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公開番号2023061436
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-02
出願番号2021171310
出願日2021-10-20
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類G03G 9/087 20060101AFI20230425BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】低温定着性、劣化耐性の両立をしつつ、グロスムラの少ない画像を出力可能なトナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂およびエステル化合物を含有するトナーであって、結着樹脂はマクロモノマー由来のユニットと長鎖アルキルを側鎖に有するユニットを有するスチレン-アクリル系樹脂を含有し、マクロモノマー由来のユニット、長鎖アルキルを側鎖に有するユニット、エステル化合物のSP値が特定の関係にある。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂およびエステル化合物を有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、マクロモノマー由来のユニットおよび下記式(1)で表されるモノマーユニットを有するスチレン-アクリル系樹脂を含有し、
TIFF
2023061436000015.tif
64
47
(式(1)中、R
1
は水素原子またはメチル基を示し、R
2
は炭素数10以上14以下の直鎖アルキル基を示す。)
該エステル化合物が、下記式(2)で表されるエステル化合物、下記式(3)で表されるエステル化合物および下記式(4)で表されるエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のエステル化合物であり、
TIFF
2023061436000016.tif
44
157
(式(2)、式(3)および式(4)中、R
31
およびR
41
はそれぞれ独立して炭素数2以上8以下のアルキレン基を示し、R
32
、R
33
、R
42
、R
43
、R
51
およびR
52
はそれぞれ独立して炭素数14以上24以下の直鎖アルキル基を示す。)
該マクロモノマー由来のユニットのSP値をSPa(J/cm
3

