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公開番号2023042665
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-28
出願番号2021149912
出願日2021-09-15
発明の名称コンクリート養生型枠およびコンクリート部材の施工方法
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類E04G 9/10 20060101AFI20230320BHJP(建築物)
要約【課題】コンクリート部材の表面に生じる色むらを抑制することを可能としたコンクリート養生型枠およびコンクリート部材の施工方法を提案する。
【解決手段】せき板2と、せき板2と打設コンクリートとの間に介設される表面部3とを備えるコンクリート養生型枠1とこれを利用したコンクリート部材の施工方法。せき板2は、水分を貯留可能な保水部5と、保水部5を補強する補強部6とを有している。表面部3は、透水性を有したシート材であって、打設コンクリートの余剰水を排水可能かつ保水部5に貯留された水分を打設コンクリート表面へ供給を可能である。また、表面部3の打設コンクリートとの当接面には、水酸化カルシウムが付着させておく。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
せき板と、前記せき板と打設コンクリートとの間に介設される表面部と、を備えるコンクリート養生型枠であって、
前記せき板は、水分を貯留可能な保水部と、前記保水部を補強する補強部と、を有し、
前記表面部は、透水性を有したシート材であって、前記打設コンクリートの余剰水を排水可能かつ前記保水部に貯留された前記水分を前記打設コンクリート表面へ供給を可能であり、
前記表面部の前記打設コンクリートとの当接面には、水酸化カルシウムが付着していることを特徴とする、コンクリート養生型枠。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記表面部は、織布からなる前記打設コンクリート側の第一層と、不織布からなる前記保水部側の第二層との2層構造であることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート養生型枠。
【請求項3】
前記水酸化カルシウムは、飽和水酸化カルシウム溶液からなり、前記当接面に1cm

あたり0.30g~0.35gの範囲内で付着されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のコンクリート養生型枠。
【請求項4】
コンクリート養生型枠を設置する型枠設置工程と、
前記コンクリート養生型枠内にコンクリートを打設する打設工程と、
前記コンクリート養生型枠内において前記コンクリートを養生する養生工程と、を備えるコンクリート部材の施工方法であって、
前記コンクリート養生型枠は、せき板と、前記せき板と前記コンクリートとの間に介設された透水性を有したシート材からなる表面部とを備えており、
前記打設工程の前に、前記表面部に水酸化カルシウムを付着させることを特徴とする、コンクリート部材の施工方法。
【請求項5】
前記水酸化カルシウムは、1cm

あたり0.30g~0.35gの飽和水酸化カルシウム溶液を前記表面部に噴霧することで、前記表面部に付着させることを特徴とする、請求項4に記載のコンクリート部材の施工方法。
【請求項6】
前記打設工程において、前記コンクリート中に挿入した棒状バイブレータで締め固めるとともに、前記せき板の外面から型枠バイブレータにより締め固めることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載のコンクリート部材の施工方法。
【請求項7】
前記せき板は、水分を貯留可能な保水部と、前記保水部の外面に設けられた補強部とを備えており、
前記養生工程では、前記保水部に水分を供給し、前記保水部から前記表面部に浸透した前記水分が前記コンクリートの表面に供給されることを特徴とする、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のコンクリート部材の施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート養生型枠およびコンクリート部材の施工方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
水中においてコンクリートの養生を行うことがコンクリートの強度、緻密性、ひび割れ抵抗性、耐久性を高めるのに適していることが知られている。そのため、コンクリートの養生に際しては、乾燥を防ぎ、水中養生に近い環境を作ることを目的とした養生方法が採用されている。
本出願人等は、特許文献1に示すように、型枠本体と、型枠本体の内側面を覆う保水部と、保水部の内側面を覆い当該型枠内に打設されたコンクリートに面する表面部とを備えるコンクリート養生型枠を開発し、実用化に至っている。この養生型枠によれば、打設初期の余剰水を排出することができるとともに、凝結後に保水部に貯水することで水中養生に近い環境を形成することができる。
比較的大きなコンクリート部材を構築する場合には、コンクリートを複数回(層)に分けて打設する必要がある。コンクリートを複数層に分けて打設すると、打重ね面に沿って変色した部分が生じ、コンクリート部材の表面に色むらが生じる場合がある。表面に色むらがあると、美観を損ねてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許5565921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような観点から、本発明は、コンクリート部材の表面に生じる色むらを抑制することを可能としたコンクリート養生型枠およびコンクリート部材の施工方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明のコンクリート養生型枠は、せき板と、前記せき板と打設コンクリートとの間に介設される表面部とを備えるものである。前記せき板は、水分を貯留可能な保水部と、前記保水部を補強する補強部とを有している。前記表面部は、透水性を有したシート材であって、前記打設コンクリートの余剰水を排水可能および前記保水部に貯留された前記水分を前記打設コンクリート表面へ供給可能とし、また、前記表面部の前記打設コンクリートとの当接面には、水酸化カルシウムを付着させる。この表面部は、織布からなる前記打設コンクリート側の第一層と、不織布からなる前記保水部側の第二層との2層構造であるのが望ましい。なお、前記水酸化カルシウムは、飽和水酸化カルシウム溶液からなり、前記当接面に1cm

