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公開番号2023069740
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-18
出願番号2021181842
出願日2021-11-08
発明の名称インク組成物及び捺染方法
出願人日本化薬株式会社
代理人
主分類C09D 11/326 20140101AFI20230511BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】
本発明は、インクジェット捺染において、白色度に優れた染色物を作製でき、繊維への密着性に優れたインク組成物を提供することを目的とするものである。
【解決手段】
白色顔料、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含むインクジェット記録用水性白色顔料インクであって、前記水分散性樹脂が、重量平均分子量が77,000以下である樹脂を含む第一の樹脂エマルジョンと、重量平均分子量が77,000を超える樹脂を含む第二の樹脂エマルジョンとを含む、インクジェット記録用水性白色顔料インク。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
白色顔料、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含むインクジェット記録用水性白色顔料インクであって、前記水分散性樹脂が、重量平均分子量が77,000以下である樹脂を含む第一の樹脂エマルジョンと、重量平均分子量が77,000を超える樹脂を含む第二の樹脂エマルジョンとを含む、インクジェット記録用水性白色顔料インク。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記第二の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR2、とした場合、R1/R2で表される値が、0.27を超え、かつ、0.4未満である、請求項1に記載のインクジェット記録用水性白色顔料インク。
【請求項3】
上記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記白色顔料の固形分配合量をP1、とした場合、R1/P1で表される値が0.5未満である、請求項2に記載のインクジェット記録用水性白色顔料インク。
【請求項4】
上記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記白色顔料の固形分配合量をP1、とした場合、R1/P1で表される値が0.026を超え、かつ、0.5未満である、請求項2に記載のインクジェット記録用水性白色顔料インク。
【請求項5】
25℃において、表面張力が20~45mN/m、粘度が2~20mPa・sである、請求項1~4のいずれか一項に記載のインク組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を、記録信号に応じて吐出させ、被記録材に付着させることにより捺染を行うインクジェット捺染方法。
【請求項7】
前記被記録材が、ポリエステル、セルロース、ポリアミド、及び天然繊維よりなる群から選択される繊維、これらの繊維を含有する混紡繊維、又はこれらの繊維を含有する布帛である、請求項6に記載のインクジェット捺染方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のインクジェット捺染方法を用いて被記録材に付着させたインク組成物が含有する顔料を、スチーミング又はベーキング処理により前記被記録材に染着させ、染色を行うインクジェット染色方法。
【請求項9】
前記スチーミング又はベーキング処理の処理温度が80~250℃であり、処理時間が10秒から30分の範囲である、請求項8に記載のインクジェット染色方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
白色顔料、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含むインクジェット記録用水性白色顔料インクであって、前記水分散性樹脂が、重量平均分子量が77,000以下である樹脂を含む第一の樹脂エマルジョンと、重量平均分子量が77,000を超える樹脂を含む第二の樹脂エマルジョンとを含む、インクジェット記録用水性白色顔料インク及びそれを用いた捺染方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
インクジェット記録は、情報のデジタル化が進む中で、オフィス、家庭用の印刷方法として広く普及している。また、近年では商業印刷や繊維への捺染等への応用展開も数多く進められている。そして、インクジェット記録の用途が広がっていくのに伴い、インクジェットインクに用いる着色剤も従来の酸性染料あるいは直接染料等の水溶性染料から、用途に応じて水不溶性の着色剤、すなわち、分散染料や顔料等の様々な着色剤が使用されるようになってきた。
【0003】
顔料を用いたインクジェットインクとしては、特許文献1のインクが挙げられる。これは、高分子分散剤を用いた分散インク組成物である。また、特許文献2には、自己分散型の顔料を用いたインク組成物が開示されている。近年、樹脂をインク中に混合することで、熱処理により被記録材に硬化・定着させる手法も知られており、例えば特許文献3及び4に開示されている。
【0004】
色材として顔料を用いる場合、耐光性が高い、複数の繊維種に対応できる、色材除去工程が不要である、といった利点があり、その簡便さが好まれている。この顔料定着のために、インクにはバインダー成分を添加する必要がある。しかし、インクジェット用インクでは、吐出安定性およびヘッド放置後の吐出性、目詰まりの観点から、バインダー成分を多量に使用することができないため、密着性が不十分となり、洗濯をした際やこすった際に印刷部分がはがれやすくなってしまう。
【0005】
水不溶性の着色剤として白色顔料を用いるインクジェット捺染では、白色顔料を含有するインクを繊維に付着させ、白色の下地を形成した後にカラーインクを、形成した下地にさらに付着させて、カラー画像を形成する方法が一般的に知られている。このとき、白下地の形成を良好にする目的で、白インクを付着させる前に、繊維に対して前処理を行うこともできる。例えば、特許文献5及び6には、そのような処理液の記載がされている。
特に、黒色を含む濃色の繊維に対して白色以外のカラーインクを直接捺染すると、目視ではカラーインクの色を認識できないことがある。このため、白色以外の色の繊維にカラーインクで捺染をするときは、通常は白色の下地を設置する。この下地の白色度が低いと、カラーインクで捺染した画像の発色が低下する。この理由から、下地の白色度は高い方が望ましい。このため、これらの問題を解決できる白インクが強く望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第3534395号公報
特許第4016483号公報
特開2011-246633号公報
特開平9-143407号公報
特表2018-505244号公報
特開2017-31354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、インクジェット捺染において、白色度に優れた染色物を作製でき、繊維への密着性に優れたインク組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記したような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、白色顔料、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含むインクジェット記録用水性白色顔料インクであって、前記水分散性樹脂が、重量平均分子量が77,000以下である樹脂を含む第一の樹脂エマルジョンと、重量平均分子量が77,000を超える樹脂を含む第二の樹脂エマルジョンとを含む、インクジェット記録用水性白色顔料インクが、上記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0009】
即ち本発明は、以下の1)~9)に関する。
1)
白色顔料、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含むインクジェット記録用水性白色顔料インクであって、前記水分散性樹脂が、重量平均分子量が77,000以下である樹脂を含む第一の樹脂エマルジョンと、重量平均分子量が77,000を超える樹脂を含む第二の樹脂エマルジョンとを含む、インクジェット記録用水性白色顔料インク。
2)
前記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記第二の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR2、とした場合、R1/R2で表される値が、0.27を超え、かつ、0.4未満である、1)に記載のインクジェット記録用水性白色顔料インク。
3)
上記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記白色顔料の固形分配合量をP1、とした場合、R1/P1で表される値が0.5未満である、2)に記載のインクジェット記録用水性白色顔料インク。
4)
上記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記白色顔料の固形分配合量をP1、とした場合、R1/P1で表される値が0.026を超え、かつ、0.5未満である、2)に記載のインクジェット記録用水性白色顔料インク。
5)
25℃において、表面張力が20~45mN/m、粘度が2~20mPa・sである、1)~4)のいずれか一項に記載のインク組成物。
6)
1)~5)のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を、記録信号に応じて吐出させ、被記録材に付着させることにより捺染を行うインクジェット捺染方法。
7)
前記被記録材が、ポリエステル、セルロース、ポリアミド、及び天然繊維よりなる群から選択される繊維、これらの繊維を含有する混紡繊維、又はこれらの繊維を含有する布帛である、6)に記載のインクジェット捺染方法。
8)
6)又は7)に記載のインクジェット捺染方法を用いて被記録材に付着させたインク組成物が含有する顔料を、スチーミング又はベーキング処理により前記被記録材に染着させ、染色を行うインクジェット染色方法。
9)
前記スチーミング又はベーキング処理の処理温度が80~250℃であり、処理時間が10秒から30分の範囲である、8)に記載のインクジェット染色方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、インクジェット捺染において、発色に優れた染色物を作製でき、かつ再分散性に優れたインク組成物が得られる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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