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公開番号2023062776
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-09
出願番号2021172870
出願日2021-10-22
発明の名称角形鋼管柱の継手接合構造
出願人個人
代理人
主分類E04B 1/58 20060101AFI20230427BHJP(建築物)
要約【課題】角形鋼管柱外側からの高力ボルトの頭締めによる工法において、柱接合領域の内面壁の添え板に設けている、ナット保持盤のナットの締め付けでもって、接合強度の安定と、微小範囲でのボルト位置変化に対応できるナット保持盤を提供する。
【解決手段】下側角形鋼管柱の接合部領域の内面壁に、ナット保持盤を有する添え板の下半部を当接し、前記角形鋼柱の外面側から挿入した高力ボルトと、ナット保持盤に有するナットで添え板を固定し、下側角形鋼管柱の内面壁から上部へ突き出ている添え板の外側面に、上側角形鋼管柱の下端を被せて、上側角形鋼管柱の外面側から挿入した高力ボルトを、ナット保持盤に有するナットで螺合する構造に於いて、添え板には、ナット形状より大きめに切り抜き加工を施したナット拘束プレ-トと、波板形状のナットカバーを重ね合わせて形成したナット保持盤を設けて、ナットがボルトの位置変化に対応することを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
角形鋼管柱を長さ方向に接合する場合で、角形鋼管柱に複数のボルト孔を設け、添え板と高力ボルトを用いて接合する構造において、角形鋼管柱の接合部領域の内面壁に当接して用いる添え板にあって、長方形のプレ-トに、CT形鋼で接合強度を確保し、角形鋼管柱のボルト孔に合わせた複数のボルト貫通孔を設けて、ナット保持盤を備えた添え板の下半部を、角形鋼管の上端内面壁へ当接し、前記角形鋼管の外面側から挿入した高力ボルトと、ナット保持盤に有するナットで添え板を固定した、下側角形鋼管柱であって、前記下側角形鋼管柱の内面壁から上部へ突き出ている添え板の外面側に、上側角形鋼管柱下端部の内面壁が当接し、前記上側角形鋼管柱の外面側から挿入する高力ボルトに、前記添え板に有するナットが螺合して締結することを特徴とする角形鋼管柱の継手接合構造。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
角形鋼管柱の外面側から挿入した高力ボルトの先端部を、角形鋼管柱内面壁に設けている、添え板のナット保持盤に有するナットのねじ穴に挿入する構造にあって、高力ボルトを挿入すると、ナット保持盤に設けた、波板形状ナットカバーの台形波型の上部傾斜面にナットが接触し、ナットが拘束されて、高力ボルトの回転を続けることにより、前記ナットは、前記高力ボルトの頭部方向へ、高力ボルトのねじ山沿いに移動し添え板に当接して、高力ボルトの頭締めにより、前記添え板が、角形鋼管柱の内面壁に密着することを特徴とする請求項1記載の角形鋼管柱の継手接合構造。
【請求項3】
前記ナット保持盤において、ナット保持盤を形成している長方形のプレ-ト面に、座金直径より大きい円形形状の複数の型抜きを施した座金拘束プレ-トを、前記座金拘束プレ-トと外形寸法が同一のプレ-トに、ナット形状より大きめに切り抜き加工を複数しているナット拘束プレ-ト片面の所定位置で、レ字状に突起した針金を複数有する面に重合し、前記座金拘束プレ-トと同一寸法で、薄板鋼板を台形状の波板に加工を施し、前記台形形状の上底側の所定箇所に、ボルト貫通孔を設けて、前記ボルト貫通孔の下側傾斜面にナット二面幅より狭いスリット溝を設けたナットカバーを、前記重合盤のナット拘束プレ-ト面に当接し、合成して形成したナット保持盤を特徴とする請求項1又は2記載の角形鋼管柱の継手接合構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄骨構造建築に角形鋼管を柱材として用いて、特に、角形鋼管柱の継手接合を行う場合に於いて、角形鋼管柱の外面側から挿入した高力ボルトに、接合領域内面壁の添え板に設けているナット保持盤のナットが螺合する、高力ボルト頭締めに関するものである。