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公開番号2023042824
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-28
出願番号2021150177
出願日2021-09-15
発明の名称保持装置
出願人日本特殊陶業株式会社
代理人個人,個人
主分類H01L 21/683 20060101AFI20230320BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】対象物を保持する板状部に対する入熱が大きくなる場合であっても、保持装置における冷却性能を高めて、接合部で生じる応力に起因する問題を抑える。
【解決手段】対象物を保持する保持装置は、板状に形成される板状部と、板状に形成されて板状部を冷却する冷却部と、板状部と冷却部との間に配置され、板状部と冷却部との対向する面間を接合する接合部と、を備え、接合部は、シリコーン系接着剤と表面被覆窒化アルミニウム粒子とを含み、表面被覆窒化アルミニウム粒子の最表面における酸素原子とアルミニウム原子との原子比であるO/Alの値が、1.4以上、4.0以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
対象物を保持する保持装置であって、
板状に形成される板状部と、
板状に形成されて前記板状部を冷却する冷却部と、
前記板状部と前記冷却部との間に配置され、前記板状部と前記冷却部との対向する面間を接合する接合部と、
を備え、
前記接合部は、シリコーン系接着剤と、表面被覆窒化アルミニウム粒子と、を含み、
前記表面被覆窒化アルミニウム粒子の最表面における酸素原子とアルミニウム原子との原子比であるO/Alの値が、1.4以上、4.0以下であることを特徴とする
保持装置。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
請求項1に記載の保持装置であって、
前記接合部の熱抵抗が5.0×10
-4


K/W以下であることを特徴とする
保持装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の保持装置であって、
前記接合部の厚みが400μm以下であることを特徴とする
保持装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の保持装置であって、
前記接合部における前記表面被覆窒化アルミニウム粒子の含有割合が70質量%以上であることを特徴とする
保持装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の保持装置であって、
前記表面被覆窒化アルミニウム粒子を断面視したときの内接円の半径をR1とし、外接円の半径をR2とすると、R2/R1の値の平均値が1.10以上であることを特徴とする
保持装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の保持装置であって、
前記接合部の最大せん断ひずみが0.5mm以上であることを特徴とする
保持装置。
【請求項7】
対象物を保持する保持装置であって、
板状に形成される板状部と、
板状に形成されて前記板状部を冷却する冷却部と、
前記板状部と前記冷却部との間に配置され、前記板状部と前記冷却部との対向する面間を接合する接合部と、
を備え、
前記接合部は、シリコーン系接着剤と、表面被覆窒化アルミニウム粒子と、を含み、
前記接合部の熱伝導率が0.8W/(m・K)以上であり、
前記接合部の最大せん断ひずみが0.5mm以上であることを特徴とする
保持装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の保持装置であって、
前記板状部は、セラミックを主成分とし、前記対象物を保持するための吸着電極を含み、前記対象物を加熱するためのヒータ電極を含まないことを特徴とする
保持装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、保持装置に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、対象物を保持する保持装置として、例えば、半導体を製造する際にウェハ等の対象物を保持する静電チャックが知られている。静電チャックは、一般に、対象物が載置されるセラミック部と、冷媒流路が形成されるベース部と、セラミック部とベース部とを接合する接合部と、を備える。例えば、特許文献1には、シリコーン系接着剤と、酸化ケイ素からなる被覆層が表面に形成された窒化アルミニウム粒子と、を含有する接合層(接合部)を設けた静電チャックが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-194320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術によれば、接合部の材質としてシリコーン樹脂を用いることで、セラミック部とベース部との間の熱伝導率差に起因して接合部で生じる応力を緩和している。また、熱伝導率が比較的高い窒化アルミニウム粒子の表面を酸化ケイ素で被覆することで、窒化アルミニウム粒子の耐水性を高め、接合部および静電チャックの耐久性を高めている。しかしながら、例えば静電チャックにおいて、より高出力のプラズマに暴露して用いる場合には、セラミック部に対する入熱が大きくなると共に、保持の対象物を十分に冷却するためにベース部の温度をより低く設定することにより、セラミック部とベース部との間の温度差が大きくなり、その結果、接合部で生じる応力が、より大きくなる可能性がある。そのため、このような場合であっても、保持装置における冷却性能を高めて、接合部で生じる応力に起因する問題を抑える技術が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、対象物を保持する保持装置が提供される。この保持装置は、板状に形成される板状部と、板状に形成されて前記板状部を冷却する冷却部と、前記板状部と前記冷却部との間に配置され、前記板状部と前記冷却部との対向する面間を接合する接合部と、を備え、前記接合部は、シリコーン系接着剤と、表面被覆窒化アルミニウム粒子と、を含み、前記表面被覆窒化アルミニウム粒子の最表面における酸素原子とアルミニウム原子との原子比であるO/Alの値が、1.4以上、4.0以下である。
この形態の保持装置によれば、表面被覆窒化アルミニウム粒子の表面においてシリコーン系接着剤との間の濡れ性が高められているため、接合部に生じる応力に起因する不都合を抑えることができる。そして、板状部に対する入熱が大きくなる場合であっても、表面被覆窒化アルミニウム粒子を用いることによって、保持装置における冷却性能を高めることができる。