あたり0.30g~0.35gの範囲内で付着されていることが望ましい。
また、本発明のコンクリート部材の施工方法は、コンクリート養生型枠を設置する型枠設置工程と、前記コンクリート養生型枠内にコンクリートを打設する打設工程と、前記コンクリート養生型枠内において前記コンクリートを養生する養生工程とを備え、前記打設工程の前にコンクリート養生型枠の表面部に水酸化カルシウムを付着させるものである。
本発明者らは、コンクリート表面部に存在する水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの量が色むらに関係することを見出した。本発明に係るコンクリート養生型枠によれば、表面部に予め付着された水酸化カルシウムがコンクリートの表面に供給されることで、水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの量が調整され、コンクリート部材の表面に生じる色むらが抑制される。つまり、本発明に係るコンクリート養生型枠を使用すると、コンクリート部材の美観を向上させることができる。
【0006】
なお、前記水酸化カルシウムは、1cm

あたり0.30g~0.35gの飽和水酸化カルシウムを前記表面部に噴霧することで、前記表面部に付着させるのが望ましい。
また、前記打設工程において、前記コンクリート中に挿入した棒状バイブレータで締め固めるとともに、前記せき板の外面から型枠バイブレータにより締め固めれば、コンクリート部材の表面に生じる色むらの抑制効果がより向上する。
さらに、前記コンクリート養生型枠のせき板が、水分を貯留可能な保水部と前記保水部の外面に設けられた補強部とを備えている場合には、前記養生工程において前記保水部に水分を供給することで、前記保水部から前記表面部に浸透した前記水分が前記コンクリートの表面に供給されるため、水中養生に近い環境が形成されて、コンクリートの強度、緻密性、ひび割れ抵抗性、耐久性が向上する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のコンクリート養生型枠およびコンクリート部材の施工方法によれば、コンクリート部材の表面に生じる色むらを抑制し、美観を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態に係るコンクリート部材の施工方法を示すフローチャートである。
コンクリート養生型枠の断面図である。
コンクリート養生型枠の拡大断面図である。
保水部の分解斜視図である。
打設工程を示す平面図である。
(a)はコンクリート打ち込み後の様子を示す断面図、(b)は養生工程を示す断面図である。
実験時の締固め状況を示す概略平面図であって、(a)は実施例、(b)および(c)は比較例である。
コンクリート部材の表面における炭酸カルシウム量と水酸化カルシウム量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態では、複数回(層)に分けてコンクリートを打設することによりコンクリート部材を製造する場合において、コンクリートの打重ね面Jに沿ってコンクリート部材の表面に生じる色むらを抑制するコンクリート部材の施工方法について説明する。図1に本実施形態のコンクリート部材の施工方法のフローチャートを示す。図1に示すように、コンクリート部材の施工方法は、型枠設置工程S1と、打設工程S2と、養生工程S3と、脱型工程S4とを備えている。
型枠設置工程S1は、コンクリート養生型枠1を設置する工程である。図2にコンクリート養生型枠1を示す。型枠設置工程S1では、コンクリート部材の構築が予定された位置に、コンクリート部材の厚み分の隙間を空け状態で、せき板2を配設することによりコンクリート養生型枠1を組み立てる。図2に示すように、コンクリート養生型枠1は、せき板2と、せき板2と打設コンクリートC1,C2との間に介設される表面部3と、水抜き孔4を備えている。
【0010】
図3は養生型枠の拡大図である。図3に示すように、せき板2は、水分を貯留可能な保水部5と、保水部5を補強する補強部6とを有している。
保水部5は、複数の中空凸部52,52,…が形成された2枚の熱可塑性樹脂シート(以下、「突起付きシート51,51」という)を、互いの中空凸部52,52同士を突き合わせた状態で熱融着してなる芯材50と、芯材50の両面にそれぞれ積層された面材53,53とを有する所謂ツインコーンタイプの樹脂製中空構造板により構成されている。図4は、保水部5の分解斜視図である。
本実施形態の突起付きシート51,51の中空凸部52,52,…は、図4に示すように、円錐台状であり、同一の寸法を有している。突起付きシート51の複数の中空凸部52,52,…は、一方の面に規則的に設けられたものである。中空凸部52は、その下底側が開口しており、中空円錐台状を呈している。各中空凸部52は、外周面が先端から根元にかけて直径が次第に増大するテーパー面の円錐台状に形成され、かつ、各中空凸部52は、同一形状、大きさに形成されている。各中空凸部52のテーパー角度(各凹部内面の立ち上がり角度)θは、45~80°の範囲内とし、好ましくは50~70°の範囲内とする。中空凸部52の下底部52aの直径は3~16mmの範囲内に設定することが好ましく、中空凸部52の上底部52bの直径は下底部52aよりも小さな値で、かつ、1.5~4mmの範囲内にあることが好ましい。また、中空凸部52の高さは3~13mmの範囲内で設定することが好ましい。また、隣り合う中空凸部52,52同士の下底部52aの間隔は、10mm以下に設定されている。なお、複数の中空凸部52,52,…は、間隔をあけて配置されているので、図3に示すように、芯材50の内部には、連続した空間54が形成される。突起付きシート51に用い得る熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂が、生産性、コスト面、物性、耐低温性、耐熱性等の特性とのバランス等の観点から好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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