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公開番号2023059307
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-04-27
出願番号2021169223
出願日2021-10-15
発明の名称硬化性樹脂組成物
出願人株式会社日本触媒
代理人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20230420BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】混合前の各液の保存安定性を向上可能であるとともに、室温で迅速に硬化させることができる硬化性組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
A液とB液を混合することで硬化する硬化性樹脂組成物であって、A液がチオ尿素化合物を含み、B液がハイドロパーオキサイド化合物を含み、チオ尿素化合物とハイドロパーオキサイド化合物との質量比(チオ尿素化合物の質量/ハイドロパーオキサイド化合物の質量)が、5/95~90/10である硬化性樹脂組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
A液とB液を混合することで硬化する硬化性樹脂組成物であって、
A液がチオ尿素化合物を含み、B液がハイドロパーオキサイド化合物を含み、
チオ尿素化合物とハイドロパーオキサイド化合物との質量比(チオ尿素化合物の質量/ハイドロパーオキサイド化合物の質量)が、5/95~90/10である硬化性樹脂組成物。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
A液が一般式(1)で表されるチオ尿素化合物を含む請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
TIFF
2023059307000003.tif
31
41
(式中、R1、R2、R3およびR4は、水素、アルキル基、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基もしくはナフチル基を示す。)
【請求項3】
前記A液にアルキル(メタ)アクリレート単量体を含む請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
ガラス転移温度が0℃以下であるポリマーを含む請求項1~3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
更に可塑剤を含む請求項1~4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
更に架橋剤を含む請求項1~5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物。
【請求項8】
請求項1~6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を用いた放熱剤用硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
A液とB液を混合する硬化性樹脂組成物の製造方法であって、
A液がチオ尿素化合物を含み、B液がハイドロパーオキサイド化合物を含み、
チオ尿素化合物とハイドロパーオキサイド化合物との質量比(チオ尿素化合物の質量/ハイドロパーオキサイド化合物の質量)が、5/95~90/10である硬化性樹脂組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、例えば放熱材の形成などに好ましく使用される、硬化性組成物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、自動車のバッテリーや、パソコンや携帯電話などの電子機器の性能向上に伴い、発熱量が増加するため、放熱材の需要が高まっている。
機器の温度上昇を抑制するために、冷却水などの冷却媒体に熱を伝達させるか、アルミニウムや銅などのように熱伝導率が高い金属板などを利用したヒートシンクへの熱伝導を介して温度上昇を抑制する方式が知られている。熱源からの熱を冷却媒体やヒートシンクに効率的に伝達するためには、熱源と冷却媒体またはヒートシンクをできるだけ密着させるか、熱的に連結させることが有利であり、このために放熱材が使用され得る。
例えば、特許文献1には、(メタ)アクリル系重合体(A)と、重合性単量体(B)と、可塑剤(C)を必須成分とする液状樹脂を含有する放熱材料用樹脂組成物であって、該液状樹脂の硬化物の硬度が5~70であることを特徴とする放熱材料用樹脂組成物が記載され、放熱シートの成形性や柔軟性も良好な硬化物を効率よく得られることが記載されている。
また、特許文献2には、には、一分子中に(メタ)アクリレート基を1つ有する化合物(A)と、一分子中に(メタ)アクリレート基を2つ以上有する化合物(B)と、重合開始剤(C)と、分散剤(D)と、酸化亜鉛を含む、熱伝導性フィラー(E)と、を含む、硬化性組成物が開示されている。特許文献2には、上記組成物によれば、柔軟性、形状安定性、及び、熱伝導性に優れる硬化性組成物又はその硬化物が提供され、高温環境下での熱伝導率の変化の抑制性に優れる硬化性組成物又はその硬化物が提供され、柔軟性、形状安定性、及び、熱伝導性に優れる硬化性組成物又はその硬化物が得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-048124
国際公開第2020/149193号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年においては、硬化前に発熱体に塗布し、塗布後硬化する混合型硬化性樹脂組成物が注目されており、放熱体の大面積化およびその製造の効率化、ならびに放熱体の製造工程の簡略化の観点から、製造ライン上で加熱をしないで迅速に硬化させることができる放熱材用樹脂組成物が要望されてきているが、実施態様によっては、さらに混合前の各液の保存安定性が要望される場合があることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは、上記のような問題点に鑑み検討を行い、A液とB液を混合することで硬化する硬化性樹脂組成物であって、A液がチオ尿素化合物を含み、B液がハイドロパーオキサイド化合物を含み、チオ尿素化合物とハイドロパーオキサイド化合物との質量比(チオ尿素化合物の質量/ハイドロパーオキサイド化合物の質量)が、5/95~90/10である硬化性樹脂組成物が混合前の各液の保存安定性を向上可能であるとともに、室温で迅速に硬化させることができることを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、混合前の各液の保存安定性を向上可能であるとともに、室温で迅速に硬化させることができる硬化性組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の硬化性組成物は、A液がチオ尿素化合物を含み、B液がハイドロパーオキサイド化合物を含み、チオ尿素化合物とハイドロパーオキサイド化合物との質量比(チオ尿素化合物の質量/ハイドロパーオキサイド化合物の質量)が、5/95~90/10である硬化性樹脂組成物である。
本開示の硬化性組成物は、A液とB液とを分離して含む。本開示の硬化性組成物は、A液とB液以外の成分を分離して含んでいても良い。
【0008】
<チオ尿素化合物>
本開示のA液は、チオ尿素化合物を含む。チオ尿素化合物とは、=N-C(=S)-N=の構造を有する化合物を指し、尿素の酸素原子を硫黄原子で置換した構造の化合物(チオ尿素)のほか、公知のチオ尿素構造類似体を含むものである。
本開示のチオ尿素化合物は下記一般式(1)で表されるチオ尿素化合物(以下チオ尿素化合物ともいう)を含む。
【0009】
TIFF
2023059307000001.tif
31
41
【0010】
(式中、R1、R2、R3およびR4は、水素、アルキル基、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基もしくはナフチル基を示す。)
本開示の一般式(1)で表されるチオ尿素化合物のアルキル基は、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であり、炭素数1~20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~13のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1~8のアルキル基であることがさらに好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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