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公開番号2023033951
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-13
出願番号2021139944
出願日2021-08-30
発明の名称樹脂組成物および成形品
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 23/10 20060101AFI20230306BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】優れた水蒸気バリア性、機械物性、耐冷熱性、および低そり性を有するシール部材を得るための樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対してポリエチレン共重合体(B)1~40重量部を配合してなり、前記ポリプロピレン樹脂(A)の海相内に前記ポリエチレン共重合体(B)の島相が平均直径3.0μm以下で分散している樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対して、ポリエチレン共重合体(B)1~40重量部を配合してなり、前記ポリプロピレン樹脂(A)の海相内に前記ポリエチレン共重合体(B)の島相が平均直径3.0μm以下で分散している樹脂組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対して、さらに融点もしくはガラス転移点のいずれかが200℃以上であるエンジニアリングプラスチック(C)1~60重量部を配合してなる請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記エンジニアリングプラスチック(C)がポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、液晶ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも一つである請求項2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリプロピレン樹脂(A)の海相内に、前記エンジニアリングプラスチック(C)の島相が平均直径5.0μm以下で分散している請求項2または3に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記エンジニアリングプラスチック(C)がポリブチレンテレフタレートである請求項2~4のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリエチレン共重合体(B)がα-オレフィン-エチレン共重合体(b1)およびメタクリル酸グリシジル-エチレン共重合体(b2)から選ばれる少なくとも一つである請求項1~5のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記ポリエチレン共重合体(B)がα-オレフィン-エチレン共重合体(b1)およびメタクリル酸グリシジル-エチレン共重合体(b2)であり、ポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対して、α-オレフィン-エチレン共重合体(b1)を5~20重量部、およびメタクリル酸グリシジル-エチレン共重合体(b2)を5~20重量部配合してなる請求項1~6のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項8】
ASTM E 96 Bに従い求めた90℃での水蒸気透過係数が25g・mm/m

・day以下である請求項1~7のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項9】
ISO527(2012)に従い評価した-40℃環境下での引張伸度が10%以上である請求項1~8のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項10】
ISO527(2012)に従い評価した-40℃環境下での引張弾性率が2.2GPa以下である請求項1~9のいずれかに記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物およびそれを溶融成形してなる成形品に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
電気電子部品のケース部材、パッキン部材、および配管継ぎ手や電池に使われるガスケット部材などのシール部材は、樹脂や金属、セラミックなどの部材の間に挟み込まれることで部材間の隙間を埋め、密閉性を高めるために、柔軟な樹脂成形体が使用されている。
【0003】
さらに近年、車載部品や電池の長期信頼性の向上の観点から、シール部材には、高温などの過酷な使用環境でも密閉性を維持できることが求められている。その対策として、ポリプロピレン樹脂にエンジニアリングプラスチックスを10~50重量%混合した複合材料よりなるガスケット(特許文献1)や、円筒形電池の電池ケースと接触するアウターガスケットにおいて、基材樹脂層と、前記電池ケースと接触する表面樹脂層の少なくとも2層からなることを特徴とするアウターガスケット(特許文献2)、アイソタクティックポリプロピレン、プロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体、スチレン系エラストマー、およびエチレン・α-オレフィン共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物からなるガスケット(特許文献3)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平05-198292号公報
特開2008-204839号公報
国際公開第2006/057361号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、エンジニアリングプラスチックをポリプロピレン樹脂に配合することで急激な高温雰囲気あるいは温度変化の条件下による熱ストレスによる収縮を抑制できるが、一方で室温以下の低温では弾性率の上昇により柔軟性が低下し、さらに樹脂と金属との線膨張差により金属部材から剥離することで密閉性が低下し、またウェルド強度が低いことが課題であった。
【0006】
また特許文献2に開示された発明は、ガスケットの表層部をブロン樹脂などのより柔軟な樹脂とすることで、低温から高温までの温度変化による寸法変化に対し、金属部材との密着性を維持できるが、表層部の水蒸気バリア性が低いため、水蒸気が侵入することで部材の内部が劣化し、長期信頼性に課題があった。
【0007】
また特許文献3に開示された発明は、ガスケットをプロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体およびスチレン系エラストマーを配合してなるポリプロピレン樹脂組成物とすることで、高温でのゴム弾性および圧縮永久歪みに優れ、高温でも金属部材との密着性を維持することができるが、低温での金属部材との密着性や水蒸気バリア性が低下し、またウェルド強度が低く、さらに成形時のソリが大きく組付け時に密閉性が低下することが課題であった。
【0008】
本発明は、優れた機械物性、低温および高温での金属部材との密着性、水蒸気バリア性に優れ、さらに成形時のソリが抑制でき、ウェルド強度にも優れる樹脂組成物およびその成形品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記した課題を解決するために検討を重ねた結果、ポリプロピレン樹脂に特定の配合量で特定の熱可塑性樹脂を配合し、さらに特定の海島構造となるようにアロイ化することで、優れた機械物性や水蒸気バリア性を発現しつつ、低温および高温での金属部材との密着性やウェルド強度に優れ、さらに成形時のソリが抑制できることを見出し、本発明に達した。すなわち本発明は、以下の構成を有する。
[1]ポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対して、ポリエチレン共重合体(B)1~40重量部を配合してなり、前記ポリプロピレン樹脂(A)の海相内に前記ポリエチレン共重合体(B)の島相が平均直径3.0μm以下で分散している樹脂組成物。
[2]前記ポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対して、さらに融点もしくはガラス転移点のいずれかが200℃以上であるエンジニアリングプラスチック(C)1~60重量部を配合してなる[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記エンジニアリングプラスチック(C)がポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも一つのである[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記ポリプロピレン樹脂(A)の海相内に、前記エンジニアリングプラスチック(C)の島相が平均直径5.0μm以下で分散している[2]または[3]に記載の樹脂組成物。
[5]前記エンジニアリングプラスチック(C)がポリブチレンテレフタレートである[2]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]前記ポリエチレン共重合体(B)がα-オレフィン-エチレン共重合体(b1)およびメタクリル酸グリシジル-エチレン共重合体(b2)から選ばれる少なくとも一つである[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]前記ポリエチレン共重合体(B)がα-オレフィン-エチレン共重合体(b1)およびメタクリル酸グリシジル-エチレン共重合体(b2)であり、ポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対して、α-オレフィン-エチレン共重合体(b1)を5~20重量部、およびメタクリル酸グリシジル-エチレン共重合体(b2)を5~20重量部配合してなる[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8]ASTM E 96 Bに従い求めた90℃での水蒸気透過係数が25g・mm/m

・day以下である[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9]ISO527(2012)に従い評価した-40℃環境下での引張伸度が10%以上である[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10]ISO527(2012)に従い評価した-40℃環境下での引張弾性率が2.2GPa以下である[1]~[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11][1]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物を溶融成形してなる成形品。
[12][1]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物を溶融成形してなるシール部材。
[13][1]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物を溶融成形してなる電池ガスケット。
【発明の効果】
【0010】
本発明の樹脂組成物によれば、優れた機械物性や水蒸気バリア性を損なうことなく、低温および高温での金属部材との密着性やウェルド強度に優れ、さらに成形時のソリが抑制された成形品を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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