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公開番号2023069011
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-18
出願番号2021180548
出願日2021-11-04
発明の名称吸着材乾燥システム
出願人東京電力ホールディングス株式会社
代理人個人,個人
主分類G21F 9/12 20060101AFI20230511BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】内部に残留した処理水に起因する吸着塔の腐食の発生を抑制し、かかる処理水の漏洩を好適に防ぐことが可能な吸着材乾燥システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる吸着材乾燥システム(乾燥システム100)の構成は、廃炉作業の廃棄物である汚染水に含まれる放射性物質を吸着する吸着材202を吸着塔200内で乾燥させる吸着材乾燥システムあって、吸着塔200内を減圧する真空ポンプ110と、吸着塔200から吸引した水蒸気を含む空気を冷却して水分を凝縮させる冷却トラップ120と、凝縮した水の量を計測する量水計130と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
廃炉作業の廃棄物である汚染水に含まれる放射性物質を吸着する吸着材を吸着塔内で乾燥させる吸着材乾燥システムであって、
前記吸着塔内を減圧する真空ポンプと、
前記吸着塔から吸引した水蒸気を含む空気を冷却して水分を凝縮させる冷却トラップと、
前記凝縮した水の量を計測する量水計と、
を備えることを特徴とする吸着材乾燥システム。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記真空ポンプ、前記冷却トラップおよび前記量水計を収容する筐体を備え、
前記筐体は可搬性を有することを特徴とする請求項1に記載の吸着材乾燥システム。
【請求項3】
前記量水計の下流側に配置され前記水を貯蔵する一時貯蔵タンクを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸着材乾燥システム。
【請求項4】
前記吸着塔の外面を被覆するヒータと、
前記ヒータを被覆する断熱材と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸着材乾燥システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃炉作業の廃棄物である汚染水に含まれる放射性物質を吸着する吸着材を吸着塔内で乾燥させる吸着材乾燥システムに関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
原子力施設等に設けられている原子炉の廃炉作業では、放射性物質を含む汚染水や除染廃液(以下まとめて汚染水という)が廃棄物(一次廃棄物)として排出される。汚染水の放射性物質を除去(低減)する処理方法としては、例えば特許文献1に開示されているような内部に吸着材を収容した吸着塔を用いることが挙げられる。
【0003】
特許文献1の放射性セシウム含有水の吸着塔の交換方法では、n個(nは3以上の整数)の吸着塔を上流側から順に1~n番目まで直列に配置して、放射性セシウムを含有する放射性セシウム含有水を1~n-1番目の吸着塔に順に通水する。n番目の吸着塔は待機状態(通水経路から切り離された状態)とする。そして、1番目の吸着塔が破過した時に、1番目の吸着塔を新しい吸着塔に交換し、k(2≦k≦n)番目の吸着塔を(k-1)番目として直列に配置し、かつ新しい吸着塔をn番目として待機状態とし、放射性セシウム含有水を新たな1~n-1番目の吸着塔に順に通水している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5236835号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
汚染水の放射性物質の除去処理に用いられた吸着塔は二次廃棄物として処理される。しかしながら特許文献1では、吸着塔の交換方法についてのみ開示されていて、交換された吸着塔の処理方法については何ら検討されていない。現状では吸着塔は、交換時点で内部に残留している処理後の汚染水(以下、処理水と称する)をエアブロー等の手段によって抜いた後に、廃棄物保管設備において保管される。
【0006】
吸着塔の下部には、排水口として機能する出口ヘッダが設けられている。エアブロー等の手段によって吸着塔内の下方に押し込まれた処理水は、大部分が出口ヘッダから吸着塔外に排出される。しかしながら、このような手法であると出口ヘッダより下方の処理水が吸着塔の内部に残留してしまう。すると長期間が経過した後に、処理水が残留している領域において吸着塔に腐食が発生し、そこから残留している処理水が漏洩する可能性がある。
【0007】
そこで残水を除去することが望まれる。残水をもれなく排出しようとすれば、まず吸着塔の最下部に排水口を設けることが考えられる。しかしながら汚染水処理に供している際に底部に漏えいリスクのある構造を採用することの問題に加え、排水口端部に設ける弁に固体である吸着材がかみ込み水密を維持できなくなる可能性が高いという問題があるため、この構造は採用されていない。保管段階にある吸着塔底部に事後的に開口を設けることは、加工作業時に吸着材が逸散するリスクに加え、極めて強い放射線環境下での工事となることから現実性がない。
【0008】
また残水を除去するために、沸点以上に加熱して蒸発させることも考えられる。しかしながら巨大な吸着塔(例えば直径1.5m、高さ2.4m、重さ18t程度)の熱容量は非常に大きく、これを100℃以上に加熱するためには、大きさも熱量も非常に大きな、炉のような高温室が必要になってしまう。またすでに廃棄物保管設備に収容した吸着塔を乾燥させたい場合、収容した吸着塔をふたたび持ち出して高温室で処理しなければならない。
【0009】
また残水を除去するために、エアブローの系統に熱風を吹き込んで吸着材を直接的に加熱して水分を蒸発させることも考えられる。しかしながらエアブローの熱風は出口ヘッダより下方の空間を通らないこと、空気の通り道が一部でも乾燥するとその部分のみに優先的に空気が流れると考えられることから、熱風エアブローでは吸着塔内全域の吸着材を確実に乾燥させることは困難と考えられる。更にこの方法では大風量の熱風を循環させるため、放射能を吸着した吸着材の微粉末状成分が放射性ダストとして吸着塔の外部に拡散する可能性が高い点も問題となる。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑み、内部に残留した処理水に起因する吸着塔の腐食の発生を抑制し、かかる処理水の漏洩を好適に防ぐことが可能な吸着材乾燥システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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