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公開番号2023042100
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-27
出願番号2021149207
出願日2021-09-14
発明の名称ブランク及び紙製容器
出願人凸版印刷株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 3/04 20060101AFI20230317BHJP(積層体)
要約【課題】開口部分を封止した際の密閉性を向上させる。
【解決手段】ブランク10は、紙製の基材層11と、基材層11の内面11aに設けられる内層12と、基材層11の外面11bに設けられる外層13とを備える長側壁部15及び短側壁部16と、隣り合う長側壁部15及び短側壁部16の間に位置するとともに、紙製容器を組み立てる際に、折り返した状態にて内面同士及び外面同士が溶着される軟質溶着部17とを備える。軟質溶着部17は、内層12及び外層13における基材層11の端面よりも延出する部分が溶着された部位である。内層12は、基材層11の内面11aに接する第1熱可塑性樹脂層12a、第2熱可塑性樹脂層12b、及びPET層12cを備える。PET層12cは、引張降伏応力が109MPa以上117MPa以下であり、かつ損失正接のピーク位置の温度が116℃以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
紙製容器の製造に用いる紙製容器用のブランクであって、
前記紙製容器の側壁を構成する複数の側壁部と、
前記紙製容器における隣り合う前記側壁の間に位置するとともに、前記紙製容器を組み立てる際に、折り返した状態にて内面同士及び外面同士が溶着される軟質溶着部とを備え、
前記側壁部は、紙製の基材層、前記基材層の内面に設けられる内層、及び前記基材層の外面に設けられる外層を備え、
前記内層は、前記基材層の内面に接する第1熱可塑性樹脂層、第2熱可塑性樹脂層、及び前記第1熱可塑性樹脂層と前記第2熱可塑性樹脂層の間に位置するポリエステル層を備え、
前記外層は、前記基材層の外面に接する第3熱可塑性樹脂層を備え、
前記軟質溶着部は、前記内層及び前記外層における前記基材層の端面よりも延出する部分が、前記第1熱可塑性樹脂層及び前記第3熱可塑性樹脂層にて溶着される部位であり、
前記第1熱可塑性樹脂層及び前記第2熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂であり、
前記ポリエステル層は、引張降伏応力が109MPa以上117MPa以下であり、かつ損失正接のピーク位置の温度が116℃以下であることを特徴とするブランク。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記ポリエステル層は、引張降伏応力が109MPa以上113MPa以下であり、かつ前記ポリエステル層の損失正接のピーク位置の温度が108℃以上111℃以下である請求項1に記載のブランク。
【請求項3】
前記ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレンである請求項1又は2に記載のブランク。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のブランクにより構成される紙製容器。
【請求項5】
前記紙製容器は、複数の長側壁と、複数の短側壁とを備え、
前記短側壁は、相互に隣り合う前記長側壁に挟まれた角部であり、
前記複数の側壁部は、前記長側壁を構成する長側壁部と、前記短側壁を構成する短側壁部とを備え、
前記軟質溶着部は、
前記長側壁と当該長側壁に隣接する前記短側壁との間において、
前記長側壁の外面を構成する前記第3熱可塑性樹脂層と、前記軟質溶着部を構成する前記第3熱可塑性樹脂層とが外面同士で溶着し、かつ、
前記短側壁の内面を構成する前記第2熱可塑性樹脂層と、前記軟質溶着部を構成する前記第2熱可塑性樹脂層とが内面同士で溶着した状態で、折り返されている
