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公開番号2023042748
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-28
出願番号2021150050
出願日2021-09-15
発明の名称高密植栽培装置
出願人オカモト化成品株式会社
代理人弁理士法人英知国際特許商標事務所
主分類A01G 13/02 20060101AFI20230320BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】農作物が栽培棚を用いないりんごや梨などの高木性果樹であっても、被覆シートの開閉により天候に合わせて最良な条件で高密植栽培を行う高密植栽培装置を提供する。
【解決手段】支柱1と、支柱の少なくとも一部を覆うように設けられる被覆シート2と、支柱に対して被覆シートを開閉方向へ移動させるように設けられるシート移動機構3と、を備え、支柱は、作業通路5を挟んで幅方向両側にそれぞれ並列状に配置され、被覆シートは、シート移動機構により作業通路の長手方向へ開閉移動自在に配置されることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
支柱と、
前記支柱の少なくとも一部を覆うように設けられる被覆シートと、
前記支柱に対して前記被覆シートを開閉方向へ移動させるように設けられるシート移動機構と、を備え、
前記支柱は、作業通路を挟んで幅方向両側にそれぞれ並列状に配置され、
前記被覆シートは、前記シート移動機構により前記作業通路の長手方向へ開閉移動自在に配置されることを特徴とする高密植栽培装置。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記支柱が、並木植えされた農作物の近傍に設けられ、
前記被覆シートが、前記作業通路を挟んで幅方向両側に配置される複数の前記シート移動機構に亘り設けた屋根シートであることを特徴とする請求項1記載の高密植栽培装置。
【請求項3】
前記屋根シートが、幅方向に傾斜した斜面部を有することを特徴とする請求項2記載の高密植栽培装置。
【請求項4】
前記支柱が、前記作業通路を挟んで幅方向へ複数組それぞれ並列状に配置され、複数の前記作業通路を覆うように前記屋根シートが複数それぞれ開閉移動自在に配置されることを特徴とする請求項2又は3記載の高密植栽培装置。
【請求項5】
前記被覆シートが、前記支柱において少なくとも側面の一部を覆うように設けられるサイドシートを有し、前記サイドシートが前記作業通路の長手方向へ開閉移動自在に配置されることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の高密植栽培装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、果樹類、果菜類などの植物体の露地栽培に用いられる高密植栽培装置に関する。
続きを表示(約 4,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ブドウ,りんごなどの果樹類と、トマト,キュウリ,ナスなどの果菜類の露地栽培に適した遮熱栽培法として、栽培棚の上棚の表面に遮熱ネットの一端を固定して、遮熱ネットの他端に備える開閉器(巻取り器)により上棚面を被覆し、葉の蒸散量と果実の温度を抑えることによって、果実の収量及びその着色の品質を向上させる遮熱システムがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の実施形態では、縦梁パイプと横梁パイプ,縦梁パイプに張った針金線に果樹類(巨峰)の枝が乗配して固定され、上棚の横梁パイプ,上棚の縦梁パイプに遮熱ネットの一端を固定ピンで固定している。
第二実施形態(図3)では、遮熱ネットがガイドされるガイドパイプ(短尺な横梁パイプ)をもち、栽培棚の上棚を被覆する遮熱ネットを巻き取る巻取り器(長尺な巻取りパイプ)と、その巻取り器に動力を伝達するハンドローターと、を有している。
