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公開番号2023042025
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-27
出願番号2021149083
出願日2021-09-14
発明の名称回転子
出願人株式会社明電舎
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02K 1/276 20220101AFI20230317BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】磁石使用量を削減することができる回転子を提供する。
【解決手段】回転子1の鉄心10の軸心と、任意の主磁極の中心とを結ぶ直線をd軸とし、d軸上の鉄心10よりも外周側に点Aを設定し、点Aを中心とする、第1の半径の第1の同心円に沿う鉄心10の部位に第1層側磁石溝11A,12Aを設け、第1の半径よりも長い第2の半径の第2の同心円に沿う鉄心10の部位に第2層側磁石溝21A~24Aを設け、第2の半径よりも長い第3の半径の第3の同心円に沿う鉄心10の部位に第3層側磁石溝31A~36Aを設け、第1層側磁石溝11A,12Aに磁石11,12を嵌合し、第2層側磁石溝21A~24Aに磁石21~24を嵌合し、第3層側磁石溝31A~36Aに磁石31~36を嵌合し、各磁石11,12、21~24、31~36は、各々の中心から延ばした中心線が点Aに集中する向きに各々配設する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
回転子の軸心と、マグネットトルクを生成する任意の主磁極の中心とを結ぶ直線をd-q軸座標のd軸とし、前記d軸と電気角で直交する軸をd-q軸座標のq軸とし、
前記各d軸であって、径方向断面視における回転子鉄心よりも外周側に設定した点Aを中心とする複数の同心円のうち、第1の半径の第1の同心円に沿う回転子鉄心の部位に、前記d軸を中心として線対称に離間して配設され、それぞれの四隅には外向きに広がる凹部が形成された複数の第1層側磁石溝と、
前記複数の同心円のうち、前記第1の半径よりも長い第2の半径の第2の同心円に沿う回転子鉄心の部位に、前記d軸を中心として線対称に離間して配設され、それぞれの四隅には外向きに広がる凹部が形成された複数の第2層側磁石溝と、
前記複数の同心円のうち、前記第2の半径よりも長い第3の半径の第3の同心円に沿う回転子鉄心の部位に、前記d軸を中心として線対称に離間して配設され、それぞれの四隅には外向きに広がる凹部が形成された複数の第3層側磁石溝と、
前記第1層側磁石溝に嵌合する2個の磁石であって、各々の中心から延ばした中心線が前記点Aに集中する向きに配設された第1層側磁石群と、
前記第2層側磁石溝に嵌合し、前記第1層側磁石群の各磁石と同一寸法の4個の磁石であって、各々の中心から延ばした中心線が前記点Aに集中する向きに配設された第2層側磁石群と、
前記第3層側磁石溝に嵌合し、前記第1層側磁石群および第2層側磁石群の各磁石と同一寸法の6個の磁石であって、各々の中心から延ばした中心線が前記点Aに集中する向きに配設された第3層側磁石群と、
を備えたことを特徴とする回転子。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記第1層側磁石溝の回転子鉄心外周側の角部は前記第1の同心円上に、前記第2層側磁石溝の回転子鉄心外周側の角部は前記第2の同心円上に、前記第3層側磁石溝の回転子鉄心外周側の角部は前記第3の同心円上に各々配設され、
前記第2層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部における、d軸側角部の曲率半径はq軸側角部の曲率半径よりも大きく設定され、
前記第3層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部における、q軸側角部の曲率半径はd軸側角部の曲率半径よりも大きく設定され、
前記第3層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部の曲率半径は、前記第2層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部の曲率半径よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
【請求項3】
前記第1層側磁石群の、d軸を介して隣接する2つの磁石の間隔をd1、前記第2層側磁石群の、d軸を介して隣接する2つの磁石の間隔をd2、前記第3層側磁石群の、d軸を介して隣接する2つの磁石の間隔をd3としたとき、d1<d2<d3となるように前記各磁石が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転子。
【請求項4】
前記第1層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部近傍の、回転子鉄心の外周端面上に設けられた第1の回転子鉄心外周溝と、
