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公開番号2023062555
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-08
出願番号2021172600
出願日2021-10-21
発明の名称磁気光学デバイス
出願人日本放送協会,国立大学法人京都大学
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類G02F 1/09 20060101AFI20230426BHJP(光学)
要約【課題】簡易にデバイスの磁気光学効果を増強させること。
【解決手段】磁気光学デバイス10は、磁気光学効果を示す磁性材料からなる磁性層を含むデバイスと、デバイスの表面上に積層され可視光を透過して絶縁性を有する透明部材5と、サブミクロンサイズの金属の構造物であって透明部材5の層の中に2次元状に周期的に埋め込まれた複数の金属ナノピラー3と、を備えている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
磁気光学効果を示す磁性材料からなる磁性層を含むデバイスと、
前記デバイスの表面上に積層され可視光を透過して絶縁性を有する透明部材と、
サブミクロンサイズの金属の構造物であって前記透明部材の層の中に2次元状に周期的に埋め込まれた複数の金属ナノピラーと、
を備えることを特徴とする磁気光学デバイス。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記デバイスと、前記透明部材中の前記金属ナノピラーとの間に、絶縁層を備えることを特徴とする請求項1に記載の磁気光学デバイス。
【請求項3】
前記金属ナノピラーは、Al、Au、Ag、Cu、Ti、Crのいずれか、あるいはそれらの複合体によって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気光学デバイス。
【請求項4】
前記金属ナノピラーは、Alによって円柱状に形成されており、直径は100nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項3に記載の磁気光学デバイス。
【請求項5】
前記磁性層を含むデバイスは、前記磁性層として光変調層を含む光変調素子を画素として用い、複数の画素を2次元平面内にマトリクス状に配置した磁気光学式空間光変調器であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の磁気光学デバイス。
【請求項6】
複数の前記金属ナノピラーは、三角格子または正方格子の格子点に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の磁気光学デバイス。
【請求項7】
複数の前記金属ナノピラーは、三角格子の格子点に配置されており、格子間隔をd、入射光の波長をλ、前記透明部材の屈折率をη
P
としたとき、格子間隔dは次の式(1)を満たすように設定されていることを特徴とする請求項6に記載の磁気光学デバイス。
TIFF
2023062555000008.tif
11
166
【請求項8】
複数の前記金属ナノピラーは、正方格子の格子点に配置されており、格子間隔をd、入射光の波長をλ、前記透明部材の屈折率をη
P
としたとき、格子間隔dは次の式を満たすように設定されていることを特徴とする請求項6に記載の磁気光学デバイス。
TIFF
2023062555000009.tif
11
166
【請求項9】
前記光変調素子は、短辺と長辺を有する矩形状に形成されており、一方の長辺側の外縁端部の位置に一の金属ナノピラーの外縁端部の位置が合致し、他方の長辺側の外縁端部の位置に他の金属ナノピラーの外縁端部の位置が合致するように設けられており、
複数の金属ナノピラーが所定の一直線上に並ぶ第1方向を有し、
前記光変調素子は、それぞれ、長手方向が前記第1方向に一致するように配置されていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の磁気光学デバイス。
【請求項10】
前記格子点に前記金属ナノピラーを配置したときに当該金属ナノピラーの少なくとも一部分が前記光変調素子において磁化反転に寄与する領域に重なる場合に、当該格子点に前記金属ナノピラーが配置されていないことを特徴とする請求項9に記載の磁気光学デバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気光学デバイスに係り、特に、磁性体に入射した光の位相や振幅等を空間的に変調して出射する空間光変調器の磁気光学効果や、磁性体の磁化状態を可視化する磁気イメージングにおける磁気光学効果が増強された磁気光学デバイスに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
空間光変調器(SLM)は、画素として光学素子(光変調素子)を用い、これをマトリクス状に2次元配列して光の位相や振幅等を空間的に変調するデバイスであって、ホログラフィ装置等の露光装置、ディスプレイ技術、記録技術等の分野で広く利用されている。また、SLMは、2次元で並列に光情報を処理することができることから光情報処理技術への応用も研究されている。SLMには、従来、液晶が用いられ、表示装置として広く利用されているが、ホログラフィや光情報処理用としては、液晶のSLMでは応答速度や画素の高精細性が不十分である。そのため、近年では、高速処理かつ画素の微細化の可能性が期待されるSLMとして、磁気光学材料を用いた磁気光学式SLMの開発も進められている。