第三実施形態(図4)では、遮熱ネットがガイドされるガイドパイプ(短尺なアーチパイプ)をもつアーチ屋根に、栽培棚の上棚を被覆する遮熱ネットを巻き取る巻取り器(長尺な巻取りパイプ)と、その巻取り器に動力を伝達するハンドローターと、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-027629号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、りんごの新しい栽培法として高密植栽培が注目されている。高密植栽培とは、栽植密度をより高くすることで、作業の手間が少なく多くの収穫が見込めるのが特徴である。詳しく説明すると、樹間の距離を短くして定植し、側枝を下垂誘引して樹幅が小型化されることにより、ほ場(圃場)の空間利用効率が高まるとともに、樹体の小型化に伴い日光と防除薬剤の到達が良好で健全な生育が確保され、主幹まで容易に手が届くため、作業性が向上して機械化がし易いなど、管理作業効率の向上も期待できる。
このため、高密植栽培では、多数の植物体を狭い間隔で直線的に並木植えすることが好ましく、その結果として一つのほ場が細長く長尺化する。
しかし乍ら、特許文献1では、ブドウやキウイフルーツなどのつる性果樹に特化して栽培棚を有するため、栽培棚が不要なりんごや梨などの高木性果樹には不向きであるという問題があった。
さらに、栽培棚の上棚面を被覆する遮熱ネットは、遮熱システムの長尺方向に配置された巻取り器(長尺な巻取りパイプ)で開閉させるため、細長く長尺化する高密植栽培のほ場では、巻取り器が大型化して開閉作動が不安定になるという問題もあった。
このような状況下で、高木性果樹などにも対応可能な高密植栽培システム(高密植栽培装置)が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために本発明に係る高密植栽培装置は、支柱と、前記支柱の少なくとも一部を覆うように設けられる被覆シートと、前記支柱に対して前記被覆シートを開閉方向へ移動させるように設けられるシート移動機構と、を備え、前記支柱は、作業通路を挟んで幅方向両側にそれぞれ並列状に配置され、前記被覆シートは、前記シート移動機構により前記作業通路の長手方向へ開閉移動自在に配置されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施形態(第一実施形態)に係る高密植栽培装置の全体構成を示す説明図であり、(a)が縦断正面図、(b)が図1(a)の一点鎖線で示された部分の拡大正面図である。
同斜視図であり、(a)が植物体を除いた全体的な縮小斜視図、(b)がレールを部分的に拡大した斜視図、(c)がスライダーを部分的に拡大した斜視図である。
本発明の実施形態(第二実施形態)に係る高密植栽培装置の全体構成を示す説明図であり、(a)が縮小縦断正面図、(b)が図3(a)の一点鎖線で示された部分の拡大正面図である。
本発明の実施形態(第三実施形態)に係る高密植栽培装置の全体構成を示す説明図であり、(a)が縦断正面図、(b)が図4(a)の一点鎖線で示された部分の拡大正面図である。
同斜視図であり、(a)が植物体を除いた全体的な縮小斜視図、(b)が図5(a)の一点鎖線で示された部分の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る高密植栽培装置Aは、図1~図5に示すように、りんご,梨やブドウ,キウイフルーツなどの果樹類や、トマト,キュウリ,ナスなどの果菜類などからなる農作物Fの露地栽培において、ほ場(圃場)Bの空間利用効率が高まる高密植栽培に適した高密植栽培システムである。
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る高密植栽培装置Aは、農作物Fの近傍などに設けられる支柱1と、支柱1の少なくとも一部を覆うように設けられる被覆シート2と、被覆シート2を開閉方向へ移動させるように設けられるシート移動機構と、を主要な構成要素として備えている。シート移動機構は、レール3やスライダー4などで構成することが好ましい。
農作物Fは、りんご,梨やブドウ,キウイフルーツなどの果樹類や、トマト,キュウリ,ナスなどの果菜類などの食用植物であり、詳しくはりんごや梨などの高木性果樹Ftが好ましい。
ほ場Bにおいて農作物Fは、果樹類の樹間や果菜類の間隔が短くなるように定植するなどして並木植えされ、それぞれの側枝を下垂誘引して、その外形状(樹形)が円筒形などに近づけることにより、薄い壁状の配列(樹列)となる。このため、ほ場Bの空間利用効率が高くなる。
さらに、ほ場Bには、図1(a)などに示されるように、並木植えした複数の農作物Fに沿って作業通路5が設けられる。作業通路5を挟んで作業通路5の長手方向と交差する幅方向の両側には、農作物Fがそれぞれ並列状に配置される。このため、作業通路5は、略直線的に細長く形成され、ほ場Bにおいて作業通路5となる領域には農作物Fが栽培されない。
