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公開番号2023069413
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-18
出願番号2021181244
出願日2021-11-05
発明の名称被膜の皮膚保湿効果の評価方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12Q 1/68 20180101AFI20230511BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】被膜の皮膚保湿効果を評価すること。
【解決手段】被膜の皮膚保湿効果を評価するためのマーカー、ならびに該マーカーを用いた被膜の皮膚保湿効果の評価方法及び皮膚保湿効果を有する被膜の選択方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
被験者における被膜の皮膚保湿効果を評価する方法であって、被膜を適用した被験者の皮膚から採取された生体試料について、以下の遺伝子:TTYH3、DOT1L、ZNF160、NSMAF、及びTMEM164、ならびに該遺伝子の発現産物からなる群より選択される少なくとも1種の発現レベルを測定することを含む、方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
被験者に適した皮膚保湿効果を有する被膜を選択する方法であって、被膜を適用した被験者の皮膚から採取された生体試料について、以下の遺伝子:TTYH3、DOT1L、ZNF160、NSMAF、及びTMEM164、ならびに該遺伝子の発現産物からなる群より選択される少なくとも1種の発現レベルを測定することを含む、方法。
【請求項3】
前記遺伝子又は発現産物が以下の遺伝子:TTYH3及びDOT1L、ならびに該遺伝子の発現産物からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記被験者の皮膚に前記被膜を一定期間適用すること、及び
該期間経過後、被膜適用部位の皮膚から採取された生体試料について、以下の遺伝子:TTYH3及びDOT1L、ならびに該遺伝子の発現産物からなる群より選択される少なくとも1種の発現レベルを測定すること、
を含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記遺伝子又は発現産物の発現レベルに基づいて前記被膜の皮膚保湿効果を評価することをさらに含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記遺伝子又は発現産物の発現レベルが高いほど、前記被膜の前記被験者における皮膚保湿効果は高いと評価される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記遺伝子又は発現産物が以下の遺伝子:ZNF160、NSMAF、及びTMEM164、ならびに該遺伝子の発現産物からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2記載の方法。
【請求項8】
前記被験者の皮膚に前記被膜を一定期間適用すること、及び
該期間経過後、被膜適用部位の皮膚から採取された生体試料及び対照部位の皮膚から採取された生体試料について、以下の遺伝子:ZNF160、NSMAF、及びTMEM164、ならびに該遺伝子の発現産物からなる群より選択される少なくとも1種の発現レベルを測定すること、
を含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記遺伝子又は発現産物の発現レベルに基づいて前記被膜の皮膚保湿効果を評価することをさらに含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記遺伝子又は発現産物が以下の遺伝子:ZNF160及びNSMAF、ならびに該遺伝子の発現産物からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記被膜適用部位の皮膚から採取された生体試料における該遺伝子又は発現産物の発現レベルと前記対照部位の皮膚から採取された生体試料における該遺伝子又は発現産物の発現レベルの差(Δ発現レベル)の値が大きいほど、前記被膜の前記被験者における皮膚保湿効果は高いと評価される、請求項9記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被膜の皮膚保湿効果の評価のためのマーカー、並びにそれを用いた被膜の皮膚保湿効果の評価方法及び皮膚保湿効果を有する被膜の選択方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
正常な皮膚には水分を保つ機能(保湿機能)が備わっている。この保湿機能によって、皮膚は柔軟性を保ち、またバリア機能を維持して良好な状態を保つことができる。一方、皮膚が低湿度環境に晒されたり皮膚保湿機能が低下して皮膚が乾燥したりすると、皮膚の状態が悪化し、肌荒れが発生する。皮膚は人体の器官のうち最外層に位置し、他の器官に比べて周辺環境の影響を受け易い。例えば、低湿度環境の恒温恒湿室(相対湿度20%、23℃)に健常なヒトを6時間滞在させた際には、顔面部のシワや表面粗さの指標、角層水分量の指標が悪化することが報告されている(非特許文献1、2)。斯様に、たとえ短時間であっても、皮膚が低湿度環境に晒されることは皮膚の乾燥を引き起こし、皮膚表面形状悪化などの美容上、健康上の皮膚トラブルに結び付くと考えられる。
【0003】
従来の皮膚の乾燥の評価方法としては、プローブを皮膚表面に押し当てて角層水分量(Capacitance値、Conductance値)や経皮水分蒸散量(Trans Epidermal Water Loss;TEWL値)についての客観的数値を取得する方法が挙げられる。また、専用のカメラ付きプローブを用いて皮膚表面形状を数値化したもの(Surface Evaluation of Living Skin;SELS parameters)を取得する方法、印象材を用いて皮膚表面のレプリカを作製し光学装置を用いてシワや表面粗さを数値化する方法や、事前に定めた指標に基づいて専門パネリストが皮膚乾燥の程度を目視評価する方法などが存在する。
【0004】
また、所見や自覚などに現れる表現型(フェノタイプ)を機器や目視で指標化するだけでなく、生体試料中の核酸やタンパク質発現等の生物学的指標に基づいて皮膚の乾燥状態を評価する方法が報告されており(特許文献1及び非特許文献3)、生物学的指標に基づいた乾燥の評価と抗乾燥技術の提供を高精度かつ効率的に行うことにつながると考えられている。
【0005】
外用で用いる既存の抗乾燥技術としては、一般に軟膏、クリーム剤、ローション剤などが考えられる。近年、皮膚の表面に形成する繊維層を備える被膜が、使用感に優れながら皮膚からの水分蒸散を適度に抑制し、皮膚健常化用の被膜または荒れ肌改善用の被膜として用いることができることが報告されている(特許文献2)。斯かる被膜について、その皮膚保湿効果を簡便に評価できれば、皮膚状態に応じて適切な被膜を使用でき、早期の皮膚健常化または荒れ肌改善に資することになる。しかしながら、生物学的指標に基づいて、該被膜が持つ皮膚保湿効果を簡便に評価する方法は十分に存在しない。
【0006】
近年、生体試料中のDNAやRNA等の核酸の解析によりヒトの生体内の現在さらには将来の生理状態を調べる技術が開発されている。生体由来の核酸は、血液等の体液、分泌物、組織等から抽出することができる。さらに最近、皮膚表上脂質(skin surface lipids;SSL)に含まれるRNAを生体の解析用の生物学的指標として利用可能であることが報告されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2015-227865号公報
特開2020-90487号公報
国際公開公報第2018/008319号
【非特許文献】
【0008】
Tsukahara et al. Skin Res Technol. 13:184-188, 2007.
Egawa et al. Skin Res Technol. 8:212-218, 2002.
Delattre et al. Exp Dermatol. 21:205-210, 2012.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、被膜の皮膚保湿効果の評価のためのマーカー、ならびにそれを用いた被膜の皮膚保湿効果の評価方法及び皮膚保湿効果を有する被膜の選択方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、被験者における被膜の皮膚保湿効果を評価する方法であって、被膜を適用した被験者の皮膚から採取された生体試料について、以下の遺伝子:TTYH3、DOT1L、ZNF160、NSMAF、及びTMEM164、ならびに該遺伝子の発現産物からなる群より選択される少なくとも1種の発現レベルを測定することを含む、方法を提供する。
また本発明は、被験者に適した皮膚保湿効果を有する被膜を選択する方法であって、被膜を適用した被験者の皮膚から採取された生体試料について、前記遺伝子及び該遺伝子の発現産物からなる群より選択される少なくとも1種の発現レベルを測定することを含む、方法を提供する。
また本発明は、前記遺伝子及び該遺伝子の発現産物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、被膜の皮膚保湿効果の評価のためのマーカーを提供する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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