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公開番号2023066138
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-15
出願番号2021176680
出願日2021-10-28
発明の名称熱伝導シート
出願人北川工業株式会社
代理人名古屋国際弁理士法人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20230508BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】熱伝導性、柔軟性、絶縁性に優れ、容易に成形可能な熱伝導シートを提供する。
【解決手段】アクリル系単量体とアクリル系重合体とからなるアクリル系樹脂に、炭化珪素とソフトフェライトと可塑剤とを配合した熱伝導シートであって、シートの熱伝導率が2W/m・K以上で、アスカーC硬度が2~10で、体積抵抗率が1010Ω・cm以上であることを特徴とする熱伝導シート。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アクリル系単量体20~35mass%とアクリル系重合体65~80mass%とからなるアクリル系樹脂に、炭化珪素とソフトフェライトと可塑剤とを配合した熱伝導シートであって、
前記アクリル系樹脂100質量部に対し、
前記炭化珪素230~250質量部と、
前記ソフトフェライト10~20質量部と、
前記可塑剤40~55質量部とをそれぞれ配合し、
硬化後のシートの熱伝導率が2W/m・K以上で、アスカーC硬度が2~10で、体積抵抗率が10
10
Ω・cm以上であることを特徴とする熱伝導シート。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記ソフトフェライトは、レーザー回折装置で測定したメディアン径が20~40μmのNi-Zn系のフェライト粉末である請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項3】
前記炭化珪素は、レーザー回折装置で測定されるメディアン径が60~80μmの粉末である請求項1又は請求項2に記載の熱伝導シート。
【請求項4】
前記可塑剤はトリメリット酸アルキルエステルである請求項1~3のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
【請求項5】
前記熱伝導シートの硬化前の熱伝導材において、ロータNo.7、回転数2回転/分、25℃の条件でブルックフィールド粘度計により測定された粘度が100~200Pa・sである請求項1~4のいずれか1項に記載の熱伝導シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱材料用アクリル系樹脂組成物からなる熱伝導性、成形性、柔軟性、絶縁性に優れた熱伝導シートに関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、柔軟性を有する樹脂に、例えば、炭化珪素、アルミナ(酸化アルミニウム)などの熱伝導フィラーを配合した熱伝導材が考えられている。この種の熱伝導材をシート状に成形した熱伝導シートは、電気・電子部品などの発熱体と、ヒートシンクや筐体パネル等の放熱体との間に介在させるように配置して使用される。このように熱伝導シートを配置した場合、発熱体で発生した熱を放熱体側に効率的に逃がすことができる。また、熱伝導シートには熱伝導性の他、シートの配置時に発熱体と放熱体との間の導通を防ぐ絶縁性や、それらの表面形状に応じたシートの変形により、接触面積を大きくすることができる柔軟性等が求められている。
【0003】
従来、柔軟性を有する樹脂として、シリコーン系樹脂が多く用いられてきたが、シリコーン系樹脂は柔軟性が不十分であること、樹脂材料が高価であること、硬化に時間がかかること、低分子量のシロキサン発生による接点不良が発生し得ること等の問題があった。それらの問題を解決するために、本願出願人は、アクリル酸エステルを含むモノマーを重合してなるアクリル系樹脂に、熱伝導フィラーを配合した熱伝導材を提案している(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-7129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱伝導フィラーとして一般的に用いられてきた炭化珪素は、非常に良好な熱伝導性を有するが、絶縁性に劣る。そのため、アクリル系樹脂に炭化珪素を多く配合した熱伝導材では、熱伝導性は向上するものの、絶縁性は低下してしまうという問題があった。また、その他の熱伝導フィラーとして一般的に用いられてきたアルミナは、炭化珪素より劣るものの、比較的良好な熱伝導性を有し、絶縁性にも優れる。しかしながら、アクリル系樹脂にアルミナを多く配合した熱伝導材は、粘度が不十分であり、成形性に劣るという問題があった。そこで、本発明は、熱伝導性、柔軟性、絶縁性に優れ、シート状への成形性にも優れるアクリル系樹脂の熱伝導シートを提供することを課題として掲げている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決した本発明は、アクリル系単量体20~35mass%とアクリル系重合体65~80mass%とからなるアクリル系樹脂に、炭化珪素とソフトフェライトと可塑剤とを配合した熱伝導シートであって、前記アクリル系樹脂100質量部に対し、前記炭化珪素230~250質量部と、前記ソフトフェライト10~20質量部と、前記可塑剤40~55質量部とをそれぞれ配合し、硬化後のシートの熱伝導率が2W/m・K以上で、アスカーC硬度が2~10で、体積抵抗率が10
10
Ω・cm以上であることを特徴としている。
【0007】
なお、本発明は、更に以下のような構成あるいは特性を備えていてもよい。
前記ソフトフェライトは、レーザー回折装置で測定したメディアン径が20~40μmのNi-Zn系のフェライト粉末であってもよい。前記炭化珪素は、レーザー回折装置で測定されるメディアン径が60~80μmの粉末であり、前記可塑剤はトリメリット酸アルキルエステルであってもよい。前記熱伝導シートの硬化前の熱伝導材において、ロータNo.7、回転数2回転/分、25℃の条件でブルックフィールド粘度計により測定された粘度が100~200Pa・sであってもよい。
【0008】
本願出願人は、アクリル系樹脂に炭化珪素を配合してなる熱伝導材に対し、ソフトフェライトを配合することにより、2W/m・K以上の熱伝導率および10
10
Ω・cm以上の体積抵抗率を有しつつ、アスカーC硬度が2~10である柔軟な熱伝導シートを容易に成形可能となることを発見した。
【0009】
熱伝導シートは、コーター装置等を用いて熱伝導材を塗工し、シート状への成形・硬化をすることにより短時間で製造できる。但し、コーター装置等で塗工するためには、塗工する材料の粘度が一定の範囲内にあることが好ましい。本願出願人は、炭化珪素と可塑剤とに加え、新たにソフトフェライトを配合することで、熱伝導材の粘度を100~200Pa・sの範囲に調整し、2mm以上の厚手の熱伝導シートへの成形が可能になることを発見した。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の熱伝導シート(あるいは熱伝導材)は、従来公知のアクリル系樹脂と、炭化珪素と、ソフトフェライトと、可塑剤とを必須成分とするものである。
(【0011】以降は省略されています)

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