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公開番号2023066623
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-16
出願番号2021177308
出願日2021-10-29
発明の名称建築構造物
出願人大成建設株式会社
代理人個人
主分類E04H 9/14 20060101AFI20230509BHJP(建築物)
要約【課題】 所定の圧縮強度を保持するとともに、耐震性能に優れかつ施工費用を削減することが可能である建築構造物を提供する。
【解決手段】 厚さ方向に複数層を備える外壁5を有する建築構造物1であり、最外側層10は、中央領域部11と周辺領域部12を有し、最内側層30は、端領域部31と他領域部32を有し、中央領域部11のコンクリートの設計基準強度が、周辺領域部12のコンクリートの設計基準強度と比較して高く、かつ、端領域部31のコンクリートの設計基準強度が他領域部32のコンクリートの設計基準強度と比較して高くするように構成した。
【選択図】 図3


特許請求の範囲【請求項1】
鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造である建築構造物において、
少なくとも一面の外壁は、厚さ方向に複数層を有しており、
最外側層は、立面視で、重心の周囲から所定範囲の領域である中央領域部と、前記中央領域部以外の周辺領域部を有し、
最内側層は、立面視で、上下端部から所定範囲の領域及び左右端部から所定範囲の領域の少なくとも一方を含む端領域部と、前記端領域部以外の他領域部を有するとともに、
前記中央領域部のコンクリートの設計基準強度が、前記周辺領域部のンクリートの設計基準強度と比較して高く、かつ、
前記端領域部のコンクリートの設計基準強度が、前記他領域部のコンクリートの設計基準強度と比較して高いことを特徴する建築構造物。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造である建築構造物において、
少なくとも一面の外壁は、厚さ方向に複数層を有しており、
最外側層は、立面視で、重心の周囲から所定範囲の領域である中央領域部と、前記中央領域部以外の周辺領域部を有し、
最内側層は、立面視で、少なくとも一ヶ所の隅角部から所定範囲の領域である隅角領域部と、前記隅角領域部以外の他領域部を有するとともに、
前記中央領域部のコンクリートの設計基準強度が、前記周辺領域部のンクリートの設計基準強度と比較して高く、かつ、
前記隅角領域部のコンクリートの設計基準強度が、前記他領域部のコンクリートの設計基準強度と比較して高いことを特徴する建築構造物。
【請求項3】
前記外壁は、前記立面視で矩形形状であり、
前記中央領域部は、前記外壁の左端部を基準として1/4の幅寸法の部位と、前記外壁の右端部を基準として1/4の幅寸法の部位との間から形成される領域を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建築構造物。
【請求項4】
前記外壁は、前記立面視で矩形形状であり、
前記上下端部から所定範囲の領域は、前記外壁の上端部と前記上端部から1/8の高さ寸法の部位の間に形成される領域、並びに、前記外壁の下端部と前記下端部から1/8の高さ寸法の部位の間に形成される領域を含むとともに、
前記左右端部から所定範囲の領域は、前記外壁の左端部と前記左端部から1/8の幅寸法の部位の間に形成される領域、並びに、前記外壁の右端部と前記右端部から1/8の幅寸法の部位の間に形成される領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の建築構造物。
【請求項5】
前記最外側層及び前記最内側層の層厚は、それぞれ前記外壁の全体厚の1/3以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の建築構造物。
【請求項6】
前記中央領域部及び前記各端領域部は、設計基準強度が48(N/mm

)以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の建築構造物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築構造物に関し、特に、放射線利用施設で放射線を遮蔽する必要がある建築構造物に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
放射線利用施設に関する建築構造物は、航空機等の飛来物(以下、総称して「飛来物」という場合がある。)が衝突した場合であっても、当該飛来物が貫通することにより、その内部に設置されている機器等に影響がないように設計を行う必要がある。その場合の対策として、対象建築構造物の外壁(耐震壁)等の壁厚を厚くすることで、躯体を増強させる構造とする必要がある。
しかし、大スパン部分の壁厚は、3m程度の大断面になり、建築構造物の全体重量が増加するとともに、高重心化することにより転倒モーメントが増大して耐震性が低下することになる。一方、使用するコンクリートの強度を上げて壁厚を抑制することとすれば、構築費用が高額となってしまう上に、温度ひび割れが発生し、遮蔽性能に影響が出てくる恐れがある。
【0003】
同様の課題に鑑み、防護対象の建築構造物(原子力発電所建屋)の全周に沿って防護丘が設置され、この防護丘は、当該建築構造物よりも高く設定されると共に、飛来物等の衝突に耐え得る強度に構成された防護構造が存在している(特許文献1)。
【0004】
また、本出願人は、地震時水平力に対する平均せん断応力度が、打設するコンクリートの短期許容せん断応力度以下であり、コンクリートよりもヤング係数の大きい材料で構成される極厚壁の表層部にひび割れ分散帯を設けるとともに、表層部に挟まれる内部領域を無補強コンクリートにより構成した極厚壁構造を提案している(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-95884号公報
特開2007-192010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の防護構造によれば、建築構造物の他に防護丘を構築する必要があり、施設費用が高額となる。また、飛来物の完全な挙動を予測することは困難であることから、耐震性能に優れた高強度である建築構造物の構築が求められていた。
【0007】
なお、従来の極厚壁構造は、所定の条件下において、壁筋の断面積比が0.25%未満であっても、必要な構造強度を確保できるという点と、コンクリートが極端に厚い場合には、剛性や保有せん断耐力等の構造性能に与える壁筋の効果が小さく、無筋でも必要な耐力が得られるという点に着目して、表層部にひび割れ分散帯を設けるとともに、内部領域を無補強コンクリートで構成したことを大きな特徴とするものであり、飛来物の衝突荷重に関する技術に対応するものではない。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、所定の圧縮強度を保持するとともに、耐震性能に優れ、かつ、施工費用を削減することが可能である鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築構造物(以下、「RC等造構造物」という場合がある。)を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造である建築構造物において、少なくとも一面の外壁は、厚さ方向に打ち分けられている複数層を有しており、最外側層は、立面視で、重心の周囲から所定範囲の領域である中央領域部と、上記中央領域部以外の周辺領域部を有し、最内側層は、立面視で、上下端部から所定範囲の領域及び左右端部から所定範囲の領域の少なくとも一方を含む端領域部と、上記端領域部以外の他領域部を有するとともに、上記中央領域部のコンクリートの設計基準強度が、上記周辺領域部のコンクリートの設計基準強度と比較して高く、かつ、上記端領域部のコンクリートの設計基準強度が、上記他領域部のコンクリートの設計基準強度と比較して高いことを特徴する建築構造物を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造である建築構造物において、少なくとも一面の外壁は、厚さ方向に複数層を有しており、最外側層は、立面視で、重心の周囲から所定範囲の領域である中央領域部と、上記中央領域部以外の周辺領域部を有し、最内側層は、立面視で、少なくとも一ヶ所の隅角部(複数個所の隅角部でもよい)から所定範囲の領域である隅角領域部と、上記隅角領域部以外の他領域部を有するとともに、上記中央領域部のコンクリートの設計基準強度が、上記周辺領域部のンクリートの設計基準強度と比較して高く、かつ、上記隅角領域部のコンクリートの設計基準強度が、上記他領域部のコンクリートの設計基準強度と比較して高いことを特徴する建築構造物を提供するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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