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公開番号2023036154
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-14
出願番号2021143016
出願日2021-09-02
発明の名称難燃剤造粒物
出願人長瀬産業株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20230307BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】粉体状の難燃剤について、取扱性、安全性、作業環境改善性を向上させることができ、かつ、高濃度で難燃剤が配合された樹脂組成物または樹脂成形品の生産性向上に寄与し得る難燃剤造粒物を提供すること。
【解決手段】本発明の難燃剤造粒物は、粉体状難燃剤と、結着剤とを含み、該粉体状難燃剤の含有割合が、該粉体状難燃剤および結着剤の合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
粉体状難燃剤と結着剤とを含み、
該粉体状難燃剤の含有割合が、該粉体状難燃剤および結着剤の合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である、
難燃剤造粒物。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記粉体状難燃剤が、ハロゲン含有化合物系難燃剤、リン含有化合物系難燃剤、窒素含有化合物系難燃剤、無機系難燃剤および金属塩系難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の難燃剤造粒物。
【請求項3】
前記結着剤が、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、多糖類および膨潤性粘土鉱物からなる群から選ばれる少なくとも1種から構成される、請求項1または2に記載の難燃剤造粒物。
【請求項4】
前記結着剤が、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびエポキシ系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種から構成される、請求項1または2に記載の難燃剤造粒物。
【請求項5】
粉体状難燃剤と、結着剤とを混合する混合工程と、
混合工程を経て得られた混合物を造粒して造粒物前駆体を得る造粒工程と、
造粒物前駆体を乾燥する乾燥工程とを含む、
請求項1から4のいずれかに記載の難燃剤造粒物の製造方法。
【請求項6】
前記結着剤は、結着剤を含む水系液として添加される、請求項5に記載の難燃剤造粒物の製造方法。
【請求項7】
前記造粒工程において、半湿式造粒法により造粒することを含む、請求項5または6に記載の難燃剤造粒物の製造方法。
【請求項8】
前記造粒工程において、ディスクペレッター方式により造粒を行うことを含む、請求項5から7のいずれかに記載の難燃剤造粒物の製造方法。
【請求項9】
熱可塑性樹脂コンパウンドの原料としての、請求項1から4のいずれかに記載の難燃剤造粒物の使用。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃剤造粒物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂やエラストマーに難燃性を付与するために、粉体状の難燃剤を配合する場合がある。粉体状の難燃剤は、一般に嵩比重が小さく、移送における流動性が悪いために、輸送、貯蔵、梱包、加工機への供給安定性、等のハンドリング上の問題や、作業環境や人体に対する安全性において解決すべき課題が多い。特に、溶融混練装置(その代表として押出機を挙げることができる)を用いて、熱可塑性の樹脂やエラストマーに粉体状の難燃剤を配合する場合、とりわけ、高濃度で難燃剤を配合する場合において、粉体難燃剤の溶融混練装置への供給がネックとなって、溶融混練の生産速度が著しく低下してしまうという問題がある。特許文献1では、この解決策の一つとして、粉体状の難燃剤を粒状化することが提案されている。しかしながら、特許文献1では、高融点の粉体状難燃剤の造粒では結着力が不十分となる場合がある。最近では、非臭素の難燃剤として、リン含有化合物系難燃剤、窒素含有化合物系難燃剤、無機系難燃剤、あるいは金属塩系難燃剤の使用が増えており、粉体である場合が多い。また、UL94規格に代表される難燃規格において、高度な難燃レベルを安定して発現するために、高配合量で難燃剤を含む樹脂組成物が求められることが多くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平8-92562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、粉体状の難燃剤について、取扱性、安全性、作業環境改善性を向上させることができ、かつ、高濃度で難燃剤が配合された樹脂組成物または樹脂成形品の生産性向上に寄与し得る難燃剤造粒物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の難燃剤造粒物は、粉体状難燃剤と結着剤とを含み、該粉体状難燃剤の含有割合が、該粉体状難燃剤および結着剤の合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である。
1つの実施形態においては、上記粉体状難燃剤が、ハロゲン含有化合物系難燃剤、リン含有化合物系難燃剤、窒素含有化合物系難燃剤、無機系難燃剤および金属塩系難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
1つの実施形態においては、上記結着剤が、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、多糖類および膨潤性粘土鉱物からなる群から選ばれる少なくとも1種から構成される。
1つの実施形態においては、上記結着剤が、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびエポキシ系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種から構成される。
本発明のさらに別の局面によれば、上記難燃剤造粒物の製造方法が提供される。この製造方法は、粉体状難燃剤と、結着剤とを混合する混合工程と、混合工程を経て得られた混合物を造粒して造粒物前駆体を得る造粒工程と、造粒物前駆体を乾燥する乾燥工程とを含む。
1つの実施形態においては、上記結着剤は、結着剤を含む水系液として添加される。
1つの実施形態においては、上記製造方法は、上記造粒工程において、半湿式造粒法により造粒することを含む。
1つの実施形態においては、上記製造方法は、上記造粒工程において、ディスクペレッター方式により造粒を行うことを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、熱可塑性樹脂コンパウンドの原料としての、上記難燃剤造粒物の使用が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、粉体状難燃剤と結着剤とを含み、該粉体状難燃剤の含有割合が、該粉体状難燃剤と該結着剤との合計100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である難燃剤造粒物を形成することにより、粉体状の難燃剤について、取扱性、安全性、作業環境改善性を向上させることができ、かつ、高濃度で難燃剤が配合された樹脂組成物または樹脂成形品の生産性向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施例1で得られた難燃剤造粒物の外観写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.難燃剤造粒物の概要
本発明の難燃剤造粒物は、粉体状難燃剤(以下、単に難燃剤ともいう)と、結着剤とを含む。上記粉体状難燃剤の含有割合は、粉体状難燃剤および結着剤の合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である。難燃剤造粒物は、上記難燃剤が、上記結着剤により結合して構成される。
【0009】
本発明の難燃剤造粒物は、樹脂組成物の溶融コンパウンド(溶融混練)をはじめ、各種の可塑化溶融加工において、当該樹脂組成物に添加して用いられ得る。本発明においては、結着剤を添加して、難燃剤造粒物を造粒することにより、優れた効率で生産され得、かつ、品質安定性(形状安定性、硬度の均一性、低微粉混入)に優れる難燃剤造粒物を得ることができる。また、上記難燃剤造粒物を用いれば、樹脂組成物の生産性向上を図ることができる。具体的には、上記難燃剤造粒物は、押出機等の装置への投入安定性に著しく優れるため、当該難燃剤造粒物を用いれば、難燃剤含有樹脂組成物の生産性(時間当たりのコンパウンド加工速度)を飛躍的に向上させることができる。また、粉塵による作業環境汚染を著しく改善し、作業者の労働安全衛生環境を向上させることができ、設備の切り替え清掃の時間を大幅に短縮できる。さらには、本発明の難燃剤造粒物は、多量の難燃剤を含みながらも優れた生産効率で製造され得る。したがって、本発明の難燃剤造粒物を用いれば、高濃度で難燃剤が配合された樹脂組成物または樹脂成形品の生産性向上を実現することができる。
【0010】
1つの実施形態においては、上記難燃剤造粒物は、上記難燃剤と、上記結着剤とを含む混合物(例えば、水溶液または水系分散液)を任意の適切な方法により加工して、得ることができる。1つの実施形態においては、上記難燃剤造粒物は、半湿式造粒法により製造される。半湿式造粒法によれば、上記効果が顕著となる。
(【0011】以降は省略されています)

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