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公開番号2023059127
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-04-26
出願番号2021169063
出願日2021-10-14
発明の名称ポリエステルフィルム
出願人東レ株式会社
代理人個人,個人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20230419BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】平滑性、易滑性を有し、さらに巻き取り性も向上させたポリエステルフィルムを安定して提供する。
【解決手段】フィルム全幅に対して中央および両端で50mm角サイズの試料を採取し、非接触光学式粗さ測定器により測定された、フィルムの一方の表面における、中央および両端における高さ20nmを超え50nm以下の突起個数A個/mm2について、(1)~(3)を満たすポリエステルフィルム。
(1)中央および両端の突起個数Aの平均である平均突起個数Aaveが50個/mm2以上~700個/mm2以下である。
(2)中央および両端の突起個数Aのうち最大値Amax、最小値Aminの変動率(Amax-Amin)/Aave×100(%)が、0.1%以上30%以下である。
(3)中央および両端の突起個数Aについてそれぞれの測定回数に対する突起個数Aのミクロなバラツキσ/A×100(%)が1%以上175%以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フィルム全幅に対して中央位置および両端位置で50mm角サイズの試料を採取し、非接触光学式粗さ測定器により測定された、フィルムの一方の表面(A面)における、中央位置および両端位置における高さ20nmを超え50nm以下の突起個数A個/mm

について、次の(1)~(3)を満たすことを特徴とするポリエステルフィルム。
(1)中央位置および両端位置における突起個数Aの平均である平均突起個数Aaveが50個/mm

以上~700個/mm

以下である。
(2)中央位置および両端位置における突起個数Aのうちの最大値Amax、最小値Aminについて変動率(Amax-Amin)/Aave×100(%)が、0.1%以上30%以下である。
(3)中央位置および両端位置における突起個数Aについてそれぞれの測定回数に対する突起個数Aのミクロなバラツキσ/A×100(%)が、1%以上175%以下である。
ここで、前記突起個数Aは、中央位置および両端位置においてそれぞれ50mm角内でランダムに位置を変え、n=80測定を行い、その値をXi(i=1~80)としたときの、Xiの平均値をA、標準偏差をσとし、A=(X1+X2+X3+…+X80)/80、σ={(ΣXi-A)

