検出器に使用する場合、シンチレータアレイの寸法精度がCT診断画像の解像度に影響する。さらに、X線CT装置に搭載される放射線検出器には最大50℃の温度が加わる。樹脂を含む反射層を有するシンチレータアレイでは、加温による反射層の膨張、および温度低下による収縮が発生し、隣接するシンチレータセグメント間で微小な寸法変化、すなわちシンチレータセグメントのピッチずれ、シンチレータアレイの反りを主な要因とする外形寸法のバラツキ等が生まれてしまう。これらは放射線検査装置による診断画像の解像度を悪化させる原因となる。
【0010】
放射線検査装置による診断画像の高解像度化が進む中、加温冷却による寸法変化量が少ないシンチレータアレイが求められている。さらに、放射線検出器の検出面積の増大に伴ってシンチレータアレイの面積も大きくなるため、加温冷却による寸法変化量の制御が重要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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