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公開番号2023069634
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-18
出願番号2021181654
出願日2021-11-08
発明の名称積層ポリエステルフィルム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B32B 27/36 20060101AFI20230511BHJP(積層体)
要約【課題】再利用性と被離型物の浮き抑制性に優れた積層ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、以下の条件1を満たす層Xを有する積層ポリエステルフィルム。
条件1:27≦γXP≦40
γXP(mN/m):層Xの表面自由エネルギーの極性成分
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、以下の条件を満たす層Xを有する積層ポリエステルフィルム。
条件1:27≦γXP≦40
γXP(mN/m):層Xの表面自由エネルギーの極性成分
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記層Xの水の接触角HX(1)(°)とHX(20)(°)が以下の条件を満たす請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
条件2:5≦HX(1)-HX(20)≦60
HX(1)(°):層Xに水が接触してから1秒後の接触角
HX(20)(°):層Xに水が接触してから20秒後の接触角
【請求項3】
前記層Xがポリビニルアルコール骨格を有する樹脂を含む請求項1または2のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
【請求項4】
前記層Xがエタンジオール基変性ポリビニルアルコール骨格を有する樹脂を含む請求項3に記載の積層ポリエステルフィルム。
【請求項5】
前記層Xに溶解処理を施し形成せしめた層X’の表面自由エネルギーγX’Pが以下の条件を満たす、請求項1から4のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
条件3:0<γXP-γX’P
γX’P(mN/m):層X’の表面自由エネルギーの極性成分
【請求項6】
前記層Xのポリエステルフィルムと接する面とは反対面に、以下の条件を満たす層Yを有する請求項1から5のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
条件4:80≦HY(1)≦120
条件5:20≦HY(1)-HY(20)≦90
HY(1)(°):層Yに水が接触してから1秒後の接触角
HY(20)(°):層Yに水が接触してから20秒後の接触角
【請求項7】
前記層Yがジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン化合物を含む請求項6に記載の積層ポリエステルフィルム。
【請求項8】
前記層Yの表面自由エネルギーの極性成分γYPが0.6以上10以下である請求項6または7に記載の積層ポリエステルフィルム。
【請求項9】
前記層Yの層Xと接する面とは反対面に被離型層を設け、層Yから被離型層を剥離する離型用途に用いられる請求項6から8のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
【請求項10】
層Yから被離型層を剥離した後、層Xと層Yが除去される用途に用いられる請求項9に記載の積層ポリエステルフィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、離型層を設けた際における離型性に優れ、積層ポリエステルフィルムに設けられた層を除去することに優れる積層ポリエステルフィルムに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
プラスチックは様々な分野に利用されている一方、マイクロプラスチックなど海洋汚染の原因物とされ、プラスチックによる環境負荷低減が急務となっている。また、近年、IoT(Internet of Things)の進化により、コンピュータやスマートフォンに搭載されるCPUなどの電子デバイスが急激に増加し、それに伴い、電子デバイスを駆動するために重要な積層セラミックコンデンサ(MLCC)の数も爆発的に増加している。MLCCの一般的な製造方法は、プラスチックフィルムを基材とし、該基材上に離型層を設けた離型フィルム上に、セラミックグリーンシートと電極を積層して乾燥して固めた後、該積層体を離型フィルムから剥離し複数層を積層し、焼成するというものである。この工程において、離型フィルムは、工程中で不要物として廃棄されることとなる。このように、近年のMLCC数量の爆発的増加に伴い、不要物として廃棄される離型フィルムの増加による環境負荷の増大が課題となりつつある。
【0003】
上記のMLCC用途に代表される離型フィルムにおいて、離型層の成分は、離型性の観点から、一般的にはフィルムを構成する成分とは異なる組成であるため、離型層がついた離型フィルムをそのまま再溶融した場合、離型層の成分が異物として存在するため、再利用ができない。
【0004】
