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公開番号2023049612
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-04-10
出願番号2021159449
出願日2021-09-29
発明の名称積層ポリエステルフィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類C08J 7/043 20200101AFI20230403BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】製造時の塗布斑等の塗膜の欠点が少なく、塗膜の透明性または接着性に優れた積層ポリエステルフィルムを安定して提供すること。
【解決手段】ポリエステルフィルム基材の少なくとも1面に塗布層を備える積層フィルムであって、前記塗布層は、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種以上のカルボキシル基を有する樹脂と、沸点が60℃以上の2種のアミン化合物を含む組成物から形成され、前記の2種のアミン化合物の沸点差が40℃以上である積層ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステルフィルム基材の少なくとも1面に塗布層を備える積層フィルムであって、前記塗布層は、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種以上のカルボキシル基を有する樹脂と、沸点が60℃以上の2種のアミン化合物を含む組成物から形成され、前記の2種のアミン化合物の沸点差が40℃以上である積層ポリエステルフィルム。
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
前記2種のアミン化合物の少なくとも1種のアミン化合物の沸点が110℃以上である請求項1記載の積層ポリエステルフィルム。
【請求項3】
前記カルボキシル基を有する樹脂の酸価が10~60mgKOH/gの範囲である請求項1又は2記載の積層ポリエステルフィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層ポリエステルフィルムに関する。更に詳しくは、光学用、包装用、ラベル用などあらゆる分野に最適な易接着性の塗布層を有する積層ポリエステルフィルムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【0002】
熱可塑性樹脂フィルム、中でもポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、透明性、耐薬品性などに優れた性質を有することから磁気記録材料、包装材料、太陽電池用途、フラットディスプレイ等に用いられる反射防止フィルム、拡散シート、プリズムシート等の光学フィルム及び、ラベル印刷用フィルムなどに幅広く使用されている。しかし、ポリエステルフィルムは表面が高度に結晶配向しているため、これらの用途での加工において、各種塗料、樹脂、UV硬化性樹脂またはインク等との接着性に乏しいという欠点を有している。
【0003】
このため、従来から、ポリエステルフィルム表面に種々の方法で接着性を与えるための検討がなされてきた。その方法として、主に、ポリエステルフィルムの表面にスルホン酸基等の親水性基を有する樹脂の水分散体等を塗布し、易接着性能を持つ塗布層を設ける方法がよく知られている(特許文献1参照)。また、高温高湿環境下でも接着性の維持(耐湿熱性)が求められており、そのためにスルホン酸基に代わってカルボキシル基塩を樹脂の親水性基として使用することが検討されている(特許文献2~4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭58-78761号公報
特開2014-125599号公報
特開2020-016872号公報
特開WO2015/098750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
積層ポリエステルフィルムとしては、各種用途に使用されて使用環境が多様になっていることから、近年、先述の耐湿熱性がますます要望されており、重ねて高品位であることも求められている。しかしながら、従来の積層ポリエステルフィルムでは耐湿熱性及び品位についても市場では満足されていない。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、製造時の塗布斑等の塗膜の欠点が少なく、塗膜の透明性または接着性に優れた積層ポリエステルフィルムを安定して提供することにある。また、本発明の積層ポリエステルフィルムの接着性は各種塗料、樹脂、UV硬化性樹脂またはインク等に対して良好であり、特にUV硬化性樹脂との接着性に優れ、かつ長期間にわたる高いレベルの接着性の維持に優れていることが特徴である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題について検討する過程において、樹脂の親水性基として使用されているカルボキシル基塩であるカルボキシル基と対なる塩基成分の種類または量により、塗液の加熱乾燥時に親水性の変化挙動が変化するため、製造時の加熱温度斑または風量分布等により塗布斑等の欠点発生及び塗膜の透明性または接着性等の性能低下が原因であることを見出した。この対策として、塗布層として、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種以上のカルボキシル基を有する樹脂と、特定のアミン化合物から主に作成することで本発明の課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
即ち、本発明は、以下の構成よりなる。
(1)ポリエステルフィルム基材の少なくとも1面に塗布層を備える積層フィルムであって、前記塗布層は、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種以上のカルボキシル基を有する樹脂と、沸点が60℃以上の2種のアミン化合物を含む組成物から形成され、前記の2種のアミン化合物の沸点差が40℃以上である積層ポリエステルフィルム。
(2)前記2種のアミン化合物の少なくとも1種のアミン化合物の沸点が110℃以上である上記(1)記載の積層ポリエステルフィルム。
(3)前記カルボキシル基を有する樹脂の酸価が10~60mgKOH/gの範囲である上記(1)又は(2)記載の積層ポリエステルフィルム。
【発明の効果】
【0009】
本発明の積層ポリエステルフィルムは、塗膜欠点が少なく、塗膜の透明性、接着性に優れるため、光学用または建材用ハードコートフィルム等のUV硬化樹脂または印刷フィルム等のUV硬化インキの基材用フィルムとして好適に用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(ポリエステルフィルム基材)
本発明においてポリエステルフィルム基材を構成するポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのほか、前記のようなポリエステル樹脂のジオール成分又はジカルボン酸成分の一部を以下のような共重合成分に置き換えた共重合ポリエステル樹脂であり、例えば、共重合成分として、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、5-ナトリウムイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分などを挙げることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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