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公開番号2023068430
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-17
出願番号2021179551
出願日2021-11-02
発明の名称抗菌ペプチド
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類C12N 15/11 20060101AFI20230510BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】抗菌活性を有する新たなポリペプチドを提供する。
【解決手段】(a)特定の配列を含むアミノ酸配列、(b)前記特定の配列を含むアミノ酸配列に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列、(c)前記特定の配列を含むアミノ酸配列に対して1もしくは数個のアミノ酸残基が欠損、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含むポリペプチドが提供される。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
下記のいずれかのアミノ酸配列を含み、抗菌活性を有するポリペプチド;
(1a)配列番号3に記載のアミノ酸配列、
(1b)配列番号3に記載のアミノ酸配列に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列、
(1c)配列番号3に記載のアミノ酸配列に対して1もしくは数個のアミノ酸残基が欠損、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列、
(1d)上記(1a)~(1c)のいずれかのアミノ酸配列に対してC末端から1以上26以下のアミノ酸残基が欠損したアミノ酸配列、
(2a)配列番号4に記載のアミノ酸配列、
(2b)配列番号4に記載のアミノ酸配列に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列、
(2c)配列番号4に記載のアミノ酸配列に対して1もしくは数個のアミノ酸残基が欠損、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列、
(2d)上記(2a)~(2c)のいずれかのアミノ酸配列に対してC末端から1以上8以下のアミノ酸残基が欠損したアミノ酸配列、
(3a)配列番号6に記載のアミノ酸配列、
(3b)配列番号6に記載のアミノ酸配列に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列、または
(3c)配列番号6に記載のアミノ酸配列に対して1もしくは数個のアミノ酸残基が欠損、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
請求項1に記載の(1a)~(1c)のいずれかのアミノ酸配列の少なくとも一部のアミノ酸配列を含み、抗菌活性を有するポリペプチド。
【請求項3】
請求項1または2に記載のポリペプチドの前駆体ポリペプチド。
【請求項4】
配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する、請求項3に記載のポリペプチド。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードする核酸。
【請求項6】
配列番号2に記載のDNA配列を有する、請求項5に記載の核酸。
【請求項7】
請求項5または6に記載の核酸を含むベクター。
【請求項8】
請求項5または6に記載の核酸が導入された形質転換体。
【請求項9】
請求項8に記載の形質転換体を用いたポリペプチドの製造方法。
【請求項10】
請求項1または2に記載のポリペプチドと添加剤とを含む組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌ペプチドに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
抗菌ペプチドは、多種な生物が産生することができ、生体防御に重要な役割を果たす。抗菌ペプチドは、抗生物質と比べて即効性が高いこと、および消化酵素等によってアミノ酸に分解され環境中に残留しないことから、耐性菌を生じにくいと考えられている。抗菌ペプチドは、今日深刻な社会問題となっている薬剤耐性菌への対抗手段として期待されている。
【0003】
乳酸菌(Lactococcus lactis ATCC-11454株)が産生する抗菌ペプチドとして、ナイシンAが知られている。ナイシンAは、耐熱性芽胞菌を含む多くのグラム陽性菌に対して高い抗菌活性を示し、酸に対して安定で、腸管内の消化酵素でアミノ酸に分解されることから、50か国以上で食品保存料として実用されている。しかしながら、ナイシンAは中性からアルカリ性域では不安定であり、中性域での熱安定性も低い。そのため、ナイシンAの利用は、酸性域にpH調整して市販されることが多い食品の保存料等に限られていた。また、ナイシンAは細胞内での翻訳後修飾によって生じる異常アミノ酸を含むこと、およびランチオニン等によるモノスルフィド結合の架橋構造をとることから、化学合成やin vitro翻訳による合成が困難であった。米国特許第4584199号明細書(特許文献1)、米国特許第3295989号明細書(特許文献2)、国際公開第89/12399号(特許文献3)、国際公開第2004/029082号(特許文献4)には、ナイシンが食品の保存のために用いられることが開示されている。
【0004】
ポリリジンは、放線菌の培養により産生される天然のペプチド性抗菌物質である。ポリリジンもまた、食品の保存料として利用されている。ポリリジンは熱に対しては安定であるが、pH9以上では抗菌活性を失う。ポリリジンは食品成分に吸着されて抗菌活性が低下しやすいことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許第4584199号明細書
米国特許第3295989号明細書
国際公開第89/12399号
国際公開第2004/029082号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、抗菌活性を有する新たなポリペプチドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下に例示する項目に関する。
[1] 下記のいずれかのアミノ酸配列を含み、抗菌活性を有するポリペプチド;
(1a)配列番号3に記載のアミノ酸配列、
(1b)配列番号3に記載のアミノ酸配列に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列、
(1c)配列番号3に記載のアミノ酸配列に対して1もしくは数個のアミノ酸残基が欠損、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列、
(1d)上記(1a)~(1c)のいずれかのアミノ酸配列に対してC末端から1以上26以下のアミノ酸残基が欠損したアミノ酸配列、
(2a)配列番号4に記載のアミノ酸配列、
(2b)配列番号4に記載のアミノ酸配列に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列、
(2c)配列番号4に記載のアミノ酸配列に対して1もしくは数個のアミノ酸残基が欠損、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列、
(2d)上記(2a)~(2c)のいずれかのアミノ酸配列に対してC末端から1以上8以下のアミノ酸残基が欠損したアミノ酸配列、
(3a)配列番号6に記載のアミノ酸配列、
(3b)配列番号6に記載のアミノ酸配列に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列、または
(3c)配列番号6に記載のアミノ酸配列に対して1もしくは数個のアミノ酸残基が欠損、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列。
[2] [1]に記載の(1a)~(1c)のいずれかのアミノ酸配列の少なくとも一部のアミノ酸配列を含み、抗菌活性を有するポリペプチド。
[3] [1]または[2]に記載のポリペプチドの前駆体ポリペプチド。
[4] 配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する、[3]に記載のポリペプチド。
[5] [1]~[4]のいずれかに記載のポリペプチドをコードする核酸。
[6] 配列番号2に記載のDNA配列を有する、[5]に記載の核酸。
[7] [5]または[6]に記載の核酸を含むベクター。
[8] [5]または[6]に記載の核酸が導入された形質転換体。
[9] [8]に記載の形質転換体を用いたポリペプチドの製造方法。
[10] [1]または[2]に記載のポリペプチドと添加剤とを含む組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、抗菌活性を有する新たなポリペプチドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
新規ポリペプチドであるラクトバシンAの構造を示す図である。
実験4において、ラクトバシンAのアミノ酸配列とラクトコッシンAのアミノ酸配列との相同性解析結果である。
実験4において、ラクトバシンAのアミノ酸配列とLactobacillus johnsonii由来hypothetical proteinのアミノ酸配列との相同性解析結果である。
実験5において、ラクトバシンAの全長ポリペプチドおよび部分ポリペプチドの抗菌活性試験の結果を示す図である。
実験6において、ラクトバシンAの全長ポリペプチドのpH安定性試験の結果を示す図である。
実験6において、ラクトバシンAの部分ポリペプチドのpH安定性試験の結果を示す図である。
実験7において、ラクトバシンAの全長ポリペプチドおよび部分ポリペプチドの熱安定性試験の結果を示す図である。
実験8において、ラクトバシンAの全長ポリペプチドの酸化安定性試験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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