そこで離型フィルムを再利用する技術の例として、特許文献1では、離型層とポリエステルフィルムの中間に水溶性樹脂の層を設け、水洗することで離型層を除去した後、再利用する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-050681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
離型フィルムの用途として、MLCCの工程搬送フィルムの基材用途や、粘着フィルムのセパレート用途などが挙げられるが、それぞれの用途において、被離型物の予期せぬ浮きがきっかけとなり、製品の品位低下や歩留まり低下を生じる課題があることがわかった。例えば、MLCCの工程搬送フィルムの基材用途においては、セラミックグリーンシートを裁断する工程で、裁断した衝撃で離型フィルムからセラミックグリーンシートが浮いてしまうという課題がある。
【0007】
特許文献1に記載の技術である離型層とポリエステルフィルムの中間に水溶性樹脂の層を設ける方法では、除去性にさらなる改善の余地があり、さらに前述した被離型物の浮きに対しても改善の余地がある。
【0008】
以上の点から、本発明の課題は、離型層を設けた際における離型性と再利用性に優れた積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の好ましい一態様は以下の構成をとる。
[I]ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、以下の条件1を満たす層Xを有する積層ポリエステルフィルム。
条件1:27≦γXP≦40
γXP(mN/m):層Xの表面自由エネルギーの極性成分
[II]前記層Xの水の接触角HX(1)(°)とHX(20)(°)が以下の条件を満たす[I]に記載の積層ポリエステルフィルム。
条件2:5≦HX(1)-HX(20)≦60
HX(1)(°):層Xに水が接触してから1秒後の接触角
HX(20)(°):層Xに水が接触してから20秒後の接触角
[III]前記層Xがポリビニルアルコール骨格を有する樹脂を含む[I]または[II]に記載の積層ポリエステルフィルム。
[IV]前記層Xがエタンジオール基変性ポリビニルアルコール骨格を有する樹脂を含む[III]に記載の積層ポリエステルフィルム。
[V]前記層Xに溶解処理を加えて形成せしめた層X’の表面自由エネルギーγX’Pが以下の条件を満たす、[I]から[IV]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
条件3:0<γXP-γX’P
γX’P(mN/m):層X’の表面自由エネルギーの極性成分
[VI]前記層Xのポリエステルフィルムと接する面とは反対面に、以下の条件を満たす層Yを有する[I]から[V]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
条件4:80≦HY(1)≦120
条件5:20≦HY(1)-HY(20)≦90
HY(1)(°):層Yに水が接触してから1秒後の接触角
HY(20)(°):層Yに水が接触してから20秒後の接触角
[VII]前記層Yがジメチルシロキサン骨格を有する樹脂を含む[VI]に記載の積層ポリエステルフィルム。
[VIII]前記層Yの表面自由エネルギーの極性成分γYPが0.6以上10以下である[VI]または[VII]に記載の積層ポリエステルフィルム。
[IX]前記層Yの層Xと接する面とは反対面に被離型層を設け、層Yから被離型層を剥離する離型用途に用いられる[VI]から[VIII]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
[X]層Yから被離型層を剥離した後、層Xと層Yが除去される用途に用いられる[IX]に記載の積層ポリエステルフィルム。
[XI]層Xと層Yを除去した積層ポリエステルフィルムを再利用する用途に用いられる[X]に記載の積層ポリエステルフィルム。
[XII]前記被離型層が、チタン酸バリウムを主成分とするセラミックグリーンシートである[IX]から[XI]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
[XIII]積層セラミックコンデンサ(MLCC)製造工程用の離型フィルムとして用いられる、[I]から[XII]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
[XIV]積層セラミックコンデンサ(MLCC)製造工程用の離型フィルムとして用いられる、[I]から[XIII]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
[XV]少なくとも一方の表層に以下の条件を満たす層Yを有する積層ポリエステルフィルム。
条件6:80≦HY(1)≦120
条件7:20≦HY(1)-HY(20)≦90
HY(1)(°):層Yに水が接触してから1秒後の接触角
HY(20)(°):層Yに水が接触してから20秒後の接触角
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、積層ポリエステルフィルムを離型用フィルムの基材など、離型層を設けた際における離型性に優れ、その使用後においてポリエステルフィルム以外の層の除去性に優れた積層ポリエステルフィルムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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