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、一般的に鉄骨構造建築物の柱はH形鋼が用いられているが、近年は、柱に角形鋼管を用いた構造が多用されている。高層の建物を構築する場合は、道路の輸送制限により、建設現場で柱の接合が行われるが、H形鋼を用いる場合は断面が開断面のため、添え板と一般的な高力ボルトを用いて容易に接合が可能である。しかし、角形鋼管では閉断面のため、添え板と一般的な高力ボルトを用いて接合することは困難である。そこで、角形鋼管柱の接合方法として、一般的に、図5に示すような方法で施工が行われている。事前に、下側角形鋼管柱14の上端部の外面側にエレクションピ-ス15を設け、上側角形鋼管柱13の下端部の外面側にもエレクションピ-ス15を設けておいて、建方時に、上側柱と下側の角形鋼管柱外面に設けたエレクションピ-ス15の孔に仮ボルト16を通して、上下柱を繋ぎ、柱の出入の調整を行いながら、仮ボルト16を締めて、柱の相互間の仮固定を行い、角形鋼管柱の端部に加工されている開先に、溶接を施し、溶接終了後にエレクションピ-ス15を切断している。
このような従来の現場での溶接接合方法は、現場溶接を行う準備として、工場で柱の開先加工等多くの加工が必要になり、また、現場での溶接作業では、高い溶接技術と厳密な品質管理が不可欠で、作業に長時間を要している。さらに、風、雨、低温等に対する対策、例えば、足場による養生シ-ト張り等が必要であり、工期とコスト的に問題がある。
【0003】
次に、上記の溶接接合での問題を解消するために、現在、ボルト工法で行われる場合もある。例えば、図6に示すように、下側角形鋼管柱14と上側角形鋼管柱13のジョイント部に、繋ぎ板17(18)を角形鋼管柱の内側と外側に沿わせて、高力ワンサイドボルト19を用いて、繋ぎ板同士を結合する工法である。
このような高力ワンサイドボルトでの接合方法は、ボルト工法のため、工場での部品製作の削減やUT検査が不要となる利点はあるが、ボルトとして複雑な機構で高価であり、高力ワンサイドボルトを多量に使用することにより、高コストになっている。更に、施工性にも難点がある。例えば、下側角形鋼管柱14の接合領域に、繋ぎ板17(18)の半分が仮固定され、繋ぎ板17(18)の半分は、二列で不安定の状態で上部へ突き出ている。従って、建方時に、下側角形鋼管柱14に、上側の角形鋼管柱13を組み込む場合は、上柱角形鋼管下端の小口(切断面)を、下柱から突き出ている不安定な繋ぎ板17(18)の二列の間(隙間)に、四方同時に挿入する工法のため、施工に長時間を要する。また、角形鋼管柱の外側面の繋ぎ板18は、角形鋼管柱の外側面側に当接されており、外側繋ぎ板18による局部的な出っ張り部のため、柱の耐火材被覆など場合で、仕上げ材が厚くなり、コスト高になっている。
【0004】
次いで、溶接の問題を解消する角形鋼管柱の接合構造として、例えば、特許文献1に開示されている接合構造では、角形鋼管柱の内面側のみに一面摩擦用添板を当接して、角形鋼管柱の外側で、高力ボルトを頭締めして添板とナットによる出っ張り部を少なくした構造が開示されている。
しかし、一般にハイテンボルトのセットはナットを回転させて締め付けることが前提となっており、特許文献1に開示されている例では、所定の張力を得られない可能性がある。例えば、図1(b)に示すように、角形鋼管柱1b内側の上端部に、一面摩擦用添板2を当接して、高力ボルト3を、その角形鋼管柱1bの外側からボルト孔1o、2oを介して、予め設置しているナットホルダー4のナット5へ螺合・締結する方法である。従って、ナット8からの締め付けは不可能である。また、図9(b)、(a)に示すように、ナットホルダー4内部に設けているナット5と座金7の位置調整には難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-291613号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決すべき課題は、角形鋼管柱のボルト継手接合構法の場合において、角形鋼管柱の内壁面に、CT形鋼で接合強度を確保した添え板を当接し、一般的な高力ボルトを用いて、上述した従来の接合方法の問題点を解決することにあり、接合強度の安定確保とともに、角形鋼管柱の外面側から挿入した高力ボルトからの回転によるナット締め付けで、一定の微小範囲でボルトの位置変化に対応できるシステムを用いて、施工性を向上させて、接合部におけるコストの削減を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明に係る角形鋼管柱の継手接合構造は、角形鋼管柱を長さ方向に接合する場合で、角形鋼管柱に複数のボルト孔を設け、添え板と高力ボルトを用いて接合する構造において、角形鋼管柱の接合部領域の内面壁に当接して用いる添え板であって、長方形のプレ-トに、CT形鋼で接合強度を確保し、角形鋼管柱のボルト孔に合わせた複数のボルト貫通孔を設けて、ナット保持盤を備えた添え板の下半部を、角形鋼管の上端部内面壁へ当接し、前記角形鋼管の外面側から挿入した高力ボルトと、ナット保持盤に有するナットで添え板を固定した、下側角形鋼管柱であって、前記下側角形鋼管柱の内面壁から上部へ突き出ている添え板の外面側に、上側角形鋼管柱下端部の内面壁が当接して、前記上側角形鋼管柱の外面側から挿入する高力ボルトに、前記添え板に有するナットが螺合して締結することを特徴としている。
続いて、角形鋼管柱の外面側から挿入した高力ボルトの先端部を、角形鋼管柱内面壁に設けている、添え板のナット保持盤に有するナットのねじ穴に挿入する構造にあって、高力ボルトを挿入すると、ナット保持盤に設けた、波板形状ナットカバーの台形波型の上部傾斜面にナットが接触し、ナットが拘束されて、前記高力ボルトの回転を続けることにより、前記ナットは、前記高力ボルトの頭部方向へ、前記高力ボルトのねじ山沿いに移動し添え板に当接して、高力ボルトの頭締めにより、前記添え板が角形鋼管柱の内面壁に密着することを特徴としている。
上記のナット保持盤において、ナット保持盤を形成している長方形のプレート面に、座金直径より大きい円形形状で複数の型抜きを施した座金拘束プレ-トを、前記座金拘束プレ-トと外形寸法が同一のプレ-トに、ナット形状より大きめに切り抜き加工を複数施しているナット拘束プレ-ト片面の所定位置で、レ字状に突起した針金を複数有する面を重合し、前記座金拘束プレ-トと同一寸法で、薄板鋼板を台形形状の波板に加工を施し、前記台形形状の上底側の所定箇所に、ボルト貫通孔を設け、前記ボルト貫通孔の下側傾斜面にナット二面幅より狭いスリット溝を設けたナットカバーを、前記重合盤のナット拘束プレ-ト面に当接し、合成して形成したナット保持盤を特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
(A)本発明に係る角形鋼管柱の継手接合構造によれば、一般的にハイテンボルトの締め付けは、ナットを回転させて締め付けることが前提条件になっている。H形鋼柱での接合の場合は、柱断面が開断面のため、添え板と一般的な高力ボルトを用いて容易に接合ができる。しかし、角形鋼管柱の場合は、閉断面のため、鋼管内部から、ナットを回転させることは不可能である。本発明においては、角形鋼管柱の内面壁側に、ナットの回転と位置の微調整ができる、ナット保持盤を設けた添え板を当接し、一般的な高力ボルトを用いて、極めて実用性の高い接合手段を得ることができる。
【0009】
(B)本発明に係る角形鋼管柱の継手接合構造によれば、上下の角形鋼管柱の接合領域の内面壁に、添え板を通して、柱の外面から高力ボルトを挿入するボルト工法である。建設現場に於いて、角形鋼管柱を接合する際には、下側角形鋼管柱の内部から上部へ突き出ている添え板の外面へ、上側角形鋼管柱の内面壁側を被せる方法のため、建方作業の時間が短縮される。また、添え板に設けたナット保持盤で、ナット位置の微調整を行い、ボルトの締結時間を短縮して、施工コストの節減を可能にしている。
【0010】
(C)本発明に係る角形鋼管柱の継手接合構造によれば、現在、角形鋼管柱のボルト継手接合の場合、高価な高力ワンサイドボルトを使用して高コストになっている。当工法では、一般的な高力ボルトを使用し、ナットが微小範囲で位置の変化に対応するナット保持盤を用いて、節減を可能にしている。また、柱接合部の外面側の添え板は不要なため、木質ハイブリッドビルには合理的な設計となる。
【発明を実施するための最良の形態】
(【0011】以降は省略されています)

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