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公開番号2023050075
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-04-10
出願番号2022055047
出願日2022-03-30
発明の名称樹脂組成物の製造方法
出願人日本製紙株式会社
代理人個人
主分類C08J 3/20 20060101AFI20230403BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 引張強度および曲げ強度に優れ、さらに、セルロース由来の繊維感が残ることによる外観不良が抑制された樹脂組成物を得ることができ、低コストな樹脂組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくともセルロース繊維と、第一の熱可塑性樹脂と、尿素と、分散媒とを含む原料組成物を第一混練機に投入し、撹拌しながら少なくとも100℃以上、130℃以下の温度範囲で加熱し、前記分散媒を除去して混合物を得る第一の工程と、前記第一の工程で得られた前記混合物を前記第一混練機又は第二混練機で溶融混練してマスターバッチを得る第二の工程と、前記第二の工程で得られた前記マスターバッチと希釈用樹脂とを混練する第三の工程とを有する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくともセルロース繊維と、第一の熱可塑性樹脂と、尿素と、分散媒とを含む原料組成物を第一混練機に投入し、撹拌しながら少なくとも100℃以上、130℃以下の温度範囲で加熱し、前記分散媒を除去して混合物を得る第一の工程と、
前記第一の工程で得られた前記混合物を前記第一混練機又は第二混練機で溶融混練してマスターバッチを得る第二の工程と、
前記第二の工程で得られた前記マスターバッチと希釈用樹脂とを混練する第三の工程とを有する樹脂組成物の製造方法。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記第一の熱可塑性樹脂が、親水性官能基で変性されている熱可塑性樹脂である、請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記第二の工程の溶融混練温度が、少なくとも135℃以上、220℃以下の温度範囲を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
前記第一の工程で、前記第一混練機に投入する前記分散媒の量は、前記セルロース繊維の固形分濃度が10質量%~50質量%となる量である、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項5】
前記第一混練機及び前記第二混練機は、いずれもスクリューを構成するパーツを備えるものであって、
前記第一の工程における前記第一混練機のスクリュー周速と、前記第二の工程における前記第一混練機又は前記第二混練機のスクリュー周速との関係が、以下の関係を満足する、請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
第一の工程のスクリュー周速≧第二の工程のスクリュー周速
【請求項6】
前記第一の工程において、前記原料組成物には、さらに親水性官能基で変性されていない熱可塑性樹脂である第二の熱可塑性樹脂を含む、請求項2に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
前記第二の工程において、さらに親水性官能基で変性されていない熱可塑性樹脂である第二の熱可塑性樹脂を前記第一混練機又は前記第二混練機に投入し前記混合物とともに溶融混練する、請求項2に記載の樹脂組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
植物繊維を細かく解すことで得られる微細繊維状セルロースは、ミクロフィブリルセルロース及びセルロースナノファイバーを包含するものであり、約1nm~数10μm程度の繊維径の微細繊維である。微細繊維状セルロースは、軽量で、且つ、高い強度および高い弾性率を有し、低い線熱膨張係数を有することから、樹脂組成物の補強材料として好適に使用されている。
【0003】
しかし、微細繊維状セルロースが親水性であるのに対し、樹脂は疎水性であるため、微細繊維状セルロースを樹脂の補強材料として使用するには、当該微細繊維状セルロースの分散性に問題があった。
【0004】
特許文献1では、セルロース原料と尿素とを加熱処理することにより、セルロースのヒドロキシ基の一部をカルバメート基で置換したセルロース原料を得て、これを機械的処理により微細化し、微細繊維状セルロースを得ている。この方法で得られた微細繊維状セルロースは従来の微細繊維状セルロースと比較して親水性が低く、極性の低い樹脂等との親和性が高いため、樹脂に均一性高く分散し、高い引張強度を有する樹脂組成物を与える。
【0005】
しかし、特許文献1の製造方法は、例えば変性セルロース原料を得るために105℃での乾燥、140℃での加熱、洗浄等の工程が必要であり、工程数が多かった。製造方法全体でも、工程数が多くコスト高となっていた。また、コストを下げるために工程を単純に減らした場合は、得られた樹脂組成物において、セルロース由来の繊維感が残ることによる外観不良が問題となる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-1876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、引張強度および曲げ強度に優れ、さらに、セルロース由来の繊維感が残ることによる外観不良が抑制された樹脂組成物を得ることができ、低コストな樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下を提供する。
(1) 少なくともセルロース繊維と、第一の熱可塑性樹脂と、尿素と、分散媒とを含む原料組成物を第一混練機に投入し、撹拌しながら少なくとも100℃以上、130℃以下の温度範囲で加熱し、前記分散媒を除去して混合物を得る第一の工程と、前記第一の工程で得られた前記混合物を前記第一混練機又は第二混練機で溶融混練してマスターバッチを得る第二の工程と、前記第二の工程で得られた前記マスターバッチと希釈用樹脂とを混練する第三の工程とを有する樹脂組成物の製造方法。
(2) 前記第一の熱可塑性樹脂が、親水性官能基で変性されている熱可塑性樹脂である、(1)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(3) 前記第二の工程の溶融混練温度が、少なくとも135℃以上、220℃以下の温度範囲を含む、(1)又は(2)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(4) 前記第一の工程で、前記第一混練機に投入する前記分散媒の量は、前記セルロース繊維の固形分濃度が10質量%~50質量%となる量である、(1)~(3)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
(5) 前記第一混練機及び前記第二混練機は、いずれもスクリューを構成するパーツを備えるものであって、前記第一の工程における前記第一混練機のスクリュー周速と、前記第二の工程における前記第一混練機又は前記第二混練機のスクリュー周速との関係が、以下の関係を満足する、(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
第一の工程のスクリュー周速≧第二の工程のスクリュー周速
(6) 前記第一の工程において、前記原料組成物には、さらに親水性官能基で変性されていない熱可塑性樹脂である第二の熱可塑性樹脂を含む、(2)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(7) 前記第二の工程において、さらに親水性官能基で変性されていない熱可塑性樹脂である第二の熱可塑性樹脂を前記第一混練機又は前記第二混練機に投入し前記混合物とともに溶融混練する、(2)に記載の樹脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、引張強度および曲げ強度に優れ、さらに、セルロース由来の繊維感が残ることによる外観不良が抑制された樹脂組成物を得ることができ、低コストな樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例及び比較例で、フィルムの外観評価結果がAとなる場合の例である。
実施例及び比較例で、フィルムの外観評価結果がBとなる場合の例である。
実施例及び比較例で、フィルムの外観評価結果がCとなる場合の例である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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