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公開番号2023042719
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-28
出願番号2021149995
出願日2021-09-15
発明の名称ガス分離膜およびその製造方法、ガス濃縮方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 71/56 20060101AFI20230320BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 高い透過度、選択性で二酸化炭素を分離濃縮するのに適したガス分離膜を提供すること。
【解決手段】 少なくとも多孔性支持層を有する支持膜、並びに、前記支持膜上に設けられた架橋ポリアミド分離機能層(以下、分離機能層、という)を備えたガス分離膜であって、
前記分離膜は、に二酸化炭素との親和性を有する物質(以下、親和物質という)を含み、
前記親和物質の含有量が、分離膜の総重量100重量%に対し、10重量%~70重量%である、ガス分離膜。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも多孔性支持層を有する支持膜、並びに、前記支持膜上に設けられた架橋ポリアミド分離機能層(以下、分離機能層、という)を備えたガス分離膜であって、
前記ガス分離膜は、二酸化炭素との親和性を有する物質(以下、親和物質という)を含み、
前記親和物質の含有量が、前記ガス分離膜の総重量100重量%に対し、10重量%~70重量%である、ガス分離膜。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記分離機能層が前記親和物質を含む、請求項1に記載のガス分離膜。
【請求項3】
前記親和物質が、アミン化合物、多価アルコール、炭酸塩、及びイオン液体から成る群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~2のいずれか1項に記載のガス分離膜。
【請求項4】
前記親和物質が、アミン化合物及び炭酸塩を少なくとも含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のガス分離膜。
【請求項5】
前記親和物質が、アミン化合物、または、多価アルコール、を少なくとも含み、
前記親和物質が、前記架橋ポリアミドの末端アミノ基、末端カルボキシ基、及びアミド基のいずれかの官能基を介して、前記架橋ポリアミドと共有結合を形成していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のガス分離膜。
【請求項6】
前記分離機能層は凹凸構造を有し、前記凹凸構造の平均厚みが7nm以上40nm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のガス分離膜。
【請求項7】
前記架橋ポリアミドの末端アミノ基の数A、末端カルボキシ基の数B、アミド基の数Cが、0.37≦(A+B)/C≦1.0を満たす、請求項1~6のいずれか1項に記載のガス分離膜。
【請求項8】
前記架橋ポリアミドの末端カルボキシ基の数B、アミド基の数Cが、0.22≦B/C≦0.35を満たす、請求項1~7のいずれか1項に記載のガス分離膜。
【請求項9】
温度25℃、pH6.5に調整した濃度3.5重量%の塩化ナトリウム水溶液を操作圧力5.5MPaで供給することで行う透水性試験により決定した水の膜透過流束(m

/m

/日)が、0.1(m

/m

/日)以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載のガス分離膜。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のガス分離膜に対し、二酸化炭素を少なくとも含む混合ガスを透過させる工程を備える、二酸化炭素の濃縮方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ガスおよび燃焼ガスなどの混合ガスから高濃度の二酸化炭素を分離濃縮し、回収するのに好適な二酸化炭素分離膜に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
混合ガスから特定のガスを濃縮させる方法として、素材の持つ気体透過性の違いを利用して目的ガスを選択的に透過する膜分離法が注目されている。膜素材としては供給する混合ガスが高温、高圧である場合が多いことから、炭素膜(例えば特許文献1)、セラミック膜(例えば特許文献3)といった無機膜が主流となっているが、実用的な高分子膜としては、高い耐熱性、耐圧性を持つポリイミド膜(例えば特許文献2)を挙げることができる。
【0003】
特に近年、地球温暖化問題に対して、天然ガスおよび燃焼ガスから二酸化炭素を分離濃縮し、回収する技術の需要が増大している。このような技術において処理対象となるガスは、水蒸気の改質、水性ガスシフトを経るので、二酸化炭素と水素とを主成分として含む。上記したような膜の気体透過性は、分子サイズが小さい水素のほうが二酸化炭素より速く透過するため、二酸化炭素を選択的に取り出して濃縮することは不可能である。また、天然ガスなど、水素が含まれていないガスに関しても水蒸気を含んでいるため、分離前に予め除湿して除去しておく必要がある。よって、これらの膜は水素も水蒸気も含まれていないような限られたガスにしか適用ができないのが現状である。
【0004】
そこで、水蒸気を含有した二酸化炭素を分離濃縮する方法としては、ポリエチレングリコールなどに高圧で吸収させる「物理吸収法」、及びアミン系またはアンモニア系溶剤に吸収させる「化学吸収法」が取り挙げられている。
【0005】
また、化学吸収法の原理を膜分離法に展開する研究も行われている。例えば、アミンなどの有機液体または炭酸塩などといった二酸化炭素と親和性がある化合物を、高分子樹脂で被覆させた液膜(例えば特許文献4,5)が挙げられる。これらの液膜では親和性が高い化合物が二酸化炭素を促進輸送するので、二酸化炭素が選択的に膜を透過するといわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
日本国特開2009-34614号公報
日本国特開2009-6260号公報
日本国特開平3-267130号公報
日本国特開2008-36463号公報
日本国特表2001-519711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の物理吸収法および化学吸収法では、親和性溶剤に吸収された二酸化炭素を脱離させるためにかかるコストが大きく、二酸化炭素の吸収と脱離とが繰り返されるため、親和性溶剤の寿命が短いという問題もある。
【0008】
また、上述の液膜を用いる方法では、液膜が二酸化炭素と親和性のある化合物と親和性のない高分子樹脂とで構成されているので、二酸化炭素以外の気体が、二酸化炭素と親和性のない高分子樹脂を通って透過する。その結果、化学吸収法などよりも二酸化炭素選択性に劣る。
【0009】
すなわち、長期的に安定して二酸化炭素を分離濃縮するためには、二酸化炭素と親和性のある有機液体などをスキン層化して、混合ガスから二酸化炭素のみを透過させることが効果的であるが、従来の技術では、水素、ヘリウム、水蒸気、窒素およびメタンなどの排除したいガス(以下、排除ガスと記載する)が有機液体を固定化する高分子樹脂を透過するという問題が存在する。
【0010】
また、従来の技術では、高分子樹脂として、有機液体と相溶しやすく、かつ自由体積が小さい(孔径が小さい)ポリビニルアルコール(PVA)およびエチレン-ポリビニルアルコール共重合体(EVOH)などが用いられている。
(【0011】以降は省略されています)

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