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公開番号2023042651
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-28
出願番号2021149887
出願日2021-09-15
発明の名称圧電トランスの駆動装置及びこれを用いた電源装置
出願人株式会社タムラ製作所
代理人個人
主分類H02M 3/24 20060101AFI20230320BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】より有用性を高めた圧電トランスの駆動技術を提供する。
【解決手段】圧電トランスの駆動装置は、駆動対象の圧電トランスPZT1に駆動電圧を印加するスイッチング回路110と、圧電トランスPZT1からの出力電圧を容量結合により取り出す結合回路padと、取り出した出力電圧帰還信号を入力して発振し、スイッチング回路110が圧電トランスPZT1に印加する駆動電圧の駆動周波数を制御するマルチバイブレータ130とを備え、発振時の進み位相を可変する位相進み回路132を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
駆動対象の圧電トランスに所定の駆動周波数で駆動電圧を印加する駆動回路と、
駆動電圧の印加に伴い前記圧電トランスから出力される出力電圧を容量結合により取り出す結合回路と、
前記結合回路が取り出した出力電圧を帰還入力電圧として発振し、前記駆動回路が前記圧電トランスに印加する駆動電圧の駆動周波数を制御する発振回路とを備え、
前記駆動回路の駆動周波数に基づく周波数で前記圧電トランスが出力電圧を出力し、前記圧電トランスの出力電圧を前記結合回路で取り出したときの帰還入力電圧の周波数に基づいて前記発振回路が発振し、前記発振回路の発振周波数に基づいて前記駆動回路の駆動周波数が制御される1巡ループ内において、
前記発振回路は、
発振時の進み位相を可変する位相進み回路を有することを特徴とする圧電トランスの駆動装置。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
請求項1に記載の圧電トランスの駆動装置において、
前記発振回路は、
前記位相進み回路により発振時の進み位相を可変することで、前記駆動回路に前記圧電トランスが最大昇圧比を得る駆動周波数で駆動信号を印加させることを特徴とする圧電トランスの駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の圧電トランスの駆動装置において、
前記1巡ループ全体の位相変化が0°であって、前記1巡ループ内の前記駆動回路での進み位相が-180°であり、前記結合回路での進み位相が90°であるとき、
前記位相進み回路は、
前記1巡ループ内において前記発振回路での進み位相を0°に近付けることにより、前記圧電トランスでの進み位相を90°に近付けることを特徴とする圧電トランスの駆動装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の圧電トランスの駆動装置において、
負荷に対して印加される前記圧電トランスの出力電圧の検出値をフィードバック入力し、所定の基準電圧との比較に基づいて前記位相進み回路に位相制御電圧を印加する誤差増幅器をさらに備え、
前記位相進み回路は、
前記位相制御電圧の上昇に伴い、前記発振回路での進み位相を減少させることを特徴とする圧電トランスの駆動装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の圧電トランスの駆動装置を用いて、負荷に印加する出力電圧を圧電トランスに発生させる電源装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電トランスの駆動装置、及びこれを用いて負荷に印加する出力電圧を発生させる電源装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
この種の技術に関して従来、圧電トランスの駆動電圧制御や圧電トランスを用いた電源装置の先行技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この先行技術は、圧電トランスの出力電圧値を検出し、その出力電圧値と設定基準電圧値とを一致させるように駆動電圧のデューティ比を可変制御する動作と、ドロッパ制御電圧を可変出力する動作とを切り換えて出力電圧を制御する。これにより、広い電圧可変範囲と電力可変出力幅に対応して出力制御を行うことが可能となり、また、効率的に周波数とデューティ比を用いることで全体の効率を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4729468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の先行技術は、圧電トランスの出力検出電圧を用いて2つの電圧制御を自動的に切り換えることで、共振周波数近傍で効率のよいデューティ比を用いて圧電トランスを駆動することができる点で極めて有用性が高い。
【0005】
その上で、圧電トランスの駆動制御に関しては、さらなる有用性への要求があることも無視できない。例えば、圧電トランスをより効率的に駆動するという観点からは、実際の駆動周波数を圧電トランスの昇圧比が最大となる周波数にピンポイントで制御する必要がある。しかし、圧電トランスは共振特性のQ値が高く、駆動周波数の制御には極めて高い精度が要求される上、圧電トランスの出力電圧を負荷に対する電源に用いた場合は、昇圧比が最大となる周波数や昇圧比そのものが負荷に依存して変化するため、昇圧比が最大となる周波数を一律の値に定めて駆動周波数を制御することはできない。
【0006】
そこで本発明は、より有用性を高めた圧電トランスの駆動技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するは、本発明は以下の解決手段を採用する。なお、以下の括弧書き中の文言等はあくまで例示に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0008】
本発明は、圧電トランスの駆動装置を提供する。また本発明は、圧電トランスの駆動装置を用いて、負荷に印加する出力電圧を圧電トランスに発生させる電源装置を提供する。圧電トランスの駆動装置は、駆動回路及び発振回路を備える他、結合回路を備える。このうち駆動回路は、駆動対象の圧電トランスに所定の駆動周波数を印加する。なお、ここでの「所定」は一律の意味ではなく、他からの電圧信号によって決定されるものも含む。結合回路は、圧電トランスから出力される出力電圧を容量結合によって取り出す。発振回路は、基本的な回路構成が自励発振性のものではあるが、駆動回路が圧電トランスに印加する駆動電圧の駆動周波数を制御する際は、結合回路が取り出した出力電圧を帰還入力電圧として発振する。
【0009】
本発明の駆動装置では、上記のように結合回路で取り出した出力電圧を発振回路に対する帰還入力電圧として駆動回路の駆動周波数を制御することから、周波数制御に関して以下の一巡ループが成り立つ。すなわち、駆動回路の駆動周波数に基づく(依存する)周波数で圧電トランスが出力電圧を出力し、圧電トランスの出力電圧を結合回路で取り出したときの帰還入力電圧の周波数に基づいて(依存して)発振回路が発振し、発振回路の発振周波数に基づいて(依存して)駆動回路の駆動周波数が制御される1巡ループである。
【0010】
このような1巡ループ内において、本発明の圧電トランスの駆動装置は、発振回路が位相進み回路を有するものとなっている。位相進み回路は、発振回路自身の発振時の進み位相(位相が進む量)を可変する。ここで「進み位相」とは、入力電圧の位相に対して出力電圧の位相が進むことを意味し、位相角(°)で考えることができる。したがって、位相進み回路は、発振回路の出力電圧の位相が進む角度を「進み位相」として、これを可変する。
(【0011】以降は省略されています)

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