【0003】
磁気光学式SLMにおいては、磁気光学材料すなわち磁性体に入射した光が透過または反射する際にその偏光の向きを変化(旋光)させて出射する、ファラデー効果(反射の場合はカー効果)を利用している。すなわち、磁気光学式SLMは、選択された画素(選択画素)における光変調素子の磁化方向とそれ以外の画素(非選択画素)における光変調素子の磁化方向とを異なるものとして、選択画素から出射した光と非選択画素から出射した光とで、その偏光の回転角(旋光角)に差を生じさせる。このような光変調素子の磁化方向を変化させる方法として、光変調素子に磁界を印加する磁界印加方式や、光変調素子に電流を供給することにより電子のスピンを利用したスピンSLM(例えば、特許文献1参照)がある。また、磁気光学式空間光変調器において、画素形状の微細化と応答時間の高速化が期待される磁気光学材料を光の変調部として用いて、光の変調部を構成する磁性層において電流が流れる膜面方向に磁壁が移動して磁化反転する磁壁移動型空間光変調器の開発も進められている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
磁界印加方式のSLMは、各光変調素子の外周に沿って磁界を発生させるための電極(配線)を備えるので、画素サイズが数μm以上になり、さらなる微細化が困難である。また、磁界印加方式の空間光変調器は、印加磁界により隣の画素の光変調素子が追随して磁化反転しないように、光変調素子同士の間隔を十分に空ける必要があり、画素の開口率にも限界がある。これに対してスピン注入方式の光変調素子は、具体的には、TMR(Tunnel MagnetoResistance:トンネル磁気抵抗効果)素子やCPP-GMR(Current Perpendicular to the Plane Giant MagnetoResistance:垂直通電型巨大磁気抵抗効果)素子等の、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)にも適用されるスピン注入磁化反転素子を適用することができる。このようなスピン注入磁化反転素子は、膜面に垂直に電流を供給してスピンを注入するので、上下に接続された配線を狭ピッチ化して、1μm以下といういっそうの微細化を可能とする。
【0005】
また、磁気イメージングとは、光学的な手法では見ることのできない情報を、物質の磁気的な性質を利用して観測し、その情報を画像に変換して可視化する技術である。磁気イメージング技術は、スピントロニクスや磁気記録分野をはじめ、モーター、変圧器などの磁気応用デバイスのほか、磁性体、磁性半導体、超伝導体などの各種材料研究の評価に必要とされている。磁気イメージング技術の手法として、走査型プローブ顕微鏡、ローレンツ顕微鏡、磁気転写法、粉末図形法などが知られている。磁気転写法は、磁性薄膜などの試料からの漏れ磁界を磁気転写膜へ転写し、磁気光学効果を利用して磁気的な情報を読みだすものである(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
また、従来、金属ナノ粒子を用いて磁気光学効果を増強する研究が知られている。リソグラフィー技術を用いたナノアンテナ構造の適用では特に大きな増強効果を示す。非特許文献1に記載された技術は、磁性体(ビスマス鉄ガーネット)と金の回折格子とを組み合わせ、横カー効果の10%弱の増強を見出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第4829850号公報
特開2013-195594号公報
特開2018-28519号公報
【非特許文献】
【0008】
M Pohl et al., “Tuning of the transverse magneto-optical Kerr effect in magneto-plasmonic crystals”, New Journal of Physics 15 (2013) 075024
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の磁気光学式SLMや磁気転写法では、いずれも磁気光学効果を利用しているが、磁気光学効果によるファラデー回転やカー回転は、材料の物性に大きく依存し、その値は大きくても1μm厚当たり数度程度である。スピンSLMに用いる磁性薄膜や、高密度の磁気パターンを転写する磁気転写膜には、1μm厚以下の薄膜を用いることが必要であり、磁気光学効果を十分に大きくすることができないという問題があった。そのため、スピンSLMを用いたホログラム表示性能や、磁気転写パターンの分解能が十分ではなかった。
【0010】
また、磁気光学効果を示す磁性材料の上にナノアンテナ構造を作製するには、高度に最適化された工程を経る必要がある。具体的には、レジストパターンを形成するためのリソグラフィー工程における熱耐性、薬品耐性を考慮するほか、パターンニング加工する際の高精度なエッチングストップ技術の適用などが必要である。そのため、ナノアンテナ構造は、それらの工程すべてに適合する特定の材料にしか適用することができず、既存の磁気光学デバイスに組み込むことは容易ではなかった。
(【0011】以降は省略されています)

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