請求項4に記載の紙製容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランク及び紙製容器に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一枚のシート状のブランクを組み立てることによりトレー状の紙製容器を製造する技術が開示されている。特許文献1のブランクは、紙製容器を展開した形状をなし、底壁を構成する底面板と、一方の対向する側壁を構成する第1側面板と、他方の対向する側壁を構成する第2側面板とを備えている。さらに、ブランクにおける第1側面板と第2側面板との間には、第1側面板及び第2側面板を近づけるようにブランクを変形させてトレー状に組立てる際に、折り込まれる折り込み板が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000-255546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のブランクは、紙製の基材層の両面に熱可塑性樹脂層が積層された積層体により構成されている。ここで、ブランクから紙製容器への組立て性を向上させる観点から、従来のブランクの折り込み板の部分を、基材層が省略されて樹脂層のみからなる軟質部分として容易に折り込み可能な構成とすることが考えられる。この場合、隣り合う第1側面板と第2側面板とを互いに近づけるように変形させる。そして、第1側面板と第2側面板との間に位置する軟質部分を折り返した状態として、その内面同士及び外面同士を熱圧着にて溶着することにより、ブランクをトレー状の紙製容器に組立てることができる。
【0005】
そして、このトレー状の紙製容器は、内容物が収納された後、紙製容器の開口上面の周縁に設けられたフランジに蓋部材が取り付けられることにより密封される。蓋部材は、ヒートシール層を備えた紙製又はプラスチックフィルム製の部材であり、ヒートシールにより紙製容器のフランジに取り付けられる。
【0006】
紙製容器に用いるブランクには、容器の形状安定性を高めたりガスバリア性を高めたりすることを目的として、基材層に積層される熱可塑性樹脂層内にポリエチレンテレフタレートなどからなるポリエステル層を設ける場合がある。一方、ポリエステル層を備える紙製容器では、ポリエステル層の硬さの影響により、熱可塑性樹脂層の柔軟性が低下する。そのため、ポリエステル層を有する熱可塑性樹脂層により上記軟質部分を形成した場合、組立てられた紙製容器の軟質部分の折り返し端に、その内面同士又は外面同士が接着されていないトンネル状の未接着部分からなる隙間が生じやすい。上述したポリエステル層を備える紙製容器では、紙製容器の密閉性を高める要求を満たすうえで、トンネル状の隙間を小さくする技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する紙製容器用のブランクは、紙製容器の製造に用いる紙製容器用のブランクであって、前記紙製容器の側壁を構成する複数の側壁部と、前記紙製容器における隣り合う前記側壁の間に位置するとともに、前記紙製容器を組み立てる際に、折り返した状態にて内面同士及び外面同士が溶着される軟質溶着部とを備え、前記側壁部は、紙製の基材層、前記基材層の内面に設けられる内層、及び前記基材層の外面に設けられる外層を備え、前記内層は、前記基材層の内面に接する第1熱可塑性樹脂層、第2熱可塑性樹脂層、及び前記第1熱可塑性樹脂層と前記第2熱可塑性樹脂層の間に位置するポリエステル層を備え、前記外層は、前記基材層の外面に接する第3熱可塑性樹脂層を備え、前記軟質溶着部は、前記内層及び前記外層における前記基材層の端面よりも延出する部分が、前記第1熱可塑性樹脂層及び前記第3熱可塑性樹脂層にて溶着される部位であり、前記第1熱可塑性樹脂層及び前記第2熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂であり、前記ポリエステル層は、引張降伏応力が109MPa以上117MPa以下であり、かつ損失正接のピーク位置の温度が116℃以下である。
【0008】
ポリエステル層の引張降伏応力及び損失正接のピーク位置の温度を特定の範囲とすることにより、ポリエステル層における小さい応力で変形できる範囲が広がる。そのため、紙製容器を製造する際の溶着工程において、折り返した軟質溶着部を熱圧着する際に、内層が変形しやすくなる。これにより、軟質溶着部の折り返し端に生じるトンネル状の隙間を小さくすることができる。その結果、隙間を通じた流出又は流入が抑制されて、紙製容器を封止した際の密閉性が向上する。
【0009】
上記ブランクにおいて、前記ポリエステル層は、引張降伏応力が109MPa以上113MPa以下であり、かつ前記ポリエステル層の損失正接のピーク位置の温度が108℃以上111℃以下であってもよい。
【0010】
この場合には、ポリエステル層における小さい応力で変形できる範囲が広がる効果がより顕著に得られる。
上記ブランクにおいて、前記ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレンであってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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