1/2
とし、該式(1)で表されるモノマーユニットのSP値をSPb(J/cm
3

1/2
とし、該エステル化合物のSP値をSPc(J/cm
3

1/2
としたとき、
該SPaが、19.50以上20.50以下であり、
該SPa、該SPbおよび該SPcが、下記関係式(a)、下記関係式(b)および下記関係式(c)を満たすことを特徴とするトナー。
SPa-SPb≦2.0 (a)
SPb-SPc≦1.5 (b)
SPa-SPc≧2.0 (c)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記スチレン-アクリル系樹脂が、前記式(1)で表されるユニットを1質量%以上15質量%以下含有するスチレン-アクリル系樹脂である請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記式(1)で表されるユニットが、下記式(1’)で表されるユニットである請求項1または2に記載のトナー。
TIFF
2023061436000017.tif
64
47
(式(1’)中、R
1
は水素原子またはメチル基を示し、R
2
は炭素数12の直鎖アルキル基を示す。)
【請求項4】
前記スチレン-アクリル系樹脂が、スルフィド基を有する請求項1~3のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項5】
前記トナーの動的粘弾性測定における100℃における損失弾性率G”が、3.0×10
5
(dyn/cm
2
)以下である請求項1~4のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項6】
前記マクロモノマーが、マクロモノマーの主鎖部位に下記式(3)で表されるユニットを有するマクロモノマーである請求項1~5のいずれか1項に記載のトナー。
TIFF
2023061436000018.tif
64
47
(式(3)はR
1
およびR
2
はメチル基を示す。)
【請求項7】
前記トナーの平均円形度が、0.975以上0.995以下である請求項1~6のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項8】
走査型透過電子顕微鏡で観察される前記トナー粒子の断面に、前記エステル化合物のドメインが存在し、
前記断面における該ドメインの平均個数が、100個以上であり、
該ドメインの平均長径をr1(μm)としたとき、該r1が1.0μm以下である
請求項1~7のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項9】
前記マクロモノマー由来のユニットの前駆体となるマクロモノマーのガラス転移温度が、60℃以上である請求項1~8のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項10】
前記マクロモノマー由来のユニットの前駆体となるマクロモノマーの数平均分子量が、5000以上である請求項1~9のいずれか1項に記載のトナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真法、静電記録法を利用した記録方法に用いられるトナーに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成装置には、高画質、長寿命化、省エネルギー化がより求められており、これらの需要に対応する為にトナーも様々な性能の向上が求められている。そして近年単色の画像形成装置においても画質が非常も求められている。これは世界的に黒画像でも高印字の文章や写真を出力することが多くなったことによるものである。
単色の画像形成装置の性能向上に関して、省エネルギー化では低温定着性の向上が非常に強く望まれている。現在様々な技術が提案されており、低温定着性が向上したトナーが実際に上市されている。一方、高画質化に関しても改善がなされており、文字の尖鋭性、濃度ムラ、グロスムラ、微細画像の再現性など様々である。中でも黒単色で高印字画像を出力する場合、画像のグロスムラが目立ちやすいため、非常に高いレベルが求められている。グロスムラの原因の一つとして、定着時、局所的なトナーの変形量の差によりトナーの溶融が進んだ箇所と粒塊が残っている箇所で光の反射が異なることが挙げられる。
つまりこのグロスムラを解決するためには、低温定着性を高めつつ、定着時のトナーの変形量の差を小さくすることが必要となる。長寿命という観点は昨今トナーの消費量低減、カートリッジ内のトナー容量の増加などにより長期間同じカートリッジを使用できることがメンテナンス性等の観点から求められている。長期間同じカートリッジを使用する場合、トナーがカートリッジの部材などと摺擦を受け、劣化しやすくなる。劣化の種類としてはトナー表面の性状変化の他に、高シェアによる割れ欠けが要因となることが多い。これらの変化によって部材の汚染やトナーの流動性、帯電性の低下が起こり、最終的に画像弊害として表れてしまう。トナーは要求の高度化に伴いこれらの課題を高いレベルで解決する必要がある。
具体的な解決方法として、低温定着性に関しては、まず定着時にトナーの結着樹脂が可塑化しており、融着しやすい状態を作ることが重要である。特に低温定着性を改善するためには様々な手段が存在し、一般的に可塑しやすい設計にした結着樹脂を有するトナーを用いることで低温定着性を改善することは可能である。
しかしながら、この方法では定着時以外でも樹脂がごく一部流動性を有する状態となってしまい、保存性や長期使用時のトナーの劣化の課題を有していた。特許文献1では、結晶性材料をトナーに添加することで低温定着性を向上させつつ、結着樹脂(バインダー)に長鎖アルキルモノマーを組み込むことで定着時にバインダーと結晶性材料の相溶効率を高めるトナーが提案されている。長寿命化の観点ではトナーを固くすることで劣化に対して強くすることが可能である。ただし、単純に固くするだけでは低温定着性が悪化する傾向にある。特許文献2では、所定のモノエステル化合物を用いることによって耐ホットオフセット性と低温定着性を改善しつつ、バインダーにマクロモノマーと呼ばれるラジカル反応性ポリマーを導入し、割れ性を改善したトナーが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-035506号公報
特開2012-198569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らが検討したところ、特許文献1に記載されたような結晶性材料を可塑剤として用い、バインダーの可塑を促進させる設計のトナーは劣化に関する課題を有していることが分かった。これは高速画像出力を目的としたプリンターで長期的に使用した場合、トナーへの負荷が大きく、割れが発生しやすいことに起因するものである。また特許文献2に記載のトナーは、低温定着性と割れ抑制の両立を達成しているが、高速画像出力かつ単色のプリンターのように定着時の定着圧が低い設計の機種においては定着にグロスムラが確認された。これは定着時にモノエステルという溶融促進成分とマクロモノマーという硬化成分が存在することによる溶融ムラが要因と考えられる。
そこで、本発明の課題は、低温定着性、劣化耐性の両立をしつつ、グロスムラの少ない画像を出力可能なトナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、バインダー可塑効果を有するエステル化合物とマクロモノマーを用いつつ、エステル化合物、マクロモノマーのどちらとも馴染みやすい長鎖アルキルモノマーを導入したバインダーを用いたトナーにより上記課題を解決することを見出した。
すなわち、本発明は、結着樹脂およびエステル化合物を有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、マクロモノマー由来のユニットおよび下記式(1)で表されるモノマーユニットを有するスチレン-アクリル系樹脂を含有し、
【0006】
TIFF
2023061436000001.tif
64
47
(式(1)中、R
1
は水素原子またはメチル基を示し、R
2
は炭素数10以上14以下の直鎖アルキル基を示す。)
該エステル化合物が、下記式(2)で表されるエステル化合物、下記式(3)で表されるエステル化合物および下記式(4)で表されるエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のエステル化合物であり、
【0007】
TIFF
2023061436000002.tif
44
157
(式(2)、式(3)および式(4)中、R
31
およびR
41
はそれぞれ独立して炭素数2以上8以下のアルキレン基を示し、R
32
、R
33
、R
42
、R
43
、R
51
およびR
52
はそれぞれ独立して炭素数14以上24以下の直鎖アルキル基を示す。)
該マクロモノマー由来のユニットのSP値をSPa(J/cm
3

1/2
とし、該式(1)で表されるモノマーユニットのSP値をSPb(J/cm
3

1/2
とし、該エステル化合物のSP値をSPc(J/cm
3

1/2
としたとき、
該SPaが、19.50以上20.50以下であり、
該SPa、該SPbおよび該SPcが、下記関係式(a)、下記関係式(b)および下記関係式(c)を満たすことを特徴とするトナーに関する。
SPa-SPb≦2.0 (a)
SPb-SPc≦1.5 (b)
SPa-SPc≧2.0 (c)
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低温定着性、劣化耐性の両立をしつつ、グロスムラの少ない画像を出力可能なトナーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
【0010】
モノマーユニットとは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。例えば、重合体中のビニル系単量体が重合した主鎖中の、炭素‐炭素結合1区間を1単位とする。
(【0011】以降は省略されています)

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