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公開番号2023042332
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-27
出願番号2021149578
出願日2021-09-14
発明の名称電源切換制御システム
出願人矢崎総業株式会社
代理人個人,個人
主分類H02J 9/00 20060101AFI20230317BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】複数の負荷が並列に接続された冗長電源システムにおいて、電源側又は負荷側の異常で電源失陥が生じた際に、給電可能な状態の電源の残容量が不足している場合であっても、作動優先度の高い負荷への給電を必要な時間維持できるようにする。
【解決手段】電源切換制御システム10は、第1~第5スイッチ11~15と、電源失陥を判定する第1、第2電源失陥判定部31,32と、第1~第5スイッチ11~15を制御するスイッチ制御部30とを備え、スイッチ制御部30は、第1、第2電源失陥判定部31,32により電源失陥が判定され、メインバッテリ2及びサブバッテリ3の残容量が所定の閾値未満である場合に、複数の重要負荷IL1~IL3を作動優先度が低い方から順に第3~第5スイッチ13~15により給電線8Gから遮断していき、メインバッテリ2及びサブバッテリ3から重要負荷IL1~IL3への供給電流を逓減させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
給電経路に対して並列に接続され作動優先度が設定された複数の負荷と、前記給電経路に対して並列に接続され複数の前記負荷に給電する複数の電源との接続・遮断を切り換える切換部と、
前記電源の側又は前記負荷の側の異常で生じた電源失陥を検知する電源失陥検知部と、
前記切換部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記電源失陥検知部により前記電源失陥が検知され、複数の前記電源の残容量、充電率又は電圧が所定の閾値未満又は以下である場合に、複数の前記負荷を前記作動優先度が低い方から順に前記切換部により前記給電経路から遮断していくことにより、前記電源から前記負荷への供給電流を逓減させる電源切換制御システム。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記負荷は3個以上であり、
前記制御部は、前記電源失陥検知部により前記負荷の側の異常で生じた前記電源失陥が検知され、複数の前記電源の残容量、充電率又は電圧が前記所定の閾値未満又は以下である場合に、異常のある前記負荷を前記切換部により前記給電経路から遮断し、その後、正常の2個以上の前記負荷を前記作動優先度が低い方から順に前記切換部により前記給電経路から遮断していくことにより、前記電源から前記負荷への供給電流を逓減させる請求項1に記載の電源切換制御システム。
【請求項3】
複数の前記電源は、メインバッテリと、サブバッテリと、蓄電部とを備え、
前記切換部は、前記メインバッテリと前記給電経路との接続・遮断を切り換える第1スイッチと、前記サブバッテリと前記給電経路との接続・遮断を切り換える第2スイッチと、前記負荷と前記給電経路との接続・遮断を切り換える複数の第3スイッチとを備え、
前記制御部は、
前記電源失陥検知部により前記メインバッテリの側の異常で生じた前記電源失陥、及び前記サブバッテリの側の異常で生じた前記電源失陥が検知された場合に、前記第1スイッチにより前記メインバッテリを前記給電経路から遮断し、前記第2スイッチにより前記サブバッテリを前記給電経路から遮断し、前記蓄電部から前記負荷に給電する第1処理と、
前記第1処理の以後に、前記蓄電部の残容量、充電率又は電圧が前記所定の閾値未満又は以下である場合に、複数の前記負荷を前記作動優先度が低い方から順に前記第3スイッチにより前記給電経路から遮断していくことにより、前記蓄電部から前記負荷への供給電流を逓減させる第2処理と
を実行する請求項1又は2に記載の電源切換制御システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電源切換制御システムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
メイン電源、サブ電源、及び複数の補機負荷が並列接続される車載電源システムにおいて、メイン電源からの出力電力が低下した場合に、作動優先度の高い補機負荷に対して、サブ電源からより多くの電力を供給するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、冗長運転のために複数の電力系統を備える車載電源システムにおいて、一部の電力系統において異常が生じた場合であっても、その異常が生じた電力系統の電源や負荷のうち使用を継続できるものについては極力使用を継続させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-127112号公報