また、並木植えされた複数の農作物Fと作業通路5は、図3(a)に示されるように、作業通路5の幅方向へ複数組それぞれ所定間隔毎に配列することも可能である。
【0008】
支柱1は、棒状に形成され、図1(a)などに示されるように、支柱1の末端部1aをほ場Bに埋め込むか、又はその他の方法で支柱1の末端部1aを移動不能に固定することで立設される。
さらに、支柱1は、複数の農作物Fと同様に作業通路5を挟んで幅方向両側に複数それぞれ作業通路5の長手方向へ並列状に配置される。詳しく説明すると、これらの支柱1は、並木植えした複数の農作物Fの間隔(樹間)と略同じ間隔、又はそれよりも長い間隔で複数それぞれ並列状に配列される。
少なくとも複数の支柱1のうち一部又は全部は、各支柱1の先端部1bが農作物Fの高さよりも高い位置となるように立設される。
また、並木植えした複数の農作物Fと作業通路5が、作業通路5の幅方向へ複数組それぞれ所定間隔毎に配列される場合には、図3(a)に示されるように、複数の作業通路5を挟んで幅方向へ複数の支柱1が複数組それぞれ並列状に配置される。
【0009】
支柱1の具体例として図1~図5に示される場合には、並木植えした複数の農作物Fに沿って立設される第一支柱11と、主に後述するシート移動機構のレール3を支える第二支柱12と、作業通路5を挟んで幅方向に対向する第二支柱12に亘り架設される横杆13,14と、を有している。
第一支柱11,第二支柱12,横杆13,14としては、軽量で強度に優れた中空の管体を用いることが好ましく、第二支柱12を除いて細い管体が用いられている。
第一支柱11及び第二支柱12は、全ての先端部1bが農作物Fの高さよりも高く配置され、少なくとも第一支柱11に対して農作物Fは、ゴム製のストッパーバンドなどからなる弾性変形可能な結束具(図示しない)を用いて固定又は仮止めすることが好ましい。
第二支柱12は、第一支柱11の間隔と関係なく作業通路5の長手方向へ所定間隔毎に配置され、作業通路5の幅方向に対向する第二支柱12に亘り横杆13,14を架け渡すことで補強している。
また、支柱1のその他の例として図示しないが、第一支柱11,第二支柱12及び横杆13,14を、管体に代えて中実の棒材などを用いることや、図示例以外の形状又はサイズに変更することや、図示例と異なる構造に連結することも可能である。
なお、農作物Fは、第一支柱11の他に、第一支柱11や第二支柱12に亘って作業通路5の長手方向へ架設された紐,縄,綱などからなる支持線材(図示しない)に対し、ゴム製のストッパーバンドなどからなる弾性変形可能な結束具(図示しない)を用いて固定又は仮止めすることも可能である。
【0010】
被覆シート2は、図1(a)などに示されるように、優れた遮光性,断熱性や保温性などを有する材料で、作業通路5の長手方向全長に亘り覆うサイズに形成される。詳しくは、被覆シート2の材料として適度な通気性がある多孔性シートを用いることが好ましく、特に雲から降る氷粒よりも小さい微細な通気孔が多数開穿されたネットを用いることが好ましい。雲から降る氷粒とは、雲から降る直径5mm以上のヒョウ(雹)や、直径5mm未満のアラレ(霰)などであり、微細な通気孔は、ヒョウやアラレなどの氷粒が通過しないサイズに設定されている。
さらに、被覆シート2は、作業通路5を挟んで幅方向両側に配置された後述する複数のシート移動機構に亘り設けた屋根シート21であることが好ましい。屋根シート21は、作業通路5を挟んで幅方向両側に並木植えされた複数の農作物Fを各農作物Fの頂面から覆うように横架される。屋根シート21は、作業通路5の幅方向に傾斜した斜面部21aを有することが好ましい。斜面部21aは、作業通路5を挟んだ幅方向両側のうち、一方から他方に向けて平面状又は曲面状に傾斜するように形成される。
また、被覆シート2は、屋根シート21に加えてサイドシート22を有することが好ましい。サイドシート22は、複数の支柱1において少なくとも側面の一部を覆うように設けられる。さらに、サイドシート22は、屋根シート21と同様に後述するシート移動機構で作業通路5の長手方向へ開閉移動自在に配置され、作業通路5を挟んで幅方向両側に並木植えされた複数の農作物Fを各農作物Fの側面から覆うように展張される。
(【0011】以降は省略されています)

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