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公開番号2023042071
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-27
出願番号2021149152
出願日2021-09-14
発明の名称衛星中継器
出願人日本放送協会
代理人個人
主分類H04B 7/185 20060101AFI20230317BHJP(電気通信技術)
要約【課題】衛星デジタル放送又は衛星デジタル通信に係る送信装置から重複する周波数で送信された2つの変調信号について、伝送劣化の低減を図り、且つ、伝送特性を良好に維持しながら高い出力での中継伝送を可能とするように階層分割多重化して受信装置に中継伝送する衛星中継器を提供する。
【解決手段】本発明の衛星中継器1は、送信装置10から高階層用及び低階層用とする2つの変調信号を受信する受信アンテナ11と、高階層用の変調信号について所定の規格化電力まで増幅する第1の増幅器12と、低階層用の変調信号について当該増幅後の高階層用の変調信号に対して所定の電力差となるまで増幅する第2の増幅器13と、当該増幅後の高階層用の変調信号と、当該増幅後の低階層用の変調信号とを空間合成又は信号合成等により合成した階層分割多重方式の変調信号を、受信装置20に向けて送信する送信アンテナ14と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
衛星デジタル放送又は衛星デジタル通信に係る送信装置から重複する周波数で送信された高階層用及び低階層用とする2つの変調信号について階層分割多重化して受信装置に中継伝送する衛星中継器であって、
前記送信装置から重複する周波数で送信された高階層用及び低階層用とする2つの変調信号を受信する受信アンテナと、
前記高階層用の変調信号について所定の規格化電力まで増幅する第1の増幅器と、
前記低階層用の変調信号について当該増幅後の高階層用の変調信号に対して所定の電力差となるまで増幅する第2の増幅器と、
当該増幅後の高階層用の変調信号と、当該増幅後の低階層用の変調信号とを合成した階層分割多重方式の変調信号を前記受信装置に向けて送信する送信アンテナと、
を備えることを特徴とする衛星中継器。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記階層分割多重方式の変調信号は、前記送信アンテナにおける空間合成により生成するか、或いは前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器と前記送信アンテナとの間に設けられる合成器によって信号合成することにより生成するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の衛星中継器。
【請求項3】
前記受信アンテナは、前記高階層用及び低階層用とする2つの変調信号を位相変調の変調信号として受信し、
前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器は、前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器間で所定の電力差が設定された上で、その電力差に応じた飽和出力を有する進行波管増幅器で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の衛星中継器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星デジタル放送又は衛星デジタル通信に係る送信装置から重複する周波数で送信された複数の変調信号について、階層分割多重化して受信装置に中継伝送する衛星中継器に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
現在、柔軟なサービスや放送・通信の実現に向けた階層伝送方式として、日本の地上デジタル放送で使用されている周波数分割多重(FDM:Frequency Division Multiplex)と、BSデジタル放送で使用されている時間分割多重(TDM:Time Division Multiplex)とがある。また、これに加えて、米国の次世代地上デジタル放送のATSC3.0では階層分割多重(LDM:Layered Division Multiplex)が開発・採用されている。
【0003】
階層分割多重(LDM)方式では、複数の変調信号を用いて、変調信号毎に電力を分割して割り当てることで、重複する周波数において信号の多重を行う技術である。そして、周波数分割多重(FDM)と階層分割多重(LDM)とを組み合わせた階層伝送方式についても検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
日本の地上デジタル放送における階層分割多重(LDM)方式では、そのLDMの変調信号毎にキャリア変調が行われ、それらの信号が一つに合成されてOFDM変調される。そこで、非特許文献1に開示される周波数分割多重(FDM)と階層分割多重(LDM)とを組み合わせた階層伝送方式では、送信側のLDMの変調装置からは2つの変調信号が合成された一つの変調信号が生成される。このため、その後段に接続される送信機や地上中継器では一つの変調信号として増幅・伝送される。
【0005】
尚、一般的なLDMの信号構成として、2つの変調信号を使用し、高い電力を割り当てる階層をUL(Upper layer)、低い電力を割り当てる階層をLL(Lower layer)とし、ULとLLとの各変調信号の電力差をIL(Injection level)と称している。
【0006】
このような階層分割多重(LDM)方式は、UL及びLLの双方を同一又は異なるデジタル変調方式とすることが可能であるが、例えばUL及びLLの双方を同一デジタル変調方式(例えばQPSK)としたときのコンスタレーション例を図4に示している。図4では、階層分割多重(LDM)方式の変調信号が、同相成分Iと直交位相成分QのIQ平面上の信号点として表すことが可能な信号点系列の信号として示されている。図4に示すように、UL及びLLの合成後の変調信号は、高階層(UL)の変調信号に基づく高階層(UL)(図4に示す◆)を中心に、低階層(LL)の変調信号がILの電力差(本例では6dB)でプロットされる信号点(図4に示す●)となる。
【0007】
ところで、地上デジタル放送では、従来から64QAMなど多値変調信号が使用されており、高出力の地上送信局や地上中継局において、非線形特性を有する増幅器を使用する際、供給電力に制限がない。このため、地上デジタル放送では、運用出力を超える最大出力を有する増幅器を使用することで、電力効率の高い飽和点(最大出力)よりも大幅に低い出力の動作点で運用するようにしている。これにより、電力効率は低下するものの、非線形特性をほとんど生じさせないため、伝送特性を良好に維持することができる。即ち、地上デジタル放送でLDMを使用する際でも、従来のFDMと同様の増幅器の運用による地上送信局や地上中継局が利用することが可能である。
【0008】
一方、衛星中継器を介した衛星デジタル放送又は衛星デジタル通信では、衛星中継器の限りのある発生電力を有効に使用する必要があるため、進行波管増幅器(TWTA:Travelling Wave Tube Amplifier)など衛星中継器に搭載される増幅器を電力効率の高い飽和点に近い動作点で運用することが求められる。そこで、例えば2000年から開始されたBSデジタル放送では、変調信号として位相成分のみで変調を行い、増幅器の非線形特性の影響を受けづらいPSK(8PSK,QPSK等)を適用することで、衛星中継器では運用出力(120W)と同等の飽和出力のTWTAを使用している。
【0009】
また、2018年から開始された新4K8K衛星放送では、帯域当たりの伝送容量の拡大に向けて、変調信号として振幅と位相の両成分で変調を行うAPSKを適用しているため、非線形特性による劣化を考慮し、運用出力(120W)よりも高い飽和出力(200W)を有するTWTAを衛星中継器に使用する必要性が生じてしまい、より高い発生電力を有する衛星中継器が用いられている。
【0010】
ただし、新4K8K衛星放送に対応した衛星中継器において、増幅器(TWTA)の出力バックオフとして約2.0dBが想定されるため(例えば、非特許文献2参照)、例えば飽和出力が200WのTWTAの場合、125Wでの運用出力に制限される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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