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公開番号2023070944
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-22
出願番号2021183434
出願日2021-11-10
発明の名称制振構造
出願人株式会社竹中工務店
代理人個人
主分類E04H 9/02 20060101AFI20230515BHJP(建築物)
要約【課題】変位依存型のダンパーなどの専用のダンパーを備えない合理的な構造で、巨大地震等が生じた場合に、速度依存型のダンパーに制限値を超える外力が作用するのを抑制して速度依存型のダンパーが損傷するのを防止することができ、その後の余震当に対して減衰性能を確保することのできる制振装置を提供する。
【解決手段】速度依存型のダンパー3が上下の構造体1、2に亘って設置され、ダンパー3の少なくとも一端部3Aが、鉄骨ブラケット100を介して構造体2に連結され、鉄骨ブラケット100は、構造体2に接合される基端側からダンパー3が接合される先端側に向かって上下方向に延在し、ダンパー3の制限値を基準に設定される設定値を超える外力が先端側に作用したときに基端側が曲げ応力で変形して当該外力を吸収するように曲げ耐力が設定されている。
【選択図】図2


特許請求の範囲【請求項1】
上下の構造体の水平方向の相対変位を減衰する速度依存型のダンパーが上下の構造体に亘って設置されている制振構造であって、
前記ダンパーの少なくとも一端部が、鉄骨ブラケットを介して前記構造体に連結され、
前記鉄骨ブラケットは、前記構造体に接合される基端側から前記ダンパーが接合される先端側に向かって上下方向に延在し、前記ダンパーの制限値を基準に設定される設定値を超える外力が先端側に作用したときに基端側が曲げ応力で変形して当該外力を吸収するように曲げ耐力が設定されている制振構造。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記鉄骨ブラケットは、前記設定値を超える外力が先端側に作用したときに基端側が曲げ降伏して変形するように構成されている請求項1記載の制振構造。
【請求項3】
前記鉄骨ブラケットは、基端側の曲げ耐力が先端側の曲げ耐力よりも相対的に小さくなるように、先端側が補強部材で補強されている請求項2記載の制振構造。
【請求項4】
前記鉄骨ブラケットは、フランジ厚がウェブ厚よりも薄いビルドH形鋼にて構成されている請求項2又は3記載の制振構造。
【請求項5】
前記鉄骨ブラケットが、低降伏点鋼にて構成されている請求項2~4のいずれか1項に記載の制振構造。
【請求項6】
前記鉄骨ブラケットは、基端側にて構造体側部材とダンパー側部材とに上下方向で分割され、前記構造体側部材と前記ダンパー側部材とを上下方向に長い長孔を使用したボルト接合にて摩擦接合する摩擦接合部が備えられ、前記設定値を超える外力が先端側に作用したときに曲げ応力で前記摩擦接合部にて前記長孔の範囲内で摩擦すべりが生じて変形するように構成されている請求項1記載の制振構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、上下の構造体の水平方向の相対変位を減衰するオイルダンパー等の速度依存型のダンパーが上下の構造体に亘って設置されている制振構造に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
この種の制振構造は、地震等が発生した場合に、上下の構造体に亘って設置される速度依存型のダンパーが速度に応じた減衰力を発揮することで、上下の構造体の水平方向の相対変位を良好に減衰することができ、免震建物や制振建物等の構造体に多く採用されている。
【0003】
ところで、このような制振構造では、巨大地震等が発生して速度依存型のダンパーに制限値(最大速度又は最大減衰力)を超える外力が作用すると、当該ダンパーが損傷し、それ以降の余震等の揺れに対して減衰機能を発揮できないことが考えられる。
この点、特許文献1には、上下の構造体(上梁26と下梁24)の間に速度依存型のダンパー(粘性減衰付加型ダンパー30)と変位依存型のダンパー(履歴減衰付加型ダンパー28)を配置し、変位依存型のダンパーの最大耐力を速度依存型のダンパーの制限値(リリーフ荷重)付近に設定する制振構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3377770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の制振構造では、巨大地震等が発生した場合に、速度依存型のダンパーの制限値で変位依存型のダンパーが破壊することで、速度依存型のダンパーに制限値(最大速度、最大減衰力)を超える外力が作用するのを抑制して速度依存型のダンパーの損傷を防止することができる。しかしながら、そのために専用の変位依存型のダンパーを追加する必要があり、構造の複雑化とコストアップを招く問題がある。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、変位依存型のダンパーなどの専用のダンパーを備えない合理的な構造で、巨大地震等が生じた場合に、速度依存型のダンパーに制限値を超える外力が作用するのを抑制して速度依存型のダンパーが損傷するのを防止することができ、その後の余震当に対して減衰性能を確保することのできる制振装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1特徴構成は、上下の構造体の水平方向の相対変位を減衰する速度依存型のダンパーが上下の構造体に亘って設置されている制振構造であって、
前記ダンパーの少なくとも一端部が、鉄骨ブラケットを介して前記構造体に連結され、
前記鉄骨ブラケットは、前記構造体に接合される基端側から前記ダンパーが接合される先端側に向かって上下方向に延在し、前記ダンパーの制限値を基準に設定される設定値を超える外力が先端側に作用したときに基端側が曲げ応力で変形して当該外力を吸収するように曲げ耐力が設定されている点にある。
【0008】
本構成によれば、巨大地震等が発生し、速度依存型のダンパーが接合される鉄骨ブラケットの先端側に、当該ダンパーの制限値を基準に設定される設定値を超える外力が作用したときには、鉄骨ブラケットにおいて曲げ応力が集中する基端側が曲げ応力で変形して外力を吸収するので、速度依存型のダンパーに制限値を超える外力が作用するのを抑制して速度依存型のダンパーの損傷を防止することができる。
【0009】
しかも、ダンパーが接合される鉄骨ブラケットの先端側には曲げ応力がほとんど作用しないので、曲げ応力で変形する鉄骨ブラケットの基端側に比べて、ダンパーと鉄骨ブラケットとの接合状態を維持し易く、そのため、その後の余震に対しても速度依存型のダンパーに減衰性能を発揮させ易くすることができる。
【0010】
したがって、変位依存型のダンパー等の専用のダンパーを備えない合理的な構造で、巨大地震等が生じた場合に、速度依存型のダンパーに制限値を超える外力が作用するのを抑制して速度依存型のダンパーが損傷するのを防止することができ、その後の余震等に対して減衰性能を確保し易い制振構造とすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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