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公開番号2023043149
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-28
出願番号2022130348
出願日2022-08-18
発明の名称炭素繊維複合材料
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08J 5/24 20060101AFI20230320BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐衝撃性を改善できる炭素繊維複合材料を提供する。
【解決手段】ストランド強度が7.5~8.5GPa、伸度2.65~3.20%、単繊維直径が4.0~6.0μmである炭素繊維と、アミン型エポキシ樹脂[A]、エポキシ樹脂に溶解する熱可塑性樹脂[B]およびエポキシ樹脂硬化剤[C]を有するエポキシ樹脂組成物を含み、かつ該エポキシ樹脂組成物の硬化度が90%以上であり、該エポキシ樹脂の硬化物をSACMA SRM 18R-94に従って、動的粘弾性測定装置を用い5℃/分の速度で加熱し、1.0Hzのねじりモードで測定した275℃における貯蔵弾性率が1~10MPaである、炭素繊維複合材料。耐衝撃性を改善できる炭素繊維複合材料を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ストランド強度が7.5~8.5GPa、伸度2.65~3.20%、単繊維直径が4.0~6.0μmである炭素繊維と、アミン型エポキシ樹脂[A]、エポキシ樹脂に溶解する熱可塑性樹脂[B]およびエポキシ樹脂硬化剤[C]を有するエポキシ樹脂組成物を含み、かつ該エポキシ樹脂組成物の硬化度が90%以上であり、該エポキシ樹脂の硬化物をSACMA SRM 18R-94に従って、動的粘弾性測定装置を用い5℃/分の速度で加熱し、1.0Hzのねじりモードで測定した275℃における貯蔵弾性率が1~10MPaである、炭素繊維複合材料。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記炭素繊維は、ストランド弾性率が240~300GPa、かつひずみエネルギー密度が95J/mm

以上である、請求項1に記載の炭素繊維複合材料。
【請求項3】
前記エポキシ樹脂組成物の硬化物は、圧縮降伏応力が90~140MPa、かつ圧縮降伏時ひずみが10~15%である、請求項1または2に記載の炭素繊維複合材料。
【請求項4】
0°引張強度が4.0GPa以上であり、かつ伸度が2.5%以上である、請求項1~3のいずれかに記載の炭素繊維複合材料。
【請求項5】
前記エポキシ樹脂硬化剤[C]が芳香族アミンである、請求項1~4のいずれかに記載の炭素繊維複合材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー吸収に優れる高伸度の炭素繊維とその性能を最大限に発揮させるエポキシ樹脂組成物との組み合わせによる、高伸度の炭素繊維複合材料に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアクリロニトリル系炭素繊維は軽量かつ高強度・高弾性率の材料であり、部材の軽量化には欠かせない材料である。また、炭素繊維の変形は塑性変形がなく、弾性変形であることも特徴である。そのため、塑性変形の大きな金属より、炭素繊維は使用できる伸度領域が大きい利点がある。
【0003】
近年では、炭素繊維複合材料に軽量性と耐衝撃性の両立が要求される場合がある。この要求に対応するため、マトリックスに用いられる樹脂の組成設計や炭素繊維とマトリックス樹脂の界面特性を変化させるためのサイジング剤などが検討されている。
【0004】
炭素繊維のストランド強度またはストランド伸度向上の試みはこれまでも行われている。特許文献1では前駆体繊維を細繊度化して、欠陥を減少させることで最大でストランド強度9.0GPa(実施例8)の炭素繊維を得ている。特許文献2でも同様に前駆体繊維の細繊度化とその後の延伸により、最大でストランド強度8.0GPa(実施例14)、伸度2.60%(比較例4,5)の炭素繊維を得ている。特許文献3では炭素繊維の破壊靭性値を高めることにより最大でストランド強度8.4GPa(実施例3)の炭素繊維を得ている。特許文献4では炭素繊維の単繊維直径を大きくしてもストランド強度が低下しにくい技術を用いて、最大で伸度2.68%(実施例15)の炭素繊維を得ている。特許文献5では、ポリマー、製糸、耐炎化等の製造条件を調整することにより高伸度化を狙っており、最大で伸度2.36%(実施例1)の炭素繊維を得ている。特許文献6では、炭素繊維の伸度を最大化することを狙って、炭素化工程の最高温度を低下させるなどで、最大で伸度2.60%(実施例4)の炭素繊維を得ている。特許文献7では、炭素繊維の表面特性を調整することにより高強度・高伸度の炭素繊維を得ることを記載しているものの、炭素繊維の伸度は2.1%程度であり、高強度炭素繊維の一般的な技術レベルであった。特許文献8では、ポリマー中にホウ素を添加することなどで最大で伸度2.71%の炭素繊維(実施例4)を得ている。
【0005】
また、炭素繊維複合材料の耐衝撃性を高める検討として、特許文献9では、マトリックスである熱可塑性樹脂に改質剤を加えることを行っている。
【0006】
特許文献10ではガラス転移点以上のゴム状平坦部剛性率を調整することで炭素繊維複合材料の耐衝撃性、引張強度、圧縮強度を高めている。特許文献11ではガラス転移点以上のゴム状平坦部剛性率を調整することで炭素繊維複合材料の層間靱性と高温環境下の圧縮強度を高めている。特許文献12では樹脂硬化物の圧縮降伏応力を調整することで炭素繊維複合材料の圧縮強度を高めている。特許文献13では、特定の単繊維強度を有する炭素繊維と特定の組成のエポキシ樹脂組成物を組み合わせることで炭素繊維複合材料の有孔板引張強度を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平11-241230号公報
国際公開第2008/40963号
特開2017-137614号公報
国際公開第97/45576号
特開2008-163537号公報
特開2005-256211号公報
特開2002-69754号公報
特開平11-152626号公報
特開2018-59087号公報
特開2001-323046号公報
国際公開第2016/67736号
特開2003-277471号公報
国際公開第2014/115762号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の技術には次のような課題がある。
【0009】
特許文献1の技術では、炭素繊維の単繊維直径が小さく、単繊維あたりのひずみエネルギーは小さいことに加え、ストランド弾性率が高くて伸度が低いために曲げの応力場では十分に耐衝撃性を確保できていなかった。
【0010】
特許文献2の技術では、炭素繊維の単繊維直径が小さく、単繊維あたりのひずみエネルギーは小さいことに加え、満足な伸度は得られていない問題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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