(2)上記形態の保持装置において、前記接合部の熱抵抗が5.0×10
-4


K/W以下であることとしてもよい。このような構成とすれば、接合部の熱抵抗が抑えられることにより、板状部と冷却部との間の熱伝達が向上し、保持装置の冷却性能をさらに高めることができる。
(3)上記形態の保持装置において、前記接合部の厚みが400μm以下であることとしてもよい。このような構成とすれば、接合部の熱抵抗が抑えられることにより、板状部と冷却部との間の熱伝達が向上し、保持装置の冷却性能をさらに高めることができる。
(4)上記形態の保持装置において、前記接合部における前記表面被覆窒化アルミニウム粒子の含有割合が70質量%以上であることとしてもよい。このような構成とすれば、接合部における熱伝導率を、より高めることができる。
(5)上記形態の保持装置において、前記表面被覆窒化アルミニウム粒子を断面視したときの内接円の半径をR1とし、外接円の半径をR2とすると、R2/R1の値の平均値が1.10以上であることとしてもよい。このような構成とすれば、接合部において、表面被覆窒化アルミニウム粒子同士の接点がより多く形成されて、接合部内で熱伝導パスが形成され易くなり、接合部の熱抵抗を抑えることができる。
(6)上記形態の保持装置において、前記接合部の最大せん断ひずみが0.5mm以上であることとしてもよい。このような構成とすれば、接合部に生じる応力に起因する不都合を抑える効果を高めることができる。
(7)本開示の他の一形態によれば、対象物を保持する保持装置が提供される。この保持装置は、板状に形成される板状部と、板状に形成されて前記板状部を冷却する冷却部と、前記板状部と前記冷却部との間に配置され、前記板状部と前記冷却部との対向する面間を接合する接合部と、を備え、前記接合部は、シリコーン系接着剤と、表面被覆窒化アルミニウム粒子と、を含み、前記接合部の熱伝導率が0.8W/(m・K)以上であり、前記接合部の最大せん断ひずみが0.5mm以上である。
この形態の保持装置によれば、板状部に対する入熱が大きくなる場合であっても、保持装置における冷却性能を高めると共に、接合部に生じる応力に起因する不都合を抑えることができる。
(8)上記形態の保持装置において、前記板状部は、セラミックを主成分とし、前記対象物を保持するための吸着電極を含み、前記対象物を加熱するためのヒータ電極を含まないこととしてもよい。このような構成とすれば、ヒータ電極により対象物および板状部が加熱されない場合であっても、板状部に対する入熱が大きく、板状部とベースとの温度差が大きくなり易い使用状態において、保持装置における冷却性能を高めると共に、接合部に生じる応力に起因する不都合を抑える効果を顕著に得ることができる。
本開示は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、保持装置を含む半導体製造装置、保持装置の製造方法、接合部の形成方法などの形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
実施形態の静電チャックの外観の概略を表す斜視図。
静電チャックの構成を模式的に表す断面図。
無機フィラーの粒子の「R2/R1」の求め方を示す説明図。
無機フィラーの粒子間で伝熱パスが形成される様子を示す説明図。
接合部で発生する応力に関する説明図。
せん断応力の発生時に接合部が伸張する様子を表す説明図。
各サンプルの測定結果と評価結果とを、まとめて示す説明図。
接合部の熱伝導率を測定する手順の概要を示す説明図。
最大せん断応力時ひずみ量を求める様子を模式的に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.静電チャックの構造:
図1は、実施形態における静電チャック10の外観の概略を表す斜視図である。図2は、静電チャック10の構成を模式的に表す断面図である。図1では、静電チャック10の一部を破断して示している。また、図1、図2、および後述する図5、図8には、方向を特定するために、互いに直交するXYZ軸を示している。各図に示されるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれ同じ向きを表す。本願明細書においては、Z軸は鉛直方向を示し、X軸およびY軸は水平方向を示している。なお、上記各図は、各部の配置を模式的に表しており、各部の寸法の比率を正確に表すものではない。
【0008】
静電チャック10は、対象物を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバ内で、対象物であるウェハWを固定するために使用される。静電チャック10は、セラミック部20と、ベース部30と、接合部40と、を備える。これらは、-Z軸方向(鉛直下方)に向かって、セラミック部20、接合部40、ベース部30の順に積層されている。本実施形態における静電チャック10を、「保持装置」とも呼ぶ。
【0009】
セラミック部20は、略円形の板状部材であり、セラミック(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウム等)を主成分として形成されている。本願明細書において、特定成分が「主成分である」あるいは「主に形成する材料である」とは、当該特定成分の含有率が、50体積%以上であることを意味する。セラミック部20の直径は、例えば、50mm~500mm程度とすればよく、通常は200mm~350mm程度である。セラミック部20の厚さは、例えば1mm~10mm程度とすればよい。セラミック部20は、「板状部」とも呼ぶ。
【0010】
図2に示すように、セラミック部20の内部には、吸着電極22が配置されている。吸着電極22は、例えば、タングステンやモリブデンなどの導電性材料により形成されている。吸着電極22に対して図示しない電源から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWがセラミック部20の載置面24に吸着固定される。吸着電極22は、双極型であってもよく、単極型であってもよい。また、セラミック部20の内部には、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成された抵抗発熱体で構成されて、載置面24に吸着固定されたウェハWを加熱するための、図示しないヒータ電極を設けてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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