前記第1層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部と、前記第2層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部の間の、回転子鉄心の外周端面上に設けられた第2の回転子鉄心外周溝と、
前記第2層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部と、前記第3層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部の間の、回転子鉄心の外周端面上に設けられた第3の回転子鉄心外周溝と、
前記第3層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部近傍の、回転子鉄心の外周端面上に設けられた第4の回転子鉄心外周溝と、を備え、
前記第2~第4の回転子鉄心外周溝の深さは、第2の回転子鉄心外周溝の深さ≦第3の回転子鉄心外周溝の深さ≦第4の回転子鉄心外周溝の深さに設定され、
d軸から第1の回転子鉄心外周溝までの距離をg1、d軸から第2の回転子鉄心外周溝までの距離をg2、d軸から第3の回転子鉄心外周溝までの距離をg3、d軸から第4の回転子鉄心外周溝までの距離をg4とし、
前記第1層側磁石群の磁石の、回転子鉄心の外周端に最も近いd軸側の端部とd軸とのなす角度をf1とし、前記第2層側磁石群における回転子鉄心の外周端に最も近い磁石の、d軸側で且つ回転子鉄心の外周側の端部とd軸とのなす角度をf2とし、前記第3層側磁石群における回転子鉄心の外周端に最も近い磁石の、d軸側で且つ回転子鉄心の外周側の端部とd軸とのなす角度をf3とし、
前記第1層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部における、q軸側の端部とd軸とのなす角度をf1’とし、前記第2層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部における、q軸側の端部とd軸とのなす角度をf2’とし、前記第3層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部における、q軸側の端部とd軸とのなす角度をf3’とし、
0<g1<f1、f1’<g2<f2、f2’<g3<f3、(f3+f3’)/2≦g4≦f3’となるように設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回転子。
【請求項5】
前記第1層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部は、第1層側磁石溝のq軸側端部から回転子鉄心の外周に沿ってd軸側に延びる形状であり、且つ回転子鉄心を軸方向に貫通して構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回転子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両用のモータ(駆動モータ、発電機等)、特に永久磁石を多層に備えた永久磁石モータの回転子に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
電動車両用モータでは出力密度向上のため、永久磁石モータが広く採用されている。しかしレアアースを用いる磁石はコストが高く、モータコストの大半を占めているため磁石使用量の削減が課題となっている。既存設備を流用する場合などは、ロータ形状のみを変更することで設備改造費を抑えつつ磁石使用量の削減が可能である。
【0003】
従来、回転電機に設けられる回転子は、例えば特許文献1に記載のものが提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6737354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、センターブリッジ形状の工夫で応力を低減し、磁石寸法と配置でトルク向上(磁石使用量低減)を図っていたが、ロータ外周側のブリッジに言及が無く、寸法の異なる磁石を使用するため型費が余計に発生する問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、磁石使用量を削減することができる回転子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1に記載の回転子は、
回転子の軸心と、マグネットトルクを生成する任意の主磁極の中心とを結ぶ直線をd-q軸座標のd軸とし、前記d軸と電気角で直交する軸をd-q軸座標のq軸とし、
前記各d軸であって、径方向断面視における回転子鉄心よりも外周側に設定した点Aを中心とする複数の同心円のうち、第1の半径の第1の同心円に沿う回転子鉄心の部位に、前記d軸を中心として線対称に離間して配設され、それぞれの四隅には外向きに広がる凹部が形成された複数の第1層側磁石溝と、
前記複数の同心円のうち、前記第1の半径よりも長い第2の半径の第2の同心円に沿う回転子鉄心の部位に、前記d軸を中心として線対称に離間して配設され、それぞれの四隅には外向きに広がる凹部が形成された複数の第2層側磁石溝と、
