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公開番号2023058452
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-04-25
出願番号2022162903
出願日2022-10-11
発明の名称エポキシ樹脂組成物およびプリプレグ
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08G 59/24 20060101AFI20230418BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明では、耐光性および室温における取り扱い性に優れ、硬化成形時の樹脂フローが少なく、かつ硬化物の曲げ特性にも優れた樹脂組成物、およびかかる樹脂組成物が繊維基材に含浸されて成るプリプレグを提供することを課題とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、次の構成を有する樹脂組成物を提供する。
構成要素[A]、[B]、[C]、[D]を含むエポキシ樹脂組成物。
[A]非芳香族エポキシ樹脂
[B]構造中に少なくとも2個のエポキシ基、少なくとも2個の水酸基を含み、スルフィド結合を有する非芳香族エポキシ樹脂
[C]硬化剤
[D]非芳香族熱可塑性樹脂
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
構成要素[A]、[B]、[C]、[D]を含むエポキシ樹脂組成物。
[A]非芳香族エポキシ樹脂
[B]構造中に少なくとも2個のエポキシ基、少なくとも2個の水酸基を含み、スルフィド結合を有する非芳香族エポキシ樹脂
[C]硬化剤
[D]非芳香族熱可塑性樹脂
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
構成要素[B]が下式(I)で表される非芳香族エポキシ樹脂である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
TIFF
2023058452000005.tif
16
170
ここで、R

は二価の非芳香族有機基であり、R

およびR

はそれぞれ少なくとも1個のエポキシ基と1個の水酸基を有する非芳香族有機基である。式(I)中のnは1~5で表される整数であり、[B]の総質量のうちnが1である式(I)の非芳香族エポキシ樹脂が95質量%以上である。R

、R

およびR

は直鎖、分岐または環状構造である。
【請求項3】
構成要素[A]と構成要素[B]の混合物の数平均分子量が450~800である、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
構成要素[D]の数平均分子量が16000~28000である、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
構成要素[A]と構成要素[B]を合わせて100質量部としたとき、構成要素[D]を1~20質量部含む、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
構成要素[C]が非芳香族硬化剤である、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項7】
構成要素[C]がジシアンジアミドである、請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項8】
構成要素[E]硬化促進剤をさらに含む、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項9】
構成要素[F]無機粒子をさらに含む、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項10】
構成要素[F]がチキソトロープ剤であり、構成要素[A]と構成要素[B]を合わせて100質量部としたとき、チキソトロープ剤を1~10質量部含む、請求項9に記載のエポキシ樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、耐光性に優れたエポキシ樹脂組成物、および耐光性に優れたエポキシ樹脂組成物を用いた取り扱い性の良いプリプレグに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
航空機構造部材、風車の羽根、自動車外板およびICトレイやノートパソコンの筐体などのコンピュータ用途等の高い構造性能を求められる製品には、繊維基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させて作製されるプリプレグが用いられることが多い。しかし、一般的なプリプレグを硬化して得られる繊維複合材料は耐光性が低く、表面が光にさらされると劣化変性する。そのため近年、繊維複合材料の表面に耐光性を付与したいとの要望が増えている。特許文献1では耐光性を有する樹脂組成物として、芳香環を含まないエポキシ樹脂を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-26763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された非芳香族エポキシ樹脂は、一般に分子間の相互作用が弱いため粘度が低いことから、非芳香族エポキシ樹脂から成る樹脂フィルム、その樹脂フィルムを繊維基材に含浸したプリプレグは、室温における取り扱い性が悪く、硬化成形時に樹脂フローが発生しやすいという特性を有している。
【0005】
そこで、本発明では、耐光性に優れ、なおかつプリプレグとして用いたときの室温における取り扱い性に優れ、なおかつ硬化物の曲げ特性にも優れた樹脂組成物を提供することを課題とし、また、耐光性に優れ、好ましい様態において、室温における取り扱い性に一段と優れ、硬化成形時の樹脂フローが少ないプリプレグを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、次の1~11に示す構成を有する樹脂組成物を提供する。また、次の12に示すプリプレグを提供する。
1. 構成要素[A]、[B]、[C]、[D]を含むエポキシ樹脂組成物。
[A]構成要素[B]以外の非芳香族エポキシ樹脂
[B]構造中に少なくとも2個のエポキシ基、少なくとも2個の水酸基を含み、スルフィド結合を有する非芳香族エポキシ樹脂
[C]硬化剤
[D]非芳香族熱可塑性樹脂
2. 構成要素[B]が下式(I)で表される非芳香族エポキシ樹脂である、上記1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【0007】
TIFF
2023058452000001.tif
15
170
【0008】
ここで、R

は二価の非芳香族有機基であり、R

およびR

はそれぞれ少なくとも1個のエポキシ基と1個の水酸基を有する非芳香族有機基である。式(I)中のnは1~5で表される整数であり、[B]の総質量のうちnが1である式(I)の非芳香族エポキシ樹脂が95質量%以上である。R

、R

およびR

は直鎖、分岐または環状構造である。
3. 構成要素[A]と構成要素[B]の混合物の数平均分子量が450~800である、上記1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
4. 構成要素[D]の数平均分子量が16000~28000である、上記1~3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
5. 構成要素[A]と構成要素[B]を合わせて100質量部としたとき、構成要素[D]を1~20質量部含む、上記1~4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
6. 構成要素[C]が非芳香族硬化剤である、上記1~5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
7. 構成要素[C]がジシアンジアミドである、上記6に記載のエポキシ樹脂組成物。
8. 構成要素[E]硬化促進剤をさらに含む、上記1~7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
9. 構成要素[F]無機粒子をさらに含む、上記1~8のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
10. 構成要素[F]がチキソトロープ剤であり、構成要素[A]と構成要素[B]を合わせて100質量部としたとき、チキソトロープ剤を1~10質量部含む、上記9に記載のエポキシ樹脂組成物。
11. 20℃から150℃まで2℃/分で昇温しながら周波数0.5Hzで測定される粘度が以下のとおりである、上記1~10のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
30℃において40000Pa・s以上200000Pa・s以下
80℃において300Pa・s以下
100℃において100Pa・s以上300Pa・s以下
12. 上記1~11のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物が繊維基材に含浸されて成る、プリプレグ。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、耐光性に優れ、プリプレグとして用いたときの室温での取り扱い性が優れ、硬化成形時の樹脂フローが少なく、かつ硬化物の曲げ特性にも優れた樹脂組成物を提供することができる。本発明の樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるプリプレグは、好ましい態様において、室温における取り扱い性に優れ、硬化成形時の樹脂フローが少ない効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の樹脂組成物における各構成要素について詳細を述べる。なお、本発明において、「芳香族」とは、芳香族炭化水素や共役不飽和複素環式化合物を化学構造中に含むものであり、すなわち、ヒュッケル則を充たす共役不飽和環構造を持つことをいい、それ以外が「非芳香族」である。また、ある物性・特性について、必須の範囲、好ましい範囲等が複数の数値範囲で示される場合に、同複数の範囲におけるいずれかの上限値と、いずれかの下限値を組み合わせたものも好ましい範囲とする(例えば、下記する非芳香族エポキシ樹脂あるいはその混合物の数平均分子量の好ましい範囲として、600~800g/molがありえる)。
(【0011】以降は省略されています)

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