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公開番号2023068338
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-17
出願番号2021179345
出願日2021-11-02
発明の名称スフェロイド及びその作製方法
出願人株式会社日本触媒
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 5/071 20100101AFI20230510BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明は、網状の血管構造を内部に有する神経系スフェロイドを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一側面に係るスフェロイドは、神経細胞又はグリア細胞と、幹細胞と、血管内皮細胞とを含み、且つ上記血管内皮細胞の集合が網状の血管構造を形成している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
神経細胞又はグリア細胞と、幹細胞と、血管内皮細胞とを含み、且つ
前記血管内皮細胞の集合が網状の血管構造を形成している、スフェロイド。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
グリア細胞と、幹細胞と、血管内皮細胞とを含み、
該グリア細胞はスフェロイド表面の少なくとも一部を覆っている、請求項1に記載のスフェロイド。
【請求項3】
グリア細胞がアストロサイトである、請求項2に記載のスフェロイド。
【請求項4】
血管内皮細胞が脳微小血管内皮細胞である、請求項1~3のいずれか一項に記載のスフェロイド。
【請求項5】
幹細胞が脂肪由来幹細胞である、請求項1~4のいずれか一項に記載のスフェロイド。
【請求項6】
細胞接着性の細胞培養基材上で、神経細胞又はグリア細胞と、幹細胞と、血管内皮細胞とを共培養する工程を備え、
神経細胞又はグリア細胞、幹細胞、及び血管内皮細胞のそれぞれは、共培養の開始時にスフェロイドを形成していない、請求項1~5のいずれか一項に記載のスフェロイドを作製する方法。
【請求項7】
神経細胞又はグリア細胞と、幹細胞と、血管内皮細胞とを共培養する工程が、グリア細胞と、幹細胞と、血管内皮細胞とを共培養する工程である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
共培養を、神経幹細胞用培地と血管内皮細胞用培地との混合培地中で行う、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
共培養を、Rhoキナーゼ阻害剤を含む培地中で行う、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
細胞接着性の細胞培養基材が、フッ素化ポリイミド樹脂を含む細胞培養基材である、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はスフェロイド及びその作製方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、細胞を三次元培養することで、臓器の構造を模した組織を作製することに注目が集まっている。例えば、神経系の細胞と血管系の細胞とを含む神経系スフェロイドは、脳組織に類似した構造を有するため、アルツハイマー型認知症又は血管障害に起因する脳疾患の病理メカニズムの解明、及び創薬分野での薬剤スクリーニングへの応用が期待される。例えば、非特許文献1では、人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の神経前駆細胞からなるスフェロイドと、血管内皮細胞からなるスフェロイドとを融合させることで脳様スフェロイドを作製する試みが報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
L. Song et al., Sci. Rep. 9, 5977(2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
神経系の細胞と血管系の細胞とを含む従来の神経系スフェロイドにおいて、血管構造は網状に形成されていなかった。本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、網状の血管構造を有する神経系スフェロイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面に係るスフェロイドは、神経細胞又はグリア細胞と、幹細胞と、血管内皮細胞とを含み、且つ上記血管内皮細胞の集合が網状の血管構造を形成している。
【0006】
スフェロイドは、グリア細胞と、幹細胞と、血管内皮細胞とを含んでよく、該グリア細胞はスフェロイド表面の少なくとも一部を覆っていてよい。グリア細胞はアストロサイトであってよく、血管内皮細胞は脳微小血管内皮細胞であってよく、幹細胞は脂肪由来幹細胞であってよい。
【0007】
本発明の一側面に係るスフェロイドを作製する方法は、細胞接着性の細胞培養基材上で、神経細胞又はグリア細胞と、幹細胞と、血管内皮細胞とを共培養する工程を備え、神経細胞又はグリア細胞、幹細胞、及び血管内皮細胞のそれぞれは、共培養の開始時にスフェロイドを形成していない。
【0008】
神経細胞又はグリア細胞と、幹細胞と、血管内皮細胞とを共培養する工程は、グリア細胞と、幹細胞と、血管内皮細胞とを共培養する工程であってよい。共培養は、神経幹細胞用培地と血管内皮細胞用培地との混合培地中で行ってもよい。共培養は、Rhoキナーゼ阻害剤を含む培地中で行ってもよい。細胞接着性の細胞培養基材は、フッ素化ポリイミド樹脂を含む細胞培養基材であってよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、網状の血管構造を有する神経系スフェロイドが提供される。網状の血管構造を有する神経系スフェロイドは、脳組織により類似した構造を有するため、脳疾患の病理メカニズムの解明及び薬剤スクリーニングへの応用がより期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係るスフェロイドの模式的な断面図である。
図2の(A)及び(B)は、実施例1のスフェロイドの形成過程を示す画像である。
図3の(A)は実施例1のスフェロイドの蛍光画像のz-スタックを横から見た画像であり、図3の(B)は実施例1のスフェロイドの水平方向の断面画像である。
図4は、実施例2のスフェロイドの形成過程を示す画像である。
図5の(A)は実施例2のスフェロイドの蛍光画像のz-スタックを横から見た画像であり、図5の(B)は実施例2のスフェロイドの水平方向の断面画像である。
図6の(A)は実施例2のスフェロイドの蛍光画像のz-スタックを横から見た画像であり、図6の(B)は実施例2のスフェロイドの水平方向の断面画像である。
図7は、実施例3のスフェロイドの形成過程を示す画像である。
図8の(A)は実施例3のスフェロイド(ROCK阻害剤20μM)の蛍光画像のz-スタックを横から見た画像であり、図8の(B)は実施例3の当該スフェロイドの水平方向の断面画像である。
図9は、実施例4のスフェロイドの形成過程を示す画像である。
図10の(A)は実施例4のスフェロイド(ROCK阻害剤10μM)の蛍光画像のz-スタックを横から見た画像であり、図10の(B)は実施例4の当該スフェロイドの水平方向の断面画像である。
図11の(A)は実施例4のスフェロイド(ROCK阻害剤20μM)の蛍光画像のz-スタックを横から見た画像であり、図11の(B)は実施例4の当該スフェロイドの水平方向の断面画像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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