特開2019-62727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車載電源システムでは、サブ電源から各補記負荷への供給電力を調整するDC/DCコンバータに故障が生じた場合、冗長運転が不能となる。即ち、DC/DCコンバータへの依存度が高く信頼性が低い。また、DC/DCコンバータは高価で大型である。
【0005】
特許文献2に記載の車載電源システムでは、異常が生じた電力系統の電源(蓄電池)の残容量が不足している場合、作動優先度の高い負荷の使用継続を実現できないことが考えられる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、冗長運転のために複数の電源が給電経路に並列に接続され、この給電経路に複数の負荷が並列に接続された電源システムにおいて、電源側又は負荷側の異常で電源失陥が生じた際に、給電可能な状態の電源の残容量が不足している場合であっても、作動優先度の高い負荷への給電を必要な時間維持できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電源切換制御システムは、給電経路に対して並列に接続され作動優先度が設定された複数の負荷と、前記給電経路に対して並列に接続され複数の前記負荷に給電する複数の電源との接続・遮断を切り換える切換部と、前記電源の側又は前記負荷の側の異常で生じた電源失陥を検知する電源失陥検知部と、前記切換部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記電源失陥検知部により前記電源失陥が検知され、複数の前記電源の残容量、充電率又は電圧が所定の閾値未満又は以下である場合に、複数の前記負荷を前記作動優先度が低い方から順に前記切換部により前記給電経路から遮断していくことにより、前記電源から前記負荷への供給電流を逓減させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、冗長運転のために複数の電源が給電経路に並列に接続され、この給電経路に複数の負荷が並列に接続された電源システムにおいて、電源側又は負荷側の異常で電源失陥が生じた際に、給電可能な状態の電源の残容量が不足している場合であっても、作動優先度の高い負荷への給電を必要な時間維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る電源切換制御システムを備える車載電源システムを示す図である。
図2は、自動運転走行から停車するまでの間のメインバッテリ又はサブバッテリの充電率[%]の推移を示すグラフである。
図3は、メインバッテリ側又はサブバッテリ側の異常による電源失陥が発生し、正常なバッテリの残容量[Ah]が閾値未満であり、退避走行時間の間、優先度1の重要負荷への給電を維持するという条件での第3~第5スイッチの制御を示す表である。
図4は、優先度3の重要負荷側の異常による電源失陥が発生し、メインバッテリ及びサブバッテリの残容量[Ah]が閾値未満であり、退避走行時間の間、優先度1の重要負荷への給電を維持するという条件での第3~第5スイッチの制御を示す表である。
図5は、優先度2の重要負荷側の異常による電源失陥が発生し、メインバッテリ及びサブバッテリの残容量[Ah]が閾値未満であり、退避走行時間の間、優先度1の重要負荷への給電を維持するという条件での第3~第5スイッチの制御を示す表である。
図6は、優先度1の重要負荷側の異常による電源失陥が発生し、メインバッテリ及びサブバッテリの残容量[Ah]が閾値未満で有り、退避走行時間の間、優先度2の重要負荷への給電を維持するという条件での第3~第5スイッチの制御を示す表である。
図7は、図1の電源切換制御システムの処理を説明するためのフローチャートである。
図8は、図1の電源切換制御システムの処理を説明するためのフローチャートである。
図9は、図1の電源切換制御システムの処理を説明するためのフローチャートである。
図10は、図1の電源切換制御システムの処理を説明するためのフローチャートである。
図11は、本発明の他の実施形態に係る電源切換制御システムを備える車載電源システムを示す図である。
図12は、図11の電源切換制御システムの処理を説明するためのフローチャートである。
図13は、図11の電源切換制御システムの処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限られるものではなく、以下に示す実施形態は本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾点が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用される。
(【0011】以降は省略されています)

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