前記複数の同心円のうち、前記第2の半径よりも長い第3の半径の第3の同心円に沿う回転子鉄心の部位に、前記d軸を中心として線対称に離間して配設され、それぞれの四隅には外向きに広がる凹部が形成された複数の第3層側磁石溝と、
前記第1層側磁石溝に嵌合する2個の磁石であって、各々の中心から延ばした中心線が前記点Aに集中する向きに配設された第1層側磁石群と、
前記第2層側磁石溝に嵌合し、前記第1層側磁石群の各磁石と同一寸法の4個の磁石であって、各々の中心から延ばした中心線が前記点Aに集中する向きに配設された第2層側磁石群と、
前記第3層側磁石溝に嵌合し、前記第1層側磁石群および第2層側磁石群の各磁石と同一寸法の6個の磁石であって、各々の中心から延ばした中心線が前記点Aに集中する向きに配設された第3層側磁石群と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の回転子は、請求項1において、
前記第1層側磁石溝の回転子鉄心外周側の角部は前記第1の同心円上に、前記第2層側磁石溝の回転子鉄心外周側の角部は前記第2の同心円上に、前記第3層側磁石溝の回転子鉄心外周側の角部は前記第3の同心円上に各々配設され、
前記第2層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部における、d軸側角部の曲率半径はq軸側角部の曲率半径よりも大きく設定され、
前記第3層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部における、q軸側角部の曲率半径はd軸側角部の曲率半径よりも大きく設定され、
前記第3層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部の曲率半径は、前記第2層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部の曲率半径よりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の回転子は、請求項1又は2において、
前記第1層側磁石群の、d軸を介して隣接する2つの磁石の間隔をd1、前記第2層側磁石群の、d軸を介して隣接する2つの磁石の間隔をd2、前記第3層側磁石群の、d軸を介して隣接する2つの磁石の間隔をd3としたとき、d1<d2<d3となるように前記各磁石が配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の回転子は、請求項1から3のいずれか1項において、
前記第1層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部近傍の、回転子鉄心の外周端面上に設けられた第1の回転子鉄心外周溝と、
前記第1層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部と、前記第2層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部の間の、回転子鉄心の外周端面上に設けられた第2の回転子鉄心外周溝と、
前記第2層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部と、前記第3層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部の間の、回転子鉄心の外周端面上に設けられた第3の回転子鉄心外周溝と、
前記第3層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部近傍の、回転子鉄心の外周端面上に設けられた第4の回転子鉄心外周溝と、を備え、
前記第2~第4の回転子鉄心外周溝の深さは、第2の回転子鉄心外周溝の深さ≦第3の回転子鉄心外周溝の深さ≦第4の回転子鉄心外周溝の深さに設定され、
d軸から第1の回転子鉄心外周溝までの距離をg1、d軸から第2の回転子鉄心外周溝までの距離をg2、d軸から第3の回転子鉄心外周溝までの距離をg3、d軸から第4の回転子鉄心外周溝までの距離をg4とし、
前記第1層側磁石群の磁石の、回転子鉄心の外周端に最も近いd軸側の端部とd軸とのなす角度をf1とし、前記第2層側磁石群における回転子鉄心の外周端に最も近い磁石の、d軸側で且つ回転子鉄心の外周側の端部とd軸とのなす角度をf2とし、前記第3層側磁石群における回転子鉄心の外周端に最も近い磁石の、d軸側で且つ回転子鉄心の外周側の端部とd軸とのなす角度をf3とし、
前記第1層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部における、q軸側の端部とd軸とのなす角度をf1’とし、前記第2層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部における、q軸側の端部とd軸とのなす角度をf2’とし、前記第3層側磁石溝のq軸側端部に形成された凹部における、q軸側の端部とd軸とのなす角度をf3’とし、
0<g1<f1、f1’<g2<f2、f2’<g3<f3、(f3+f3’)/2≦g4≦f3’となるように設定されていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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