/80}
0.5
である。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記A面を形成する層における粒子含有量が0重量%以上~1重量%以下であり、当該粒子の体積平均粒子径が10nm以上~80nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルフィルム。
【請求項3】
前記A面を形成するA層と、他方の表面を形成するB層の少なくとも2層から構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステルフィルム。
【請求項4】
フィルムヘイズが1.0%以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項5】
前記A面の十点平均表面粗さSRz(A)が200nm以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項6】
フィルム幅が1000mm以上であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のポリエステルフィルムを巻き取ったポリエステルフィルムロール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高平滑な表面を有するポリエステルフィルムに関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステルフィルムはその加工性の良さから、工業用途、光学製品用途、包装用途、磁気記録テープ用途など様々な工業分野に利用されている。一般に、ポリエステルフィルムは、製膜した後、ロール状に巻き取られる。この時、ポリエステルフィルム表面が平滑すぎるとポリエステルフィルム同士が密着するため、ポリエステルフィルムの巻取り性(巻取りに由来するシワの抑制や欠点の発生抑制)や搬送性が悪化する。そのため、ポリエステルフィルムの巻取り性や搬送性を担保するために、通常、易滑材としての粒子を含有させ易滑化するのが一般的である。
【0003】
一方、IT機器など小型化、軽量化などに伴い、プリント配線板の高精細化、高密度化が進んでおり、それに伴って、電子情報機器の回路配線作製に用いられるポリエステルフィルムには加工性の向上が求められている。特に、ドライフィルムレジストといった電子情報機器の回路配線を製造する工程において、ポリエステルフィルム表面に他の素材を積層させ、ポリエステルフィルムごとフォトレジストなどの光学的な加工を施す手法が多く採られており、次世代製品では配線幅が2~5μmと非常に精細な加工を行うことが必要となってくる。
【0004】
また、積層セラミックコンデンサーを製造する工程においても、工程フィルムであるポリエステルフィルムには高い平滑性が求められると共に、工程管理の観点からはコーティングによって設けるセラミック層(グリーンシート)において塗布抜けに由来するピンホール欠点を、ライトなどを用いた光学的手法により検出するためポリエステルフィルムへの光線透過性が求められることがある。
【0005】
そのため、巻取り性や搬送性を担保するために、易滑材として含有させた粒子自体や、当該粒子の粗大物が、上記電子情報機器や積層セラミックコンデンサーを製造する工程において、平滑性、加工性を悪化させてしまうことがあった。
【0006】
そこでフィルム表面に易滑性と平滑性、さらに加工性を付与するため、例えば特許文献1には、フィルムに粒子を含有させ、さらに特殊な処理を実施することで易滑性を向上させる技術が開示されている。また、特許文献2には、フィルムに粒子を含有させることなく易滑性を向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2001-354785号公報
特開2016-175356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、近年の電子情報機器の回路配線用途や積層セラミックコンデンサー用途でのポリエステルフィルムへの高平滑化要求と易滑性を両立させるには、より精細な表面の制御が必要であり、その表面状態は、配向状態や結晶構造の軽微な違いの影響をうける。そのため、一定の幅以上のポリエステルフィルムロールを得ようとした場合、表面の制御にムラが発生しやすく、平滑性、易滑性が悪化することがあった。また、ポリエステルフィルムロールに巻き姿欠点があると、ポリエステルフィルムの平面性が悪化したり、搬送時に蛇行・シワが発生し加工性を悪化させるため、ポリエステルフィルムへの高平滑化要求に伴い、ポリエステルフィルムロールに巻き姿欠点に対する要求も高まっており、巻き姿欠点による加工性悪化、歩留まり悪化が課題であった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑み、平滑性、易滑性を有し、さらに巻き取り性も向上させたポリエステルフィルムを安定して提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の特徴を有する。
[I]フィルム全幅に対して中央位置および両端位置で50mm角サイズの試料を採取し、非接触光学式粗さ測定器により測定された、フィルムの一方の表面(A面)における、中央位置および両端位置における高さ20nmを超え50nm以下の突起個数A/mm

について、次の(1)~(3)を満たすことを特徴とするポリエステルフィルム。
(1)中央位置および両端位置における突起個数Aの平均である平均突起個数Aaveが50個/mm

以上~700個/mm

以下である。
(2)中央位置および両端位置における突起個数Aのうちの最大値Amax、最小値Aminについて変動率(Amax-Amin)/Aave×100(%)が、0.1%以上30%以下である。
(3)中央位置および両端位置における突起個数Aについてそれぞれの測定回数に対する突起個数Aのミクロなバラツキσ/A×100(%)が、1%以上175%以下である。
ここで、前記突起個数Aは、中央位置および両端位置においてそれぞれ50mm角内でランダムに位置を変え、n=80測定を行い、その値をXi(i=1~80)としたときの、Xiの平均値をA、標準偏差をσとし、A=(X1+X2+X3+…+X80)/80、σ={(ΣXi-A)

/80}
0.5
である。
[II]前記A面を形成する層における粒子含有量が0重量%以上~1重量%以下であり、当該粒子の体積平均粒子径が10nm以上~80nm以下であるポリエステルフィルム。
[III]前記A面を形成するA層と、他方の表面を形成するB層の少なくとも2層から構成されるポリエステルフィルム。
[IV]フィルムヘイズが1.0%以下であるポリエステルフィルム。
[V]前記A面の十点平均表面粗さSRz(A)が200nm以下であるポリエステルフィルム。
[VI]フィルム幅が1000mm以上であるポリエステルフィルム。
[VII]前記ポリエステルフィルムを巻き取ったポリエステルフィルムロール。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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